国際女性デーの広告・プロモーション10事例|国内外からピックアップ

今年の「国際女性デー(International Women‘s Day)」(3月8日)も世界ではさまざまな施策が展開されました。

女性の権利を守りジェンダー平等の実現を目指して、1975年に国連により定められた国際女性デーは、1904年3月8日、アメリカのニューヨークで女性労働者が婦人参政権を求めてデモを起こしたことに由来します。

平和と安全、社会における役割の拡大、組織やコミュニティにおける地位向上に努めている女性たちを称える日の存在ですが、ようやく日本でも認知されつつあるようです。今回は、そんな国際女性デーに展開された広告・プロモーションの10事例をまとめてお届けします。

1. #生理痛を甘くみないでほしい 国際女性デーにティーン世代とともに活動する新プロジェクト

第一三共ヘルスケア株式会社の解熱鎮痛薬ブランド「ロキソニン®️」(OTC医薬品)は、2023年3月に始動した「みんなの生理痛プロジェクト」の新たな取り組みとして、3月8日の国際女性デーに合わせて、ティーン世代と一緒に生理痛の対処啓発と理解促進に向けて活動する「みんなの生理痛プロジェクト for TEEN」を新たに発足しました。

2024年3月8日(金)当日にはSHIBUYA109渋谷店にてティーン世代に向けた「#生理痛を甘く見ないでほしい」メッセージ広告の掲出とリーフレットの配布を実施しました。

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2.産経新聞朝刊に特別ラッピング 国際女性デー記念 変化するメッセージに注目!

産経新聞社は、女性の心と体のケアを考える「フェムケアプロジェクト」に伴う企画として、国際女性デーを記念した特別仕様のラッピング紙面を2024年3月8日(金)の産経新聞朝刊に掲載しました。

国際女性デーのシンボルフラワー「ミモザ」に合わせて普段は青色の1面題字を黄色に変更したほか、新聞を見開いた際のインパクトを生かし、内側に折り合わせることでメッセージが変化する仕掛けも施しました。

見開き表面では、女性の不調に寄り添う難しさに戸惑う男性と、不調を気にかけ声をかけてくれたことに嬉しさをにじませる女性が背を向けていますが、印刷された点線に沿って折り合わせると、男女が向き合って「ぜんぶは、わからなくていいかもね。あなたと私はちがうから」という新たなキャッチコピーが現れます。

女性の社会進出が進み、男性の育児休暇取得率も年々増加傾向にあるとはいえ、まだまだ越えられないジェンダーギャップが横たわる社会の中、全部は分からなくてもまずはお互いを知ろうとすることが「やさしさ」の一歩であることを伝えています。

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3. 3月8日の国際女性デーに合わせて、Apple運営のApp Store TodayにてWaffleの活動紹介

IT分野のジェンダーギャップの解消を目指す特定非営利活動法人Waffle。Appleが運営するiOS向けアプリストア「App Store」のTodayタブにおいて、2024年3月8日(金)の国際女性デーを記念した特集企画の一環として、Waffleの活動が紹介されました。

紹介されたのは「国際女性デー 女子生徒に無料でIT教育を」として、Waffleが行ってきた、女子およびノンバイナリーの中高生や大学生向けのIT・キャリア教育について。同理事長の田中沙弥果さんや参加者へのインタビューを通じて、その活動の社会的意義と今までの軌跡が語られました。

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4. H&M、3月8日の国際女性デーを祝したプレゼントキャンペーンをXで開催!

ファッションを最良の価格とクオリティでサステナブルに提供するH&Mは、2024年3月8日(金)の国際女性デーに合わせて、X公式アカウントにてプレゼントキャンペーンを開催しました。今回のキャンペーンは、より多くの方々に女性活躍推進やジェンダー平等の重要性について知ってもらい、同トピックに関してより多くの対話が生まれることを目指したものです。

XのH&M公式アカウントで3月8日(金)から11日(月)まで開催された今回のキャンペーン。期間中にH&M公式アカウントをフォローし、国際女性デーに関する投稿をリポストするとキャンペーンへの参加が可能に。応募された方の中から抽選で10名に、H&Mの国内全店舗と公式オンラインストアで使用できる3,000円分のギフトカードがプレゼントされるというものです。さらに、同投稿に記載のクイズに正解すると、当選確率が2倍となるなどの仕掛けも盛り込まれ、話題となりました。

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5.「AND PLANTS」から、3月8日の「国際女性デー」に向けた新商品が登場!イエローに輝くシンボル「ミモザ」と柔らかなオレンジの「ラナンキュラス」を期間限定で販売

観葉植物・花のD2Cブランド「AND PLANTS(アンドプランツ)」を運営する株式会社Domuzは、2024年3月8日(金)の国際女性デーに向けて特集ページを公開。

国際女性デーのシンボルとされ、女性への感謝を込めて贈られる花ミモザと、この季節の旬であり柔らかなオレンジが魅力のラナンキュラスを用いた新商品3点を、2月16日(金)から3月10日(日)までの期間限定で、オンラインストアにて販売しました。

