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{{Otheruseslist|'''[[漫画]]の『サザエさん』'''|[[テレビアニメ|アニメ]]の「サザエさん」|サザエさん (テレビアニメ)|「サザエさん」のその他の用法|サザエさん (曖昧さ回避)}}
{{Infobox animanga/Header
| タイトル = サザエさん
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[[ファイル:Setagaya Sazaesan Family Statue 1.JPG|thumb|right|230px|[[東京都]][[世田谷区]]、[[桜新町駅]]前に設置されている[[サザエさん銅像|サザエさん一家の銅像]]<br />(フグ田サザエ・フグ田タラオ)]]
[[ファイル:Setagaya Sazaesan Family Statue 3.JPG|thumb|right|300px|[[東京都]][[世田谷区]]、[[桜新町駅]]前に設置されているサザエさん一家(フグ田家)の銅像<br />(フグ田サザエ・フグ田タラオ・フグ田マスオ)]]
『'''サザエさん'''』は、[[長谷川町子]]による[[日本]]の[[漫画]]<ref name="artist">{{Cite web |和書|url=http://www.sazaesan.jp/artist.html|title=サザエさん公式HP サザエさん 原作者 長谷川町子|accessdate=2019-1-23}}</ref>。また、その[[主人公]]となる「[[フグ田サザエ]]」の呼び名の一つである。
 
== 作品解説 ==
[[原作]][[漫画]]は新聞連載の[[4コマ漫画]]であるが、5ページほどのショートストーリー漫画が雑誌連載されており「別冊サザエさん」に収録されている。[[西日本新聞社]]から独立した[[フクニチ新聞|フクニチ新聞社]]の整理部長牟田口宗一郎が長谷川に[[福岡県|福岡]]の[[地方紙|地方新聞]]『[[フクニチ新聞|夕刊フクニチ]]』誌上での連載を依頼<ref name="{{R|artist" />}}。1946年4月22日から連載を始めた<ref name="{{R|artist" />}}が、長谷川が東京へ引越しするために連載を打ち切った中止。連載開始当初は、[[台詞]]が[[片仮名|カタカナ]]で書かれていた。漫画の舞台[[博多]]で、サザエは独身だったが、連載を打ち切る中止時にサザエがマスオと結婚しており、福岡時代の最終回とみられる回のオチの部分が、小さいながらも『サザエさんうちあけ話』の作者の回想で描かれている。長谷川の家族が[[東京]]の[[桜新町]]へ引っ越した後は、『夕刊フクニチ』で連載再開<ref name="{{R|artist" />}}。舞台も東京へ移り、マスオが磯野家に同居する。
 
掲載誌は間もなく[[東京スポーツ]]の源流となる夕刊紙の『[[やまと新聞|新夕刊]]』に移り、『[[朝日新聞]]』本紙とは異なる新興紙系列の『[[夕刊朝日新聞]]』を経て、1951年4月16日からは『朝日新聞』の朝刊に移る<ref name="連載{{R|artist" />}}。途中、長谷川の病気が理由で同年11月7日から11月14日まで休載し、11月15日に連載を再開。また、1953年1月16日にも健康上の理由から同年3月31日まで休載となり、4月1日に再び連載を再開。その後はほぼ無休で連載が続いたが、1973年になると毎週月曜日の定期休載に加えて7月15日から8月9日、9月5日から9月9日など「作者病気のため」短期の休みが多くなり、1974年2月21日をもって休載に入るが<ref group="注">{{Efn2|朝日新聞1978年4月10日付23面に『サザエさんうちあけ話』の連載予告の記事が載ったが、この時点で『サザエさん』は休載中と明記されていた。</ref>}}、その後は連載が再開されることはなかった<ref name="{{R|artist" />}}。話数は単行本収録分で'''6477話'''<ref>{{Cite web |和書|url=http://showa.mainichi.jp/news/1946/04/post-6673.html|title=昭和のニュース 「サザエさん」が夕刊フクニチに登場|accessdate=2019-1-23}}</ref>に及んだ。
 
本作はいわゆる[[ストーリー漫画]]ではなく、一貫した舞台、人物が登場する比較的独立したエピソードからなる。季節が移り変わっても登場人物達は年を取らない形式となっており、いわゆる「'''サザエさん時空'''」の語源と言えるしかし、新聞連載の4コマ漫画らしく、時代背景を象徴する内容が多いのが一つの大きな特徴となっており、終戦直後から[[復興期]]の時代に描かれた初期から中期と[[高度経済成長]]の時代に描かれた後期とでは作風が大きく異なっている。特に、初期から中期にかけてはサザエとその家族および彼らの周辺の人物たちの日常生活が主な題材であったが、後期には主に[[社会風刺]]をネタにした作風が目立つようになっている<ref group="注">た{{Efn2|具体的には、長谷川の『[[エプロンおばさん]]』の連載が終了し、『[[いじわるばあさん]]』の連載が開始された1960年代中頃から『サザエさん』の作風も大きく変化している。1965年4月から1991年9月まで朝日新聞に連載されていた『[[フジ三太郎]]』([[サトウサンペイ]]作)もサザエさん形式で社会風刺を取り入れた内容になっていた。</ref>}}。連載は1974年で終了したが、1976年から1978年まで長谷川による『サザエさんえほん』が9冊刊行されている<ref>「芸術新潮 2016年 09 月号」 特集こんなに凄かった! 長谷川町子と「サザエさん」 76頁</ref>。
 
