家畜の口蹄疫 (こうていえき) 被害で宮崎県知事が非常事態宣言

【2010年5月21日】

口蹄疫ウィルス電子顕微鏡で拡大・撮影したもの (参考資料、PD)
2001年にイギリスにて発生した口蹄疫の被害を受けた牛の焼却処分の模様 (参考資料、PD)

宮崎県東国原英夫(ひがしこくばる・ひでお)知事 (宮崎県口蹄疫防疫対策本部 本部長) は5月18日 (UTC+9)、家畜口蹄疫(こうていえき)発生が拡大していることを踏まえ、県として非常事態宣言を出した。東国原知事は「このまま被害が拡大するようなら本県(宮崎県)の畜産が壊滅することはもちろん、隣県、更には全国的に感染が拡大する可能性が否定できない」として非常事態宣言を出し、発生地域だけではなく発生地域外にも感染防止対策を取るようにお願いを出した。発生地域には次のような感染防止措置を取る様に呼びかけている。

畜産農家において徹底をお願いしたいこと
  1. 市町村の内外を問わず、不要不急の外出を極力控えること。特に他の畜産農家との接触は絶対に避けること。
  2. 家畜、畜舎、えさ、車両の内外の消毒及び踏込消毒槽の設置等感染防止のために必要な対策を徹底して実施すること。
  3. 畜舎への出入りは極力控え、出入りする場合は、マスクを着用するとともに、その前後において手足の洗浄、うがい等を励行すること。
畜産農家以外の方々にお願いしたいこと
  1. 不要不急の外出は控えること、特に畜産農家への訪問は差し控えること。
  2. 一般車両を含め車で移動する場合は、必ず管内の消毒ポイントで消毒を受けること。
  3. イベント、大会、集会等は、当面の期間延期すること。やむを得ず開催する場合は、出入り口での消毒など防疫措置を徹底すること。

なお口蹄疫は人に発症することはないが、人を介して偶蹄類(ぐうているい)に伝播することがありえることを前提としたものであることを理解することも呼びかけた。

中国新聞によると、この非常事態宣言が出た5月18日、県内3つの町の20の農場で口蹄疫に感染した疑いがある約40頭が確認され、処分対象となったこれらの家畜は約11万8000頭に及ぶと発表した。

イベントの開催中止相次ぐ

編集

毎日新聞によると、この非常事態宣言を受けて県内各地では様々なイベントの開催中止などが相次いでおり、宮崎県高校総体(5月28日から6月6日)の総合開会式が取りやめとなった他、宮崎県庁で開催されている物産市「楠並木KONNE市」や、日南市の「なんごうシーカヤックマラソン」といった、イベント開催がそれぞれ中止された。また県観光推進課によれば4月下旬以後、県経済連が主催している「情熱!みやざき食と農の祭典2010」も開催中止となっているという。また小林市にある観光牧場「コスモス牧場」も5月19日から無期休園となった。

情報源

編集