東京都三鷹市の国際基督教大(ICU)の図書館で、一度も借りられたことのない本だけを集めた「誰も借りてくれない本フェア」が開かれている。16日から始まり、一般の利用はできないにもかかわらず、17日夕までのツイッターのリツイートは約1万6千件に。大学図書館も「こんな大げさなことになるとは」と驚く。 大学図書館には約80万冊の蔵書があり、年間約1万冊ずつ増えている。館内の書架に並ぶのは、このうち約40万冊で、あとは希望があった時に倉庫から出してくる。図書館は開学と同時の1953(昭和28)年設置。同大の学生の年間の平均借り出し数は1人49・9冊(2013年度)と全国の大学でも有数の多さというが、中には一度も開かれなかった本がある。「本は利用されてなんぼ。まずは読んでもらいたい」(図書館の相徳真理さん)と企画した。 専門書はそもそも読む人が限られるため、新書を対象とした。リストをまとめると約860
デモ、テロ、革命、戦争などの騒乱のニュースと言えば中東と言う事になるが、中東事情に詳しい日本人は多くはいないと思う。日本に限らず、欧米でも中東事情に詳しい人は少ない。もし多ければ方向性の定まらない政治混乱を、『アラブの春』と命名する事は無かったはずだからだ。 世界史を勉強し、解説記事を読んでいれば、シーア派、スンナ派、ジハードなどの用語には詳しくなれると思う。しかし、それらの言葉がいつどのような経緯で出来たものか説明できるようにはならない。そして、単語を断片的に知っているだけでは、中東事情を理解するのには、心もとない。 1. 中東のムスリムを中心に語る歴史の本 日本人の中東に関する知識が断片的なのは、どうしても日本との関わりを基本に他国の歴史を俯瞰してしまうためであろう。古代、中世、近世で、やはり中国や欧州の影響が大きい。外国の歴史知識はどうしても限られてくる。これは欧米でも同様で、中東史
歴史の本は色々あるのだが、『スパイス、爆薬、医薬品 — 世界史を変えた17の化学物質』には、化学物質から見た切り口がこんなに面白い事を思い知らされた。 普通の歴史の本では、何かが発明された、何かの交易が高まったと、財についてはぶっきら棒に叙述され、その財がいかに革新的なものであったか理解するのは難しい事が多いように思える。本書は財の成分である化学物質にまで踏み込むことで、その革新性を良く説明することに成功している。著者の化学者二人は歴史の要因は複数あると控えめだが、化学物質が政治や経済を決定して来た事に疑念を抱かせない。そして化学畑の人でなくても、化学構造式が便利な道具だと良く分かる秀逸な本だ。 本書で取り扱う化学物質は、化学物質と言ってもビーカーで何かをかき混ぜて作らないといけない物質には限られない。香辛料、かんきつ類、砂糖、木綿など、身近な物も多く紹介されている。これらが発見・利用され
4時間30分 「幸福の王子」のお話を、覚えていますか? 困っている人たちを助けるために、きらびやかな銅像の王子が、身体に付けられた装飾品を一つひとつ施していく。動けない王子に代わって「使者(パシリ)」を務めるのが、イヤと言えない一羽のツバメ。王子の善行の手助けをするうち、ツバメは冬を迎え、凍え死にしてしまう。 本書は、このような子供の頃に誰もが親しんだ童話や昔話を、十分に世間を体験した目で読み直してみようという企画だ。 「桃太郎」から「美女と野獣」「蜘蛛の糸」まで、全部で15話。表題のように、主人公のその後を綴るなど、エッセイと創作の間をゆく、宙ぶらりんさが特色をなしている。 冒頭の王子とツバメの話で、ワタシは小学校の国語の時間の記憶がよみがえった。お決まりの感想文を求められたのだ。 〈王子はどうして、ツバメを死なせてしまったのか。ツバメを殺したのは王子だ。だから、王子が嫌いになり、銅像が
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く