アート・書
-
三毒狩り
/329 東山彰良 画 信濃八太郎
2024/9/28 13:02 1018文字陽(ひ)が落ちると、鼻面(はなづら)を道路脇の溝に突っこんでいる小さなトラックの陰で火を熾(おこ)した。 鬼魂は夜目が利くので、こちらがいくら夜陰に紛れようとも見つかるときは見つかる。寒空の下で火を熾さない理由がなかった。トラックの荷台には綿花を縄で束ねた梱(こり)が積まれており、そのうちのいくつ
-
門司港駅関連遺構 来月3日に説明会 考える会が現地で /福岡
2024/9/28 05:09 280文字初代門司港駅関連遺構の保存を求める「門司・北九州の未来を考える会」(平出隆代表)は10月3日午後4時半、遺構周辺で市民への現地説明会を開く。 北九州市が遺構を解体し建設する複合公共施設について、建設後の眺望の変化、水害発生時の安全性、市が建設目的の一つに掲げるにぎわい創出の可否などについて、現地を
-
棟方志功、東郷青児、香月泰男… 買い物客ら名画にうっとり 大丸下関に美術画廊復活 /山口
2024/9/28 05:07 668文字大丸下関店(下関市竹崎町)の3階に美術画廊が復活オープンした。2019年秋の改装でなくなったが客からの要望などを受けて久々の復活となった。記念の「開廊美術市」は30日までで、買い物客が名画の前で足を止めている。 美術画廊では著名作家の作品の展示・販売をしており、鑑賞は無料。改装でなくなった一方で、
-
個性光る多彩な作品 豊岡あすまで 美術愛好家 協会展 /兵庫
2024/9/28 05:06 302文字豊岡市内の美術愛好家でつくる市美術協会(加藤裕会長)などによる「第49回豊岡市美術協会展」が27日、市立交流センター豊岡稽古(けいこ)堂で始まった。29日まで。入場無料。 油彩画▽水彩画▽日本画▽立体造形など30点を16人が出品。来場者は大小の画布に描かれた人物画や抽象画など多彩な作品をじっくり鑑
-
「描く人、安彦良和」作品紹介
「描く人、安彦良和」作品紹介/上 アニメの絵、重厚な一枚に /広島
2024/9/28 05:05 471文字島根県立石見美術館(島根県益田市)で開かれている回顧展「描く人、安彦良和」(毎日新聞社など主催)から、主な展示作品を3回に分けて紹介する。 ◇ 安彦良和のアニメーターとしての人気を不動のものとしたのが、1979年にテレビ放映された「機動戦士ガンダム」だ。多様なキャラクターのデザインと、生
-
-
県展最優秀 日本画、日高川・小野さん 工芸、橋本・高井さん /和歌山
2024/9/28 05:04 289文字第78回県美術展覧会(県展=県主催、県教委、県立近代美術館、県美術家協会、毎日新聞和歌山支局、県文化振興財団、橋本市、新宮市、上富田町共催)は27日、和歌山市の県民文化会館で日本画と工芸の審査があった。 日本画(出品13点)は、名都美術館学芸課長の鬼頭美奈子さんら審査員5人が入選10点(うち入賞3
-
幸村の縁、秀吉像救う? 切腹命じられたおい・秀次の菩提寺 「居心地悪いのでは」町に寄贈 九度山 /和歌山
2024/9/28 05:04 536文字豊臣秀吉のおい、秀次(1568~95年)の一族の菩提(ぼだい)を弔う京都市中京区の瑞泉寺が、安置していた豊臣秀吉公木像(高さ54センチ)を真田信繁(幸村)ゆかりの九度山町に寄贈した。同町役場であった寄贈式で、中川龍学住職(58)が木像の経緯などを語り、岡本章町長は「幸村は秀吉と縁が深い。催しの機会
-
富岡製糸場と歩んだ女性たち
/下 接客技術 育ててくれた 化粧品販売通じ成長見守った佐藤さん /新潟
2024/9/28 05:03 1184文字群馬県富岡市の上州富岡駅から世界遺産「富岡製糸場」に向かう途中にある商店街。観光客が行き交う宮本町通りは、かつて10代半ば~20代前半の若い女性たちでにぎわった。 製糸場から徒歩5分ほどにある化粧品店「パルやまき」を営む佐藤正子さん(81)は、働き始めた55年前を振り返って目を細める。「製糸場に住
-
江戸時代に考案、和紙加工 擬革紙の可能性次代へ 歴史や作品紹介 玉城で企画展 /三重
2024/9/28 05:03 587文字和紙を皮のように模した「擬革紙(ぎかくし)」の歴史と作品を紹介する企画展が29日まで、玉城町勝田の町保健福祉会館ふれあいホールで開かれている。「参宮ブランド『擬革紙』の会」(堀木茂会長)の結成15周年と県伝統工芸品指定10周年を記念して開催。資料約100点を並べ、その魅力に迫っている。 擬革紙は、
-
芭蕉生誕380年 月見の献立で令和の宴 再現の会企画「翁のもてなし」 伊賀白鳳高生考案デザートも /三重
2024/9/28 05:03 839文字伊賀で生まれ育った松尾芭蕉(1644~94年)の生誕380年を記念し、芭蕉の句碑を巡った後、芭蕉が故郷で催した月見の会で出した「月見の献立」の再現に取り組むグループが調理した料理を味わう「翁(おきな)のもてなし」が27日、伊賀市上野赤坂町の市史跡「芭蕉翁(おう)生家」などであり、参加者は芭蕉の時代
