しがない慶應生

慶應生の読書記録etc

梅崎春生「怠惰の美徳」は大学生のバイブル

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飯を食った後に寝っ転がり、家族の苦言を聞きながらも夢心地で1日を振り返っている時間はないだろうか。どんなにしつこく言ってもこの時間を心から嫌い人はいないであろう。

この本はまさにその「怠惰」を全力で肯定してくれる。肯定してくれるだけではない。梅崎春生自身がこの生活を送りながら自らを正当化するのだ。その方法は病気から戦後の退廃的雰囲気まで多岐に渡る。 

私は梅崎春生の面白いところはこんなだらしない生活を送って身につけた知恵がことごとく失敗することである。この本を読んだあと梅崎をどう思うかは千差万別であると思うが、少なくとも私は彼の代表作である「ボロ家の春秋」をすぐに手に取るほどにハマってしまった。

戦後の退廃期を彼だけの哲学で生き延びた過程を、ぜひこの本を読んで知って欲しい。昭和特有の永遠にも感じられる朗らかな世間の様子にも注目だ。

 

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