【あべの・天王寺】麻婆麺と麻婆飯

出典:kurodaさん

【あべの・天王寺】麻婆麺と麻婆飯

グルメブームの現在の日本では、本場の味を忠実に再現した辛くて痺れる麻婆豆腐が大人気です。そのいっぽう、本場の麻婆豆腐をアレンジして、独自の味わいを提供しているお店も多くあります。あべの・天王寺周辺で、麻婆豆腐を進化させた独自の麻婆麺・麻婆飯を集めてみました。異形の麻婆を味わってみませんか。

更新日:2023/12/05 (2022/01/23作成)

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このまとめ記事は食べログレビュアーによる358の口コミを参考にまとめました。

麻婆豆腐をアレンジ

 麻婆豆腐は豆腐を挽肉ととともに炒め、唐辛子、花椒、豆板醤などで味付けした中華料理のひとつで、四川料理の代表格です。その特徴は唐辛子の辛さである「辣味」と花椒の痺れるような辛さである「麻味」です。
 麻婆豆腐が生まれたのは清朝のころ、四川省・成都郊外の料理屋のおばちゃんが、有り合わせの材料で労働者向けに作ったのが最初とされます。このおばちゃんの顏にはあばた(麻点)があり、「陳麻婆」と呼ばれていたので、彼女が作る名物の豆腐料理も「陳麻婆豆腐」と呼ばれたとか。
 日本の麻婆豆腐を語るうえで忘れてならないのが、NHKの「きょうの料理」で活躍した四川省出身の料理人・陳建民です。この陳建民が日本人向けに麻婆豆腐をマイルドに改良し、テレビを通じて各家庭に広めた功績は大きいですね。
 そしてさらに、日本で麻婆豆腐をアレンジしたさまざまな料理が現れてきました。料理人の才覚でブラッシュアップされた麻婆豆腐のアレンジ料理を味わってみませんか。

ちゃんぽんや

ちゃんぽんや

 近鉄南大阪線・河堀口駅から東方向。国道25号線の桑津3丁目交差点の南側、デイリーカナート桑津店の並びにある中華料理店です。
 店内は4人掛けのテーブル席が2卓と2人掛けが1卓の全10席。最近、レイアウトを変えられて少し余裕が生まれたようだが、それでも狭小には違いありません。

ジャンキーな旨さの「マーボーラーメン」

ちゃんぽんや

 「マーボーラーメン」(800円)は、やや大きめのお器に赤褐色の麻婆スープがなみなみと満たされ、たっぷりの豆腐が浮いています。立ち上がってくる花椒の香りが実にいいですね。
 スープの辛さはそれほど刺激的ではないが、豆板醤の塩分の中にほんのり甘みも感じます。花椒による痺れもそこそこ強いですね。

ちゃんぽんや

 豆腐はふわふわの柔らかさで、肉の配合が多くて旨みが強い仕上り。麺は中細の弱縮れ、中華料理店でよくある柔らかいタイプです。スープや豆腐とよく絡んで美味しくいただけます。
 麻婆スープに揚げ大蒜がたっぷり入れられてるのもユニークです。モチモチしたテクスチャー。揚げることで特有の強烈な風味は緩和され、スープの旨味を深めています。

玉華園

玉華園

 地下鉄堺筋線、および阪堺電車の恵美須町駅から堺筋を北へ少しのところ。日本橋でんでんタウンのど真ん中にある中華料理店です。
 全席テーブル席でトータルで60人ぐらいが収容できる店内は、個室もあって、少人数での宴会もできるようになっています。

甘くて痺れる「元祖四川陳麻婆豆腐炒飯」

玉華園

 「元祖四川陳麻婆豆腐炒飯」(980円)は、麻婆豆腐を食べたいし、炒飯も気になる…という方にちょうどいいメニューです。
 丸い平皿に麻婆豆腐がカレーライスのように横掛けされています。麻婆豆腐は豆鼓醤によるのか黒っぽい色合いで、上面に青ネギが散らされています。ほんのり甘く、辛さはそれほどでもないが、花椒による痺れがかなり強く押し寄せてきます。

玉華園

 豆腐はふわふわの柔らかさ。肉の配合が多めなので肉の旨みが強い仕上がりです。
 炒飯はぱらぱらに仕上がっており、抑制的な味付けは麻婆豆腐と喧嘩しません。スープはアオサが入っていて、実に風味豊かです。

アベノ珉珉

アベノ珉珉

 「あべのキューズモール」の北側一角を占めるViaあべのWalkの地下1階にある中華のお店です。
 このお店は阿倍野再開発前には「あべの銀座」の路地裏にあったお店。当時の怪しげな雰囲気からは程遠い、劇的な変化を遂げています。

