令和7年度 名古屋大学工学部エネルギー理工学科 編入体験記

始めに

 令和7年度名古屋大学工学部エネルギー理工学科 (以下エネ理) の合格体験記です。

 この体験記では面接について主に述べていきます。勉強法については書かないの?と思った方もいるかもしれません。私自身数多くの体験記を読み勉強法を調べていましたが、結局は数をこなすのが良いという結論に至ったんですよね。ここでは使った参考書に少しコメントする程度にとどめようと思います。

 

自己紹介

  • 学科 電気電子系
  • 成績 1年 10位 2年 5位 3年 3位 4年 3位 (約80人中)
  • TOEIC 790点
  • 併願校
    専攻科   合格
    東北大学  不合格
    名古屋大学 合格

 

数学

 名古屋大工学部は

が頻出です。

特別難しい問題が出るとかではないと思います。

 

 定番の参考書です。基礎的な問題が多いので確実にできるようにしましょう。ただ、一部の奇問や暗記前提の問題はできなくてもいいと思います。私も全ての問題を完璧にしたわけではないです。

 

 7割くらいは上3つの問題集と被ってた印象があります。初見らしき問題だけ解きました。

 

 普通に分かりやすかったです。曲率とかはやらなくていいです。

 

 苦手を普通にするのが細野、普通を得意にするのがハッ確だと感じました。応用力を身に着けるならハッ確だと思います。

 

物理

 物理は力学と電磁気から出ます。基本的な問題が中心ですが稀に難しい問題が出ます。

 

考える力学 第2版

考える力学 第2版

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 力学のインプットに使いました。所詮高校物理は暗記なので始めから微積物理を勉強するべきです。下2つの内片方やれば十分かと。

 

 力学の問題集です。インプットについては高校物理はいらないですが、問題集については高校範囲も必要です。名門の森は過去問と似た問題がいくつかあります。物理のエッセンスは1問目がつまらなそうだったので辞めました。

 

 単位が取れる電磁気学ノートは授業で使ってました。基礎はこれで充分ですが、静電ポテンシャルやポアソン方程式などについては浅いため注意。

 

 電磁気の問題集。弱点克服は本当に誤植がひどいです。文脈的に誤植しようがない所に誤植があったりします。この2冊で大体の問題は解けますが、静電ポテンシャルやポアソン方程式の問題はほとんどないです。なぜこんなに強調しているかというと本番に出たからですね。

 

化学

 化学は

  • ほぼ毎年    理論化学 (高校) 、有機化学 (高校) 、物理化学 (大学)
  • 2、3年に一度  無機化学 (高校)
  • 5、6年に一度  有機化学 (大学)

という感じです。

 

 必須です。

 

 理論、有機のみ解きました。良問が多いと感じました。

 

 理論、有機のみ解きました。この本普通に過去問より難しいです。時間に余裕がある人向け。

 

 分かりやすいです。過去問にある内容をちょうど良く含んでいます。分かりやすさ的にも範囲的にもかなり名古屋大に適しています。

 

 無機はこれを完璧にすれば大丈夫です。あまり出ませんし出たとしても簡単なのしか出ないので優先度は低いです。

 

 大学の有機。基本出ませんし出ても配点はとても低いです。名古屋大の対策の中で最も優先度は低いです。最低限混成軌道について分かっていればよいかと。

 

英語

 3年10月で615点、3年2月で745点、3年3月で790点を取りました。早めにとるに越したことはないです。

 

 文法を仕上げた後はひたすら単語とシャドーイングをしていました。ただ、友達はシャドーイングなしで800後半を取っていたので、シャドーイングが絶対正義というわけではないと思います。

 

面接対策

 名古屋大の受験生が一番知りたいのが面接対策ですよね。特にエネ理のような高専にはない学科を受ける人は途方に暮れていると思います。

 

 私は初めにエネ理の時間割を見ました。編入試験は内部生と同等の学力を持つことを示すための試験ですから、内部生の2年前期までの内容が問われると考えたからです。時間割を見ると、数学物理化学の基礎的な内容が中心だったので、そこが問われることはないと判断しました。そこで私は、研究への熱意でアピールすることにしました。私は核融合について興味があったので核融合の基礎について勉強しました。エネ理では4年生に核融合の授業があり、2年8月の時点で勉強していることが内部生との差別化になると考えました。