長谷川の作品の出版は[[姉妹社]]が行ってきた<ref name="{{R|artist" />}}が、長谷川の没後の1993年4月に廃業し絶版となり、[[長谷川町子美術館]]が[[著作権]]を継承した。後に[[朝日新聞社]]から文庫本(全45巻)と「[[長谷川町子全集]]」(全33巻中1〜23巻が本編、他に30巻『別冊サザエさん』と33巻『カラー版 よりぬきサザエさん』)が出版されている。なお、本作の単行本の出版に際しては、初期連載作品で現在とは登場人物時代背景設定が異なる回、やむをえ変化によって相応しくない理由で不適と判断された話を掲載しどは省れている場合があり、朝日新聞社版でも姉妹社版から若干の作品が省かれているった。[[清水勲]]著『サザエさんの正体』([[平凡社]]、1997年)によると、姉妹社版で連から省かれを見合わせ作品数は700点余り、朝日新聞社版で姉妹社版から省かれた作品数は15点ほどである。なお姉妹書に『古きよきサザエさんの世界』(いそっぷ社、2002年)がある。姉妹社版には作者が自ら編集し発売した『よりぬきサザエさん』シリーズが存在し、「長谷川町子全集」にはその中から『カラー版よりぬきサザエさん』全1巻が収録されている。2012年12月〜2013年3月には「朝日新聞」に掲載された作者及び『サザエさん』関連の特集記事を特典として収録し復刊したもの(全13巻)が[[朝日新聞出版]]から発売された<ref>{{Cite web |和書|url=https://publications.asahi.com/yorinuki/ |title=朝日新聞出版 最新刊行物:よりぬきサザエさん |access-date=2023-03-17 |publisher=[[朝日新聞出版]]}}</ref>。この復刊版『よりぬきサザエさん』には朝日新聞社版で省かれた作品の一部が収録されているが、姉妹社版『よりぬきサザエさん』と比較すると削除された話も数話存在する。2018年より今まで単行本未掲載だった新聞掲載エピソードを収録した『単行本おたからサザエさん』全6巻が朝日新聞出版より発売された。また、2020年1月〜2021年11月には姉妹社版全68巻の復刻版が、長谷川の生誕100周年を記念して朝日新聞出版から刊行された。単行本とは別に、2018年1月より季刊で[[週刊朝日]]臨時増刊号扱いとして、それぞれの季節ごとのテーマの作品を集めた作品集<ref>[https://publications.asahi.com/ecs/backnumber/?id=134 朝日新聞社出版・週刊朝日臨時増刊サザエさんのバックナンバーの一覧]</ref>が発売されている。なお週刊朝日本誌は2023年6月9日休刊特別増大号を持って休刊したが、今後は同じ朝日新聞出版の週刊誌[[AERA]]臨時増刊の形で発行を続ける。
 
漫画本の累計発行部数は8600万部以上(姉妹社版が7000万部以上<ref>清水勲『図説漫画の歴史』[[河出書房新社]]、1999年、111-112頁。{{ISBN2|4-309-72611-9}}。</ref>、朝日新聞社版の文庫本が1600万部以上<ref>「[[天声人語]]」『[[朝日新聞]]』1995年9月20日付朝刊、1頁。</ref>)に達する。日本の新聞連載漫画としては最大の[[ベストセラー]]である。妹・長谷川洋子による回想記『サザエさんの東京物語』([[朝日出版社]]、2008年)がある。
 
1997年4月には、[[講談社]][[インターナショナル]]から「対訳サザエさん The wonderful world of Sazae-san」が刊行され、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]でも、『''The wonderful world of Sazae-san''』というタイトルで[[翻訳]][[出版]]された<ref group="注">{{Efn2|「対訳サザエさん」の翻訳者のあとがきによると、翻訳版はまず日本で刊行し、続いてアメリカで刊行するスケジュールになっていたとのこと。</ref>}}。その際一部のコマが[[反転]]されている{{Refnest|group="注"Efn2|これは、翻訳者によると、「台詞の流れを損なわないようにするためにその措置を取った」とのこと<ref>「対訳サザエさん」の翻訳者のあとがきから</ref>。ただし、反転されず存置されたコマもある。}}。
 
== 連載の履歴 ==
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: 本作の[[主人公]]。磯野家の長女で23歳(アニメでは24歳)。特徴的な髪型は当時の流行にあわせた。
: [[単行本]]1巻で東京に引っ越し、単行本2巻でフグ田マスオと結婚しタラオをもうける。
: 性格は快活でそそっかしく乱暴、親切で勇ましい反面、それが裏目に出ることもしばしば。よくカツオと取っ組み合いの喧嘩をしている<ref name="charactors1">{{Cite web |和書|url=http://www.sazaesan.jp/charactors.html#content|title=サザエさん公式HP サザエさん キャラクター紹介1|accessdate=2019-1-23}}</ref>。
; 磯野 カツオ
: 磯野家の長男で小学生<ref name="{{R|charactors1" />}}。サザエと一回り年の差がある弟。
:英語での名前は"ボニート"
: アニメ版では一貫してかもめ第三小学校5年3組となっている<ref name="{{R|charactors1" />}}
: 髪型は基本的に丸刈り。
: 連載開始当初は、ワカメの面倒をよく見ているちょっと抜けているお兄さん、といった雰囲気を持っていた。連載後半になるにつれ、現在のアニメ版のようなズル賢く機転の利く腕白坊主となり、口も達者となり登場回数も格段に多くなる。漫画界における「世渡り上手」の代表的キャラクター。
: なお原作においては、学校での生活や友達関係が描かれることは少ない。
; 磯野 ワカメ
: 磯野家の次女。原作漫画では最終的に小学1年生で7歳の設定だが、アニメではかもめ第三小学校の3年生<ref name="{{R|charactors1" />}}
: 原作とアニメ版において最も性格が異なる。性格は天真爛漫で、非常に活溌である。アニメ版では「優等生」になっており<ref name="{{R|charactors1" />}}、カツオと比べ存在感も薄いが、原作では立場が逆であった。
: 連載中盤まででは、サザエに次いで登場回数の最も多いキャラクターであり、話の「オチ」を担うこともかなり多い。
; 磯野 波平
: 磯野家の大黒柱で、3姉弟(サザエ、カツオ、ワカメ)の父<ref name="{{R|charactors1" />}}。年齢は54歳<ref name="{{R|charactors1" />}}<ref>1965年12月16日掲載話(姉妹社版47巻/朝日新聞社版31巻)</ref>。
: 職業は[[サラリーマン]](東証一部上場の総合商社・山川商事[[株式会社 (日本)|株式会社]]の事務職<ref group="注">{{Efn2|泊まりで出張するシーンもあるので営業職と考えられる場合もある。</ref>}})で、会社は[[銀座]]の[[晴海通り]]沿いにある。
: 初期の役職は「局長」であったがいつの間にか降格しており、後期には平社員となっていた。
: アニメでは磯野家の“家長”として威厳があるが、原作においては威厳がなく、家族を叱るシーンもあまり多くなく、登場回数も必ずしも多くない。しかし登場した時は、話の「オチ」を担当している。
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; フグ田マスオ
: 日刊フクニチ連載当時の最終回で初登場し、2巻でサザエと結婚したサラリーマン。結婚当初はサザエとタラオとのフグ田家3人で磯野家の近所にある借家に住んでいたこともあり、2巻において木製の塀を勝手にノコギリで切り、大家と喧嘩し追い出されたため磯野家と同居。現在に至る。
: アニメではかなり気の弱い夫となっている<ref name="{{R|charactors1" />}}が、原作では磯野家に対して主張する時もある。
: 基本的にはいい兄貴分であるので義弟カツオと義妹ワカメに慕われている。
: 勤めている会社(東証一部上場の総合商社の海山商事株式会社・営業課)は当初は郊外だったが、後に[[有楽町]]に移る。当初は平社員だったが、後に係長に昇進。その時の年齢は32歳(アニメでは28歳)。
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: 磯野・フグ田家で飼われている白色のオス猫。首輪の大きな鈴がトレードマーク。
; 波野 ノリスケ
: 波平の妹の三男(波平の甥、サザエ・カツオ・ワカメの従兄弟<ref name="charactors2">{{Cite web |和書|url=http://www.sazaesan.jp/charactors-2.html#content|title=サザエさん公式HP サザエさん キャラクター紹介2|accessdate=2019-1-23}}</ref>)。体型はやや太り気味。新聞記者。8巻から12巻の間、押しかけ同然に磯野家に居候する。
: 波平や新入社員に借金を頼み込んだこともあるなど図々しい性格でちゃっかり屋であるが、その人柄の良さからか、磯野家の面々からは嫌われてはいないようである。
: 12巻で入江(旧姓)タイ子と[[お見合い]]結婚。結婚後は「東アパート」という所に住む。[[恐妻家]]である。14巻で子供をもうける。この子はアニメではイクラとなっているが、原作においては劇中で名前は出てこない。アニメでは磯野家の隣人で作家・伊佐坂難物の担当でもある<ref name="{{R|charactors2" />}}ため、平日の昼間でもよく隣の磯野家に現れる。カツオ・ワカメとは従兄弟ではあるものの、歳が離れているせいか「ノリスケおじさん」と呼ばれる。
; 波野 タイ子
: ノリスケの妻<ref name="{{R|charactors2" />}}。旧姓は入江。
: [[結婚]]当初は身のこなしが上品であった。しかし登場回数が少ないからか、結婚後は時に太っていたりと、容姿に変遷が見られる。アニメ版のような家族ぐるみの付き合いは描かれていないが、サザエとは初期によく絡んでいた。
 
