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{{出典の明記|date=2020年8月2日}}
[[File:Arturo Michelena 46.JPG|thumb|right|250px250 px|1888年]]
 
'''チャリティー'''({{lang-en-short|charity}})とは、[[慈愛]]・[[慈善]]・[[博愛]]または[[同胞]]愛の精神に基づいて行われる[[公益]]的な行為・活動のこと。
 
[[語源]]は「[[親切]]」を意味する[[古代ギリシャ語]]「[[カリス]]」({{lang-el-short|[[Wikt:en:χάρις|χάρις]]}})及びその[[ラテン語]]形「[[カリタス]]」({{lang-la-short|[[Wikt:en:charitas|charitas]]}})から。
 
[[世界]]各地でチャリティーの活動・組織が見られ、それらの多くは[[宗教]]的な背景を持つ。
 
チャリティーはしばしば[[身体障害者]]や[[高齢者]]などに対する[[社会福祉]]、[[貧困]]地域の[[飢餓]]救済、[[紛争]]地域の[[難民]]救済、または[[災害]]・[[事故]]・[[犯罪]]などの犠牲者や[[遺族]]に対する[[支援]]活動などといった形態をとるが、本来的には以上の活動にとどまらず、[[社会]]に対する[[社会貢献|貢献]]全般がチャリティーであると言えるque ya
 
また、チャリティーに係る費用は[[寄付]]・[[寄進]]によって支弁されることが多い。
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世界各地で普遍的に存在するチャリティーだが、その起源には地域によって差異が見られる。
 
[[農業]]の発達に伴って[[文明]]が成長していくと、[[富の集中]]が発生し、社会内部に[[格差]]が生じるようになった。社会の格差を緩和するため、一方では[[宗教]]が生まれ、一方では[[富の再分配]]が行われた。多くの文明では、両者は密接な関係を構築していき、富の再分配には宗教的な意味合い与えられるようになった。その一例が[[インド]]で生まれた'''[[布施|喜捨]]'''であり、[[喜捨]]これは[[仏教]]とともに[[東南アジア]]および中国・日本など[[東アジア]]へもたらされた。[[イスラム教]]でも神の教えに従って、[[ザカート]]・[[サダカ]]の喜捨が、[[ムスリム]]の重要な行為に位置づけられている。
 
[[キリスト教]]が伝来する以前のヨーロッパ[[氏族]]社会においても、貧困者や病人に対する扶助行為があったと考えられているが、これら[[弱者]]はあくまで社会の中の劣位者とされていた。しかし、貧者に積極的な意味を見出し、隣人として救済することを[[教義]]の一つとするキリスト教がヨーロッパに登場すると、チャリティー活動とキリスト教精神とが結合し、[[教会]]を中心として積極的なチャリティー活動が行われるようになった{{要出典|date=2009年11月}}。しかし教会によるチャリティー活動も、[[修道士]]の『霊的救済』という側面が非常に強く、チャリティーを受ける貧困者の立場に立ったものとはいえず、チャリティーとしての限界があった。
 
[[中世]]ヨーロッパ期には、都市で成長した商工業者による[[ギルド]]が[[フラタニティ]]を結成し<ref name="Kanazawa">金澤周作 [[川北稔]](編)「弱者救済の結社」『結社のイギリス史:クラブから帝国まで』山川出版社 2005 ISBN 4634444402 pp.177-191.</ref>、教会と並んでチャリティー活動を展開した。[[近代]]ヨーロッパ期になると、[[市民社会]]の成長とともにチャリティーとキリスト教的背景との分離が進む。[[スイス]]の[[宗教改革]]者たちの意見によれば、[[カトリック教会|ローマ教会]]の「むやみやたらに施しを与えるという見せかけの慈善を認めていた」ことに対抗するために「真のキリスト教徒は勤勉と倹約の徳を」と強く主張しなければならなかった背景があったという<ref>宗教と資本主義の興隆、上巻―歴史的研究― リチャード・ヘンリー・トーニー著 出口勇蔵・越智武臣訳 岩波書店 1956年 ISBN 9784003421116 p183</ref>。さらに[[産業革命]]期に入った後は、産業界の成功者らによるチャリティー活動が盛んになった。この時期のチャリティーは宗教的な色彩を薄めており、チャリティーの世俗化とも言われるが、実業家らは多分に自己満足としてチャリティーを実施しているところがあった。そのため、彼らのチャリティーは個人的な活動であると言え、決して計画的・組織的なものではないという限界があった。
 