 

 

 この本にある核融合の原理や関連知識はほぼ説明できるようにしました。「核融合とは何か?」というアバウトな質問に対して一から説明できるようにしました。足りない知識は逐一インターネットで調べました。

 

試験内容

 名古屋大の過去問は毎年4月に各高専に送られます。詳細はそちらで確かめてください。

 

数学

  • 大問1 ベクトル解析

 三次元座標上の三点を経路とした線積分の問題です。

 条件から微分方程式を自分で作って解く問題。多分最後はラグランジュ微分方程式と同じように解くと思います (試験中はできませんでしたが) 。

  • 大問4 確率

 nPr とか nCr を使うだけの問題です。2分で解けます。簡単すぎて自分を疑うレベルです。

6~7割

物理

  • 大問1 力学

 直列接続、並列接続のときの合成ばね抵抗を求められるかどうかが全ての問題でした。それができれば後は判別式を解くだけです。

 静電ポテンシャルの問題でした。前半2問は解けましたが後半2問は解けませんでした。ポアソン方程式を使うとは思いますが...。

 内円柱、外円筒に電流を流したときの磁場の分布。いつも通りの簡単な名古屋の問題というかんじです。

7割

化学

 理論、有機 (高校) の語句の穴埋め中心の簡単な問題でした。近年稀に見る簡単さ。高校の定期テストレベルです。

9割以上

面接

 この情報をいったら俺は殺される。

 

 机にはエネ理の各研究室の研究内容のキーワードが11個書かれた紙が置かれており、その中から1つ選び知っていることを話す形式でした (X線半導体太陽光発電核融合、プラズマ、乱流など) 。以下質問内容です。

 

  • 志望動機は?

 核融合の研究がしたいから。名古屋大エネ理は核融合の研究室が多く、それ以外の研究室も魅力的なのが多いから。

  • 筆記試験の手ごたえは?

 正直に話しました。すぐに次の質問に移りましたが、机に問題用紙が置かれていたので解き直しを求められた人もいるのかもしれません。

  • キーワードの中から1つ選んで知ってること話して

 核融合重水素三重水素を使って~~。それぞれのプラズマの閉じ込め方式の原理・違いについても話しました。

  • DT反応で質量が失われることを何という?

 質量欠損。

  • 失われた質量とエネルギーの関係は?

 E = mc²。

  • その式は誰が作った?

 アインシュタイン

 ヘリウムと中性子

  • 発生した中性子はどうやって処理する?

 ブランケット内のリチウムと反応させ三重水素を作る。

 詳しくは知らないと言ったら次の質問に行った。

 3つしか書けなかったしベクトルとスカラーが混じってたけど褒められた。

  • 最近の授業で何勉強した?得意科目は?

 制御工学、信号処理、電磁気学など。授業の内容についても。

  • 物作りって何かした?

 実験で作ったものについて。話の流れでPID制御についても聞かれました。

  • 卒研について

 軽く話した。試験勉強を優先してるといったら次の話題になった。

  • 併願先は?第一志望は?

 専攻科と東北大学。第一志望は名古屋大学

 

 面接の内容は対策していた所から聞かれたので上手く答えられました。研究への熱意でアピールするというアプローチがかなり刺さりました。面接時間は約20分でした。

 

最後に

TOEICは早めに終わらせる

 知っての通りTOEICの有効期間は2年間あり、早く終わらせればその分他の教科に専念できます。今年のエネ理は2人合格し、私が790点、もう1人が600後半です。アドバンテージを得るには700後半、できれば800点がほしいところです。

 

勉強時間にとらわれないこと

 私は受験期間勉強時間こそが正義だと思っていました。ですが、目標時間に達成できない日が多く、自分を責める日がとても多かったです。1日4、5時間 (休日で) は流石に少ないと思いますが、無理に毎日10時間とかはしなくてもいいと思います。

 私自身、様々なラノベにハマったり、春休みから毎日崩壊スターレイルをしたり、受験1週間前にDr.STONE3期を一気見したりなどの数多くの愚行を重ねましたが結果受かってますので (でも真似しないでください) 。

 つまり、情報を集め適切な勉強計画を立てることができれば合格できるということです。

 

 最後にX (Twitter) とStudy Plusのアカウントを置いておきます。何か質問があればX (Twitter) まで来てください。多分確認は遅いです。

 

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