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また、長谷川の他作品からは『[[似たもの一家]]』の主人公の一家も登場する。伊佐坂家はアニメでは磯野家の隣家だが、原作10巻の一部に登場するのみである。本作にはキャラクターとして特定の名前が与えられていないが、非常に多く登場する人々がおり、[[相撲]]が好きだった作者は、相撲をネタにした話をしばしば用いている。
 
1954年に文藝春秋から出版されたスピンオフ作品には、10年後を描いた「サザエさん一家の未来予想図」が収録されており、この中でフグ田サザエとフグ田マスオの第二子「ヒトデちゃん」が登場する。ヒトデは長谷川の全作品の中でもこれ以外で言及がなく、アニメにも登場しない{{Efn2| 2019年にフジテレビ開局60周年特別企画 サザエさん放送50周年を記念してフジテレビで放送されたスペシャルドラマ” 磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜」のみに高校生になった姿でヒトデが登場している}}。
実在の人物が登場することもあり、その当時の[[総理大臣]]はほとんど登場している。[[昭和天皇]]が登場している回もある<ref>『朝日新聞』1958年1月1日号。</ref>が、あくまで作中での波平の想像における登場である。後に長谷川は実際に昭和天皇と園遊会で対面している。
 
実在の人物が登場することもあり、その当時の[[総理大臣]]はほとんど登場している。[[昭和天皇]]が登場する回もある<ref>『朝日新聞』1958年1月1日号。</ref>が、あくまで作中での波平の想像に現れるのみであり、顔は描かれていない。後に長谷川は実際に昭和天皇と園遊会で対面している。
 
なお、原作の磯野家は話によって間取りが変わり、連載時期によっても造りが異なる(連載初期は二階建ての日本家屋、東京での連載再開時は平屋となっている<ref>朝日文庫版23巻171ページ掲載話、24巻139ページ掲載話</ref>)。長谷川町子美術館ではアニメ版の間取りを展示している。
 
== 執筆時のエピソード ==
{{See also|サザエさんうちあけ話}}
長谷川は、[[西日本新聞]]社の[[絵画]]部に所属していた。1946年『夕刊フクニチ』に彼女は連載漫画を頼まれた。自宅の近所である[[シーサイドももち|百道海岸]]付近を妹と散歩しているときに、本作の家族構成や名前を思いついた<ref>{{cite web | url=https://www.city.fukuoka.lg.jp/sawaraku/sawaraku-tamatebako/kankou/sazaesan/index.html| title=サザエさん通り | work=[[福岡市]] | accessdate=2020-7-9}}</ref>。当初は作者自身は、[[アルバイト]]のつもりでやっていた、と語っている。
長谷川は、[[西日本新聞]]社の[[絵画]]部に所属していた。1946年『夕刊フクニチ』に彼女は連載漫画を頼まれた。自宅の近所である[[シーサイドももち|百道海岸]]付近を妹と散歩しているときに、本作の家族構成や名前を思いついた<ref>{{Cite web|和書| url=https://www.city.fukuoka.lg.jp/sawaraku/sawaraku-tamatebako/kankou/sazaesan/index.html| title=サザエさん通り | work=[[福岡市]] | accessdate=2020-7-9}}</ref>。当初は作者自身は、[[アルバイト]]のつもりでやっていた、と語っている。連載を再開する際、作者本人がマスオの顔を忘れていて、西日本新聞社東京支局まで行き確認したエピソードがある。その後、1951年に「[[ブロンディ (漫画)|ブロンディ]]」の後を承けて[[朝日新聞]]の朝刊を飾ることになる。連載末期には月曜日が休みとなった。
 
単行本の第1巻はB5判の横綴じだったが、書店の店頭に並べにくいということですべて返品され、自宅は返品された単行本に占拠される事態となった。そこで判型をB6判に変更した第2巻を出したところ読者には好評で問題の第1巻にも注文が入るようになり、この事態は解消された。姉妹社の廃業までこの判型が踏襲され、第1巻も後にB6に変更された。このB5判横綴じの第1巻を再現した復刻版が、2013年4月27日より長谷川町子美術館の売店で販売された。
連載を再開する際、作者本人が、マスオの顔を忘れていて、西日本新聞社東京支局まで行き確認したエピソードがある。
 
