Pay it Forward,By Gones

上越教育大学 教職大学院 教授 片桐史裕のブログ

桜木杏、俳句はじめてみました

ここ数年、堀本裕樹の俳句解説や対談本を読んでいる。そんな中、小説があったので、読んでみた。桜木杏という俳句に興味が全くなかった女性が母親に連れられて句会に参加した1年を月ごとにエピソードを記述するという形の小説だ。

句会に参加している様々な人が、どのような背景で、どのように言葉を選んでその句を作ったのかが細かく書かれていて、とても面白い。

私も毎年「中学校高等学校国語科授業づくり演習」という大学院の授業で1コマだけ担当し、句会を開く。

俳句は句会を開くからこそ面白いのだと思っている。作りっぱなし、読みっぱなしではなく、どうしてその句を選んだのか、何が気に入ったのか、何が刺さったのか、また逆に、どうしてその句を選ばなかったのかを語ったり、聞いたりするのが面白い。

句会で学びがあるのは自分の句を「どうして選んでくれなかったのか」を聞くときだ。主人公の杏も選ばれないことに悶絶するが、どうして選ばれないのかを考える姿があって共感する。

登場人物には、「この人に選ばれたい」と思って投句する人もいるし、「この人の句を選びたい」と思って、選句する人もいる。しかし、選ぶ、選ばれるとは関係無しに、「こういう表現が最適だ」と思って作句し、投句する。その時に言葉に向き合い、言葉に敏感になり、言葉の上手な使い手になるのだと思う。

俳句を作ることで、季語を意識し、季節に敏感になる。まさに私の言っている「語先」だ。俳句はそれを簡単に可能にする。そうすることでその季語や季節が「自分のもの」になる。

「自分の言葉で表現する」という言葉を簡単に学生たちは学習指導案を作るときに使う。「自分の言葉」って何?と訊ねても答えられない。つまり、学生が「自分の言葉で」と使っている時その言葉が「自分の言葉」になっていないことが分かる。

言葉のコピペは安易にしたくない。(806字)

侍タイムスリッパー


イオンシネマ新潟南視聴 2024年 未来映画社

侍がタイムスリップする話。
私は町山智浩さんのラジオ情報で観に行きたいと思ったのだけれど、開場はほぼ満員。一体この人たちは、どんな情報から観に来ているのだろう?昨日新潟では公開開始ということもあるのだが、私も含め、こんな年寄りたち満員で観る映画も珍しい。

映画の音響を手がけていた人がほぼ手作りで映画を作ったということなので、編集(特に、画像と音がちょっとずれている)や、差し挟むコテコテギャグとか、演技の朴訥さとか、ツッコミどころは満載なのだけれど、映画が好きな人が映画作りを題材に作った映画は、みていて楽しいし、ぐっとくる。

古くは「地獄でなぜ悪い」、「桐島、部活やめるってよ」とか、ここ数年では、「カメラを止めるな!」「止められるか、俺たちを」とか。

町山さんがラジオで話した2〜3週間前は、数館でしかかけられていなかったけれど、口コミで評判が広まり、今や全国展開している。「カメラを止めるな!」のよう。

昔テレビは時代劇を毎週やっていた。「水戸黄門」とか、「暴れん坊将軍」とか、子どもの頃はそれらを必ず観ていて、でも今はあまり放映されていない。そんな状況を体験している人には刺さるかな?

忘れられてしまうかもしれない文化を好きで、守りたいと思って、携わっていく。徐々に廃れて行くのだけれど、その終わりは「今ではない。」といって次世代に受け継ごうとしていく。

ダジャレや、コテコテギャグや、そういうもの、小さい頃には単純それに触れると心から笑っていたのだが、思春期になると「下らない」と毛嫌いし、でも、歳をとるとまた素直に笑ってしまう。時代劇もそうなのかもしれない。

しかし、映画の中のコテコテギャグにマジで笑っている観客が多い映画だった。(796字)

「まとめる」は研究ではなく、学習なのだよ。

卒論指導の追い込み時期だ。
提出期限は1月なのだが、今の時期、調査し、データ収集をし、「このデータから何を証明できるか?」に当たりを付けていく。
当たりを付けて行くと、不足な部分が見え、再調査も必要になってくる。
こうなると、自分で先が見え、不足部分が分かり、勝手にやっていくようになる(はず)。

しかし、データ分析というものを今までやってこないと(別に大学で、ということではなく、小中高で)、集めたデータを足して割って

「◎◎は○%でした。」

というのみでその先が続かない。

様々な教科の学習課題で「■△をまとめる」という語を使うが、データ並べるだけ、またはランキン付け、割合を示すのみのことが「まとめる」だ。

しかしこれでは研究にならない。主張が生まれない。

データから自然と主張が見えてくるのではなく、自分の主張を裏付けるためにデータ分析がある。早めの発想の転換が必要。(398字)

キーケースver.2を作ってみた。


ずいぶん前に自動車のスマートキーを収められるキーケースを作ったが、しばらく使って、いろいろ不便を感じたので、ver.2を作った。
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ver.1は

