大学の非常勤講師として、文章の書き方(文書作法)を大学生に教えるようになって3年です。この夏はその延長というか、課外活動というか、学生有志の勉強会でも指導しました。学生の1人は終戦の日に靖国神社の資料館「遊就館」を訪ねた経験を作文に書きました。戦死者の遺書を読み、何万人もの戦死の、その一つ一つの生に物語があったことを認識したこと、戦争の悲劇を繰り返してはいけないと感じたことをつづっていました。そして自問自答でした。「戦争をしてはいけない」。子どものころからそう教わってきたが、その先を考えたことはあっただろうか、と。戦死者は美しく描かれる、だが一面から見た物語だけでなく、多方面から事実を学び、未…