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成人の1日分の栄養素
こちらの口コミはブログからの投稿です。?
記事URL:https://www.takemachelin.com/2022/11/yamazakihotel.html
バストが横流れしない程度の構築感
越前町の海沿い、漁火街道にある「料理宿やまざき」。日本海に面した漁師町にある料理旅館であり、越前ガニを中心とした地元の魚介類で勝負します。
建屋は築100年を超える古民家を加賀から移しリノベしたそうです。
温泉でさっぱりした後、夕食はお部屋で頂きます。和室ながらベッドが予め用意されており、旅館特有の食事中に布団を敷いてワタワタといったオペレーションが無いのが良いですね。なお、当館は小学生以下は立ち入り厳禁のため、静かに食事に淫することができます。
さて、お料理のはじまりはじまり。まずは景気づけに自家製の梅酒で乾杯。追加の飲料はもちろん有料なのですが、大ビンが800円かそこら、地酒も四合瓶で4,400円と大変良心的。ただし食事の量が爆発的に多いので、結局あまり飲みませんでした。
まずは「タコアボカド」。ちょっとした小鉢と思いきやタコの弾力が激しく逞しく、当館の魚介類は只者ではないと気づきを与えるひと品です。
続いて小鯛の笹漬け。やはりベリーベリー高品質な小鯛であり、小野真弓的な健やかさを感じる味わいです。
サラダは近場の採れたてのお野菜をたっぷり用いています。こちらにも海鮮が配置されており、その辺の海鮮居酒屋の海鮮サラダとは段違いの美味しさです。
地元のサザエをお造りで。コリっとした歯ごたえに、噛みしめる程に滲み出る海の豊かさ。肝の味わいも濃密で、日本酒が進んで仕方がありません。
お造りはマダイの炙りにスズキ、近海の生マグロ。このマグロは美味しいですねえ。赤身と脂身のバランスが良く、エレガントな酸味とコッテリした旨味が両立しています。豊洲のマグロを高値で有難がっている連中に喰わせてやりたいぜ。
じゃーん、地元のアワビでーす。お刺身の状態で登場するのですが、途中で出汁を沸かせてしゃぶしゃぶとして楽しむことも可能です。基本、生が一番やろと思いきや、熱を加えると歯ごたえが弾力へと変化し、甘味も増してファンタジーな美味しさでした。
こちらは陶板焼き。フタをしてじっくりと手元で蒸して頂きます。アワビそのものの風味が非常に強いので、ごくごくシンプルな調味がかえってアワビの美点を引き立てます。肝の部分がやはり日本酒によく合う。
「鯛そうめん」とは聞いていたのですが、なんとひとり一匹づつ鯛が配置されました。タイの身を箸でグイグイとほぐしていき、旨味のつまったエキスと共にズズズと頂きます。「越のルビー」という、地元のブランドトマトの酸味がアクセントにちょうど良い。
越前産のオコゼの姿揚げ。ドーンと大きなオコゼを豪快に揚げ、手づかみでバリバリ頂きます。身の美味しさはもちろんのこと、皮目のトロトロのゼラチン質が後をひく美味しさです。
〆のお食事は越前産のノドグロ炙り丼に越前産のワカメ味噌汁。どひゃー、こんなに豪勢な〆のお食事は初めてです。にやつくおじさん。
とりわけノドグロ丼が悶絶する旨さですね。表面を軽く炙って香りをひきたて食欲を復活させます。ジュワっとした脂も感じられるのですが、バストが横流れしない程度の構築感があり、肉厚で、量感がある。もう満腹なはずなのに箸を動かす手が全く止まらず、1分以内に食べ切ってしまいました。
デザートは和三盆のアイスに麦こがし(大麦やはだか麦を炒ってから挽いて粉にしたもの)を振りかけました。最初から最後までパワー系の料理が続きましたが、そのオフェンシブな姿勢をしっとりとクールダウンさせる優しい甘さです。
魚介類しか食べていないのにこの満足度たるや。当館そのものがセリ権を持ち、仲卸などを通さずに直接魚介類を買い付けているからこその食後感でしょう。
もちろん東京の日本料理店のように、フル装備のメルセデス的な豪華な装飾はありませんが、どのような技巧も素材の前では無力であると思い知らされた一食でした。
次回は是非とも冬に訪れて、越前ガニのフルコースを堪能したいところです。「川㐂(かわき)」の時みたいに、もうカニなんて見たくもねえよって気にさせてくれそうな予感がする。そんでもって、そのままベッドにダイブできるのが最高やねん。
■写真付きのブログはコチラ→ https://www.takemachelin.com/2022/11/yamazaki.html
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タケマシュラン
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店名 |