執筆にまつわるこのようなエピソードは、長谷川のエッセイ漫画『[[サザエさんうちあけ話]]』に詳しい。
その後、作者の希望より[[東京]]に引越した。1951年に「[[ブロンディ (漫画)|ブロンディ]]」の後を承けて[[朝日新聞]]の朝刊を飾ることになる。
 
連載末期には月曜日が休みとなった。
== 作風とその変化 ==
連載が長くなるにつれ、作者の長谷川自身は1960年代中頃から従来と異なる新しい作風に興味が移っていった。彼女は自伝『サザエさんうちあけ話』の中で「子供にも無害な[[ヒューマニズム]](ヒューマニタリズム)には飽きた」<ref name="uchiakebanashi2">長谷川町子 『サザエさんうちあけ話・似たもの一家』 [[朝日新聞社]]、2001年、{{ISBN2|4-02-261340-8}} 91頁。</ref>「書き手にとっては取材範囲が限られるのが苦しい」<ref name="{{R|uchiakebanashi2"/>}}などと語っている。このような時期に生まれたのが、後に長谷川の代表作の1つとなった「[[いじわるばあさん]]」(1966年〜1971年)である。そして、この頃から、『サザエさん』もそれまでのヒューマニズム色の強い作風から大きく変化し、社会風刺の要素を取り入れた[[アイロニー|アイロニカル]]な作風へと移行している。
 
== 評価 ==
漫画『サザエさん』は戦後の日本の復興と共に歩み、「(当時の)日本家庭の象徴」とも言われた<ref name=" 週刊現代2022 ">週刊現代2022年1月29日・2月5日号「昭和の怪物」研究・長谷川町子「サザエさんは隣にいる」p173-180</ref>。
 
[[哲学]]者・[[評論家]]の[[鶴見俊輔]]は、サザエたちを叱る波平がフネに叱られたり、カツオを罰したサザエがカツオに裁かれたりすることで、権威が笑いで批判され(時には権威自体がみずからを笑い)、家族内のメンバーの対等性が形成され[[パターナリズム|父権主義]]に対する批判へつながっているとともに、女系家族での生活で育まれた作者の「家庭内での出来事を処理する規準をそのまま拡大して社会を見る」視点が、作中での「自分の持ち場をはなれずに社会を批判」するスタンスを形づくっている、と述べている<ref name="tsurumi">{{Cite book |和書 |author=鶴見俊輔 |year=1991 |chapter=漫画の戦後思想 2 サザエさん - 長谷川町子 - |title=漫画の読者として |series=鶴見俊輔集 ; 7 |pages=113-142 |publisher=[[筑摩書房]] |isbn=4480747079 |ref = harv}}</ref>。さらに、[[核家族]]ではなく3世代が一つ屋根の下に暮らし、家族それぞれがそれぞれの仕事・役割を担って膨大な[[コミュニケーション]]を交わす、という[[高度経済成長|高度成長]]時代からは遅れた家風を磯野家が残していることで、現実の家庭に対し[[戦後民主主義]]の理想を説く役割を与えられている、とも論じている<ref name="tsurumi" />。
評論家・[[樋口恵子]]<ref group="注">東京家政大学名誉教授。著書に『サザエさんからいじわるばあさんへ』がある。</ref>は原作漫画について以下のように語っている。「『サザエさん』では木造の日本家屋、3世代7人の雑居型大家族、地域社会の年中行事と緊密な人間関係が描かれている。そして何より一点の曇りもなく人間の持つ屈折にも、シワを伸ばし光を当ててしまうような明るさ、素直さを持つ専業主婦・サザエさんの存在。まさに安心・安定・安全度100%の舞台装置と配役なのです」と絶賛している<ref name=" 週刊現代2022 "/>。
 
評論家の[[樋口恵子]]{{Efn2|東京家政大学名誉教授。著書に『サザエんかいじわるばあさんへ』がある。}}は、原作漫画樋口ついて「『サザエさん』で木造の日本家屋、3世代7人の雑居型大家族、地域社会の年中行事と緊密な人間関係が描かれている。そして何より一点の曇りもなく人間の持つ屈折にも、シワを伸ばし光を当ててしまうような明るさ、素直さを持つ専業主婦・サザエさんの存在。まさに安心・安定・安全度100%の舞台装置と配役なのです」と絶賛している{{R|週刊現代2022}}。さらに「登場するサザエさんは戦後の嫁に求められていた滅私奉公に背を向け、時には“すかしっ屁”を放つなど自由気ままな日々を満喫しています。フェミニズムというべき新しい時代の香りが立ち上がってくる女・子供の生活讃歌になっているのです。この多面体ゆえに、男性にも女性にも時代を超えて愛されるのです」と評している<ref name=" {{R|週刊現代2022 "/>}}
 
