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{{複数の問題
{{Redirect|アナザーストーリー|Janne Da Arcの作品|ANOTHER STORY}}
|出典の明記=2014年3月
 
|独自研究=2014年3月
'''外伝'''(がいでん)とは、'''[[伝記]]'''に対して、主となる部分や要点については不足するが、その補助となるような[[記録]]や[[注釈]]のこと。転じて、伝記に対して、その主要な部分以外の何れかに焦点を当てて書かれた記録や[[文書]]を指す。一般的には、主体となる伝記名を冠して「○○(伝記名)外伝」とされることが多い。
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'''外伝'''(がいでん)は、'''[[伝記]]'''に対して、主となる部分や要点については不足するが、その補助となるような[[記録]]や[[注釈]]のこと。転じて、伝記に対して、その主要な部分以外の何れかに焦点を当てて書かれた記録や[[文書]]を指す。一般的には、主体となる伝記名を冠して「○○(伝記名)外伝」とされることが多い。
 
ここで言う「伝記」は「個人の事績の記録」(英:biography)だけではなく「記録や文書」(英:record, document)全般を指すため、そこに記された内容は史実だけに留まらず、[[伝説]]や[[神話]]、虚構([[フィクション]])作品なども含んだ非常に広範囲に亘るものである。それに伴い、「外伝」が扱われる範囲もまた同様に広い。
 
そのため、現代において'''外伝'''は、主となる'''[[作品]]'''に対して、その物語に直接影響しない裏話や逸話として派生した作品を指す言葉として広く使われている。
 
なお、主体となる伝記は、外伝に対して「'''本伝'''」と呼ばれ、その伝記がフィクションであることが明らかな場合は、特に「'''[[本編]]'''」あるいは「'''[[原作]]'''」とも呼ばれる。
 
== 概要 ==
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=== サイドストーリー ===
'''サイドストーリー'''([[和製英語]]、side story)とは、「本編(主流)の傍らを流れる物語」といった意味合いであり、「フィクションにおける外伝」をカタカナ語化(擬似英語化、横文字化)した造語である。主に娯楽作品において、制作者が「外伝」という言葉の持つ堅苦しさを避けたい場合などによく使われる。
 
{{要出典範囲|これは和製英語であり、本来は英語圏で「外伝を意味する語」として通じるものではなかった。しかし、[[漫画]]や[[アニメ]]、[[コンピューターゲーム]]といった日本の[[サブカルチャー]]が日本以外でも注目されるようになったことで、主に作品タイトルの一部(『○○(本編名)サイドストーリー』など)として伝わっていった。その結果、「anime」という言葉が「日本製アニメ」を指す言葉として英語圏に定着したように、サイドストーリーは「外伝の英訳(日本的な言い回し)」として定着しつつある。|date=2011年1月}}
 
[[2007年]]現在、ほとんどの[[英和辞典]]に「side story」という項目は無く、[[和英辞典]]では「外伝」の訳語として「supplemental biography」や「episode」などを挙げており、多くの[[翻訳]][[ソフトウェア|ソフト]]では「side story」を「側の話」と直訳してしまう。しかし、比較的新しい一部の辞典やソフト<ref>『アドバンスト フェイバリット 和英辞典』([[東京書籍]])、『[[英辞郎]] on the Web』(ALC)など。</ref>では、「外伝=side story」としているものが徐々に見受けられるようになってきている。
 
=== アナザーストーリー ===
{{Redirect|アナザーストーリー|Janne Da Arcの作品|ANOTHER STORY}}
'''アナザーストーリー'''(和製英語、another story)とは、「本編とは別の(部分を描いた)話」といった意味合いの造語であり、これもサイドストーリーと同様に外伝の代わりに使われるようになった言葉である。ただし、「another=別の」という本来の英単語の意味のイメージが強いためか、本編とは違う展開や結末を迎える話(パラレルワールド物)である場合もある。
 
本来の英語における「another story」は「(それとこれとは)別の話、別問題」といった意味合いで使われる。そのため、「side story」のようには「外伝を意味する語」として英語圏に定着していない。なおanotherは不定冠詞anをふくむので、原則としてあとには複数名詞をおくことができない。したがってanother storiesは誤り(other storiesが正しい)。ただしanother + [three days]「さらに3日」のようにanotherと名詞(時間や距離などの量を表すもの)の間に数詞がはいる場合は複数名詞を用いることができる
 
=== 番外編 ===
'''番外編'''(ばんがいへん)は、「番外」と「編」を組み合わせた[[複合語]]である。番外とは「番組外」の略であり、ここでいう[[番組]]とは、本来「(演劇などの)演目や予定」を指す。また、編とは、ここでは「物語の一編」という意味で使われている。つまり番外編とは、物語(本編)全体の流れに沿ってはいるがその展開や結末に直接関係しない話、という意味である。本編中では描かれていない部分(連続作品だと話と話の間など)で起こった出来事、裏話などが描かれることが一般的である。{{要出典|date=2017年5月}}
 
