幼い頃の高木ブーさんにとって、東京・巣鴨の生家での暮らしは毎日楽しいことの連続だった。両親と大塚の映画館で観た時代劇、庭に飼っていた鶏の鳴き声、お弁当のゆで卵……。しかし、昭和20年の空襲ですべてが大きく変わってしまう。前回に続いて家族との大切な思い出を振り返ってもらいつつ、戦争の記憶を語ってもらった。(聞き手・石原壮一郎) 【画像】生家の庭にあった防空壕から顔を出す幼少期の写真、久しぶりの外食でビールジョッキを片手にカメラを見る高木さん、「インターナショナル ウクレレコンテスト」のポスター、「山岸伸写真展 瞬間の顔Vol.14」に掲出される高木ブーさんの写真 ◆77年前の空襲で命を落としていたかもしれない こんなことを自分で言うのもヘンなんだけど、この記事が公開される3月8日は、僕の89回目の誕生日です。この歳まで元気でウクレレを演奏できているのは、本当に嬉しい。まわりの人たちに恵まれ続