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インターネットで前もって予約したJRのきっぷを、出発駅ですんなり受け取れなかった。そんな経験の持ち主は結構いるはずだ。理由は、JR各社がばらばらに開発したネット予約システムにある。同じ「JR」なのになぜ? 改善策は? 総合旅行業務取扱管理者で、JRの発券システムに詳しい中尾一樹さんに解説してもらった。
「明和電機」土佐さんの困惑
JRの旅客鉄道会社6社のうち4社(東日本、東海、西日本、九州)には、独自のネット予約システムがあります。残る2社も、北海道は東日本、四国は西日本に相乗りしています。つまり全国どこからでも、JRきっぷをネット予約できるわけです。
しかし、現在のネット予約システムには落とし穴があります。まずは、乗車前のチケット受け取りが必須なこと(チケットレスサービスも一部ありますが)。もう一つは、チケットを受け取れる駅が限られることです。問題点が分かりやすい例として昨夏、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で話題になった、アートユニット「明和電機」の土佐信道さん(51)の書き込みを引用します。
「JRの『えきねっと』、最悪のシステム。岡山にいて、岡山から東京までの新幹線キップを買ったのに、岡山駅ではキップを発券できないという……。
全国ネットワークできてからはじめんかい!」
JR東日本の「えきねっと」で予約したきっぷを、出先の岡山駅(JR西日本管内)では受け取れなかった――という経験談です。「えきねっと」のホームページには、これに関する注意事項が大きく記されているので、「見落とすほうが悪い」と反論する書き込みも多数ありました。とはいえ、ふつうの利用客は「各社が縦割りの現状こそおかしい」と考えるほうが自然ではないでしょうか。
ちなみに、土佐さんは結局、「えきねっと」をキャンセルし、岡山駅の窓口で改めて購入したそうです。