すでに東京女子医科大学が採用している“Opect”とは

Kinectの技術が医療現場を変える 手術室向けの医療システム“Opect(オペクト)”とは_06
ニチイ学館の齊藤正俊社長(右)と日本マイクロソフトの樋口泰行社長(左)

 本日(2012年10月1日)、ニチイ学館と日本マイクロソフトは共同記者会見を開き、医療機関向け事業の製品開発と販売について業務提携したことを発表した。この事業の一環として、10月1日から販売を開始する手術室向けの医療システム“Opect”にKinect for Windowsの技術が採用されている。

 今回の業務提携については、医療関連分野において約40年間、事業を展開してきたニチイ学館の豊富なネットワークと人材をさらに効率よく活用するために、IT化の流れを強化する目的で行われたもの。日本マイクロソフトは医療機関向けの経営支援サービス、診療支援サービス、地域連携サービスを共同開発することになっているが、そのうち診療支援サービスのひとつが手術室向けの非接触型画像操作システム“Opect”だ。

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 これまで、手術中に執刀医が患者のさまざまな情報を端末上で閲覧するには、滅菌器具を外したり術野を離れてから端末を操作するしかなかったが、 Kinect for Windowsの音声認識やモーションセンサー機能を活用することで、執刀医は端末に直接触れることなく自然なしぐさで操作でき、術場の清潔さを維持したまま必要な情報に直感的にアクセスできるようになる。このOpectは本日から販売開始(提供価格は49万8000円[税込])となるが、すでに東京女子医科大学病院の脳外科では約半年前から試験的に採用されており、現場の医師の評判は上々のようだ。すでにゲームだけにとどまらず、医療や住宅(関連記事は→こちら)の分野において活躍の場を広げているKinect。今後の展開にも注目していきたい。

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▲両社の共同開発により誕生した“Opect”。すでに採用されている東京女子医科大学の医師の声や実際に手術中に使用されている場面がスライドに上映された。