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'''偏見'''(へんけん、{{Lang-en|prejudice}})とは、偏った見方のことである。[[差別]]と密接な関係を持つ。
[[ファイル:AntiJapanesePropagandaTakeDayOff.png|サムネイル|第二次世界大戦中のアメリカで作成された[[広告]]。当時敵国であった[[大日本帝国|日本]]に対する偏見を広め、労働意欲の向上を狙った[[プロパガンダ]]である。]]
 
'''偏見'''(へんけん、{{Lang-en|prejudice}}、bias)とは、[[客観的]]な根拠なしに共通の特徴をもつモノに対する画一的な見方をすること、特定の集団や属するモノに対して画一的な感情を抱くことをいう<ref>{{Cite web|和書|title=偏見とは |url=https://kotobank.jp/word/%E5%81%8F%E8%A6%8B-131146 |website=コトバンク |access-date=2022-05-04 |language=ja |first=最新 心理学事典,日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,デジタル大辞泉,世界大百科事典 第2版,普及版 |last=字通,世界大百科事典内言及}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=偏見(へんけん)の意味 - goo国語辞書 |url=https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%81%8F%E8%A6%8B/ |website=goo辞書 |access-date=2022-05-04 |language=ja}}</ref>。[[先入観]]、(アンコンシャス)[[認知バイアス|バイアス]]や[[ステレオタイプ]]ともいい<ref>{{Cite web|和書|title=先入観とは |url=https://kotobank.jp/word/%E5%85%88%E5%85%A5%E8%A6%B3-88824 |website=コトバンク |access-date=2022-05-04 |language=ja |first=日本大百科全書(ニッポニカ),精選版 日本国語大辞典,ブリタニカ国際大百科事典 |last=小項目事典,デジタル大辞泉}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=無自覚の偏見に立ち止まる |url=https://www.nishinippon.co.jp/item/n/794380/ |website=西日本新聞me |access-date=2022-05-04 |language=ja}}</ref>、[[差別]]と密接な関係を持つ。一般的に悪い意味として使われる。全ての人が持つとされ、「偏見がない」と主張する人は{{仮リンク|無自覚な偏見|en|Implicit stereotype}}を持つ者として批判される<ref>{{Cite web|和書|title=「私は○○に偏見がないから」にモヤる理由【アルテイシア】|ウートピ |url=http://wotopi.jp/archives/111371 |website=ウートピ |access-date=2022-05-04 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=偏見がない人はいない。川内有緒さん×木ノ戸昌幸さん『わたしの偏見とどう向き合っていく?』イベントレポート {{!}} こここ |url=https://co-coco.jp/series/study/ariokawauchi_masayukikinoto/ |website=co-coco.jp |access-date=2022-05-04 |language=ja}}</ref>。
[[ゴードン・オルポート]]は「'''偏見とは十分な根拠もなしに他人を悪く考えること'''」と定義する。ここで言う他人を悪く考えることとは、「好意を持たない感情、恐怖感、嫌悪感と共に他人の差別、誹謗中傷、暴力等の反感を持った行為」である。
 
上記の定義はあくまで否定的偏見(ネガティブ偏見)である。十分な根拠もなしに他人をよく考えることもありうる(好意的偏見)。それを考慮にいれれば「偏見とは、十分な根拠もなしに他人を好きとか嫌いとかと判断する感情である」と定義されるべきとの主張もある。しかし、偏見の大部分は否定的偏見が占めている。
 
== 概要 ==
なお、偏見の言い換えとして、『[[バイアス]]』(意義的には[[感情バイアス]]あるいは[[認知バイアス]]。bias:本来『[[偏り]]』を意味する[[英語]])という[[外来語]]が用いられる場合がある。ラテン語のpraejudiciumは経験に基づく判断を意味だったが、英語化されたprejudiceは未熟な・軽率な判断という意味の現在の偏見という言葉に当たる。
{{出典の明記|date=2019年4月|section=1}}
[[人間]]は、ある対象の性質や優位性の有無などを判断するにおいて、対象に関する見かけや所属といった断片的な[[知識]]や[[情報]]、自らの属する[[社会]]、[[宗教]]、[[文化_(代表的なトピック)|文化]]などが有する[[価値観]]、あるいは個人の[[経験則]]を判断基準として用いる場合がある。これらを実際の性質や実態を無視し、[[主観]]的・恣意的に選択された比較的単純な判断基準として用いることで生み出される事実上の根拠がない思考が偏見である。
 
また、偏っていない中立的・客観的な見方の対義語という意味ではなく、実際において主観的か、意図的か、対象の実態に沿っているか否かに関わらず、単に多様な視点に欠ける一方的・単純なものの見方に立脚した思想、態度に対して用いられることもある。
 
新しい証拠にもとづき自分の誤った判断を修正することが出来るなら、偏見ではなく予断に分類される。修正できないのであれば偏見である。ある偏見が矛盾を付かれる証拠があっても、進んで拒み、感情的になるのが特徴である。
 