=== スピンオフ ===
'''[[{{main|スピンオフ#スピンオフ(作品制作)|におけるスピンオフ]]'''とは、}}

本編の[[著作者]]や[[著作権者]]によって、本編と同じ世界観や世界設定の上で、本編において脇役であった人物や物語の中心でなかった場所などに焦点を当てて、新しい作品制作される(派生させる)こと。詳細は同記事を参照
 
スピンオフも外伝の一種であるとされるが、[[ラジオドラマ]]番組の派生から使われ始めたこともあり、[[著作権]]上の問題をクリアしていることが特徴(「外伝」は著作権の概念が発生する前から使われている言葉)である。
 
=== シェアード・ワールド ===
{{main|シェアード・ワールド}}
'''[[シェアード・ワールド]]'''には、既存の一作品の世界設定を著者の認を得て共有している場合がある。この場合、後に創作された作品群は、元になった作品の外伝であるとされることがある(例:『[[七都市物語]]』)。詳細はシェアード・ワールドの記事を参照。
 
'''[[シェアード・ワールド]]'''には、既存の一作品の世界設定を著者の認を得て共有している場合がある。この場合、後に創作された作品群は、元になった作品の外伝であるとされることがある(例:『[[七都市物語]]』)。詳細はシェアード・ワールドの記事を参照
=== 続編、前編 ===
'''続編'''(ぞくへん)とは、既に決着している作品の続き。時間的に本編より後の出来事を描いたもので、多くの場合、本編の主人公(主要人物)と物語の中心となる事柄(場所や物、事件)のどちらか、または両方を引き継いでいる。外伝の一種であるが、実際に外伝と呼ばれることは少なく(特に主人公が同じ場合など)そのまま「続編」とされ、本編とあわせて「'''[[シリーズ (作品)|シリーズ]]物'''(続き物)」とされる。
 
=== 続編、前編・後日譚 ===
'''前編'''(ぜんぺん)とは、本来は「2部以上で構成される作品の最初の一編」を指す(例:前編・中編・後編)。しかし、続編の対義語として使われる場合もある。その場合は、本編より後に制作された、時間的に本編より前の出来事を描いた作品を指し、多くの場合、本編の主人公(主要人物)と物語の中心となる事柄(場所や物、事件)のどちらか、または両方を本編に引き継ぐ形になっている。
{{main|続編}}
 
英語では'''シークエル'''(Sequel)と言う。
=== 後日談、前日談 ===
'''後日談'''(ごじつだん、'''後日譚'''(ごじつたん)も同義)は、(本編での)事件が決着した後にどうなったか、ということ。作品の位置づけというより、内容を示す言葉。本編の最後に「エピローグ」(epilog, epilogue)として描かれる事が多い。本編とは別の作品として成立している場合は、内容としては後日談だが通常は「続編」と呼ばれる。なお、時折混同されるが、エピローグの語意は「結び、結末」であって、後日談という意味ではない。描かれた内容が後日談であっても、あくまでエピローグは本編の一部(結びの章)である。また、後日談を意味する言葉として「'''アフターストーリー'''」(和製英語)がある。
 
; 続編(ぞくへん)
'''前日談'''(ぜんじつだん、'''前日譚'''(ぜんじつたん)も同義)は、(本編での)事件が発生する前はどうだったか、ということ。これも作品の位置づけというより、内容を示す言葉だが、むしろ後日談の対義語としてできた言葉。こちらもまれに「プロローグ」(prolog, prologue)と混同されることがあるが、プロローグの語意は「序言、序幕」であって、前日談という意味ではない。
'''続編'''(ぞくへん)とは、: 既に決着している作品の続き。時間的に本編より後の出来事を描いたもので、多くの場合、本編の主人公(主要人物)と物語の中心となる事柄(場所や物、事件)のどちらか、または両方を引き継いでいる。外伝の一種であるが、実際に外伝と呼ばれることは少なく(特に主人公が同じ場合など)そのまま「続編」とされ、本編とあわせて「'''[[シリーズ (作品)|シリーズ]]物'''(続き物)」とされる。
; 後日譚(ごじつたん)、後日談(ごじつだん)、後伝(ごでん)
: 本編が一段落したその後(本編に対して時系列で)に聞いたり判った話(従って内容は本編の時系列で前の場合もある)。作品の位置づけというより、内容を示す言葉。本編の最後に「[[エピローグ]]」(epilog, epilogue)として描かれることが多い。本編とは別の作品として成立している場合は、内容としては後日譚だが通常は「続編」と呼ばれる。
:後日譚を意味する言葉として「'''アフターストーリー'''」(和製英語)がある。なお、時折混同されるが、エピローグの語意は「結び、結末」であって、後日譚という意味ではない。描かれた内容が後日譚であっても、あくまでエピローグは本編の一部(結びの章)である。他には[[中国]]の古典文学作品(例えば『[[漢書|史記後伝]]』、『[[三国志後伝]]』)により、'''後伝'''という言葉も日本にてしばしば使われる。
:「[[Wikt:後日談|後日談]]」という言葉はフィクションのみならず、実際の事件などについて語る際にも用いられる。漢字の「[[Wikt:談|談]]」は「しゃべる」、「[[Wikt:譚|譚]]」は「かたる」「ものがたり」と相異なる意味があり、「後日談」と「後日譚」は辞書などでは類語として扱われているが<ref>[https://sakura-paris.org/dict/広辞苑/prefix/後日談 「広辞苑」(第六版)]</ref>、ニュアンスが異なるとする意見もある<ref>{{Cite web|和書|date=2020-05-25|url=https://idiom-encyclopedia.com/three/gojitudann/|title=後日談の意味と使い方や例文|work=三文字熟語の百科事典|publisher=株式会社アクセル|language=日本語|accessdate=2023-03-03}}</ref>。
 
