北アルプス奥地・鷲羽岳から雲ノ平へ

2024年9月17日(火)~21日(土)、北アルプスの奥地、鷲羽岳(2924.4m・日本百名山)から雲ノ平に行ってきた。所属する山の会の例会(新穂高~鷲羽岳~水晶岳)が台風のため中止になり残念に思っていたら、「今年のうちに登っておこう」とあっさり話がまとまった。山仲間3人での山行。 

新穂高から鏡平、双六小屋を経て鷲羽岳~水晶岳に登り、雲ノ平、薬師沢に下って太郎平、折立に下山という計画を立てた。今まで双六岳槍ヶ岳から眺めるだけで中々行けなかったエリアに、漸く進むことができた。遠くて4泊5日の山行になった。              今回、鷲羽岳~水晶岳チャレンジの日が朝から雨風強く、小雨を待って出発し鷲羽岳には登頂できたものの、身体を持っていかれそうな強風と時間不足のため、水晶岳はやむなく断念した。この先この奥地に来ることはできないだろうと心残りだが、鷲羽岳に登り、雲ノ平~薬師沢~太郎平を歩くことができた達成感は大きい。今回、全体にすっきりした天気に恵まれず、見たかった山の眺望もあまり楽しむことができなかった。写真もあまり5撮れなかったけれど、このブログで記録には残しておきたいと思う。

 

アクセス

9/17(火) ・JR大阪7:58発特急ひだ⇒高山駅12:14着  (7,920円) 

    ・高山駅12:40発バス⇒新穂高ロープウェイ14:16着 (2,200円)  

9月17日(火) 新穂高温泉~わさび平山荘

歩行距離4.3Km   歩行約1時間20分     上り343m 下り44m】

コースタイム】

14:30新穂高ロープウェイ(1103m)-15:30笠新道登山口(1370m)-15:50わさび平小屋(1402m)泊

 

14:40 笠ヶ岳双六岳・わさび平登山道入り口(1130m)。

15:50 わさび平小屋に到着(1402m・泊)   夕飯はイワナの塩焼きがついて美味しい。玄関先の水ふねで冷えたトマトときゅうり、オレンジを販売。お風呂も有り。

 

9月18日(水) わさび平山荘~鏡平~双六山荘~三俣山荘

歩行距離12.4Km   歩行約7時間20分+休憩1時間35分     上り1626m 下り483m】

コースタイム】

5:40わさび平小屋(1402m)-6:00小池新道登山口(1474m)-6:55秩父沢出合(1725m)-8:05シシウドヶ原(2085m)-9:00鏡池(2285m)-9:20鏡平山荘(2281m)-10:10弓折乗越(2556m)-11:30双六小屋(2547m・昼休憩40分)-14:35三俣山荘(2545m)泊

 

 5:30 わさび平小屋を出発。

6:00 小池新道登山口(1474m)。橋を渡って右に進めば奥丸山。双六方面、左に進む。

9:55 秩父沢出合(1725m)。1時間で300mほど高度を上げ水場で休憩する。「水場」とあるが飲料水の取水口は見当たらない。

8:05 シシウドヶ原(2085m) 再び1時間で300mほど高度を上げて見晴らしの良い所で休憩する。雲が多くて遠くの山は望めない。

9:00 鏡池(2285m)まで上がってきた。期待の槍ヶ岳槍ヶ岳西鎌も雲に覆われ見ることができない。

10:10 弓折乗越(2556m)。ここまで1000mあまり順調に高度を上げてきた。笠ヶ岳を見たいがここも何も見えない。

10:30  弓折乗越から双六小屋に緩やかなアップダウンを越えて花見平。                        夏の花は終わり、実をつけているものが多い。

                シラタマノキ

                 アカモノ

                ナナカマド 

                アオノツガザクラ

               ゴゼンタチバナ

             紅葉が始まったチングルマ

11:10  双六小屋が見えるところまでやってきた。正面に大きな鷲羽岳!!!わくわくする。

           左に双六池とキャンプ場。テントは少ない。

11:30 双六小屋(2547m)に到着。ラーメンを食べて昼休憩40分。美味しい!!!      2021年10月双六岳の時と概ね同じタイムで双六小屋に到着できた。うれしい!!!

12:20 双六岳・中道・巻道コース分岐。双六岳、三俣蓮華岳を巻く巻道ルートで三俣山荘に向かう。

しばらく歩きやすい登山道が続く。天気が良かったらものすごい眺望のはずだ。残念。

少し明るくなって、赤褐色の硫黄岳。向こうに大きく聳えるのは常念岳か??

14:05 三俣峠(2750m)まで200mほど上がってきた。少し小雨が降ってきた。三俣蓮華岳にピストンする予定をやめてそのまま進む。今になって登っておけばよかったと思う。登っていればこの後の大雨にあって全身ずぶぬれだが、残念なことをした。ここから三俣小屋に今度は200mほど下っていく。

14:35三俣山荘(2545m)に到着。何とか大雨に合わないで到着できた。この後ものすごい雷と土砂降りになった。

※三俣山荘は初めて泊まる山小屋。晩ご飯はジビエ(鹿肉)のシチュー。朝ご飯には猪肉の大きなソーセージが出た。どちらも上等な美味しさだ。写真を撮るのも忘れてガッついてしまった。                                ※小屋左上(2階)が食堂。展望食堂とある。天気が良ければここから正面に槍ヶ岳と北鎌がドンと見えるようだ。あーつくづく残念。

 

9月19日(木) 三俣山荘から鷲羽岳~祖父岳~雲ノ平へ

 

歩行距離7.5Km   歩行約6時間+休憩1時間     上り666m 下り661m】

コースタイム】

7:30三俣山荘(2545m)-8:55鷲羽岳(2924.4m)-10:00ワリモ岳(2888m)-10:40岩苔乗越(2731m)-12:00祖父岳(2856m)-13:30雲ノ平山荘(2552m)泊

7:30 昨夜から大雨と強風が続いている。天気予報では午前中に止む様子なので、小雨になるのを待って出発。

小屋を出て5分ほどの所に有名な伊藤新道入口(ゴール)。鷲羽岳へはきつい急登だが、ジグザグで思ったより上りやすかった。身体を持っていかれそうな強風がきつい。

8:55 鷲羽岳(2924.4m)山頂。三等三角点有り。展望なし。今回一番の残念ポイントだ。

10:30 ワリモ岳山頂(2888m)のすぐ横を通過(ワリモ岳の山頂は岩が重なっていて上ることはできないらしい。漢字だと割物岳と書くらしい)して、ワリモ岳北分岐(2797m)。ここから右に向かうと水晶岳悪天候と時間不足のため水晶岳は断念して、ここから雲ノ平を目指す。

10:45 岩苔乗越(2731m)。

この日はたくさんのライチョウに出会った。ここでは8羽のライチョウがまとまっていた。羽の色が少し白くなってきているようだった。                                     ※食べ残したハイマツの実があちこちに残っていた。ハイマツの中に巣を作るライチョウの食べ残しかと思っていたら、ライチョウの餌はコケモモやガンコウランなどの実だと書いてある。ハイマツ帯でハイマツの実を食べる代表格はホシガラスらしい。ホシガラスは一度にたくさんの実を取り出して喉にためて持ち帰り貯めておくらしい(貯食)。あんなに実を取り出した後があったのに、ホシガラスの姿は見ていない。

12:00  祖父岳(2856m)。広い山頂だ。

13:05  祖父岳から300m近く下って、雲ノ平が一面に広がった。少し明るくなった。

木道を進む。

左手のカールにある広いテント場。管理棟が見える。             ※1981年8月ここにテントを張った。カラフルだったかどうか??テントが広がっていた記憶だけが残っている。悪天候のせいかテントは中央にポツンと一張り。今日は寂しいテント場だ。

美しい雲ノ平。雲ノ平山荘が見えてきた。

13:30雲ノ平山荘(2552m)に到着。全身濡れて小屋に入り、乾燥室にとびこんだら強力な乾燥機が回っていた。感動の暖かさ。本当にうれしかった。            晩ご飯は、雲ノ平名物の鮭と野菜がたっぷり入った石狩鍋。お代わり自由。これも写真をとるのを忘れてしまった。美味しかった。

17:50 西に沈む夕日。天気回復の様子だ。

 