イギリスでは[[17世紀]]の終わりごろから自発的な諸個人によって組織されたチャリティー団体が出現しはじめ、慈善はイギリスの国民性と言われるほどの盛り上がりをみせた<ref name="Kanazawa"/>。[[19世紀]]以前のイギリスでは[[フィランソロピー|慈善活動]][[女性]]が公的に社会活動できる数少ない場であり、多くのチャリティー団体では女性が極めて重要な役割を果たした。チャリティー団体は[[大英帝国]]の拡大とともに世界各地に創設されていった<ref name="Kanazawa"/>。
 
これら団体は組織的かつ計画的なチャリティー活動を実施し、チャリティーにあらたな局面をもたらした。また、その一方では、政府による社会[[福祉]]が次第に充実していき、チャリティーの組織化が民公両面で進んでいったのである。
 
[[20世紀]]に入ると公的な社会福祉が高度に整備されたため、民間のチャリティーは相対的に傍系へと置かれるようになった。しかし、民間チャリティーは公的社会福祉ではカバーできない分野を担っており、特にイギリスやアメリカでは社会の中で大きな役割を果たし続けている。
 
== 日本のチャリティー ==
[[日本]]では[[仏教]]の後、[[飛鳥時代]]の頃に[[皇族]]を中心として[[慈善]]的な活動が行われたとする伝説があるが、本格的な活動は[[奈良時代]]の[[行基]]からと考えられている。行基は道路や橋といった交通施設や[[]][[用水路|用水]]といった農業施設の建設など[[公共事業|公益的な活動]]に携わった。
 
[[平安時代]]前期には、[[上流階級|上流]][[貴族]]が諸国で貧民救済政策をとる事例が比較的多く見られる。この時期の上流貴族の間では、[[儒教]]の精神に基づいて仁政を布くことが理想とされていたためである。
 
日本のチャリティー史上で特筆すべきは、[[鎌倉時代]]中期-から後期にかけての[[叡尊]]と[[忍性]]、そして[[室町時代]]中期の[[願阿弥]]である。[[西大寺_(奈良市)|西大寺]]の僧であった叡尊は、当時賤視されつつあった[[非人]]の救済に生涯にわたって尽力した。忍性は社会から疎外された[[ハンセン病]]患者の救済に当たり、また医療施設を[[鎌倉]]極楽坂に設置して多くの病人の看護に努めた。室町中期に[[勧進聖]]として活躍した[[時宗]]僧の願阿弥は、[[応仁の乱]]前後に大[[飢饉]]が日本全国を襲った際、室町将軍[[足利義政]]の意を受け、京都を拠点として積極的な窮民救済活動を展開した。これら諸僧の他にも、社会福祉事業に大なり小なり尽力する仏教僧が中世日本には多数存在したが、反対に言えば当時の社会矛盾が大きかったことの表れでもあった。
 
[[明治時代]]になると、西洋からチャリティー精神が紹介され、[[キリスト教徒]]や[[実業家]]らによる、西洋流のチャリティーが展開していった。その後、財界においてチャリティー活動が活発化し、[[第二次世界大戦]]前までは、[[皇室]]と[[財閥]]が中心となって、日本のチャリティー活動を牽引した。戦後は[[日本国政府]]が[[福祉国家]]政策を推進し、チャリティー活動の相対的地位は低下した。
 
[[第二次世界大]]の日本で行われている主なチャリティー活動には、[[歳末たすけあい]]運動・[[海外たすけあい]]運動、[[赤い羽根共同募金]](毎年10~12月)、[[あしなが育英会]](交通遺児への支援)、チャリティーショー・チャリティーコンサート、[[救世軍]]の「[[社会鍋]]」、大規模[[災害]]発生時の[[日本赤十字社]]や[[地方公共団体]]、マスコミ傘下の社会福祉事業団・基金など公的組織による募金([[義援金]])受付、[[インターネット]]を通じて行う[[クリック募金]]などがある。
 