=== 異聞、異説前編・前日譚 ===
英語では'''プリクエル'''(Prequel)と言う。
'''異聞'''(いぶん)、'''異説'''(いせつ)とは、変わった話や珍しい話、通説とは異なる内容の話を指す言葉だが、外伝作品に冠せられることがある。「通説とは異なる内容の話」という本来の語意から、『○○異聞』と銘打たれた作品は本編とは異なる展開や結末を迎える話であることが多い。まれに同様に使われることがある言葉に「異本」がある。
; 前編(ぜんぺん)
'''前編'''(ぜんぺん)とは、: 本来は「2部以上で構成される作品の最初の一編」を指す(例:前編・中編・後編)。しかし、続編の対義語として使われる場合もある。その場合は、本編より後に制作された、時間的に本編より前の出来事を描いた作品を指し、多くの場合、本編の主人公(主要人物)と物語の中心となる事柄(場所や物、事件)のどちらか、または両方を本編に引き継ぐ形になっている。
; 前日譚(ぜんじつたん)
{{main|前日譚}}
: <!--'''前日談'''・'''前日譚'''は、国語辞典にない造語<ref>[[広辞苑]]5版、[[大辞林]]2版、[[日本国語大辞典]]2版、[[日本語大辞典]]、[[辞海 (三省堂)|辞海]]などどれにもない。</ref>である。-->(本編での)事件が発生する前の時系列における出来事といった意味合いを指す。これも作品の位置づけというより、内容を示す言葉として後日譚の対義語として使用される場合がある。
:こちらもまれに「[[プロローグ]]」(prolog、prologue)と混同されることがあるが、プロローグの語意は「序言、序幕」であって、前日譚という意味ではない。また、「後伝」に対義する言葉「'''前伝'''」は[[中華圏|中国語圏]]にて広く使われているが、日本語ではあまり見かけられない。
 
=== 異聞・異説 ===
'''異聞'''(いぶん)、'''異説'''(いせつ)は、変わった話や珍しい話、通説とは異なる内容の話を指す言葉だが、外伝作品に冠せられることがある。「通説とは異なる内容の話」という本来の語意から、『○○異聞』と銘打たれた作品は本編とは異なる展開や結末を迎える話であることが多い。まれに同様に使われることがある言葉に「異本」がある。
 
=== アニメオリジナルストーリー ===
アニメオリジナルストーリーは、原作の小説やマンガ、ゲームなどを、テレビアニメ、劇場用アニメなどにした際に追加された、原作にはないストーリーや設定、セリフ、シーン、キャラクターの総称。
 
== 本編の存在しない外伝 ==
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例として、[[漫画]]『[[セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん]]』が挙げられる。『セクシーコマンドー』という作品は現実には存在せず、これは『-マサルさん』の作品内で設定された[[架空]]の[[格闘技]]の名称である。
 
== 国語辞典に挙げられる著名な「外伝 ==
<!--市販の[[国語辞典]]の「外伝」の項目に、例として挙げられることの多い2つについて。-->
 
=== 春秋外伝 ===
『'''春秋外伝'''』(しゅんじゅうがいでん)は、[[中国]]の歴史書『[[国語 (歴史書)|国語]]』のこと。[[春秋時代]]についての歴史書に、儒教の五経の一つ『[[春秋]]』があるが、『国語』は『春秋』の注釈書『[[春秋左氏伝]]』と対になる書物とされるもので、後に書かれた『[[漢書]]』中で『春秋外伝』と呼ばれた。詳細は各記事を参照。
 
=== 義士外伝 ===
『'''義士外伝'''』(ぎしがいでん)は、『[[忠臣蔵]]』の「[[忠臣蔵赤穂事件の人物一覧#四十七士|四十七士]]以外の人物」についての伝記や物語。義士とは義を重んじる人のことだが、この場合は赤穂義士([[赤穂浪士]])の略称。四十七士のそれぞれについての話は、『[[忠臣蔵#義士銘々伝|義士銘々伝]]』という。詳細は各記事を参照。
 
== 関連用語 ==
* [[スピンオフ#スピンオフ (作品制作)|スピンオフ作品]]
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 関連用語項目 ==
* [[スピンオフ#スピンオフ (作品制作)|におけるスピンオフ作品]]
* [[精神的続編]]
* [[カノン (文芸)]]
* [[裏設定]]
* [[オマージュ]]
* [[リメイク]]
* [[ゲームブック]]
* [[リブート (作品展開)]]
 
{{DEFAULTSORT:かいてん}}