9月20日(金) 雲ノ平から薬師沢~太郎平へ



歩行距離9.0Km   歩行約5時間40分+休憩1時間30分     上り573m 下り786m】

コースタイム】

6:45雲ノ平山荘(2552m)-6:55祖母岳分岐(2521m)-7:05祖母岳(2560m・アルプス庭園)-8:05アラスカ庭園(2456m)-10:15薬師沢小屋(1916m)-12:10左俣出合(2027m)-13:50太郎平山荘(2328m)泊

6:15 東に水晶岳の双耳峰。鷲羽岳のあたりから出る朝陽。今日はいい天気だ。

南に聳える笠ヶ岳。かっこいい。

南やや西寄りに黒部五郎岳。大きな山だ。行きたいなぁ。

笠ヶ岳黒部五郎岳のツーショット。左に三俣蓮華岳がある。

南やや東寄りに三俣蓮華岳。あ-登っておけばよかった。

6:45 雲ノ平山荘を出発。広い雲ノ平の中を木道を歩いて進む。しばらくして木道を逸れて祖母岳・アルプス庭園に向かう。10分ほど上っていくと祖母岳の広い山頂台地が広がり、そこからの眺望がすばらしかった。

祖母岳山頂より。ここで漸く大きな薬師岳を眺めることができた。

深田久弥氏が言う「そのボリュームの大きさを満喫するには、雲の平から望めばいい。ここからはその長大な尾根を、値打ち通り横から眺めることになる。全く呆れるくらい巨大な壁が眼路の正面を扼している」(「日本百名山」)先月室堂から長く長く歩いた薬師岳の稜線を、今日は横から眺め、その大きさを実感することができた。

北に立山連峰。一ノ越乗越から雄山・大汝山・富士の折立の平な尾根がはっきり分かって嬉しい。手前は赤牛岳か?? 

祖母岳から望む雲ノ平山荘と水晶岳。南の方面にある黒部五郎も三俣蓮華岳笠ヶ岳も、ここからはもっと近くに大きく見えていた。

木道に戻り薬師沢を目指す。1時間余り木道を徐々に下りながら進む。

8:30  木道が終わり、薬師沢に向けて大きな岩だらけの急な下り。一気に500m余り下って薬師沢だ。雨の後で怖い。けがをしないように慎重に下る。

10:10 薬師沢(1916m)に到着。橋を渡って薬師沢小屋に。

薬師沢を流れるきれいな川。ここまで来て釣りを楽しむ人もいるようだ。

10:15 薬師沢小屋。                              ※薬師沢小屋は思い出深い山小屋だ。もう30年以上も前(1990年)、夫と私と娘2人、兄とその息子の6人で折立から雲ノ平を目指して薬師沢まで下った。ここで1泊したその日、夜中の大雨で薬師沢の橋がいくつも流され、雲ノ平に進むことも、太郎平に戻ることもできなくなってしまった。結局2日間ここで水が引くのを待ち、3日目、雲ノ平を断念して折立に戻った。橋が流された所をロープで渡渉した。まだ小学生だった子どもたちを大人がサポートしての渡渉で、一緒になった方も助けて下さった。薬師沢小屋にいた間は、その頃流行っていたウノをして遊んだ。子どもたちが案外と逞しかったことを思い出す。

小屋の中。30年前と変わらない配置。ここでウノをしていた。思い出の場所を覗かせていただいた。

11:30 ゆっくり休憩して、太郎平に向かう。

しばらくは沢に沿って徐々に上がっていく。何度も橋を渡る。右は一番大きい橋で、佐俣出合(2026m)か?    30年前にロープで渡ったのは佐俣出合のような気がする。                                                                                                     

13:40  沢が終わり、太郎平に向けて350mほど上ると広い太郎兵衛平に出た。太郎平小屋が見えてきた。

13:50 太郎平小屋(2328m)に到着。静かだ。明日から3連休だというのに、雨天予報のため予約120人が17人に減ったとのこと(オーナーの話)。

太郎平小屋から見える水晶岳

正面に雲ノ平の広い台地。雲の平の広さと薬師沢への下りを実感しながら眺める。

薬師岳(左)も黒部五郎岳(右)も雲の中。

太郎平小屋の夕飯はとんかつ(左)。朝ごはん(右)

 

9月21日(土) 太郎平小屋から折立へ下山

歩行距離6.9Km   歩行約3時間+休憩40分     上り87m 下り1027m】

コースタイム】

7:10太郎平小屋(2328m)-9:15三角点(1869m)-10:50折立(1402m)

 

7:10 太郎小屋を出発。折立発のバスが12:30のため、のんびり出発しゆっくり歩く。この日も天気はあまりよくない。雨予報。

10:50 折立に下山。

折立に下りた所に、1963年1月に遭難死した愛知大学山岳部13名の慰霊碑が建立されている。

静かな折立。下山後すぐに雨が降り出した。

【帰 路】

・折立12:30発富山駅行バス⇒14:30富山駅着 (4,500円)

富山駅より敦賀まで新幹線。敦賀より新快速(姫路行)利用し帰阪。(8,360円) 

 

山の会の例会(鷲羽岳水晶岳)参加には最後まで尻込みして迷っていたのに、仲間との山行になって安心できるところが多くありがたかった。               水晶岳に進めなかったのは残念だったけれど、鷲羽岳から三俣山荘、雲ノ平へと、北アルプスの奥地、黒部川の源流エリアを歩けたのはとても有意義だった。長いコースを歩けたことは大きな達成感になった。雨風の中を歩いたことも経験になった。雨風の中でもまだ歩ける、濡れて小屋についても大丈夫だった。昨年あたりから、北アルプスはこれが最後か・・と何度も思うのに、ゆっくりでもこうして歩くことができると、また次は何処に行こうかと、調子のよいことを考えている。

 

 

八方尾根から唐松岳~五竜岳へ

2024年8月21日~23日、唐松岳(2620m)と五竜岳(2814m・日本百名山)に登ってきた。   2021年9月に鹿島槍ヶ岳に登り、翌22年8月には白馬三山を周ってきた。昨年23年には立山から後立山連峰の山なみを眺めながら、鹿島槍と白馬槍の間にある大きな五竜岳を眺め登りたいと思った。昨年計画するも天候不良で行けなかったのが、今年は実現した。娘との山行。山小屋2泊でゆっくり歩いてきた。

アクセス

 8/20(火)・前日夜発(自家用車)⇒8/21(水)下山予定の白馬五竜駐車場に駐車 (無料)            ⇒白馬八方アルペンラインリフト乗場へ移動(タクシー利用・3000円) 

8月21日(水) 八方尾根~唐松岳山荘へ

 

歩行距離4.5Km   歩行約時間+休憩1時間40分     上り850m 下り43m】

コースタイム】

8:20八方池山荘(1830m)-9:50八方池(2086m)-11:30扇雪渓(2361m)-12:10丸山ケルン(2434m)-13:05唐松山荘(2620m)泊

7:30 始発。白馬八方リフト3機を乗継ぎ八方池山荘、登山口へ。

8:20 八方池山荘よりスタート。すぐにルートが左右に分かれ、左ルートは木道。右ルートは尾根道。尾根から見える(はずの)白馬の山なみを期待して右に進む。

右ルートに上がってすぐ。一瞬、雲の間から白馬連峰の山なみが現れた。「オー!!!」と歓声が上がるも、すぐに雲に覆われてしまった。右に見えるのは杓子岳か。

8:30 岩の多い道を進む。一面ガスガスで見たい白馬連峰は見えず残念だ。登山道に咲く花を楽しみながら上がる。この辺り八方池を過ぎる頃まで「蛇紋岩」という岩の道。濡れていたら滑りやすそうだ。

9:50 八方池(2086m)。池に映る白馬連峰を期待して30分待ったが全く見えず。           ※結局この日ガスが上がったのは夕食を過ぎた頃だ。

11:30 扇雪渓(2361m)。一面ガスで目の前の雪渓も見えづらい。8月下旬で雪渓はとても小さくなっていた。

11:45 扇雪渓を過ぎてから、ダケカンバの森林地帯になる。この辺り特に積雪が多いのか、ダケカンバはみごとに横に伸びている。                   ※低い標高の八方池あたりで本来2500m以上の高山でしか見られない高山植物が咲き、標高が高くなってからダケカンバ林が生育している。この逆転現象が八方尾根の特徴らしい。「蛇紋岩」の地質が原因らしいが、説明を読んでもよく理解できない。

12:10 丸山ケルン(2434m)をすぎて、森林限界に。

13:05 唐松岳頂上山荘(2620m)に到着。少し明るくなって、目の前に一瞬唐松岳の山頂が現れたがすぐにガスに覆われてしまった。この日の登頂はやめて明朝に登ることにする。

八方尾根で出会った花たち

   ヤマホタルブクロ              ミヤマダイモンジソウ

    タカネマツムシソウ             クチバシシオガマ

       ウメバチソウ 今が盛りであちらこちらに。かわいい。

  ミヤマアキノキリンソウ              ワレモコウ

    オヤマリンドウ              ミヤマリンドウ?