ミモザとラナンキュラスは、ともに開花期が1月〜3月までと短く、この時期にしか楽しめないことも魅力。ホワイトデーのお返しやギフトにもぴったりなセットとなりました。

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6.「ココ・シャネルは世界を変えた」ギリシャの病院が公開した国際女性デーの広告

ギリシャ・アテネの総合病院Iaso Hospitalは、国際女性デーのタイミングに合わせ、人類の歴史を変えた偉大な女性たちをピックアップすることで、女性という存在が人類にもたらしてきたポジティブな変化を紹介したプリント広告を公開しました。

ファッション界における伝説的存在を取り上げたバージョンにはココ・シャネルが。「ココ・シャネルは自らのセンスと美学で世界を変えた。あなたも、彼女と同じく日々の選択を通じて世の中をもっと美しい場所に変えている」とというメッセージとともに、一般女性とココを重ねることでひとりひとりが特別であることを伝えています。

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7.傷跡を抱えて生きるすべての人へ。スキンケアブランドの国際女性デー広告

傷跡を目立たなくし、自然治癒を促進するスキンケアブランドMedermaは、国際女性デーに合わせ、自社商品を活用することで多くの女性が前向きに生きることができるというメッセージを込めた広告を公開しました。

一生残ってしまう傷を負ってしまったとしても人生を充実させられることを、さまざまなモチーフとキャッチコピーを組み合わせることで表現。

すべてのバージョンにおいて、国際女性デー共通のハッシュタグ「#BreakTheBias(バイアスを打ち砕こう)」が左上に記されており、「あなたが秘めた可能性は傷跡ごときに負けるようなものではない」とストレートな表現のものから、「あなたが行く先々で、人の心に残るような痕跡を残そう」、「希望を捨てるのではなく抑圧から解放されよう」など女性の活動意義や社会進出を応援するものなど、いずれも人生をより豊かにできるというメッセージが根底に流れたものとなっています。

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8.「ここがわたしの台所」大統領の性差別的発言に皮肉で返したナイジェリアの国際女性デー広告

小麦粉を中心とした幅広いアグリビジネスを手掛けるナイジェリアのFlour Mills Nigeria(以下FMN)は、国際女性デーのタイミングに合わせ、同国内で未だ多くの女性に向けられるジェンダーロールを否定したプリント広告を公開しました。

2016年、同国のブハリ大統領が記者会見で「わたしの妻の居場所は台所です」と発言し、多くの国民から反発の声があがったことは今もナイジェリアの女性の記憶に残ります。

今回の企画は、大統領の発言をもとにして皮肉を込め、多くのナイジェリア国民の記憶に新しい性差別の実例を取り上げることで、多くの共感を得られる広告となっています。

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9.「男女の格差」をバラの花束で表現した、英フローリスト企業のキャンペーン広告

切り花や鉢植えのデリバリー・サービスを行うイギリスのフローリスト企業Interfloraが、国際女性デーに合わせてキャンペーンを打ち出しました。

「女性のCEOは、20人に一人」

男性を白いバラ、女性を赤いバラに見立てた花束からは、男女の賃金の格差や、経済・政治的に主要な地位に就いている女性の割合が少ないことが一目瞭然。いまもなお世界中で見られる「男女の格差」を視覚的に訴えています。

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10.国際女性デーにあわせたレストランのPR。男女間で賃金の格差をレストランの価格で表現

男女間で賃金の格差があるという問題は、世界各国でいまなお消えることがありません。そんな現状に目を向け、考える機会を作るべく、ナイジェリアのレストランPitShop Lagosは3月8日の国際女性デーにあわせて、女性客のみ週末の料理代金をディスカウントするというキャンペーンを実施しました。

「女性の賃金が少ないのはおかしい! あなたがあなたの彼氏よりも稼ぎが少ないという現状について、いちど考えてみませんか?」「女性の方が代金が少ない、ということを不公平に感じたら、男女間の賃金格差にも目を向けてみてください」「今週末、女性の代金を割引します。なぜなら、女性だからです。これって不公平ですか?」

キャンペーンにあわせて制作されたポスターには、男性側からは見えにくい賃金格差を分かってもらえるようストレートな表現のキャッチコピーが並びます。

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国際女性デーに展開された広告・プロモーション10事例まとめ

女性を取り巻く環境は年々改善されつつあるといわれるものの、日本のジェンダー・ギャップ指数の低さが毎年話題になるなど(※1)、解決すべき課題は山積しています。

国際女性デーという日をめがけた海外と国内でのさまざまな取り組みや施策には、現状抱えている課題へのメッセージや変化への期待が込められたものが多いのが特徴です。この日の存在が認知されていくなか、企業や団体による施策はますます増えていくことが予想されます。今後、どのように広告・プロモーションを効果的に実施するのか、注目していきたいところです。

・※1参考データ:ジェンダー・ギャップ指数(GGI)2022年(内閣府 男女共同参画局)

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