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[[File:Ganymede Louvre.jpg|thumb|[[ルーヴル美術館]]にあるガニュメーデースの胸像(西暦2世紀ごろ)]]
[[File:Ganymede Leochares Vatican Inv2445.jpg|thumb|前4世紀の[[彫刻家]][[レオカレス]]の作品のローマ時代のコピー。[[バチカン美術館]]所蔵。]]
'''ガニュメーデース'''({{lang-grc-short|'''Γανυμήδης''', ''Ganymēdēs''}})は、[[ギリシア神話]]の登場人物である。[[イリオス|イーリオス]](トロイア)の王子で美少年だったといわれる。[[オリュンポス十二神|オリュムポス十二神]]に不死の酒[[ネクター|ネクタール]]を給仕するとも、[[ゼウス]]の杯を奉げ持つともいわれる。元来は大地に天の雨をもたらす神だったと考えられており、[[インド神話|ヴェーダ神話]]の[[ソーマ]]との関連も指摘されている<ref>フェリックス・ギラン 『ギリシア神話』 [[青土社]]、1991年、162頁。</ref>。[[日本語]]では[[長母音]]を省略して'''ガニュメデス'''、ラテン語形で'''ガニメデ'''とも呼称される。
 
== 系 ==
[[ホメーロス]]によれば、トロイア初代の王[[トロース]]の子、[[イーロス]]と[[アッサラコス]]の兄弟とされる<ref>ホメーロス『[[イーリアス]]』20巻</ref>。[[アポロドーロス]]によれば母は[[河神]][[スカマンドロス]]の娘[[カリロエー]]である<ref>アポロドーロス『[[ビブリオテーケー]]』3巻12:2</ref>。後代の伝承には、父を[[ラーオメドーン]]、イーロス、アッサラコス、[[エリクトニオス]]などとするものもある。
 
== ガニュメーデースの誘拐 ==
一般には、ガニュメーデースが神々の給仕となったのは以下の事情によるとされる。[[オリンポス山|オリュムポス]]の神々に給仕するのは、もとは大神ゼウスとその正妻[[ヘーラー]]の娘、青春の女神である[[ヘーベー]]の役割であった。ゼウスの子、英雄[[ヘーラクレース]]が死後、神々の列に加えられたとき、ヘーラクレースを憎んだヘーラーはようやくヘーラクレースと和解し、その娘ヘーベーが妻としてヘーラクレースに与えられた。このため神々の宴席に給仕するものがなくなった。ゼウスはガニュメーデースの美しさを愛し、ガニュメーデースをさらい、オリュムポスの給仕とした。この仕事のためにガニュメーデースには永遠の若さと不死が与えられた。また代償としてその父に速い神馬<ref>ヘーラクレースの逸話にはその神馬と引き換えにトロイアに送り込まれた怪物の討伐を行うものもあるが、これはこれらの逸話と矛盾している。</ref>(別伝では[[ヘーパイストス]]の作った黄金の[[ブドウ]]の木)が与えられた。
 
[[File:Rembrandt - The Abduction of Ganymede - Google Art Project.jpg|200px|thumb|『ガニュメデスの誘拐』[[レンブラント・ファン・レイン]]]]
ガニュメーデースの誘拐には諸説がある。まずガニュメーデースをさらったのは誰かについて異伝があり、神々たち、ゼウス自身、ゼウスの使いの[[鷲]]、ゼウスが鷲の姿に変じてさらったなどの説がある。一方で、[[タンタロス]]、または[[ミーノース]]、[[エーオース]]がさらったという伝承もある。
 
また、ガニュメーデースがさらわれた場所は、一般に[[トローアス]]の[[カズ・ダー|イーデー山]](ラテン語名イーダー山)であるとホメーロス他ではいわれる。他方で、同名の[[クレタ島|クレーテー島]]の山、または[[エヴィア島|エウボイア]]の山、[[ミュシア|ミューシア]]のハルパゲ(誘拐の意)という場所であるとの説もある。
 
