耳が聞こえない人は、動物園のショーをどのぐらい楽しめているのだろう?そんな中学生の声をきっかけに、宮崎市の動物園で「フラミンゴショー」に手話ガイドを付ける試みが行われた。手話を知っている人も知らない人も一緒に楽しんでもらい、これをきっかけに手話に興味を持って欲しいという親子の思いがあった。

中学生の声がきっかけで手話ガイド導入

瀬良有里奈キャスター:これからフラミンゴショーが始まります。園長の隣にいるのは手話通訳の方。すべてのお客さんに楽しんでもらおうと、今回初めての試みです。

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これは、手話検定1級を持つ宮崎県西都市の中学2年生・藤田夏帆さんが、県外の水族館で手話ガイドを見たことがきっかけで実現した。

手話検定1級 藤田夏帆さん(中2):ろう者の方が、フラミンゴショーを楽しめているのかな、と思ったときに、手話があった方がもっともっと楽しめると思った。

夏帆さんは2年前に全国最年少で手話検定1級に合格。公共の場で手話通訳をするのは初めてだった。ショーではフラミンゴが様々な飛び方を見せる。同じ「飛ぶ」という手話を、どう変化させて分かりやすくするかを、事前にサークルのみんなで研究したという。

会場には耳の不自由な人も訪れていて、手話ガイドを通してフラミンゴショーを楽しんでいた。

耳の不自由な来園者も楽しめるショーに

母親の智恵子さんも手話通訳士で、夏帆さんと一緒に手話ガイドに取り組んだ。本番では、打ち合わせと違う言葉が出てきたというが、夏帆さんは臨機応変に対応し、感心したという。

手話ガイドを利用した来園者:これまでは聞こえないから、ショーや鳥をみるだけで寂しい気持ちになっていたが、説明があると、詳しい情報がわかって良かった。

手話ガイドを利用した来園者:開園当初から来たことがあったが、今まで手話通訳はなくてただ見るだけだった。色々な情報が入ってきて、楽しいことが増えてくれば良いと思う。

手話検定1級 藤田夏帆さん(中2):手話を知っている人も知らない人も、拍手など一緒にやってくれてうれしかった。

藤田さんの母・智恵子さん(手話通訳士):手話を知らない人も、きょうがきっかけになってくれたらうれしい。

「手話を身近に感じてほしい」という中学生の想いから実現した手話ガイド。

宮崎市フェニックス自然動物園では、今後も手話ガイドを取り入れていき、誰もが楽しめる動物園にしていきたいとしている。

(テレビ宮崎)

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