味噌の風味が奥行きを深める「蒙古麺」

アベノ珉珉

 「蒙古麺」(770円)は、褐色のスープが満たされたラーメンの中央に麻婆豆腐を盛ったようなビジュアルです。
 スープを啜ると先ずは直線的な辛みがやってくるが、その奥に味噌のコクが感じられる。さらに甘みや酸味が複合的に組み合わせていて、単にラーメンの上に麻婆豆腐を盛っただけでは無いようです。

アベノ珉珉

 麺は中華料理店でよくある、細めで少しかんすい臭を感じるタイプです。柔らかい口当たりの優しい風合いがいいですね。スープと具材、麺とのバランスの良さを感じます。
 具材は単に麻婆豆腐を乗せてるわけではなく、モヤシやニラも投入されています。豆腐のまろやかさとともに野菜のシャキシャキした食感が楽しめるのこいいですね

南の島のご馳走屋

南の島のご馳走屋

 近鉄南大阪線・大阪阿部野橋駅の東改札から庚申口より地上に出て、近鉄の線路に沿って東に5分ほど歩いたところ、あびこ筋手前のビルの1階にある、日本酒バーを昼間に間借り営業しているお店です。
 店内はL字型のカウンターに8席ほどと、その背後に2卓のテーブルを置いている全16席ほど。中年の男性おひとりで営業されています。

麻婆豆腐とスパイスカレーのあいがけ

南の島のご馳走屋

 「麻婆豆腐飯」と「鶏と焦がし玉ねぎのスパイスカレー」のあいがけは、四角い平皿の上にライスが盛られ、両側にスパイスカレーと麻婆豆腐が掛けられています。そしてレタスサラダとマカロニサラダが添えられています。
 トマトによるものと思われる赤みを帯びたカレーは、その優しそうな見た目に反して辛さが直線的に襲ってきます。そしてその辛さの中に玉ねぎの甘みや素材の旨みがじわじわ表れてきます。

南の島のご馳走屋

 方や麻婆豆腐は優しい味わいで、山椒の香りが豊かではあるが痺れは余り感じられません。しかしバランスの良さを感じる麻婆豆腐です。
 このスパイシーなカレーと優しい麻婆豆腐が徐々に混じり合って、得も言われぬ味わいに変化していきます。これぞ「あいがけ」の真骨頂です。

中国料理 紅龍

中国料理 紅龍

 JR大阪環状線・寺田町駅の北口から国道25号線を東へ5分くらい歩いたところ、生野本通商店街の入口近くにある大衆中華のお店です。
 店内は1階が厨房に面したカウンター席のみの10席程度、2階は20席ほどのテーブル席が並ぶ全30席ほどです。

ご飯と相性抜群の「麻婆丼」

中国料理 紅龍

 「麻婆丼」(720円)は、やや深めのお皿に麻婆豆腐がこんもり盛られ、その下のご飯は完全に隠れています。
 麻婆豆腐は豆板醤による赤っぽい色合いで、上面に青ネギが散らされています。麻婆豆腐をひと匙口に運ぶと、ややドロッとした風合で、実に濃厚な旨みがあります。
 ややピリ辛ながら、花椒による痺れはほとんどありません。ほんの少し感じる酸味は紹興酒によるものだと思います。

中国料理 紅龍

 大きめにカットされた豆腐はふわふわの柔らかさ。肉の量がかなり多めなので肉の旨みが強い仕上がりです。これとご飯との相性は悪かろうはずがない。

どうとんぼり 神座 あべのキューズモール店

どうとんぼり 神座 あべのキューズモール店

 地下鉄谷町線・あべの駅に直結、各線天王寺駅からも近いですね。あべのキューズモールの3階フードコートにある神座です。
 神座は道頓堀のお店を発祥とし、今や関西を代表する大手ラーメンチェーンに発展しています。

季節限定の「麻婆麺」

どうとんぼり 神座 あべのキューズモール店

 季節限定メニューの「麻婆麺」(990円)は、やや大きめの器に赤褐色のスープが満たされ、上面にが盛られています。刻み葱が散らされるとともに花椒と辣油が掛けられています。
 とろみのあるスープのベースはいつもの神座のコンソメのようなあっさりとしたスープで、それに麻婆が合わさることで刺激的な味わいになっています。

どうとんぼり 神座 あべのキューズモール店

 麺は中細のストレート麺。多加水の透明感のある風合いで、弾力のある歯触りが楽しめます。柔らかい豆腐との食感の対比があるのもいいですね。
 そしてデフォルトの白菜と豚肉も潜んでいいるが、この白菜こそ神座のレゾンデートル。炒めた白菜から出てきた甘味が癒しを与えてくれます。

※本記事は、2023/12/05に更新されています。内容、金額、メニュー等が現在と異なる場合がありますので、訪問の際は必ず事前に電話等でご確認ください。

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