  ハクサンシャジン。やっと出会えた。八方尾根にたくさん咲いていた。

         サラシナショウマとミヤマトリカブト

        シモツケソウ           トウヤクリンドウ

ミヤマコゴメグサ。小さくてとてもきれい。八方尾根にも遠見尾根にもたくさん咲いていた。今回初めて出会いとても心に残った花だ。

夕飯の途中で雲が上がっていることに気づいて、急いで外に出たら正面にドーンと剱岳が聳えていた。

                 剱岳

左(南)から奥に薬師岳~立山~一番手前に剱岳。ついこの間歩いた立山から薬師岳に繋がる山なみを反対から見ることができて大感激!!!

           南(左)にすぐ五竜岳。大きい。

                      唐松岳山頂とその向こう(北)には不帰の劔が尖っている。

18:20  唐松岳の向こうに沈む夕日。 今日のご褒美だ。                       

 

8月22日(木) 唐松岳~牛首を下って五竜岳

歩行距離6.1Km   歩行約5時間+休憩1時間20分     上り782m 下り921m】

コースタイム】

6:40唐松岳頂上山荘(2620m)-6:50唐松岳山頂(2695.9m)-7:20唐松岳頂上山荘(2620m)-8:56大黒岳(2393m)-10:10五竜山荘(2485m・休憩30分)-11:50五竜岳山頂(2814.3m)-13:00五竜山荘(2485m)泊

 

5:00 唐松岳頂上山荘の朝食。いつも水の少ないエリアのようだが、今年の夏は特に水不足らしい。食事以外は水を使うことができなかった。洗顔・歯磨きなどは拭き取りか自前のミネラルウォーターで。トイレはワンプッシュのみ。食器はすべて紙の使い捨て。山小屋ではいつも節水が当たり前だが、洗顔歯磨きの水も使えなかったのは初めてだ。

 

夜中から朝方にかけてものすごい強風。5:00頃は10m先も見えないほど雲に覆われていた。唐松岳に上るのも、先に進む(五竜岳には牛首という岩場を下らなくてはならない)のもためらっていたが、6時過ぎには少し風が収まった。雨も降っていないので先に進むことにする。視界は悪い。

 

6:50  小屋から20分足らずで唐松岳山頂(2695.9m)。山頂から唐松岳山荘。

7:30   唐松岳頂上山荘に戻り、五竜岳に出発。

7:40 小屋からすぐ。ここから牛首と言われる岩場を下る。

急な岩場を300mほど一気に下る。岩がもろい所や浮石があるというので、鎖を頼りに慎重に進む。風がやみ、晴れ間も見えてきた。

8;35 牛首の岩場を下り、正面に見える大黒岳に向かう。

9:45 緩やかな歩きやすい登山道を五竜山荘に向かって進む。五竜岳が目の前にドーンと迫ってきた。※「それはまるで岩のコブだらけの、筋肉隆々といった状態を表している」(深田久弥日本百名山」)の通り。名前の通り強そうな山だ。

10:10 五竜山荘(2485m)に到着。30分ほど休憩してから、ザックをデポして五竜岳に向かう。空が晴れてきて、山頂での眺望に期待大だったのだが・・・。

五竜岳山頂に向かう。岩々の険しい道だが思ったより歩きやすい。何ヵ所かきつい岩場を越える。

11:50 五竜岳山頂(2814.3m)。山頂までの1時間ほどの間にすっかりガスで覆われてしまった。どこも見えない。360°大パノラマの山頂から鹿島槍鹿島槍との間にある八峰キレットを間近に見たかったのに全く見えず。今回の山行で一番の残念ポイント。

 

13:00 五竜山荘(2485m)。早くに小屋に入って、談話室(食事室)でのんびりした。小屋でゆっくりして、いろいろな人と山の話をするのも楽しい。楽しいゆっくりプラン。

 

唐松岳から五竜岳で出会った花

     五竜山荘の下の斜面に咲いていたコマクサ。うれしかった。

                                     イワツメグサ        

        アカモノ             タテヤマウツボクサ

    ゴゼンタチバナの赤い実。初めて見た。       ニッコウキスゲ

 

8月23日(金) 遠見尾根を下って下山

歩行距離6.7Km   歩行約4時間20分+休憩1時間30分     上り215m 下り1172m】

コースタイム】

5:50五竜山荘(1830m)-6:00白岳(m)-7:15西遠見山(2265m)-8:05大遠見山(2106.4)-8:55中遠見山(2037m)-9:20小遠見山(2007m)-10:50地蔵の頭(1673m)・・・白馬五竜高山植物園・・・11:45アルプス平駅(1515m)

5:00 五竜山荘の朝食。上品な器と盛り付けでお味も良い。夕食は夏野菜とコロッケのカレーにサラダ付き(写真撮り忘れ)。どちらもとてもとても美味しかった。    ※五竜山荘も水不足で食事以外水の提供なし。しかも何故かミネラルウォーターが売り切れていて湯冷ましの水を購入。

5:40  五竜山荘から日の出を見る。

5:45  下山開始。遠見尾根を下る。長い尾根だ。                        

6:10 遠見尾根を下り始めてすぐ。鹿島槍ヶ岳の双耳峰がきれいに見えてきた。本当に美しい。うれしい!!! 遠見尾根から八峰キレットが見えると思っていたら、五竜岳から延びる手前の尾根の向こうらしい。

7:10 東の方面には 左(北側)から焼山・火打山 中央に妙高山 右が多分高妻山

8:00  大遠見山(2106.4m)のあたりから見る鹿島槍。北峰下部の深いカクネ里雪渓

9:10  雲の合間に白馬三山。 左から白馬鑓が岳、杓子岳、白馬岳が見えた!!!

9:20 小遠見山(2007m)。ずいぶん下ってきた。展望台があり見晴らしがよい。下からここまで高低差500m、1時間半くらい。ここまでトレッキングする人も多いようだ。

10:50 地蔵の頭(1673m)。

 

地蔵の頭の近くまでリフトがあり、ここまで上がればたくさんの山なみを楽しめるようだ。この日は残念ながら遠くの山を見ることはできなかった。           ここからアルプス平駅(1515m)までの間は白馬五竜高山植物園。散策コースもあり。花の季節には身近で高山植物を楽しむこともできる。冬は白馬五竜スキー場。スキー客で賑わうようだ。

11:45 高山植物園の中を歩いてアルプス平駅(1515m)に到着。                       

【帰 路

アルプス平駅よりゴンドラリフト(1600円)⇒白馬五竜駐車場に下山  帰阪

 

念願の五竜岳に登り大満足だ。雲が多い時間が多く大パノラマの全貌を満喫できなかったのは少々残念だが、雨にも合わず、所々で素晴らしい山なみを見ることもできたから上等だ。八峰キレットとか不帰の劔とかにチャレンジするには年を取ってしまったけれど、それを除いても鹿島槍ヶ岳五竜岳唐松岳、白馬三山とつながったことはとてもうれしい。今年は辰年辰年五竜岳、私の干支だというのも何だか記念である。       いつもながら、ゆっくりプランに付き合ってくれた娘に感謝。

立山室堂から五色ヶ原~薬師岳縦走

2024年8月6日(火)~9日(金)、立山室堂から五色ヶ原~薬師岳(2926.0m・日本百名山)を縦走してきた。昨年立山に登り、立山雄山の山頂から眼下に広がる五色ヶ原とその向こうに大きく聳える薬師岳を見た(写真下)。