== チャリティーに関する統計 ==
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== チャリティー番組 ==
[[テレビ]]・[[ラジオ]]など[[報道機関|マスコミ]]によるチャリティー活動も行われている。
;日本におけるチャリティー番組
: [[1975年]]3月に1回だけ開催された『[[宮城まり子のチャリティーテレソン]]』(近畿放送(現・[[京都放送]]=KBS京都))に始まり、さらに同年から『[[ラジオ・チャリティー・ミュージックソン]]』([[ニッポン放送]]・[[全国ラジオネットワーク|NRN]]系列、[[視覚障害者]]福祉)、その翌[[1976年]]には『[[かたつむり大作戦]]』(KBS京都、[[交通事故|交通]]遺児救済 [[2005年]]終了)、1978年から『[[24時間テレビ 「愛は地球を救う」]]』([[日本テレビ放送網|日本テレビ]]・[[日本ニュースネットワーク|NNN]]/[[日本テレビネットワーク協議会|NNS]]系列)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.24hourtv.or.jp/archives/history/pdf/ayumi2019.pdf|title=「24時間テレビ」41年のあゆみ|accessdate=2020-08-23|publisher=|date=|website=公益社団法人24時間テレビチャリティー委員会|format=PDF}}</ref>、[[2003年]]からは『[[24時間テレビ エロは地球を救う]]』([[パラダイステレビ]]・[[スカパーJSAT]]、[[後天性免疫不全症候群|ストップエイズ]]・[[エイズ予防財団]])が行われた。
;日本国外のチャリティー番組
: [[アメリカ合衆国]]『[[レイバー・デイ・テレソン]]』
;その他
: これ以外にも[[日本放送協会]](NHK)と[[共同募金|共同募金会]]、日本赤十字社が「NHK歳末・海外たすけあい」を年末に共同で実施しているほか<ref>{{Cite web|和書|title=NHK歳末たすけあい・NHK海外たすけあい|url=https://www.nhk.or.jp/event/tasukeai/|website=日本放送協会|accessdate=2020-08-23|publisher=}}</ref>、[[FNSチャリティキャンペーン|サザエさん募金]]([[フジテレビジョン|フジテレビ]]・[[フジニュースネットワーク|FNN]]/[[フジネットワーク|FNS]]系列)<ref>{{Cite web|和書|title=フジネットワーク サザエさん募金は終了しました|url=http://go.kifu.fm/fns/charity_news/152/|website=フジテレビジョン|accessdate=2020-08-23|publisher=|date=2020-08-18}}</ref>や[[ドラえもん募金]]([[テレビ朝日]]・[[オールニッポン・ニュースネットワーク|ANN]]系列)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tv-asahi.co.jp/doraemonbokin/about/|title=ドラえもん募金とは|accessdate=2020-08-23|publisher=|website=テレビ朝日}}</ref>など、国内外の大規模災害発生時に一時的にテレビ局が[[預金|銀行口座]]などを開設した上で[[報道番組|ニュース番組]]などで募金を呼びかける場合もある<ref>{{Cite web|和書|title=連続コラム「震災と寄付」(全3回) 第1回 あなたはどっち派?義援金と支援金|url=https://www.murc.jp/report/rc/column/search_now/sn160606/|website=三菱UFJリサーチ&コンサルティング|accessdate=2020-08-23|publisher=|date=2016-06-14}}</ref>。
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== 脚注 ==
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<references />
 
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* [[バザー]]
* [[フィランソロピー]](慈善活動)
* [[篤志]]
* [[ロベルト・クレメンテ]]
* [[チャールズ・ディケンズ]]「[[荒涼館]]」 - 「[[クリスマス・キャロル]]」で博愛の精神を訴えたディケンズだが、その一方では「荒涼館」などで19世紀の「多分に自己満足」に堕したチャリティーの姿を痛烈に批判している。
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== 外部リンク ==
* [http://www.looktothestars.org/celebrity#p The World of Celebrity Giving Look to the Stars ] - セレブリティが関わっているチャリティ活動をまとめたサイト。
 
{{チャリティー}}
 
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[[Category:社会貢献|*ちやりていい]]