Yamad853さんの行った（口コミ）お店一覧

小さな館で持てなされる極上のイタリアンとワイン

以前から行きたかった、ミシュラン掲載店の大阪のステーキ店、出張の機会にお邪魔しました。 カウンターと個室のこぢんまりしたお店ですが、評判の高い炙り焼きスタイル（東京銀座の麤皮 (あらがわ)）と同じ炉窯で焼く焼き方）は、外がカリッと仕上がり、中が程よい火加減でジューシーという特徴があります。 最初に供されるのは、小さな小さなハンバーガー。でもこれがバンズ含めて超美味で、まず心を鷲掴みにされます。前菜もサラダも、丁寧に作られたスープも美味しく戴きましたが、何と言っても主役は3種の部位のお肉。ああ、これが福多亭のお味か、と、いわゆる鉄板焼きでは出せない絶妙な火加減に感動。口に含むとジュワーっと口内に肉汁が溢れて炉窯の力と焼き手の火加減や回し方の素晴らしさにひれ伏しました。肉の種類の違いも絶妙のハーモニー。 写真多めに載せましたので、あとはお察しください。 ペアリングに近い形でワインの杯を重ね、いい感じに出来上がって、夜風に吹かれつつホテルまでの道のりを歩いて帰りました。

これから来そうなイタリアン発見！

老舗の味に心躍る！上質極まりない名店。 1989年開業のトラットリア（イタリアの食堂）。長きにわたってこの恵比寿の同じ場所で営んでこられたのに、どうしてもっと早くに来ていなかったんだろう、と悔やまれます。今日はこのお店のご近所に住む親しい友人に誘って戴いて、心地よい美食の時を過ごせました。 でも、ホントに何食べても旨いし、他のテーブルのお料理を見ても美味しそうだから、絶対また家族・親戚・一族郎党引き連れて来てやろう、と誓いました。トラットリアだけにコスパもいいですし、奥の席なら大人数でもいけそうです。 夏はテラス席になるところを、2月なので、テラスの開口部に分厚いシートを張り巡らせてしっかり防寒。外のはずなのに中、これも何気にオシャレです。夏の夕暮れ時などに訪れれば、向かいの小さな公園（恵比寿東公園）で、ブランコやタコ型の滑り台を楽しむ子供たちの歓声が聞こえてくるかも知れません。 なぜか天井が藁ぶき風で、ずらっと並んだテーブルと可愛らしい椅子が、恵比寿なのに何だかカントリー調。奥行き方向に延びるカウンター上で、切り分けられている肉や大きな半月形のパルミジャーノチーズの姿が、暖かで家庭的な雰囲気を醸し出してくれています。 こちらのお店はトラットリアだから、メニューのコースではなくて全部アラカルトというのも気に入りました。最近メニューこれ1つです、とかいうお店増えましたけど、自由な選択肢がある方が絶対に良い！ 今日私たちが食べたのは、軽くサラダのあとに、先ず白アスパラガスのソテー。最初に大皿にアスパラが4本並べられだ上に、ポーチドエッグというか超半熟の目玉焼きが2つ載った状態を見せてくれます。それを小皿に1本づつ取り分け、2個の半熟卵をかき混ぜソースにしたものをかけて出してくれる。シンプルだけど旨し！です。 お次はタラの白子とカリフラワーのフリット。これまたシンプルですが、カリフラワーがカリっと、しらこがしらっと、じゃなくてしっとりとろとろで、何か衣にパルミジャーノ混ぜこんであるのかなぁ、これまた旨し！ そしてメインのフィレンツェ風のTボーンステーキ。イタリア料理店でTボーンをはじめて供したお店がこちららしいのです。写真では見えていませんが、テーブルに来たときには、皿の端のほうがめらめらと燃え盛っておりました。サーロイン部も、骨と反対側のフィレ肉部も、どちらも噛みしめるほどに肉汁が溢れて深みあるお味。フィレはとても柔らかくて食べやすい。サイズは600グラム以上から選べるようですが、私たちは最小サイズの600にしました。でも、もっと大きいのにしても良かった。熟成肉の海外系ステーキ専門店よりこっちの方が、個人的には好きかも知れません。いろいろメニューも揃っているしね。 一緒に持ってきて戴いた焼き野菜も美味しかったですよ。 そしてシメは、パルミジャーノチーズのリゾット。カウンターに置かれていた半月形のパルミジャーノの中をくり抜いて、そこに熱々のリゾットのお米を入れ、中で混ぜてしっかりチーズの味と香りを溶け込ませてくれるのです。これを私たちのテーブルの上でやってくれる。木製スプーンでスープ皿に取り分けたら、皿のふちをとんとんと手で叩き、リゾットを皿上で平らに整えます。 チーズの味と香りがこってりと鼻孔を抜けつつも、触感はさらっとしていて、日本人的にはお茶漬け感覚でペロッと食べられてしまいます。 食後のケーキは、女性陣が楽しんでおりました（私はあまり関心がない）。 イタリア人のベテランぽい店員さんが勧めてくれた今日のお酒。最初は発泡酒で乾杯して、その後は前半がブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。後半はフルボディのマルケロッソ“パトス”にしました。いずれもグラスです。 ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、イタリア半島をブーツというか人の脚部に見立てると、膝の少し上のほうに当たるトスカーナ州のモンタルチーノ地区の赤ワインです。トスカーナ州にはかの芸術都市フィレンツェがありますが、その少し南に位置するのがモンタルチーノ。イタリア3大ワインの1つ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノを栽培する生産者が沢山あるといいますが、今回戴いたのは引き締まりつつもエレガントな、香り高き品のあるものでした。そしてボディは中くらい。ボトルのラベルを見逃してしまったので醸造年も生産者名も不明ですが、醸造家によって、同じブルネッロ・ディ・モンタルチーノでも味は様々なようです。サンジョベーゼグロッソというブドウ品種100％で造られていますので、ご興味あれば調べてみてください。 後半で飲んだパトスは、膝の裏側、モンタルチーノの東側に位置するマスケ州のサンタバルバラ地区のワインでした。2019年もの。ラベルはラテン語で書かれているので読めませんけれど、パトスと綴られているのだそう。こちらは気鋭の醸造家が造っているらしく、注目されているようです。メルロー、カベルネソービニオン、シラーが3分の１づつと聞くと、オンパレードじゃないか、と思うのですが、これがとてもバランスが取れ安定した深い味わいで、ベリー・カシス系のフルボディなのです。お肉にぴったりで、オンラインで買いたいなと思ったのですが、どこのショップも売り切れでした。 このトラットリアの名前は「大口」という意味らしいです。私も大きく口を開けてもっと腹一杯食べたい！トリッパも、仔牛のカツレツミラノ風も、リコッタチーズとアーティショーのラビオリも、あさりのスパゲッティーニも、食べたい食べたい食べたい！！ 帰路、公園を抜けて明治通りに出るとき、前を通りがかった熊本のあか牛を扱う精肉屋さんで、明日の夕食のステーキ肉を求めてしまいました。 明日も肉肉しい日が続きます。。。