※2023年9月撮影。右手に五色ヶ原(小さく五色ヶ原ヒュッテが見える)と、その向こうに大きな薬師岳。正面には黒部五郎岳とその向こうに笠ヶ岳も見えた。

この絶景に心打たれ、立山から花畑広がる五色ヶ原を経て薬師岳まで縦走したいと思ったのが今回の山行のきっかけになった。山行プランを立て、「五色ヶ原まで緩やかに下ってから広い原を横切り、ゆっくり薬師岳目指して上る」くらいのイメージで出発したが、中々厳しいコースだった。間に、(考えたら縦走だから当たり前なのだが)この画像では見えていない山がたくさんあり、それを越えるのに想像以上にきついアップダウンが続いた。急登と急下りの連続でヘトヘトになって歩いた。                               立山から五色ヶ原のあたりの花畑は満開。花を楽しみ、たくさんの写真を撮りながらゆっくり歩いた。天候に恵まれ、剱岳から立山連峰槍ヶ岳から穂高連峰などの山なみを眺めながら歩くこともできた。                           ゆったりプランを一層ゆったり、きついながら一歩一歩ゆっくり確実に歩くことができた。とても有意義な山行になった。山仲間との2人山行。いつもながらゆっくりにつきあってくれた仲間に感謝の気持ちでいっぱいだ。

 

アクセス

8/5(月)・大阪梅田21:40発富山行夜行バス利用⇒8/6(火)富山駅5:42着 (7,500円)        8/6(火)・富山駅6:30発⇒室堂行き直行バス 8:45室堂着   (4,800円)    

8月6日(火) 立山室堂~浄土山から五色ヶ原へ

歩行距離6.4Km   歩行約5時間+休憩1時間40分     上り778m 下り720m】

コースタイム】

9:10室堂登山口(2431m)-10:50浄土山(2831m)-11:45龍王岳(2872m)-14:00獅子岳(2714m)-15:05ザラ峠2348m)-15:50五色ヶ原山荘(2486m)泊

9:10 室堂平から浄土山(立山三山)に向けて出発。写真右手が浄土山。真ん中一の越乗越の向こうに立山雄山。

室堂平から見る立山。昨年歩いた雄山⇒大汝山⇒富士ノ折立。内蔵助カールの尾根の向こうに真砂岳。天気が良くてうれしい。

浄土山に向かうゴロゴロ岩の多い登山道。今回、縦走路から少し外れている浄土山山頂には寄らないで、道なりに縦走路を五色ヶ原に進んだ。                                               11:25  写真右は富山大学立山研究所施設

浄土山を過ぎたあたりで出会えた雷鳥の親子。のんびりしていて逃げる様子はない。

縦走路から少し上って龍王山山頂へ。                      12:00龍王山山頂(2872m)

龍王山から獅子岳へ。途中右手に鬼岳(写真左)を巻いて進む。高度差200mくらいの岩の多い急な下りと上りが続く。                                                                                              14:10 上って下って、へとへとになって、ようやく獅子岳(2714m)に到着。獅子岳山頂からは東方面、眼下に黒部湖、その向こうに針ノ木岳が見えるようだが残念ながらこの時間にはガスで眺望なし。へとへとで残念がるゆとりもなかった。

獅子岳2714mからザラ峠へ。ここでも岩場の多い急な下りを一気に350m余り下る。きつい。15:10 ようやくザラ峠(2348m)。

15:50  広々とした原に出て、ようやく五色ヶ原山荘に到着(泊)  疲れたー。

 

  室堂~五色ヶ原 満開の花畑に癒される

               ダイモンジソウ

 イワイチョウの花。昨年の秋(9月)黄色く紅葉した葉を見て、今回花を初めて見た。

                ミヤマダイコンソウ

     アオノツガザクラ            クルマユリ

     トウヤクリンドウ              イワキキョウ

                エゾシオガマ

                ハクサンフウロ

       バイケイソウ              トリカブト           

             ハクサンイチゲも満開

     ミソガワソウ               ゴゼンタチバナ

          チングルマ群生はあちらこちらに。

        チングルマの綿毛もあちらこちらに。きれいな稚児車。

      イワツメクサとイワキキョウ。黄色いのは???

                                                  シモツケソウ

                 コケモモ

                ハクサンコザクラ

8月7日(水) 五色ヶ原から鳶山~越中沢岳~スゴの頭を越え

てスゴ乗越小屋

 歩行距離6.4Km   歩行約5時間10分+休憩1時間30分     上り697m 下り918m】

コースタイム】

5:50五色ヶ原山荘(2486m)-6:30鳶山(2616m)-7:15越中沢乗越(2356m)-8:25越中沢岳(2591.6m)-10:32スゴの頭分岐(2406m)-11:20スゴ乗越(2143m)-12:30スゴ乗越小屋(2267m)泊

5:15  日の出。黒部湖の方から。右に見えているのは針ノ木岳か。

五色ヶ原山荘より。 立山方面                             遠くに槍ヶ岳も見える。

5:45 五色ヶ原山荘を出発。いい天気だ。

6:30 本日1つ目のピーク鳶山山頂(2616m)  。 今から進む越中沢乗越⇒越中沢岳を望む。越中沢乗越に下るのはそれほどきついように見えなかったのに、中々の急下りだった。

鳶山から越中沢乗越(2,356m)まで250mほど下る。きつい下りだ。

8:30 越中沢乗越から250m程上り返して漸く本日2つ目のピーク越中沢岳山頂2591.6m)。三等三角点有り。

10:00 越中沢岳よりスゴの頭を目指す。ザレ場が多い下りが堪える。

10:30 越中沢岳から150mほど下ってスゴの頭分岐(2,406m)。 スゴの頭山頂(右写真の上の方)は通行止め。「植物保護のため立入禁止」とある。

スゴの頭(2431m)を巻いてスゴ乗越(2143m)に向かう。ここから更に300mほどの下り。岩場の多い激下りだ。 11:20スゴ乗越(2143m)。

スゴ乗越からスゴ乗越小屋へ120mほどの上り。ここもザレ場や岩場がありきつい。

 

12:00 スゴ乗越小屋到着。初日に続いてこの日も厳しいアップダウンが堪えた。休憩をたくさん取りながら、概ねコースタイムで歩き、小屋に早くついてのんびりした。

スゴ乗越小屋の夕食。

 

8月8日(木) スゴ乗越小屋から間山~北薬師岳~薬師岳に登って太郎平小屋へ

歩行距離8.6Km   歩行約6時間10分+休憩3時間35分     上り832m 下り772m】

コースタイム】

4:30スゴ乗越小屋(2267m)-5:40間山(2585.4m)-8:05北薬師岳(2900m・休憩1時間)-9:55薬師岳(2926.0m・休憩1時間20分)-12:00薬師岳山荘(2701m・休憩50分)-13:20薬師平(2477m)-13:50薬師峠・薬師峠キャンプ場(2295m)-14:15太郎平小屋(2328m)泊

 

3日目。本日いよいよ本命「薬師岳」に向かう。

深田久弥氏が「日本百名山」の薬師岳の項で「・・・南北に長い山の背を、弥陀ヶ原からは縦に臨むことになるので、山の形が引締って、堂々とした貫禄の山に見える」「そのボリュームの大きさを満喫するには、雲の平から望めばいい。ここからはその長大な尾根を、値打ち通り横から眺めることになる。全く呆れるくらい巨大な壁が眼路の正面を扼している」と書いている。                                                                          私は弥陀ヶ原(立山側)から引締った三角に尖った薬師岳を見ていたが、なるほど、越中沢岳を越えて、薬師の稜線に取りかかってから頂上までが、実に長かった。この膨大な山は、行けども行けども、頂上はその先にあった。やっと頂に達したが、それは薬師北峰と呼ばれるもので、本峰までそれからまた大きな岩のゴロゴロした長い道のりを行かねばならなかった(深田久弥氏)」の通り、薬師岳山頂までの長いきつい道のりを実感した。南北に長い大きな薬師岳の山容を目でみることはできなかったけれど、山頂に向かう長い道のりで薬師岳のボリュームを感じることができた。           この日はスゴ乗越小屋から間山を経て、北薬師岳薬師岳へは700mほどの上り。朝から好天。たっぷり休憩時間を取り、周りの山々の素晴らしい眺望を楽しむことができた。

 

この日は朝食を弁当にしてもらって4:30に出発。

5:15 日の出。まだ雲が多い。

5:40 間山山頂(2585.4m)。三角点有り。晴れ間が広がる。

遠く剱岳を背に間山から北薬師岳に向かう。この辺りは比較的歩きやすい斜面だ。

7:00 北に剱岳から立山連峰の山なみが見えて元気をもらう。室堂から越えてきた山なみもはっきり見えてきて、我ながらすごい!!!と思う。

7:15南の方面には槍ヶ岳と北鎌の稜線。南に延びる穂高連峰の山なみもはっきり分かる。気分が上がる。

7:45  西の方面には雲海の向こうに白山が頭を出している。

8:05 北薬師岳(2900m)に到着。南に薬師岳の山頂が見えている。祠があって遠くからでも分かりやすい。

薬師岳山頂から、槍ヶ岳穂高連峰が一層鮮明に見えてきた。

槍ケ岳の手前、北(左方向)に向かって鷲羽岳・ワリモ岳~水晶岳への稜線。西(右方向)は三俣蓮華岳のあたりか。北薬師岳ではおおかた1時間も山を眺めて休んだ。

9:55  北薬師岳から1時間ほどで薬師岳山頂(2926.0m)

