「石田和外」の版間の差分

|name = 石田 和外

|officeoffice2 = {{Flagicon|JPN}} [[最高裁判所裁判官|最高裁判所判事]]

|term_startterm_start2 = [[1963年]][[6月6日]]

|term_endterm_end2 = [[1969年]][[1月11日]]

|appointerappointer2 = [[第2次池田内閣 (第2次改造)|第2次池田内閣]]

|office2office = {{Flagicon|JPN}} 第5代 [[最高裁判所長官]]

|term_start2term_start = [[1969年]][[1月11日]]

|term_end2term_end = [[1973年]][[5月19日]]

|nominator2appointer = [[昭和天皇]]<br/>（[[第2次佐藤内閣 (第2次改造)|第2次佐藤内閣]]が指名）

|appointer2predecessor = [[昭和天皇横田正俊]]

|predecessor2successor = [[横田正俊村上朝一]]

'''石田 和外'''（いしだ かずと、[[明治]]36年（[[1903年]]）[[5月20日]] - [[昭和]]54年（[[1979年]]）[[5月9日]]）は、[[日本]]の[[裁判官]]（第5代[[最高裁判所長官]]）<ref>{{Citation|和書|author=上田正昭ほか監修|editor=三省堂編修所|year=2009|title=コンサイス日本人名事典 第5版|publisher=三省堂|page=100}}</ref>、[[剣道]]家（第2代[[全日本剣道連盟]][[会長]]、[[一刀正伝無刀流]]第5代[[宗家]]）、[[政治活動家]]（「[[元号法制化実現国民会議]]」初代議長）。[[位階]][[勲等]]は[[従二位]][[勲一等旭日大綬章]]。

卒業後は[[司法省 (日本)|司法省]]に入省。[[最高裁判所長官]]を務め、退官後の1978年、[[元号法制化実現国民会議]]（のちの[[日本を守る国民会議]]。[[日本会議]]の前身の一つ）を結成、議長となる。

*昭和9年（[[1934年]]）44月、[[帝人事件]]の[[第一審裁判]]を担当。[[合議審|左陪席]][[裁判事官]]として[[判決]]を起案し、事件が事実無根であることを強調するため、「水中に月影を掬するが如し」という名文句を使って全員に[[無罪]]を言い渡し、「司法界に石田あり」と一躍注目される。

*昭和22[[1943年（]]に[[1941年]]に発生した[[平沼騏一郎]]襲撃事件の裁判で裁判長を担当し、時の首相[[東条英機]]の宿敵である[[中野正剛]]衆議院議員を証人に呼んだ際、軍の意向を受けた[[検察官]]が裁判の公開中止を申し立てたが、石田は拒否して裁判公開の原則を貫いた。
*[[1947年]]）、[[司法省 (日本)|司法省]]人事課長に就任。当時の司法大臣が、のち、[[佐藤栄作]]に当人を最高裁長官とするよう[[佐藤栄作]]に推薦したとされる[[木村篤太郎]]であった。その後、司法省の廃止に伴って1948年、最高裁判所事務局（現・[[最高裁判所事務総局]]）へ異動し、人事課長・人事局長・事務次長を歴任。その後は[[東京地方裁判所]]長、[[最高裁判所事務総長]]、[[東京高等裁判所]][[高等裁判所長官|長官]]を歴任。なお、司法省の職員のうち、裁判官として戦争犯罪（主として思想抑圧関与、[[政治犯]]を作り出した罪）に問われた・[[公職追放]]となった者は一人もおらず、旧支配層の勢力は温存された。戦前は[[判事懲戒法]]に基づき、[[検事]]察官が裁判官の人事等に関与することができたという事情もあると思われる。