== 漫画以外のメディア化 ==
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* 1965年11月19日に[[TBSテレビ|TBS]]により[[江利チエミ]]主演でドラマ化。1967年9月29日まで。
* 1966年、江利チエミ主演で舞台化。以降1975年、1978年にも上演。
* 1969年10月5日に[[フジテレビジョン|フジテレビ]]により[[サザエさん (テレビアニメ)|アニメ化<ref name="]]{{R|artist" />}}。{{See|[[サザエさん (テレビアニメ)|サザエさん]]}}
* 1975年、江利チエミ主演の舞台、「チエミ喜劇「決定版サザエさん」」が上演。
* 1977年ごろから1988年まで、[[文化放送]]「[[マエタケの朝は自由大通り]]」「[[お元気ですか高島忠夫です]]」内にて「連続ラジオまんが おはようサザエさん」を放送。声優はテレビアニメ版と同一で提供も東芝だった。
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* 1995年、[[熊谷真実]]・[[東ちづる]]主演(ダブルキャスト)で1994年版舞台の再演。
* 1993年11月25日に飛鳥新社から『磯野家の謎』の実写版ビデオが発売された。役者はすべて素人を起用している。ナレーションは[[大沢悠里]]、メイクアップは[[トニー・タナカ]]が担当した。
*2004年より、[[朝日新聞]]土曜日[[二部紙|別刷り付録]]の[[be (朝日新聞)|Be]]にて、「サザエさんをさがして」というコラム(執筆:朝日新聞東京本社文化部・社会部記者で構成する「be編集部」)を長期連載。同作品で描かれた時代背景を、実際の出来事に絡ませてその当時の世相を振り返るもので、単行本(朝日新聞出版)が発売されている
* 2008年9月10日より放送の[[江崎グリコ]]の『アーモンドプレミオ』『バンホーテン ディアカカオ』のCMにおいて、『25年後の磯野家』という設定の実写版CMが制作された。
* 2009年、フジテレビ開局50周年とテレビアニメ40周年を記念したスペシャルドラマとして[[観月ありさ]]主演でドラマ化され、11月15日の18:30〜20:54([[日本標準時|JST]])に放送([[テレビ大分]]は11月21日12:00〜14:25に、[[テレビ宮崎]]は12月5日14:00〜16:25に遅れ放送)。[[カラーテレビ]]の普及と[[ウーマンリブ運動]]が活発化した昭和40年代を時代背景として描かれた。2010年8月8日に第2弾が18:30〜20:54(JST)に、2011年1月2日に第3弾が生誕65周年記念で18:30〜22:00(JST)に放送された。
* 2013年10月11日に[[ニッポン放送]]『サザエさんの[[オールナイトニッポンGOLD]]』を放送。パーソナリティは主人公のフグ田サザエ(声・加藤みどり)<ref>{{Cite web |和書|title=ラジオ番組「サザエさんのオールナイトニッポンGOLD」10/11放送 サザエへの質問募集 |url=https://hatenanews.com/articles/201309/16122 |website=はてなニュース |date=2013-09-18 |access-date=2023-03-17 |language=ja |last=hatenanews}}</ref>。フジテレビのアニメキャラクターの担当は『浅倉南のオールナイトニッポン』以来9年ぶり2回目となった。
* 2015年10月20日、[[理研ビタミン]]の「わかめスープ」シリーズのパッケージに磯野ワカメがキャラクターとして採用され、11月2日から12月15日にワカメのデザイン入りマグカップが抽選で当たるキャンペーンを展開。2016年3月に「ふえるわかめちゃん」シリーズや「わかめご飯」シリーズ、「コリコリ茎わかめ」シリーズでも限定でパッケージデザインに採用される予定<ref>{{citeCite web|和書|url=https://natalie.mu/comic/news/163516|title=「サザエさん」ワカメちゃんがわかめスープのパッケージに、本日より販売|publisher=コミックナタリー|date=2015-10-21|accessdate=2015-10-21}}</ref>。
* 2019年、[[藤原紀香]]主演で舞台化。アニメ「サザエさん」の50周年イヤーを記念した作品<ref>{{citeCite web|和書|url=https://natalie.mu/stage/news/314541|title=舞台「サザエさん」上演決定!サザエ役に藤原紀香、波平役は松平健|publisher=ステージナタリー|date=2019-01-01|accessdate=2019-05-17}}</ref><ref>{{Cite web |和書|title=舞台「サザエさん」 <オフィシャルHP> |url=http://www.sazaesan-stage.jp/ |website=www.sazaesan-stage.jp |access-date=2023-03-17 |language=ja |last=舞台「サザエさん」 <オフィシャルHP>}}</ref>。
 
=== アニメ版 ===
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** フネ:高橋恵子
** 波平:松平健
** カツオ:[[和田琢磨 (俳優)|和田琢磨]](東京公演)/[[近藤頌利]]([[劇団Patch]])(大阪・福岡公演)(ダブルキャスト)
** ワカメ:[[本間日陽]]([[NGT48]])
** タラオ:大平峻也
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* [[北海道放送]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="k6634">『[[河北新報]]』1966年3月4日付朝刊、テレビ欄。</ref>
* [[青森放送]]:木曜 21:00 - 21:30<ref name="k6633">『河北新報』1966年3月3日付朝刊、テレビ欄。</ref>
* [[IBC岩手放送|岩手放送]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|k6634" />}}
* [[秋田放送]]:木曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|k6633" />}}
* [[山形放送]]:木曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|k6633" />}}
* [[東北放送]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|k6634" />}}
* [[福島テレビ]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|k6634" />}}
* [[新潟放送]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|k6634" />}}
* [[北日本放送]]:木曜 21:00 - 21:30<ref>『北日本新聞』1967年9月7日付朝刊、テレビ欄。</ref>
* [[北陸放送]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="mrocbc">『北日本新聞』1967年9月7日付朝刊、テレビ欄。</ref>
* [[福井放送]]:木曜 21:00 - 21:30<ref>『北國新聞』1967年9月7日付朝刊、テレビ欄。</ref>
* [[CBCテレビ|中部日本放送]]:金曜 21:00 - 21:30<ref name="{{R|mrocbc" />}}
 
{{前後番組
409 ⟶ 413行目:
|}
; メイン出演者
* サザエ:[[星野知子]]<ref name="{{R|eigajouho198104"/>}}
* マスオ:[[小野寺昭]]<ref name="{{R|eigajouho198104"/>}}
* 波平:[[小林亜星]]<ref name="{{R|eigajouho198104"/>}}
* フネ:[[乙羽信子]]<ref name="{{R|eigajouho198104"/>}}
* カツオ:佐野大輔 → 斎藤優一
* ワカメ:織田真澄
465 ⟶ 469行目:
|-
!1
|サザエさん<ref>{{Cite journal|和書|title=今月の広告批評 / 編集部|journal=[[広告批評]]|issue=155|publisher=マドラ出版|date=1992-11-01|pages=120|id={{NDLJP|1853124/62}}}}</ref>||1992年10月5日||[[月曜日|月曜]]21:00 - 22:24||
|-
!2
529 ⟶ 533行目:
 
* パート1: 2009年11月15日にフジテレビ開局50周年記念番組として放映。視聴率は20.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下同様)
* パート2: 2010年8月8日([[フジテレビの日]])に夏休みスペシャルドラマとして放映。視聴率は16.5%<ref>{{Cite web |和書|url=http://wwwz.fujitv.co.jp/sazae/index.html |title=サザエさん生誕65年記念!!アニメ&ドラマ 新春サザエさんスペシャル 2011年1月2日(日)よる6時30放送 |access-date=2023-03-17 |publisher=[[フジテレビ]] |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20120731070948/http://wwwz.fujitv.co.jp/sazae/index.html |archive-date=2012-07-31}}</ref>。
* パート3: 2011年1月2日に正月特番および「サザエさん生誕65年記念」(原作誕生から65年目)として放映。視聴率は11.0%。
* パート4: 2013年12月1日にフジテレビ開局55周年記念番組及び「アニメ『サザエさん』放送45周年記念」番組として放映。視聴率は14.4%。
 
