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読書記録 「古典がおいしい! 平安時代のスイーツ」

基本は子ども向けの事典のようなハードカバーの大型本ですが、平安時代の物語がわかりやすく解説されているほか、古代のスイーツをできるだけ簡単に再現するレシピが画像付きで紹介されています。

小学生高学年の夏休みの自由研究などにもおすすめですが、

…大人でもかなり面白いです!

(2021年発行 定価2500円+税)

千年も前に食べられていたお菓子は、おいしいのか。
どんなお菓子が食べられていたかは、なぜわかるのか。

古代の貴重なお菓子の甘さには「あまづらせん」が使われていました。
樹液を採取して「あまづらせん」が出来上がるまでは、本当に大変です。
本来の作り方を紹介しつつ、まず、より簡単に再現できる水と砂糖で「あまづら風シロップ」を作ってから、「けずり氷」(かき氷)を作ります。

そのあと、「源氏物語」「今昔物語」「和泉式部集」「うつぼ物語」「土佐日記」をそれぞれ軽く紹介しつつ、そこに出てくるお菓子「つばきもち」「ふずく」「むぎなわ」「いもがゆ」「母子もち(くさもち)」「まがり」「からくだもの」の作り方を解説します。

それぞれの物語を調べて、実際にお菓子を再現して感想をまとめれば自由研究になりそう。どうでしょうか?(誰に言ってるのかしら 笑)

少し前に、奈良の「ぶと饅頭」をいただきましたが、お供えとしての「ぶと」が解説されていました。なるほど!

 唐果物(からくだもの)は、今も日本のいくつかの神社で神様へお供えする「新撰(しんせん)」として残っています。奈良市にある春日大社では、1200年間変わらない製法で、唐果物の「ぶと」、「きくぶと」、「たかまがり」、「みつばいし」などが作られています。同じく奈良市にある漢國(かんごう)神社では、いくつかの行事で唐果物を見ることができます。
 平安時代には、特に格が高い8種類の唐果物は「八種唐果物(やくさのからくだもの)」と呼ばれました。その中の「だんき」は、「清浄歓喜団(せいじょうかんきだん)」という聖天(しょうてん)さん(歓喜天(かんきてん))へのお供物として伝わっていて、京都の和菓子屋さんで買うことができます。

「古典がおいしい!  平安時代のスイーツ」P51より抜粋


↓ 「だんき」はこちらで購入できます(解説があります)


↓ 「萬々堂通則」さんのぶと饅頭は、春日大社の許可を得て、生地を小麦粉に変えてあんこを入れて作られています


最初から全ては無理ですが、こうやっていただいたものが知識とリンクして、和菓子への理解が深くなっていっていく過程が楽しい日々です。


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