山頂にある薬師如来を祀る祠「薬師堂」。昨年クラウドファンディングによってリニューアルされたとのこと。総檜造りの立派なものだ。三角点は祠の下にひっそりと。

槍ケ岳(右端)から北(左)に鷲羽岳・ワリモ岳~水晶岳への稜線が一層鮮明に。右手前、鷲羽岳から祖父岳の手前に広がるのが雲の平。雲の平山荘もとても小さいけれど写っている。

薬師岳の東正面には赤牛岳。昨年、黒部ダムの堰堤から黒部湖のまっすぐ先に立つ赤牛岳を見て、かっこいいなと思ったことを思い出した。薬師岳の山頂でも景色がきれいすぎて、いろいろな方に山を教えてもらいながら1時間20分もゆっくりした。

11:30 薬師岳から薬師岳山荘に向かって下る。ザレて小石の多い滑りやすい斜面だ。緩やかだが歩きにくい。薬師岳山荘の側から薬師岳に登る人も多い。

12:00 薬師岳山荘(2701m)で昼休憩。ラーメンを注文。美味しかった!!!

13:00 薬師岳山荘(2701m)から太郎平小屋(2328m)に下る。ここも、緩やかだが岩や小石だらけでとても歩きにくい。

途中から薬師峠まで大きな岩ゴロゴロの谷道を一気に下る。歩きにくい。

13:50 薬師峠(2295m)に到着。ここは太郎平小屋から少々離れた場所にある太郎平キャンプ場。近くに豊富な水場あり。

14:15 薬師峠から少し上り返して、ようやく太郎平小屋(2328m)に到着。広い原(太郎兵衛平)にある。                                 太郎平小屋は、折立から上がってきて北に薬師~立山縦走、東に雲の平や黒部五郎岳を経由して裏銀座方面への縦走など、北アルプスの奥地に繋がる拠点だ。この小屋でもいろいろな人に話をきき山を教えてもらった。どの人も山のベテランだなぁと思う人ばかりだった。

太郎平小屋正面に聳える薬師岳。ここからだと割となだらかな山容だ。中央に、今さっき薬師峠に下った谷道がくっきり。森林帯を越えると白くてザレた様子がよく分かる。

18:40 太郎兵衛平に沈む夕日。今日は一日晴天なり。本当に恵まれた薬師岳登頂!!!

 

五色ヶ原~薬師岳で出会った花

               オタカラコウ

                ???

                                                 ウサギギク

               オヤマリンドウ 

                   ???

                                                        イワカガミ

               キンコウカ?

 

8月9日(金) 太郎平小屋から折立に下山

歩行距離6.2Km   歩行約3時間05分+休憩1時間20分     上り58m 下り1028m】

コースタイム】

7:10太郎平小屋(2328m)-8:00五光岩ベンチ(2186m)-10:10三角点ベンチ(1869.9m)-11:35折立(1356m)

5:00 太郎平朝食。この日は折立への下山のみ。富山駅行のバスが折立12:30なので、朝はゆっくりしたいところだが、朝食は5:00。

5:47  太郎平小屋から見る日の出。

鷲羽岳・ワリモ岳~水晶岳につながる稜線。太郎平小屋からは鷲羽岳は祖父岳に隠れて少ししか見えない。槍ヶ岳も見えない。写真右端の奥に少しだけ写っているのが、槍ヶ岳北鎌の北の端だと教えてもらった。

太郎平小屋から大きく見えるのは黒部五郎岳(写真右)。黒部五郎岳鷲羽岳水晶岳も今まで南の方(双六岳槍ヶ岳など)から見てきた形とはずいぶん違うものだと改めて思う。

7:10 朝随分とゆっくりしてから折立に向け下山開始。広い太郎兵衛平を歩く。

8:00 五光岩ベンチ(2196m)に到着。ここで突然剱岳立山が現れてびっくり!!!天気が良くて遠く立山の稜線もはっきり見える。剱岳の手前、西(左)に延びるのは奥大日岳、中大日岳、大日岳。その下の広い原は、室堂に向かうバスが通った弥陀ヶ原だ。立山室堂から薬師岳縦走のご褒美のような絶景だ。

10:10 登山道の途中にある三角点(1869.9m)。ベンチあり。

11:35 折立(1356m)到着。東京方面、富山駅方面。バスを待つ人でにぎやかだ。

【帰 路】

・折立12:30発富山駅行バス⇒14:30富山駅着 (4,500円円)

富山駅より敦賀まで新幹線。敦賀より新快速(姫路行)利用し帰阪。(8,360円) 

 

もう40年以上前(1981年)に友だちと5人で新穂高から双六、三俣蓮華を経て雲の平に下り、雲の平から太郎小屋。薬師峠野営場にテントを張り薬師岳往復。太郎小屋から折立に下山した記録が残っている。30歳手前、元気が有り余っていた頃の懐かしい思い出だが、若いころは登山の回数も少なく、40代50代の頃は登山から遠ざかっていたから、このエリアへの山行はすっかり途絶えていた。今回、70歳を超えて北アルプスの奥深いこのエリアにチャレンジできたことは感慨深い。ここ4~5年の山行がベースになってなんとかチャレンジできたことを本当にありがたく思う。山仲間に感謝。           今まで立山槍ヶ岳の側から見ていた山なみを、多くの人に教えてもらいながら確認。同定することができた。4日かけてのゆったりプランだったけれど、累積上り2365m、下り3438m。ずいぶん頑張ったと思う。きついけれど、登らないと出会えない景色をたっぷり楽しむことができた。立山から五色ヶ原にかけては高山植物満開の時期で、たくさんの花に出会うこともできた。いつまで、どのくらいの山行ができるか分からないけれど、自分なりの実績を大切にしていきたいと思う。

 

大雪山 お花満開の黒岳~旭岳を縦走

2024年7月9日(火)~12日(金)、北海道大雪山に行ってきた。

10日(水) 層雲峡から車で50分ほどの所にある愛山渓温泉から沼の平に上がり、広い湿原を散策した。愛山渓温泉大雪山の大原始林の中にあり、古くから大雪山各方面への登山口の一つとして親しまれてきたようだ。                      11日(木) 大雪山系(日本百名山)の黒岳(1984.0m)から北海道最高峰旭岳(2290.9m)を縦走した。「北海道の屋根」ともいわれる大雪山の広い台地を花の季節に歩きたいとずっと思っていた。山仲間4人での山行。願いが叶い仲間に感謝。

 

7月10日(水) 愛山渓温泉から沼の平散策

アクセス

層雲峡温泉(前日泊)より車で50分。愛山渓温泉の駐車場に駐車(無料)

歩行距離6.7Km   歩行約4時間10分+休憩1時間20分     上り461m 下り461m】

コースタイム】

9:40愛山渓温泉登山口(1013m)-10:15三十三曲分岐(1107m)-11:40沼の平分岐(1420m)-12:10沼の平(昼食・散策)‥‥下山(ピストン)-15:10登山口

愛山渓温泉に到着。写真はロッジ「愛山渓倶楽部」。100%源泉かけ流しの温泉が魅力の、素泊まり自炊のロッジのようだ。

愛山渓温泉登山口案内板。この登山口が大雪山系のいろいろな山に繋がっているのがよく分かる。

9:40 「六の沼」方面に登山口を出発。

原始林の中を進む。しばらく歩きやすい道が続く。

10:15 三十三曲分岐。ここからジグザグのきつい上り。

水が流れて歩きにくい急な上りがしばらく続く。思っていたより、けっこうきつい。

11:40 きつい上りが終わって沼の平分岐。景色が広がって大雪山の山々も見えてきた。

ここから沼の平をめざして木道を歩く。

12:10 沼の平。たくさんの沼が点在する広い湿原。目の前に見えるのは「半月沼」

この辺り標高1400mくらいだが、雪渓も残っていた。

 