また、ヘーラクレースに与えられる前のーベーが給仕中に転んであられもない姿になったので、ゼウスは彼女に免職を言い渡し、その代わりとしてガニュメーデースをさらったともいわれる。
 
== 天体との関連 ==
[[わし座]]はガニュメーデースを誘拐するときのゼウスの姿、[[みずがめ座]]はネクタールを給仕するガニュメーデースと酒壷にそれぞれ見立てられたものである。このほか、[[木星]]の第7[[衛星]][[ガニメデ (衛星)|ガニメデ]]の名はガニュメーデースから取にちなんで名付けられている
 
== 系図 ==
{{トロイアの系図}}
 
== ギャラリー ==
<center><gallery widths="140px" heights="140px" perrow="4">
Antonio Allegri, called Correggio - The Abduction of Ganymede - Google Art Project.jpg|{{small|[[コレッジョ]]『[[ガニュメデスの略奪 (コレッジョ)|ガニュメデスの略奪]]』(1531年–1532年頃) [[美術史美術館]]所蔵}}
Peter Paul Rubens - The Abduction of Ganymede - WGA20282.jpg|{{small|[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]『ガニュメデスの誘拐』(1611-1612年頃) [[シュヴァルツェンベルク宮殿]]所蔵}}
Peter Paul Rubens - The Rape of Ganymede, 1636-1638.jpg|{{small|ピーテル・パウル・ルーベンス『[[ガニュメデスの略奪 (ルーベンス、プラド美術館)|ガニュメデスの略奪]]』(1636-1638年頃) [[プラド美術館]]所蔵}}
[[File:Rembrandt - The Abduction of Ganymede - Google Art Project.jpg|200px{{small|thumb|『ガニュメデスの誘拐』[[レンブラント・ファン・レイン]]『ガニュメデスの誘拐』(1635年) [[アルテ・マイスター絵画館]]所蔵}}
Eustache Le Sueur - The Abduction of Ganymede by Jupiter, 1644.jpg|{{small|[[ウスタシュ・ル・シュウール]]『ガニュメデスの誘拐』(1644年) [[ルーヴル美術館]]所蔵}}
Damiano Mazza - The Rape of Ganymede (1575).jpg|{{small|{{仮リンク|ダミアーノ・マッツァ|en|Damiano Mazza}}『ガニュメデスの略奪』(1575年頃) [[ナショナル・ギャラリー (ロンドン)|ナショナル・ギャラリー]]所蔵}}
Mengs, Jupiter küsst Ganymed.jpg|{{small|[[アントン・ラファエル・メングス]]『ゼウスはガニュメデスにキスした』(1760年) [[パラッツォ・バルベリーニ]]所蔵}}
</gallery></center>
 
== 脚注 ==
{{reflist}}
 
== 参考文献 ==
* [[ヘシオドス]] 『[[神統記]]』 [[岩波文庫]]
* [[高津春繁]]『ギリシア・ローマ神話辞典』[[岩波書店]]
* Videos:[httphttps://www.youtube.com/watch?v=6rJLLV7U-XY Zeus and Ganymede myth]
 
== 関連項目 ==
{{commonscommonscat|Ganymede}}
* [[イリオス]]
* [[ガニュメート (シューベルト)]]:[[ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ|ゲーテ]]の書いたガニュメーデースを主題とした[[詩]]に、[[フランツ・シューベルト]]が[[作曲]]した[[歌曲]]。
* [[ガニメド (小惑星)]]
 
{{ギリシア神話}}
== 参考文献 ==
{{Normdaten}}
{{commons|Ganymede}}
{{DEFAULTSORT:かにゆめえてえす}}
* [[ヘシオドス]] 『[[神統記]]』 [[岩波文庫]]
* [[高津春繁]] 『Category:ギリシア・ローマ神話辞典』 [[岩波書店の神]]
[[Category:ギリシア神話の人物|かにゆめてす]]
* Videos:[http://www.youtube.com/watch?v=6rJLLV7U-XY Zeus and Ganymede myth]
[[Category:トロイア人]]
 
[[Category:ギリシア神話の神|かにゆめてす少年愛]]
[[Category:ギリシア神話の人物|かにゆめてす]]