今日はビッグゲストをお招きして、でも接待という感じではなく、お友達の会といった砕けた雰囲気での会食と相成りました。 急に決まった会食だったので、場所の確保が大変だったのですが（個室必須）、そうだ！おととし行ってその後是非再訪しようと思ってた店あったな、と急いで電話。個室ゲットしました。 名前からも分かるとおり、イタリアンのお店。以前伺ったとき、また来ようと思ったのですから間違いなく美味しかったのですが、今回は総勢4名で卓を囲んで楽しく盛り上がったこともあってか、前回以上に美味を堪能した気分でした。 地下に降りて扉を押すと、左手に（ちょっと壁の向こうで見えないのですが）普通のテーブル席が、そして右手にカウンターがあります。その手前奥にちょうど4-5名が集えるサイズの個室がありました。前回来たときは、この個室の存在に気付いていませんでした。店自体が隠家的な、主張し過ぎない外観で（まぁそもそも地下ですから）、お忍びで使っても宜しいかと。 メニューをざっと記すと、 最初が、名物料理というか名物突き出しだそうですが、うずら卵の目玉焼きっぽい落し卵に黒トリュフがふんだんに盛り込まれた、メッツォウォーヴォという一皿。 なかやま牧場の牛テールサフラン風味。富山産の甘えび。マッシュルームを纏った金華豚。太刀魚。金目鯛。常陸鴨。そしてねっとり舌に絡みつくような雲丹のパスタ。 皿数は多いのですが、ちょっとづつの分量で供されるので、次々に出されて次々に食べていくという、心地良いテンポで料理が繰り出されます。 いずれもイタリアンの枠を出ていないようで、実に工夫が見られます。太刀魚のローストには黒オリーブのソースにカボスの香りが添えられていて美味でしたし、金華豚もたっぷりのマッシュルームにまみれて、甘くて深い味わいでした。金目鯛は焼き目を付けつつもひたひたのコンソメスープに泳がせてしまっているし、雲丹のパスタなどはフルーツトマトの上に鎮座して、アルデンテながら一口で食べてしまえる量に、もっと呉れ！と叫びたくなりました。 ティラミスも、そして、石ころの上に載って出てきたので、間違って石ころを食べそうになったジェラートやカカオキャラメルも、美味しく且つ面白く、劇場（テアトロ）の舞台上に立つ名役者たちの演技を堪能したようなディナー（でも、店名の本当の意味は知りません）。ワインもブルネロ・ディ・モンタルチーノ2016年などを嗜み、うましイタリアを味わい尽くした一夜でした。

景色も味も美味しい天空のイタリアン