第7回「5点の衣類」逮捕1年後に発見の謎 元担当検察官「非常に困惑」

[PR]

 誰もが予期していなかった事態が起きた。

 みそ会社専務一家殺害事件で袴田巌さん(88)が逮捕されて約1年が経ち、公判も始まっていた1967年8月31日。法廷では、捜査段階での「自白」を撤回して無罪を訴える袴田さんと、検察が真っ向から対立していた時期だ。

 始まりは、1本の電話だった。

 「工場の中から血のようなものがついた服などが発見された」

 静岡県警の捜査報告書などに…

この記事は有料記事です。残り1582文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
田中恭太
東京社会部
専門・関心分野
裁判、デジタルプラットフォーム、独占禁止法、ロック音楽