ドラマの放映日は、いずれもアニメ版の定時放送日と重ねており、その日はアニメが第1部、ドラマが第2部として1枠化した[[コンプレックス (番組形式)|コンプレックス]]形式が取られる。パート4ではアニメとの更なる[[シナジー効果]]を狙い『サザエさん アニメ&ドラマで2時間半SP』と題され、全3話のうち1話「磯野家はチャレンジャー」の前半をアニメで、後半をドラマで制作するという特殊な構成<ref group="注">{{Efn2|磯野家がサブロウとともに初めて長縄跳びの練習を行う部分までがアニメパートになっている</ref>}}に用いられた。
 
観月版では時代設定1970年代前半であり、ダイヤルチャンネル式の[[テレビ]]や、[[伊藤博文]]の[[千円紙幣|千円札]]や[[岩倉具視]]の[[五百円紙幣|五百円札]]といった[[紙幣]]などその当時の物が作品内で登場する<ref group="注">{{Efn2|例外として、パート4の「磯野家はチャレンジャー」のドラマパートに登場した[[ラジオカセット|ラジカセ]]は、1980年代半ば頃のラジカセだった。</ref>}}など、その当時の生活ぶりが垣間見られる。BGM、玄関扉や襖の開閉音、タラオの足音、タマの鳴き声などはアニメと同じものが流用されている。
 
パート1に、サザエ役の声優の加藤みどりと、波平役の声優の永井一郎が顔出しで特別出演し、出演自体は短いがいずれも波平・フネと絡んでいる。加藤はその後もパート2に湯水夫人として、パート3にタバコを買いに来た波平と海平とを続けて見て驚くタバコ屋のおばさん、パート4に足を挫いた老婦人役でゲスト出演を果たした。
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** 自動車教習所 所長(1)
* [[加藤みどり]]
** 波平の勤務先の女性社員(1)<ref group="注">{{Efn2|第1弾は放送日が加藤の70歳の誕生日だったことから、エンディングのクレジットにバースデーケーキのイラストが描かれた。</ref>}}
** 湯水夫人(2)
** タバコ屋のおばさん(3)
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==== 天海祐希版 ====
『'''磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜'''』のタイトルで、フジテレビ開局60周年及びアニメ「サザエさん」放送50周年記念番組として、2019年11月24日の20:00 - 21:54に放送
<ref group="注">{{Efn2|[[テレビ大分]]は同年12月7日深夜<small>(8日午前)</small>に[[遅れネット]]で放送。</ref>}}。内容は本編の20年後となっており、磯野家には新たに、1954年発行の雑誌『[[漫画読本]]』([[文藝春秋]])創刊号に掲載された一コマ漫画「サザエさん一家の未来予想図」に登場したタラオの妹ヒトデが加わっている<ref>[https://www.cinemacafe.net/article/2019/09/30/63719.html 桜田ひより、タラちゃんの妹・ヒトデに! 実写ドラマ「サザエさん」家族写真初公開]、cinemacafe.net、2019年9月30日</ref>。今作では時代設定はより現代に近いものとなっており、劇中にはこれまでの各メディア作品には登場していなかった[[スマートフォン]]や[[液晶テレビ]]、[[無人航空機|ドローン]]などが登場している。
 
* サザエ:[[天海祐希]]<ref name="mantan20190830">{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20190830dog00m200068000c.html|title=サザエさん:天海祐希主演で実写ドラマ化 20年後の磯野家描く|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-08-31|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>(幼少期:[[川北れん]])
* マスオ:[[西島秀俊]]{{R|mantan20190830}}
* 波平:[[伊武雅刀]]{{R|mantan20190830}}
625 ⟶ 629行目:
* ワカメ:[[松岡茉優]]{{R|mantan20190830}}
* タラオ:[[成田凌]]{{R|mantan20190830}}
* ヒトデ:[[桜田ひより]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20190929dog00m200037000c.html|title=サザエさん:磯野家幻の8人目・ヒトデちゃんが実写ドラマで65年ぶり登場 “家族写真”が初公開|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-09-30|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* ノリスケ:[[八嶋智人]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191006dog00m200024000c.html|title=サザエさん:八嶋智人が実写ドラマで20年後のノリスケ役 「ちょいとノリのいい感じに親近感あった」|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-07|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* タイコ:[[堀内敬子]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191024dog00m200055000c.html|title=サザエさん:実写ドラマの40代タイコは堀内敬子 起業のイクラを心配 就活苦戦のタラオへの助言も|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-25|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* イクラ:[[稲葉友]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191017dog00m200063000c.html|title=サザエさん:20年後のイクラ役に稲葉友 ITサービスを開発し学生起業も|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-18|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* 中島:[[岡崎体育]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191110dog00m200024000c.html|title=サザエさん:20年後、“わがままボディー”の中島役に岡崎体育 カツオとの友情変わらず、今も「磯野ー!」|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-11-11|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* 花沢 花子:[[森カンナ|森矢カンナ]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191010dog00m200080000c.html|title=サザエさん:20年後の花沢さん役は森矢カンナ おしとやかで献身的な女性に育つ|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-11|work=|accessdate=2019-11-05}}</ref>
* かおり:[[黒川智花]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191031dog00m200069000c.html|title=サザエさん:実写ドラマの30代かおりは黒川智花 読モで結婚に不安 “カツオ”濱田岳と「金八先生」以来の共演|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-11-01|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* 早川:[[松井玲奈]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191104dog00m200027000c.html|title=サザエさん:実写版ドラマ、20年後の早川さんは松井玲奈 カツオ失恋? 花沢さん、かおりちゃんの3人組で花嫁一番乗り|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-11-05|work=|accessdate=2019-11-05}}</ref>
* 穴子:[[小手伸也]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191003dog00m200060000c.html|title=サザエさん:20年後の穴子役に小手伸也 アニメ声優の若本規夫に「若干“寄せて”います」|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-04|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* 貝塚 タケシ(ワカメの恋人):[[中林大樹]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191014dog00m200021000c.html|title=サザエさん:20年後の“ワカメ”松岡茉優の彼氏“貝塚”役に中林大樹 実写ドラマオリジナルキャラ|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-15|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* サブちゃん:[[勝俣州和]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191027dog00m200041000c.html|title=サザエさん:勝俣州和が5度目の三河屋・サブちゃん役 20年後は店主、積極的にITも導入|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-28|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* 伊佐坂 難物:[[浅野和之]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191020dog00m200044000c.html|title=サザエさん:70代となった伊佐坂先生は浅野和之 小説家引退を決意?|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-10-21|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* ヒラマサ:[[佐戸井けん太]]<ref>{{Cite web|和書|author=|url=https://mantan-web.jp/article/20191110dog00m200002000c.html|title=サザエさん:実写ドラマ「磯野家の人々」 カツオとタラオに“影響”を与える花火師役に佐戸井けん太|website=|publisher=[[MANTANWEB|まんたんウェブ (MANTAN)]]|date=2019-11-10|work=|accessdate=2022-04-18}}</ref>
* マスオの部長:[[おかやまはじめ]]
* 佐々木(マスオの部下):[[坂口涼太郎]]<ref>{{Cite tweet|author=坂口涼太郎|user=RyotaroSakaguTw|number=1198453328042004480|title=今夜8時から放送の 「磯野家の人々~20年後のサザエさん~」に出演しています…|date=2019-11-24|accessdate=2023-03-17}}</ref>
650 ⟶ 654行目:
* イトウさん(テレビの天気予報のリポーター):[[小泉遥 (タレント)|小泉遥]]
* 商店街の人々:[[勝矢]]、[[恵有一]]、[[松山尚子]]、[[一本気伸吾]]
* ヒトデの[[wikt:級友|同級生]]:[[搗宮姫奈]]、[[松永有紗]]、[[大森つばさ]]
* シーフィールド株式会社の面接官:[[戸田昌宏]]
* 株式会社海映クリエイトの面接官:[[難波圭一]]
794 ⟶ 798行目:
==== NHKラジオ第2版 ====
 