*昭和38年（[[1963年]]）66月6日、[[最高裁判所裁判官|最高裁判所判事]]に就任。

*昭和44年（[[1969年]]）11月11日、木村の推薦によって佐藤から最高裁判所長官に就任命される。就任時に「裁判官は激流のなかに毅然とたつ巌のような姿勢で国民の信頼をつなぐ」と述べた<ref name="nomura_50・51">{{Sfn|野村二郎「日本の裁判史を読む事典」（自由国民社）50・|2004|pp=50-51頁</ref>}}。この言葉は石田が東京地裁右陪席裁判官だった30年前の1939年に日本が右傾化したころ法律新聞に出した文言と同じ（後に、「それから30年、当時とは反対の流れになったが、私自身は変わっていないことを思い出した」と話している）<ref name{{Sfn|野村二郎|2004|pp="nomura_50・50-51"></ref>}}。地裁拘置部が学生デモ事件で検察側の拘置請求却下が続出して、釈放された学生たちが再びデモに参加して暴れてまた逮捕され、この拘置請求も却下されて三度デモに参加して逮捕が繰り返されるという事態が起こった<ref name="nomura_50">{{Sfn|野村二郎「日本の裁判史を読む事典」（自由国民社）50頁</ref>|2004|p=50}}。自民党政権の閣僚から「こんなありさまでは治安維持ができない」と発言があり、自民党は司法問題調査会を設置するなどし、石田長官は事務総長に「調査会の設置は司法権の独立を侵すおそれがある」と談話を発表させたりした<ref name{{Sfn|野村二郎|2004|p="nomura_50"></ref>50}}。こうした情勢下で、[[長沼ナイキ事件]]において「平賀書簡問題」や訴訟担当裁判所が所属していた[[青年法律家協会]]（青法協）への裁判官加入の是非論争、鹿児島地裁所長の管轄裁判官へのアンケート調査などが起こった<ref name{{Sfn|野村二郎|2004|p="nomura_50"></ref>50}}。石田は関係者を注意処分したり、解任、転勤など次々に手を打った<ref name{{Sfn|野村二郎|2004|p="nomura_50"></ref>50}}。また、一方で青法協裁判官については不再任（[[宮本康昭]]）や脱会勧告や配置転換や裁判官任官拒否を行い、思想選別は[[レッドパージ]]から「青年」にちなみ「ブルーパージ」と呼ばれた（この裁判官の構成変更が、数の上では、後の[[大法廷]]における行政寄り判決続出の一因となっている）。東大から長官含みで最高裁裁判官に迎えられた[[田中二郎]]は定年を待たずに最高裁を去った。また司法行政では民事裁判官会合で初めて公害訴訟の在り方を検討し、これにより公害被害者救済の道を裁判所が開く導入部となった<ref name="nomura_51">{{Sfn|野村二郎「日本の裁判史を読む事典」（自由国民社）51頁</ref>|2004|p=51}}。

*昭和451970年（1970年）55月、憲法記念日の会見で、「極端な軍国主義者、無政府主義者、はっきりした共産主義者は、その思想は憲法上は自由だが、裁判官として活動することには限界がありはしないか」 と談話を出した<ref name{{Sfn|野村二郎|2004|p="nomura_51"></ref>51}}。

*昭和461971年（1971年）44月、司法修習修了式で裁判官志望者の不採用を巡って修習生が研修所側の制止を聞かずに発言して罷免（同人は後に資格を回復）したことがきっかけで、次期司法修習生以降は司法修習1983年まで修了式をは中断し止された（再開は12年後の1983年4月）<ref>{{Sfn|野村二郎「日本の裁判史を読む事典」（自由国民社）172頁</ref>|2004|p=172}}。

*昭和451970年（1970年）77月、大法廷裁判長として[[八幡製鉄事件]]の裁判を担当。[[営利法人]]の政治活動、その一環としての[[会社]]による[[政治献金]]を容認。以降の政治献金問題において必ず言及される[[判例]]となる。

*昭和48年（[[1973年]]）44月4日、大法廷裁判長として[[尊属殺法重罰規定刑違憲事件]]の裁判にて[[違憲判決]]を下す。同月25日、[[全農林警職法事件]]の裁判において、これまで限定解釈ゆえに合憲とされていた国家公務員の争議権制限について、限定解釈せずとも合憲である旨の判例変更を行い、後の全逓名古屋中郵事件<ref group="注">[[名古屋中央郵便局]]で時限ストと集会参加の呼びかけが行われたことが郵便法第79条第1項違反（郵便物不扱い）と建造物侵入に問われた事件</ref>や[[岩教組学テ事件]]<ref group="注">[[全国学力・学習状況調査]]を巡って、岩手県教職員組合が組合員教員に向けテスト阻止のための実力行使をさせた事件</ref>にも影響を与えた。5月19日、最高裁判所長官を定年退官。

*昭和51年（[[1976年]]）66月22日、[[英霊にこたえる会]]結成、会長。

昭和49年（[[1974年]]）33月、[[木村篤太郎]]全日本剣道連盟初代会長退任により、同連盟2代目会長に就任。同年、[[町村金五]]らと[[大東流合気柔術]]幸道会創設者の[[堀川幸道]]に名人位を授与。

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[[Category:男性剣道家]]