 
沼の平で見た花

                 ワタスゲ

                マルバシモツケ             

                アカモノ
      ウサギギク               チングルマ

                ウコンウツギ

                  エゾコザクラ

       ???                 ゴゼンタチバナ

       ウラジロナナカマド             ニッコウキスゲ 

               カラマツソウ   

 「六ノ池」まですすんで昼休憩。写真右寄りに尖っているのが多分北鎮岳。(東方向)

「六ノ沼」からやや南方向に、ドーンと旭岳が聳えている。うれしい。
 
沼の平で随分のんびりしてから、来た道を愛山渓温泉登山口に下山。                      層雲峡に戻る(泊)

 

7月11日(木)黒岳(1984.0m)から旭岳(2290.9m)縦走

歩行距離12Km   歩行約7時間+休憩1時間     上り1134m 下り1079m】

コースタイム】

7:00黒岳リフト七合目登山口(1520m)-8:25黒岳(1984.0m)-9:15黒岳石室(1891m)-10:00御鉢平展望台-10:35北鎮岳分岐(2142m)-10:50中岳(2113m)-中岳分岐(2046m)-11:30間宮岳(2185m)-11:50間宮岳分岐(2185m)-底(2074m)-12:55旭岳(2290.9m・休憩)-14:35旭岳石室/姿見ノ池(1660m)-14:55旭岳ロープウェイ姿見駅

 

層雲峡ホステルに前日泊。                                                                                                     ※男女別8名共用ドミトリーの相部屋で一泊4000円(別に個室もある)。 食事は手造り黒岳カレー(サラダ付き1700円)を注文するか、持ち込みでもOK、厨房を使って自炊もOK。カレーを注文。ボリュームあり美味しかった。お風呂はシャワーのみOK。2段ベットにカーテンや読書灯がついていて個室感あり。中々居心地がよかった。         共用の談話室(食事室)でカレーをいただき、デザートに持ち込みのメロン。これは富良野のメロン街道の店でお土産用にメロンを買ったら、おまけにいただいた完熟メロン。最高に美味しかった。

6:00 層雲峡黒岳ロープウェイ始発(6:00)に乗車。

6:15 ロープウェイ黒岳駅(五合目)より黒岳山頂 が良く見える。

6:45 ロープウェイからリフト(6:30始発)に乗り継いで 七合目登山口(1520m)。7:00出発。

 登り始めてからすぐに、大小岩の多い急な上りが始まる。ダケカンバの多い林の中をジグザグに登っていく。

8:00 九合目。まねき岩が見えてきた。この辺りからお花畑が続く。足をとめ、写真を撮りながらゆっくり進む。

黒岳九合目~山頂あたりで見た花

      ウコンウツギ               カラマツソウ

               ウラジロナナカマド   

             チシマノキンバイソウ

    多分オオサカモチという花???  シシウドと似ているが葉っぱが違う。

                                             キバナノコマノツメ。スミレの仲間。かわいい!!!               ※これもタカネスミレとかジンヨウキスミレとか、本当によく似た花が多くてわかりにくい。

                                                     ハクサンチドリ

エゾフウロと、まだ蕾のナガバキタアザミか??? 7月下旬ころから咲く花のようだ。

                エゾイワツメグサ

8:30  まねき岩がすぐ横に。山頂まであとひと息!!!

8:40 黒岳山頂(1984.0m)。山頂から見えるはずの大雪山の山なみがガスでよく見えなくて本当に残念。

シマリス登場!!!  警戒心がなさそうで、自由に動き回るのに驚いた。かわいい。あちらこちらでけっこう見えるらしい。

9:10 旭岳に向かって黒岳を下る。黒岳石室の赤い屋根が見えてきた。

9:15 正面に北鎮岳(2244m)が見えてきた。白鳥と千鳥の形をした雪渓が特徴だ。

チングルマが群生する縦走路を進む。黒岳石室のあたりから素晴らしいお花畑が続く。
大雪山アイヌ語で「カムイミンタラ」。カムイは神、ミンタラは庭。「神々の遊ぶ庭」という意味があるそうだ。黒岳から旭岳に拡がる広い台地は本当に素晴らしい。
 
縦走路はお花畑満開

                エゾツツジ

                コマクサ

                イワブクロ

イワブクロと黄色い方は(多分)メアカンキンバイ。キンポウゲやキンバイは種類が多くてわかりにくいが、いろいろな画像を探して漸くメアカンキンバイにたどり着いた。決め手は葉っぱだ。

※メアカンキンバイ(雌阿寒金梅)⇒雌阿寒岳で発見されたもので、命名したのは牧野富太郎さんとのこと。・・・ということなので、もしかしたら2022年7月に登った雌阿寒岳の写真にこれが残っていないかと思って見てみたら、あった!!!下の写真。雌阿寒岳のメアカンキンバイだ。2022年に分からなかった花の名前が今年分かった。うれしい!!!

      2022年7月雌阿寒岳のメアカンキンバイ

              エゾツガザクラ

               チングルマ

          チングルマとエゾツガザクラの群落 

              アオノツガザクラ

                ゴゼンタチバナ

              ヨツバシオガマ

          ハイマツの花。これが実って松ぼっくりに。

              キバナシャクナゲは花が終わりかけ。

                イワヒゲ

               エゾコザクラ

 

 

10:00    縦走路を進み、御鉢展望台に立って御鉢平を眺める。広いカルデラを囲む向かい側の山もよく見えた。北海岳、松田岳、荒井岳など地図で名前と方向を確認するが、はっきり同定することができないのは残念だ。全体になだらかな山容だ。いつかあちら側も歩いてみたいと思う。

 

                 御鉢平                    ※直径2kmのカルデラ。底部を川が流れている。今も有毒ガスが噴出しているため内部は立ち入り禁止とのこと。地図には御鉢平の真ん中に有毒温泉とある。温泉とともに強力な有毒ガスが噴出している。御鉢平を囲む山々を周回して縦走するのも楽しそうだ。

北鎮岳分岐に向かう上り。けっこう急な雪渓を高度100mほど上る。アイゼン着用。

10:35 北鎮岳分岐(2142m)。これから進む中岳~間宮岳に続く稜線を眺める。なだらかな稜線だ。

10:50中岳(2113m)11:10中岳分岐(2046m)11:30 間宮岳(2185m)間宮岳分岐(2185m) ここでは間宮岳に上がる高度150mほどが急登。けっこうきつかった。だだっ広い間宮岳山頂台地を少しだけ進むと間宮岳分岐。                    ここから御鉢平周回の縦走路をはずれ、旭岳に向かう。

12:00 間宮岳分岐(2185m)より旭岳に向かって一旦下る。近くに裏旭野営指定地のあるあたりが底部で2074m。100mほど下る。正面にドーンと旭岳。これから歩く雪渓。けっこうな斜度だ。

12:20 ここから雪渓を直登(多分冬道?)する。山頂まで高度200mあまり。

雪渓が終わってからもザレ場の直登で、アイゼンでどうにか滑り止めをする。きつい!!!

12:55 旭岳山頂(2290.9m)。一等三角点有り。ガスで何も見えなくなった。残念。                    ※点名:瓊多窟(ぬたっく)アイヌ語のヌタク・カ・ウシ・ぺ「川の湾曲部の地・の上に・いつもいる・もの」という意味らしい。なるほど。
 
13:20  少し休憩してから旭岳ロープウェイ姿見駅に向けて下山開始。岩や石がゴロゴロしている急な尾根道を下る。たくさんの登山者とすれ違う。登るのはきつそうだなと思いながら下った。

14:05 眼下に姿見の池と噴気口から上がる白煙が見えてきた。遠くにロープウェイ駅も見える。

14:35 姿見の池(旭岳五合目・1666m)まで下ってきた。散策する観光客も多い。      ※「姿見」の名前の由来は、水面に旭岳が映ることかららしい。この日は旭岳山麓駅から旭川駅行のバスの最終(15:40発)が迫っていてこの辺りをゆっくり楽しむことができなかった。今度はゆっくりこの辺りを散策するのもいいと思う。姿見の池に映る逆旭岳を見られる機会があればいいと思う。

たくさんの噴気口から上がる白煙を近くに見ながらロープウェイ駅に急ぐ。

14:55  無事ロープウェイ姿見駅に到着。                        
ロープウェイで旭岳山麓駅に下り、旭川駅行き最終バスに乗車(1800円)  旭川駅前(泊)
 