* 1950年に[[徳川夢声]]の脚色によって「ラジオ漫画」としてラジオドラマ化されたものが放送。<ref name="{{R|:0" />}}7月9日から同枠で「西遊記」が始まっている<ref>{{Cite book|和書 |title=放送西遊記 第1 |date=1951年9月20日 |publisher=宝文館 |chapter=序言}}</ref>ので、放送は4月2日から7月2日までの3か月と思われる。夢声自身、上手くいったと思っておらず、新聞のラジオ評も芳しくなかったという。キャストは夢声と[[七尾伶子]]の二人のみである。<ref name="{{R|:0" />}}
** 放送期間:1950年4月2日~7月2日(推定)
** 放送日時:毎週日曜17時30分~17時45分
802 ⟶ 806行目:
 
==== ニッポン放送版 ====
* 1955年から1965年まで、約10年にわたりニッポン放送でラジオドラマが放送された。1963年11月18日からはスポンサーが変わったことを機に、スタッフ、キャストを一新している<ref group="注">{{Efn2|そのため、一時期は『新・サザエさん』という題で放送。また、これに伴いサザエの結婚まで進行していた話も全て独身時代にリセットされた。</ref>}}。[[フジテレビジョン|フジテレビ]]のアナウンサーとなる以前、子役俳優として活動していた小学生時代の[[須田哲夫]]が一時期カツオ役を演じていた
** 放送期間:1955年1月4日〜1965年4月30日
** 放送日時:毎週月〜土曜日8時〜8時15分
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** 演出:[[門馬隆]]
** 出演
*** サザエ:[[市川寿美礼|市川すみれ]]<ref group="注">{{Efn2|途中からは「[[市川寿美礼]]」名義</ref>}}→[[横山通乃|横山道代]]
*** 波平:[[東野英治郎]]→[[巖金四郎]]
*** 舟:[[三戸部スエ]]→[[露原千草]]
*** マスオ:不明→[[谷幹一]]
*** カツオ:[[増田紘一]]→[[須田哲夫]]→[[高橋実 (俳優)|高橋実]]
*** ワカメ:[[藤縄素子]]→[[角本みゆき]]→[[金子由利子]]
*** ノリスケ:[[佐野浅夫]]
*** 役不明:[[小沢昭一]]、[[大空千尋]]他
*** 役不明:[[小沢昭一]]、[[岸田今日子]]、[[大空千尋]]他
*** 語り手:[[野中マリ子|野中マリ]]
 
821 ⟶ 826行目:
 
==== オールナイトニッポン版 ====
* 2013年10月11日には[[テレビアニメ]]が放送開始45周年を迎えることを機に、ニッポン放送で『サザエさんの[[オールナイトニッポンGOLD]]』が放送された<ref>{{Cite web |和書|url=https://www.sanspo.com/geino/news/20130904/oth13090405030011-n1.html |title=“史上初”サザエさん、ANNパーソナリティー - 芸能社会 - SANSPO.COM(サンスポ) |access-date=2023-03-17 |publisher=[[サンスポ]] |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20130906062348/https://www.sanspo.com/geino/news/20130904/oth13090405030011-n1.html |archive-date=2013-09-06}}</ref>。これもパーソナリティーのサザエを始め、キャストはテレビアニメ版と同一である。
 
=== CM ===
829 ⟶ 834行目:
磯野家の先祖の法事で親族が集まることから始まるCMオリジナルストーリー。原作ではなくアニメ版の世界をベースとしている。BGMもアニメ版のOP、EDテーマをアレンジしたものが使用されている。
 
CM中には波平やフネ、サザエ、マスオが一切登場しないが、江崎グリコの広報によると「ご先祖様の法事であり、存命です」と説明している<ref>{{Cite web |和書|title=実写版「25年後の磯野家」CM サザエさん役は誰なのかで議論沸騰 |url=https://www.j-cast.com/2008/09/22027343.html |website=J-CAST ニュース |date=2008-09-22 |access-date=2023-03-17 |language=ja}}</ref>。
 
; カツオ:[[浅野忠信]]
851 ⟶ 856行目:
 
==== マイライン ====
2000年4月から2001年にかけて、[[マイライン]]サービスの告知として、パンフレットとテレビCMで原作(漫画)を基にしたキャラクターが使用された<ref>{{Cite web |和書|url=http://www.myline.org/release/release_j000417_1.htm |title=「電話会社選択サービス」の円滑な導入に向けて |access-date=2023-03-17 |publisher=[[マイライン]] |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20080725004610/http://www.myline.org/release/release_j000417_1.htm |archive-date=2008-07-25}}</ref>。テレビCMはアニメ版の声優を使用しているが、作画はあくまで原作に準じたものとなっている。出稿主であるマイライン事業者協議会は実質上[[NTT東日本]]・[[NTT西日本]]が運営しており、[[電電公社]]以来約16年ぶりの起用であった。
 
