《あらすじ》大正初め、大阪・岸和田の呉服商に生まれた小原糸子(尾野真千子=写真)は、ドレスに魅せられ洋装店を開く。夫は戦死し、女手ひとつで3人の娘を育てる。モデルはファッションデザイナーのコシノ3姉妹の母、小篠綾子さん。 NHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」が好調だ。大阪・岸和田を舞台にした“女の一代記”が視聴者を引き込むのは、従来の朝ドラにはない仕掛けにありそうだ。その魅力を、大阪出身の作家、柴崎友香さんと、テレビドラマ・映画「モテキ」監督の大根仁さんが語る。 ■演技秀逸、「業の肯定」も新鮮 大根仁 ――歴代ヒロインと今回の糸子は何が違うのでしょうか。 大根 芯の強さが尋常じゃない。自分で人生を切り開いて成長し、周りも成長させていくのは、見ていて気持ちいいし、かっこいい。でもやっぱり、尾野真千子の演技ですね。 柴崎 本当にうまい。娘時代、娘が3人いる時、その年代の顔にちゃんとなって