愛山渓沼の平散策も大雪山縦走も、どちらも天候に恵まれ最高の山行きになった。「北海道の屋根」と称される雄大大雪山を縦走し、素晴らしい景色とたくさんのお花に出会うことができた。この2~3年、あちらこちらの夏山で花を見る機会が多く少しずつ名前が分かるようになってきた。まだまだ知らない花が多いけれど、帰ってから調べるのも楽しみである。                                  これから先厳しい山に登る機会は減っても、ロープウェイを利用して上がれる山には行けそうだ。旭岳姿見の池や黒岳石室のあたり。ゆっくり花と景色を楽しみたいと思う。
 
 
 
 
 

              

 

 
 
 
 

 



 
 
 
 

 

 

 

 

 

 

 

巨岩・奇岩が楽しい金勝アルプス

2024年6月16(日)、滋賀県湖南にある金勝(こんぜ)アルプスに行ってきた。巨岩・奇岩が多く、景色もよい。ゆっくり歩きやすい道の間に岩場が点々とある。全体にゆったりした山だが、変化に富んでいて楽しい山行になった。山の会の仲間6人での山行。

 


【アクセス

JR草津駅より帝産湖南交通バス上桐生行9:35発 ・・・・9:50終点上桐生下車

【歩行距離10.9Km   歩行約5時間10分+休憩1時間35分    上り667m 下り667m】

【コースタイム】

9:50上桐生バス停着-10:10駐車場登山口(171m)出発-10:45落ヶ滝(286m)-11:20北峰縦走路合流(365m)-11:45鶏冠山山頂(490.9m)-12:45昼休憩(30分 )-13:30天狗岩(509m)-14:10白石峰(578m)-14:30竜王山山頂(604.7m)-14:55白石峰-15:30狛坂寺摩崖仏-16:50駐車場(171m)-上桐生バス停17:30草津駅行のバスに乗車

 

9:50 上桐生バス停に到着。帰りのバス時間を確認して出発。

ハイキングコース案内板。たくさんコースが分かれている。

10:10 バス停から少し行った所にある一丈野駐車場から登山道に入る。

谷筋に沿って、緩やかな歩きやすい登山道を進む。

10:40 落ヶ滝への分岐。少し下ってから上って滝へ。

10:45 分岐から5分ほどで落ヶ滝。水量は少ないが、巨岩から流れる水がきれいだ。

分岐に戻って尾根(北峰縦走線)を目指す。所々、巨岩を超えて進む。

11:20  尾根(北峰縦走路)(365m)に出た。ここを左に鶏冠山に向かう。鶏冠山まで案外きつい上りだ。

11.45 鶏冠山山頂(490.9m)。三等三角点有り。木々に囲まれ展望はない。

鶏冠山から縦走路を戻り、反対方向の天狗岩に向かう。歩きやすい。

縦走路より、巨岩の多い山容を眺める。

途中、こんな大きな奇岩も。行く先に天狗岩のピークが見えてきた。

北東の方向には三上山(近江富士)が美しい。

12:30 天狗岩がすぐそこに見えてきた。

巨岩の間を抜けて、上がったり下ったりしながら天狗岩に向かう。

 

12:45 途中、岩を下ったところで昼休憩(30分)

13:15 天狗岩に向かって、鎖場を上る。

13:30 天狗岩(509m)に上がって、岩場を楽しむ。

13:55 天狗岩から岩の道を上がったら耳岩に。

14:10  白石峰(578m)。大きな分岐。北峰縦走路は天狗岩~白石峰~竜王山へと続いている。ここから竜王山までピストンする。竜王山に向かう道は緩やかで歩きやすい尾根道だ。

14:30 竜王山山頂(604.7m)。ここにも三等三角点有り。

竜王山山頂のすぐ下に、金勝寺の本殿が祀ってある。

14:55 白石峰に戻り、ここから狛坂寺跡方面(狛坂線)を経由して、上桐生に下山する。

白石峰からの下り。ここも巨岩が多い。左「重石」

登山道にも岩が多く、中々きつい下りだ。

15:30 狛坂摩崖仏。たて6m、横4.5mの巨岩に三尊像が刻まれている。

ここを過ぎたあたりから、ようやく歩きやすい山道になった。

16:20 新名神高速道路の下を抜けて、上桐生方面に。あと少し。

 

途中、さかさ観音(上)やオランダ堰堤を通る。

16:50 駐車場(登山口)着。上桐生バス停17:30発のバスで草津駅に向かう。

 

変化にとんだ山を、ゆっくり楽しみながら歩くことができた。この辺り、あまり来たことがなかったけれど、日帰りで楽しめる山をもっと知りたいと思った。

 

 

 

大峰山系 大普賢岳に登る

2024.6.12(水)、大峰山系大普賢岳(1779.9m)に上ってきた。車で行くにも不慣れな所で、大峰山系の山に行くことはほとんどない。今回は車を出してもらい、山の仲間4人での山行の機会に恵まれて大普賢岳にチャレンジすることができた。感謝。             登山口(和佐又山ヒュッテ)が1143mで山頂が1780m。高低差600mあまり。地図を見れば、ずっとなだらかな尾根道が続き、最後「笙の窟」のあたりからの上り300mあまりが厳しいか・・と予想していたが、最後の300mの上りは梯子と鎖の連続で予想以上にきつかった。累積高低差(上り)は1000m超え。きつかったけれど登れて良かった。

 

【アクセス

JR大阪駅前6:40発(車) ・・・・・・・・和佐又ヒュッテ9:10着(2時間30分)

【歩行距離7.2Km   歩行約5時間25分+休憩1時間55分    上り1058m 下り1060m】

【コースタイム】

9:30和佐又ヒュッテ登山口(11430m)出発-10:00和佐又山(1344.2m)-10:32和佐又分岐(1248m)-11:37笙の窟屋(1463m)-12:00日本岳分岐-13:15奥駈道出合(1873m)-13:20大普賢岳山頂(1779.9m・昼休憩1時間)-15:10小普賢岳山頂(1640m)-16:22和佐又分岐(1248m)-16:50和佐又ヒュッテ到着(1143m)

 

9:10 和佐又ヒュッテに到着。

9:30 最初は和佐又山に向かってスタート。緩やかな歩きやすい道だ。

上り始めてすぐ。静かに咲いているフタリシズカ

10:00 30分ほどで和佐又山山頂(1344.2m)。三等三角点有り。

和佐又山山頂より大普賢岳を望む。手前が岩壁を土台にする日本岳。笙の窟屋。

10:32  和佐又山を大普賢岳方向に下ったところ。和佐又のコル(1248m)。帰りはここで和佐又ヒュッテの方に下る。

普賢岳に向かって、緩やかな尾根道を歩く。原生林の美しい森を進む。

日本岳を巻く登山道には巨大な岩壁が聳え立っている。大峰修験者の行場を見ながら登山道を進む。最初の行場「シタン(指弾)の窟屋」

                「朝日窟」

片側が切れ落ちた鎖場も。この辺りから、登山道は厳しくなる。  

   


        「 笙の窟屋」ひときわ巨大な岩壁が聳える。

         案内板「笙の窟屋付近群一帯」

※日本岳の中腹南面の岩壁、標高1450m地点の自然岩窟。大峯修験の行場の一つで、修験道の開祖、役小角(役行者)が最初に修行した所と言い伝えられていると書いてある。

       「鷲の窟」 三体の真ん中は役行者

12:00 日本岳分岐。

日本岳分岐を過ぎると、梯子や鎖場が連続する。梯子が急できつい!!!

終わりかけのコイワカガミに癒される。

12:15  石ノ鼻 

石ノ鼻より和佐又山(右)と日本岳。

ここからずっと、まだまだ梯子と鎖の連続。厳しい----!!!

13:17 1時間あまり急な梯子を繰り返し上って、ようやく大峯奥駈道出合(1745m)に出た。あとひと息!!

13:20 大普賢岳山頂(1779.9m) 。三等三角点有り。

山頂付近に咲いていたサラサドウダン。

これは??

