私は以前から周波数オークション(および逆オークション)を提案しているのだが、総務省には聞いてもらえない。2001年にその是非が検討されたときも、審議会に経済学者がいないので、「キャリアの経営が破綻する」とかいうナンセンスな理由で却下された。しかし本書を読むと、オークションというのは、そんな恐いものではないことがわかるだろう。 オークションは、マクミランもいうように自分の評価を正直に申告させるメカニズムである。しかし実際には、人間は合理的でも正直でもないので、eBayやヤフオクではスナイパーなどさまざまな変則的行動が起こる。本書は実験経済学の成果も踏まえて、ゲーム理論の最新の成果をおもしろく伝えている。 こうした理論で、ウェブ上で起きている現象を説明できる。たとえばGoogleが急成長した一つの理由は、広告オークションだ。検索広告はGoogleの発明ではなく、Bill Grossが彼の特