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『極悪女王』:ロマン優光連載309

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あと、出てくる男性がやたらとどこでもタバコを吸っているのが当時の時代性の反映として成功しているのではないかと思う。

脚本の一部に鈴木おさむっぽさが出ていて気になるという人もいるが、個人的には他の部分のよさで相殺されていて、あまり気にならなかった。白石監督のクセと鈴木のクセがぶつかることで相殺されて、ある意味でいい感じになったのではないかとも思う。

前半部(「ダンプ松本」誕生以前)と最終話で自分は涙がでそうになった部分が多く、実在の人物の歴史を知っていることで必要以上に上乗せされて泣きそうになった部分もあるとは思うが、それを外したとしてもいい青春ドラマだったと思う。

山崎照朝、片岡鶴太郎、木村一八に現実ではあたる人達がチョロっと出てくるのも楽しかった。しかし、『毎度おさわがせします』の撮影風景が出てくるとは想像してなかったな。

あと、ダンプの妹・広美のツッパリの彼氏・誠が何となく好きです。

「ブック」問題

ここからはかつてプオタ(プロレスオタク)だった人間としての感想になる。

この作品は実在の人物の人生をモデルとしたドラマであり、あくまでフィクションである。実際の歴史とは異なる。ダンプとクラッシュ、及びクレーン・ユウと大森ゆかりを交えた55年組を中心とした青春ドラマとして成立させるために、実際の歴史から切り捨てる部分があったり、事実を改変したりするのは面白くするためには当然のことである。また、全5話という長さでは省略しなければならないこともある。たとえば、ミミ萩原にあたる人物がでてこないのは話の焦点がぼやけるし、そんな尺もないということで納得できる。映画『あの頃。』でも、当事者なのに映画に登場していない実在人物は何人もいた。

ただ、ジャガー横田とデビル雅美がドラマ内で割を食っているなとは思う。自分からシュートを望んでおいて、実際にシュートで負けると相手が自分の仲間にリンチされているのを黙認するジャガーというのはちょっとセコいように感じる描き方だなと思うし、デビルもなんか微妙な描かれ方で。

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