 

山頂で1時間近くのんびりして、14:20に下山開始。来た道を戻る。

15:10 途中、登山道から少し上がって小普賢岳へ。山頂(1640m)。登山道から往復20分くらい。

16:22 ようやく和佐又分岐(1248m)。ここを左に下る。

16:35 ヒュッテ敷地内に入ったところ。案内板「笙の窟屋と周辺の山岳遺産」。笙の窟屋で修験した僧たちが残した和歌を紹介している。

16:50 和佐山ヒュッテに到着。昨年リニューアルオープンしたという和佐山ヒュッテはこの日休業日。併設する広いキャンプ場は人影なく静かだった。

 

中々行けない大峯山系の山に行くことができて良かった。どの山も奥深く、中々きつそうだが、素晴らしい山なみを見て、また登る機会があったらいいなと思う。

 

四国の名峰 剣山~次郎笈へ

2024年6月5日(水)~6日(木)、四国の剣山(1955.0m・日本百名山)に行ってきた。四国では石鎚山(1982m 日本百名山)に次ぐ高峰である。剣山というから剣のように尖った山頂を持っているのかと思ったが、全く逆で山頂には広々とした原が広がっていた。        深田久弥氏は「四国という不整長方形の二つの核心、西の石鎚山が山骨稜々として厳父的なのに対し、東の剣山は豊かなふくらみをもって慈悲的である」と記している。剣山山頂周りの広々とした原と、次郎笈に向かう笹に覆われたなだらかな稜線が美しすぎて一気に剣山のファンになってしまった。                          今回は娘と二人でのんびり山行。1日目は山、2日目は奥祖谷方面に足を延ばしてゆっくり観光を楽しんできた。

               ●剣山山頂ヒュッテ(泊)

1日目 6月5日(水)

※アクセス                                   4:30自宅発・・・新名神高速道路神戸淡路鳴門自動車道 徳島自動車道経由・・・8:45剣山見ノ越第一駐車場着  (車4h15m)

【歩行距離9.0Km   歩行約5時間20分+休憩1時間30分    上り1227m 下り692m】

【コースタイム】

9:10見ノ越登山口(2450m)出発-10:00リフト西島駅(m)-10:35刀掛の松(m)・・行場・・  12:00一の森山頂(1879m)-12:30二の森(1873m)-13:00剣山頂上ヒュッテ(1933m・昼休憩)-13:50剣山山頂(1955.0m)-14:50次郎笈山頂(1930m)-16:00頂上ヒュッテ(泊)

8:45 見ノ越第一駐車場着。剣山リフト乗り場横。無料。

駐車場にある案内看板の地図。剣山の西にある三嶺(みうね)の尖った山容がとてもかっこよかった。※この地図では下が北

9:10 見ノ越登山口(1396m)。剣山神社の階段を上がってスタート。

緩やかで歩きやすい道をゆっくり進む。

10:00 リフト西島駅に到着。ここで20分休憩。

登山道案内看板。鳥居をくぐって進めば大剣神社経由で直接剣山に(青色線)。鳥居の反対側にあるリフト駅の脇を通って刀掛けの松経由~行場コース~一の森の方(水色線⇒茶色線)に進む。

西島駅付近から見える次郎笈。きれいな稜線にわくわくする。

10:35 刀掛けの松に到着。

源平合戦壇ノ浦の戦いに敗れ、祖母(二位尼平清盛の母)とともに壇ノ浦に入水したとされる幼い安徳天皇の姿をドラマで見たことがあるが、安徳天皇が壇ノ浦で入水せず平家の残党に護られて生き延びたという説は全国各地に残っているようだ。    ここ「刀掛けの松」は、四国祖谷地方に伝わる伝説で、「生き延びた安徳天皇がこの地に落ち、宝剣を剣山に奉じて平家再興を祈願した」と伝えられる。これが「剣山」という山名の由来か?  宝剣を納める際に、この松に刀を掛けたともされる。今は枯れ木となり寂しいが、間から松の木が伸びていた。

※我家の近く大阪能勢町にある来見山(くるみやま)という小さな山で、安徳天皇の御陵墓を見つけて驚いたことがある。これも安徳天皇生き延びた説の一つであろうが、能勢の野間で発見された古文書「藤原経房の遺書」によって確認されたものでもあるらしい。真相は分からない。

 

刀掛けの松から行場コースに向かう。巨岩が多く、厳しい修行場であった様子が伺える。

          最初は「鶴の舞」という巨岩。

「不動の岩屋」ヘッドライトをつけて恐々真っ暗な中に入った。ハシゴを下りて、水しぶきがかかる細い隙間を奥まで進むと、小さな仏像が横たわっていた。                   「不動の岩屋」(外)の横に細い道があり、これを直登して剣山山頂に上がれるようだ。

               「おくさり」?? 

この辺り、剣山を代表するキレンゲショウマの群生地らしい。ロープで囲まれ保護されていた。この時期はまだ葉っぱだけ。花は7~8月らしい。あー見たい!!

行場の厳しいルートを途中でカットして一の森に向かう。途中に穴吹川の源流の谷。

12:00 一の森山頂(1879m)。後方、剣山山頂。平たい原が広がる様子がよく分かる。

一の森山頂から少し離れたところに三等三角点。すぐ下に青い屋根の一の森ヒュッテ。

(左)剣山と一の森の間に二の森(1873m)。通り道で山頂らしい標識は見当たらない。後ろ、大きく伸びたりっぱなナナカマド。こんなに大きなナナカマドは初めてだ>                                (右)二の森から剣山へ。緩やかな道を進む。

13:00 頂上ヒュッテに到着。チェックインして、荷物をデポ。ゆっくり昼食休憩する。

ヒュッテの横に剣山本宮宝蔵石神社。本宮の裏側の巨岩(これが宝蔵石らしい)の上に小さな祠が祀ってある。

休憩後、剣山山頂⇒次郎笈に向かう。

13:50 剣山山頂(1955m)。手前に一等三角点。立派なしめ縄で囲まれている。

剣山から次郎笈に続く稜線。一度ジロウキュウ峠(1774m)まで200m近く下ってから、上り返す。緩やかに見えるわりに、最後の上りがきつかった、剣山から1時間くらい。この稜線が美しくて、剣山を一気に好きになった。

14:50  次郎笈山頂(1930m)。

西に三嶺の尖った山頂が美しい(右端)。

次郎笈から剣山に続く道を引き返す。頂上ヒュッテに16:00着。

17:30 夕食。あまごの唐揚げがとても美味しかった。頭もしっぽも丸ごといただいた。地元野菜も薄味でとてもやさしいお味だった。

 

1日目 6月6日(木)

【歩行距離3.3Km   歩行約1時間30分  休憩10分  上り34m 下り565m】

【コースタイム】

7:15頂上ヒュッテ(1933m)下山開始-7:25大劔神社-7:56西島神社-8:50見ノ越登山口(1391m)

4:46 頂上ヒュッテより日の出を望む。素晴らしい。

6:30 朝食。

7:15 下山開始。

7:25 大劔神社。神社の裏手には、御神体である巨岩「御塔石(おとうせき)」が鎮座している。

8:00 リフト西島駅をすぎてすぐ、分岐を左に。遊歩道コースをのんびり下る。    8:50に身ノ越登山口に到着。

 

下山後は見ノ越駐車場から四国を横断する国道439号線(徳島から高知四万十市を結ぶ国道。総延長348km。すれ違いができそうもない所も多い)を西に走り、奥祖谷から大歩危小歩危のあたりを観光した。

案内板「奥祖谷二重かずら橋の由来」。800年ほど前壇ノ浦の戦いに敗れた平家一族が祖谷の地に逃れた後、生活道として使われていたと書かれている。

かずら(しらくちかずら)の木の葛を編み込んで作られた橋。現在も3年に一度くらいの割でかずらの組み換えをしているとのこと。                         二重かずら橋というのは「女橋」「男橋」の二本の橋のことをいうらしい。これは「女橋」。先に女橋を渡る。

野猿」と呼ばれるもの。このかごに人が乗り、ロープを手繰りながら対岸に渡るもの。体験できたようだが、現在は対岸の崩落のため利用不可。復旧に向けて調査中とのこと。

こちらは男橋。女橋を渡り、野猿を見てからハイキングコースを往復(1時間くらい)して、男橋を渡ってもとに戻った。

 

二重かずら橋から45分ほど西に走って「祖谷のかずら橋」に到着。

案内板「祖谷のかずら橋」。ここは観光バスの出入りも多く、観光客でにぎわっていた。海外からの旅行者も多かった。

祖谷川にかかるかずら橋。水が本当にきれいだ。

こちらのかずら橋は全長45m、川面から14m。橋床に隙間があり、揺れるのが怖かった。

かずら橋から30分くらい走って、大歩危祖谷渓谷へ。

祖谷渓谷で遊覧船を楽しんだ。

 

剣山登山を楽しみ、奥祖谷地方を観光することもできた。剣山はとても上りやすく、山頂ではすばらしい景色を見ることもできた。またぜひとも訪れたいと強く思った。