-
-
学生書玄競書 入賞者決まる /千葉
2024/9/28 05:02 235文字書道団体「書玄会」(加藤裕会長)の第58回学生部書玄競書大会(毎日新聞社など後援)の入賞者が決まった。1部の書写・書道と2部の芸術に、計1145点の応募があった。上位入賞者は次の皆さん。(敬称略、数字は学年) <1部>名古屋市教育委員会賞=椎名瑠子(市川市立東国分中2)▽中日書道会賞=林奏多(市原
-
いばらき「館」を歩く
牛久市住井すゑ文学館 差別に異を唱えた生涯 /茨城
2024/9/28 05:02 607文字<いばらき「館(やかた)」を歩く> 明治以前から続く身分差別問題をテーマに、戦後に大ベストセラーとなった大河小説「橋のない川」を著した作家の居宅を改修した「牛久市住井すゑ文学館」は2021年に開館した。 住井は1902(明治35)年に「橋~」の主人公と同じ奈良県に生まれ、農民文学者の夫・犬田卯(し
-
心に染みる「家族の記憶」 岩槻人形博物館 高橋まゆみさん作品展 人生重ね涙、笑顔、「ほっ」… /埼玉
2024/9/28 05:02 2393文字どこか懐かしく、心が温まる人形展が「さいたま市岩槻人形博物館」で開かれている。農作業の合間なのだろう、おじいさんとおばあさん、孫がおいしそうにおむすびを食べている、といった作品たちが来館者をノスタルジックな世界に導いている。【瀬尾忠義】 長野県飯山市で暮らす人形作家、高橋まゆみさん(68)の作品を
-
浮動
/134 上田岳弘 倉田悟・絵
2024/9/28 02:01 892文字「直近でもイギリスの植民地として存在し、独立がなされたのは、1947年、1世紀も経(た)っていない。だから、自分たちがどういう集団であるのか、よくよく考える必要があるのさ。さもなくば命を賭して独立を勝ち得ようとする機運が高まらない。だから、彼らの本当の名前もこれからしばらくお世話になる我々は知って
-
地域文化のゆりかごに幕 神戸・世良美術館が来春閉館、惜しむ声
2024/9/27 14:30 1091文字◇小磯良平と親交 神戸・御影の住宅街にある個人美術館「世良美術館」(同市東灘区御影2)が来春、閉館する。神戸出身の洋画家、小磯良平(1903~88年)と親交があった画家の世良臣絵(とみえ)さん(故人)が32年前に私財を投じて開設したレンガ造りの美術館で、絵画に囲まれた欧州のサロンの雰囲気が芸術ファ
-
-
古本屋に「戦争前夜の極秘資料」 名大教授が発見、未来技術遺産に
2024/9/27 13:08 1159文字国立科学博物館(東京)が9月、次世代に引き継ぐべき未来技術遺産として登録したのは、太平洋戦争前夜に作成された「極秘資料」だった。その原本を約30年前、古本屋で探し当てた名古屋大環境学研究科の西澤泰彦教授(64)=建築史=は「戦争に向かう日本を知る歴史的資料」と話す。 未来技術遺産(正式名・重要科学
-
三毒狩り
/328 東山彰良 画 信濃八太郎
2024/9/27 13:08 981文字「言うな!」大宝がおいおい泣きながら李平を抱きしめた。「もうなにも言うな、平平(ピンピン)。大丈夫じゃ。わかっとる、おれにはちゃんとわかっとるから……おまえはいまも生娘のままじゃ。ええか、汚れを知らん綺麗(きれい)な生娘じゃぞ」「木のいちもつは取りはずし可能じゃった!」 ふたりは抱き合ってワアワア泣
-
町田そのこさん著「わたしの知る花」 “絵描きジジイ”語り手が描く
2024/9/27 11:00 2031文字福岡県在住の作家、町田そのこさんの新著『わたしの知る花』(中央公論新社、1870円)が刊行された。2021年に本屋大賞を受賞した『52ヘルツのクジラたち』(同)も映画化され、年内にさらに2冊出るという新刊ラッシュの町田さんに話を聞いた。【上村里花】 「一人の人物を、本人ではなく周囲にいる人の語りか
-
大谷翔平とその時代
「大谷翔平は鉄腕アトム」 作曲家・池辺晋一郎さんが見る人間らしさ
2024/9/27 10:00 1581文字中学時代は2番でショート。作曲界の重鎮、池辺晋一郎さんはテレビで中継を見ながら曲を作るほどの野球好きだ。大の広島カープファンだが、米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手が出場する試合は「家にいれば必ず見る」という池辺さん。「大谷選手は鉄腕アトム」と語る。 ◇大谷選手の意識とは (日米通算4367安打
-
小泉今日子と岡崎京子 「型破り」な2人のキョウコをつなぐカギ
2024/9/27 07:00 2665文字物言うアイドル、物書くアイドル。キョンキョンこと小泉今日子さんは1980~90年代、そんな「型破り」なポジションでアイドル界に独自の道を切り開いた。 同じころ、漫画界に風穴を開けたもう一人の「キョウコ」がいた。サブカル誌から青年誌、そして女性ファッション誌へと活躍の場を広げた岡崎京子さんだ。 社会
-