料理宿やまざき
|
---|---|
ジャンル | 料理旅館 |
予約・ お問い合わせ |
0778-37-1016 |
予約可否 |
完全予約制 |
住所 | |
交通手段 |
車 北陸自動車道敦賀インターより60分。 |
営業時間 |
|
予算 |
¥60,000~¥79,999 |
予算(口コミ集計) |
|
支払い方法 |
カード可 (VISA、Master、JCB、AMEX、Diners) 電子マネー可 (交通系電子マネー(Suicaなど)、iD、QUICPay) QRコード決済可 (PayPay、d払い) |
席数 |
6席 |
---|---|
個室 |
有 |
貸切 |
不可 |
禁煙・喫煙 |
全席禁煙
喫煙所あり |
駐車場 |
有 |
空間・設備 | 落ち着いた空間、電源あり、無料Wi-Fiあり |
ドリンク | 日本酒あり、焼酎あり、ワインあり |
---|---|
料理 | 魚料理にこだわる、朝食・モーニングあり |
利用シーン |
こんな時によく使われます。 |
---|---|
ロケーション | 海が見える |
お子様連れ |
12歳以下のお客様、ご利用不可。 |
ホームページ | |
初投稿者 |
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越前町の海沿い、漁火街道にある「料理宿やまざき」。日本海に面した漁師町にある料理旅館であり、越前ガニを中心とした地元の魚介類で勝負します。建屋は築100年を超える古民家を加賀から移しリノベしたそうです。
玄関から上がってすぐにロビー。高い天井に立派な梁が通り、まさにジャパンな風情です。朝と夜にはコーヒーのサービスがあります。
ロビー奥のテラス。日本海と庭園の緑とのコントラストが美しく、決して豪華ではありませんが心安らぐ風景です。
お部屋へと参りましょう。リノベしたばかりの広いお部屋があるということだったので、そちらに予約を入れました。なるほど広い。旅館としてダイニングエリアとベッドエリアが分かれているのは珍しいかもしれません。
こちらがリビングエリア。写真には映っていませんが、大型薄型のテレビもあります。
wifiはあるにはあるのですが、速度は遅く回線は安定しないので、動画をガッツリみたいな用途は諦めて下さい。そもそもこういう旅館でインスタとかtiktokは禁止です。法律で決まっています。
ウェットエリアは古い建屋を頑張って改装したなという印象。当たり前ですがこのあたりの使い勝手はどうしても外資系の機能的な水回りからは劣ってしまいます。
部屋にお風呂はなく、大浴場を利用します。「越前くりや温泉」という源泉100%のお湯だそうで、ややトロみがあって軽く若返ります。時間の定めはなく好きな時に好きなだけ浸かることができるのがいいですな。
朝食は1階の大広間にて。ただし大広間といっても数部屋しかない小さな旅館であり、この日の朝食は4テーブルしか用意されていませんでした。相変わらず高い天井がカッコイイ。
見て下さい、この朝ごはん量を。その辺の海鮮居酒屋のコース料理が尻尾を巻いて逃げ出す質および量であり、成人の1日分の栄養素全てが詰まっている勢いです。
こちらはマイカのお造り。私のそう短くない人生において、朝っぱらからこんなに高品質なイカを食べたのは初めてかもしれません。まさにイカんともしがたい美味しさです。
お椀は丼サイズで。お魚はカワハギでありコッテリとした味覚が堪りません。また、スープそのものにも海の恵みがたっぷりと詰まっており、得も言われぬ風味を放っています。
地元のカレイ。干したものではなく鮮魚をそのままバリっと焼き上げています。身と皮のジューシーな箇所、いわゆる冷静と情熱のあいだ部分が抜群に旨く、運転が無ければ日本酒をお願いするところでした。
お茶碗に白米は用意されているのですが、それとは別にアワリと岩モズクの雑炊も用意されています。しかも前夜に食べたようなアワビのスライスがジャンジャンぶちこまれており、私のそう短くない人生において、朝っぱらからこんなに高品質なアワビを食べたのは初めてかもしれません。
いやー、旨かった。余は満足じゃ。もちろん東京からのアクセスは抜群に悪く、機能的でスタイリッシュな部屋や洗練されたサービスなども期待できません。しかしながら最上級の海産物を腹いっぱい食べて温泉につかって後は寝るだけという目的であれば、これ以上はないという満足度を提供してくれる料理宿です。こういったスモールラグジュアリーの形もあるのだと会心した滞在でした。
■写真付きのブログはコチラ→ https://www.takemachelin.com/2022/11/yamazakihotel.html