  1. 革が厚い
  2. スマートキーがずれる
  3. スマートキーを収めたまま車を解錠できない
  4. 立体駐車場の操作キーを収めると、膨らむ

という不便があった。


よって、少々薄い革にして、スマートキーがずれないように底をつけ、解錠ボタンを押せるように、窓を空けた。操作キーを縦に収められるようにポケット(黒い部分)を付けた。


スマートキーの窓は、少々小さいが、キーケースを開いた時に、解錠ボタンは押せる。

そもそも、スマートキーなんだから、キーを鞄に入れたまま、ドアに触れば解錠されるのだが、たまに、電波の干渉なのか、キーが鞄の奥に入っているのか分からないけれど、解錠されないときもある。電波の干渉の場合は、キーを鞄から取り出しても解錠されず、結局キーの解錠ボタンを押さなければならないときがある。何なんだろう?と思いながら、ボタンを押すのだが、この窓が付いていれば、ちょっとの手間は省ける。


外側の革は、少々薄めにした。ver.1は、全ての素材を同じ分厚いものにして、全体的にゴテゴテしたのだが、ちょっとすっきりした。まだ固めだが、そのうち馴染んでくるはず。

材料費、金具も入れて約2,000円。(800字)

ATOKを使っているとWordのショートカットキーとぶつかるので、キー設定を削除してみた。


ATOKを使っていると、ほぼショートカットキーで変換作業ができるからありがたいのだが、Wordを使っていると、CTRL+Hがぶつかって、Wordの設定が優先される。

ATOKのCTRL+Hは、入力して未確定時、変換句切りが悪かったり、入力ミスで未確定部分を右から削除するときに使っているのだが、CTRL+Hを押すたびに、Wordの左サイドにウインドウが開き、検索と置換が開いてしまう。

メニューバーの[ツール]-[ショートカットキーのユーザー設定]で、該当のショートカットキーを出して、「削除」ボタンを押す。

あとは、ATOKでいえば、CTRL+Nの全確定が使えればいいのだが、Wordでこのショートカットキーが見つからない。Wordのショートカットキーだと、新たなウインドウを開くことになるのだが、これが不便。(399字)

(一社)アナウンス発声協会EACOセミナー

学校における音声言語表現指導の実際と注意点~これからの教育に求められているもの~

という題でオンラインセミナーの講師を勤めた。

フリーのアナウンサーの方々が多く所属している協会で、学校に呼ばれて話し方教室、アナウンス講座等を任されることが多い。そこで、今学校の教育は、正解を押しつけるのではなく、自分で考えさせ、表現を探っていくものにしようとしていると話した。

多くの教師はプレゼンの仕方や話し方など、独学というか、自然に身に付けていて学校で学んでいない。だから、教科書での「話すこと」の単元で

相手の反応を見て伝わるように工夫する

と書かれてあっても、その「工夫」の具体が何なのかがよく分からない。そこの部分をプロがレクチャーするニーズがある、ということをお話しした。

ただ、どうやれば伝わるのかを学習者が選び、工夫するように仕向けてほしいともお話しした。(394字)

こんな夢をみた

休職明けの始業式、何の準備もしていないで担任初日、SHRに行かなければならない。

出席簿も、学級日誌も全く準備されていない。休職中の出来事を知りたかったが、何もない。

職員室に入り、近くに座っている先生たちに「今日から復帰しました。今までご迷惑をおかけしました。何か仕事があれば、メール件名に「至急」と入れてくれれば、最優先でやります。」と挨拶する。

職員朝会後の学年打ち合わせは無駄な確認事項が続いて、もうSHRが始まる時刻が迫っている。チャイムが鳴ってから教室に向かう。

「あ、兵隊、帰ってきたの。」
「兵隊?」
「先生の呼び名、『兵隊』になったから。」
何なんだ?

そもそも俺の担任クラスはどこなのだ?階段を上がっていくと、「先生は2組です。」と同僚が伝えてくれた。出席簿にも○年○組と書かれていないから確認しようがなく、ありがたかった。奥まったその教室に行くと、生徒は思いのままの所に立ったり座ったりしている。そうか、座席表もないのか。

生徒の誰かが指示をして座席表を作ったらしいが、7列の座席表で、クラスにそんな人数はいない。机椅子はごちゃっとまとまって、並べられてはいない。まずはごちゃっと重ねられている机椅子を並べるように言う。

クラスは35人だと聞く。6×6の座席表を黒板に書き、窓際最後列は空けるような配置にする。そして名簿順に座るように指示する。

何とかSHRを終わらせたが、すぐに1限の授業がある。教科の授業をしなければならないが、どの科目で、どのクラスに行けばいいのか分からない。手元の自分の時間表には「国語」としか書かれていない。せめて科目名が書かれてあれば……。

「次の教室は○○です。」と教えてくれる先生がいた。ありがたい。しかし、授業準備は全くしていない。

敗戦のショックで12時まで眠れず、目が覚めたら2時だった。ほぼリアルタイムの夢。どっと疲れた。