なお、偏見の言い換えとして、『[[バイアス]]』(意義的には[[感情バイアス]]あるいは[[認知バイアス]]。bias:本来『[[偏り]]』を意味する[[英語]])という[[外来語]]が用いられる場合がある。ラテン語のpraejudiciumは経験に基づく判断を意味だったが、英語化されたprejudiceは未熟な・軽率な判断という意味の現在の偏見という言葉に当たる。
また『[[色眼鏡]]』で見る。『[[フィルタ]]を通して見る』と言う言い回しも使われる。
 
2003年から始まった「大人の[[セサミストリート]]」と言われるパペット・ミュージカル[[アベニューQ]]から「Everyone's a Little Bit Racist(皆多少は差別主義者)」という歌が出ている。この曲を、[[ガーディアン]]は'''本質的に誰もが、気づかないうちに、何らかの固有の偏見を持っているという'''事実を指摘する驚くほど洞察に満ちた曲と評価している<ref>{{Cite web |title=“Avenue Q” musical kind of a Sesame Street for adults - Fort Myers Florida Weekly |url=https://fortmyers.floridaweekly.com/articles/avenue-q-musical-kind-of-a-sesame-street-for-adults/ |website=Fort Myers Florida Weekly - |date=2022-02-23 |access-date=2022-05-04 |first=Florida Weekly Staff {{!}} on |last=February 23}}</ref><ref>{{Cite web |title=Everyone’s a little bit racist, sometimes {{!}} Dean Burnett |url=http://www.theguardian.com/science/brain-flapping/2014/may/29/racist-racism-study-uk |website=the Guardian |date=2014-05-29 |access-date=2022-05-04 |language=en}}</ref>。
== 偏見行為の段階 ==
{{出典の明記|date=2019年4月|section=1}}
#誹謗
#回避
#差別
#暴力
#虐殺、民族根絶
 
== 対策 ==
== 偏見による社会的影響 ==
=== 精神障害者 ===
[[精神障害者]]の[[障害者手帳]]、[[精神障害者保健福祉手帳]]の表紙には『'''障害者手帳'''』と書かれ、一見して、何の障害の種類が分からないようになっている。[[2006年]]([[平成]]18年)[[10月1日]]申請分からは[[証明写真]]を貼付されることになったが、それ以前は貼付されることはなかった。当初は貼付する予定であったが、紛失や手帳提示をしたことにより、[[差別]]等の不利益を得る可能性が大きいと、一部精神障害者団体が反対したためである。今でも[[都道府県]]や[[政令指定都市]]によっては、本人の希望した場により貼付け無しにすることが認められることがある<ref>[[精神障害者保健福祉手帳]]の項参照</ref>。
 
1950年代の後半に[[精神障害者家族会]]は自主的に結成したものではなく、病院スタッフや[[市町村]]や[[保健所]]の職員の働きかけで結成している。[[滝沢武久]]によると家族会メンバーの多くは[[精神分裂病|精神分裂病患者]](現:統合失調症)の家族であり、さらに家族会の連合化も困難を極めた。1964年3月には駐日アメリカ合衆国大使の[[エドウィン・O・ライシャワー|ライシャワー]]が統合失調症の少年に刺される事件(ライシャワー事件)が起きた。アメリカと日本の間の重大な外交問題に発展しかねない大事件となったため、活動が停滞した。精神障害者家族会が家族側から自主的に設立されなかった背景について、滝沢は[[精神病]]患者に対する偏見が余りに強いため、家族は表面に出たがらなかったためであとの意見がされている<ref>[http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/rehab/r058/r058_079.html 精神障害者家族会の組織と活動] 滝沢武久 2010年3月31日閲覧</ref><ref>こころの病と家族のこころ 滝沢武久 [[中央法規出版]] ISBN 9784805811665 199~203頁</ref>。
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
 
=== 参考文献 ===
*{{Cite |和書
*G.オルポート『偏見の心理』
|author=G.W.オルポート
|authorlink=ゴードン・オールポート
|translator=原谷達夫、野村昭
|title=偏見の心理
|publisher=培風館
|date=1961
|ncid=BN01071804
|doi=10.11501/3028918
|ID={{全国書誌番号|61009576}}
}}
 
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Prejudice}}
{{Wiktionary}}
* [[遠近法]]
* [[道学]]
* [[社会心理学]]
* [[ステレオタイプ]]
47 ⟶ 42行目:
* [[先入観]]
* [[思い込み]]
* [[道学予想]]
* [[差別]]
* [[社会的排除]]
55 ⟶ 51行目:
* [[認知バイアス]]
* [[感情バイアス]]
* [[Wikipedia:中立的な観点]]
 
{{Normdaten}}
{{Socsci-stub}}
{{DEFAULTSORT:へんけん}}
[[Category:偏見|*]]
[[Category:認知バイアス]]
[[Category:社会心理学]]
[[Category:哲学批判的思考関連分野障壁]]
[[Category:悪徳]]
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