==== カップヌードル ====
[[日清食品]]の[[カップ麺]]「[[カップヌードル]]」が2017年に展開している、有名作品の登場人物が現代日本の高校生として青春を謳歌しているという設定のCMシリーズ『HUNGRY DAYS』の第3弾として2017年11月22日より「サザエさん」編が放送<ref>{{Cite web |和書|title=「もし、サザエとマスオが現代の高校生だったら」 カップヌードルの新CM第3弾は“マスオの公開告白 |url=https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1711/22/news040.html |website=ねとらぼ |access-date=2023-03-17 |language=ja}}</ref><ref>{{Cite web |和書|url=https://www.cupnoodle.jp/hungrydays/sazae/ |title=サザエさん {{!}} HUNGRYDAYS アオハルかよ。 {{!}} 日清カップヌードル|CUPNOODLE |access-date=2023-03-17 |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20171125031830/https://www.cupnoodle.jp/hungrydays/sazae/ |archive-date=2017-11-25}}</ref>。タイトルは『サザエさんの青春』<ref group="注">{{Efn2|東宝製作の映画シリーズ3作目と同名タイトルである。</ref>}}
 
原作では公開お見合いで出会って結婚したサザエとマスオが、もし2017年の現代で同じ高校に通う高校生として過ごしているとしたら、という設定のパラレルワールドとなっており、高校最後の文化祭でマスオがサザエに公開告白を行うというストーリーとなっている。サザエ役を[[和久井優]]、マスオ役を[[島﨑信長]]が演じ、磯野家の家族も声は無いものの登場している。他のシリーズCMと同様にキャラクターデザインを[[窪之内英策]]、アニメーション制作を[[タツノコプロ]]が手がけている。
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CM公式サイトではストーリー紹介と共に、原作でのサザエとマスオのなれそめも紹介されている。
 
==== そのほかに ====
== キャラクター使用 ==
テレビアニメ版を長年1社で協賛した[[東芝]]家電製品(現・[[東芝ライフスタイル]]、[[TVS REGZA]]他)の他、[[コカ・コーラ]]の果汁飲料「[[hi-c]]」(終売)、[[日本電信電話公社]](現在の[[日本電信電話]]とその傘下の地域通信会社・[[NTTドコモ]]他)「[[プッシュフォン]]」「親子電話」、[[ハウス食品]]のサザエさんキャラクターを起用した食品類、[[JAバンク]]、[[ADEKA|旭電化]](現・ADEKA)「リス印マーガリン」(新聞広告)などに起用されている。([[#キャラクターの二次利用|後述参照]])
連載初期頃には[[文明堂]]や[[森永製菓]]の広告で起用されており、いくつかの長谷川の手による広告用の原画、贈答用の物や包装紙などが存在する。また、選挙の投票期間告知のポスターでも採用されている。
 
作者が存命中の頃はテレビアニメの筆頭スポンサーである[[東芝]]をはじめ、[[ハウス食品]]・[[日本コカ・コーラ]]([[Hi-C]])・[[日本電信電話公社]]などの[[コマーシャルメッセージ|CM]]に起用されていたが、1990年代はほぼ東芝一社のみとなり、1996年以降は同社のテレビCMにも起用されなくなった。
 
作者の没後8年を経過した2000年頃から、[[マイライン]](→[[#CM]])や[[JAバンク]]、日本コカ・コーラ(ミディペットボトル)などのCMで、アニメ版を中心とした本作のキャラクター画を使用されることが多くなってきている。ただし、これらのタイアップは作者の生前に契約が存在した企業がほとんどである。また、後述の理由から[[東急電鉄|東京急行電鉄]]のイメージキャラクターにも起用されたこともあった。
 
2008年に[[江崎グリコ]]のチョコレート製品のテレビCMとして制作された「[[#CM|OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜]]」は、その独特な世界観から話題を集めた。
 
JAバンクについては、キャッシュカード一体型の[[JAカード]]にアニメ版のサザエさん一家が描かれた「JAカード(サザエさん)」が存在しており、2010年前後になってJAバンクを統括する[[農林中央金庫|農林中金]]側の公式サイト内にあるJAカードのサイトに掲載されるようになっている。
 
2011年、2013年には[[防災の日|防災週間]]のPRキャラクターに起用された。
 
2019年11月24日に放送されたアニメ50周年スペシャルでは、当時のスポンサーである9社(『[[日清食品]]』、『[[日産自動車]]』、『[[花王]]』、『[[宝くじ]]』、『[[西松屋]]』、『[[味の素]]』、『[[大和ハウス]]』、『[[Amazon.co.jp|Amazon]]』、『[[全国労働者共済生活協同組合連合会|こくみん共済]]』)とのコラボレーションCMが放送された。
 
2022年5月に[[警視庁]]から防犯広報大使に任命された<ref>{{Cite web |title=防犯大使に「サザエさん」一家 警視庁、4こま漫画でPR |url=https://nordot.app/897041467334230016 |website=共同通信 |date=2022-05-11 |access-date=2022-08-14}}</ref>。その一環で同年8月13日に[[東京ドーム]]で開催された[[読売ジャイアンツ]]対[[広島東洋カープ]]戦ではサザエが[[始球式]]を務めた<ref>{{Cite web |title=警視庁広報大使のサザエさんが始球式 防犯アプリ利用呼びかけ |url=https://mainichi.jp/articles/20220813/k00/00m/040/178000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-08-14 |date=2022-08-13}}</ref>。なお、始球式の模様はアニメ版制作局であるフジテレビと同業会社の[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の[[報道番組|ニュース番組]]でも放映された<ref>{{Cite web |title=東京ドームで始球式 サザエさん一家が防犯アプリ利用呼びかけ |url=https://news.ntv.co.jp/category/society/4d91ac1e26354f7b9e0a6f4a88732b63 |website=日テレNEWS |access-date=2022-08-14 |date=2022-08-13}}</ref>。
 
2022年7月より日清食品の「[[カップヌードル]] シーフード/レッドシーフード」のテレビCMに期間限定で起用されている(同年8月末〈予定〉までのオンエアで、CM本編にはサザエのほか、カツオとワカメが登場している)。
 
== 派生作品 ==
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* [[サザエさんうちあけ話]](「朝日新聞」日曜版 連載 1978年4月 - 11月)
* [[サザエさん旅あるき]] (「朝日新聞」連載 1987年4月 - 10月)
* [[バイオレンスサザエさん]]
 
=== かるた ===
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; サザエさんかるた
: 1949年頃発売。1枚目の読み札は「いまないた ワカメが もうおねだり」。2012年に復刻版が発売された<ref>{{Cite web |和書|title=復刻「サザエさんかるた」 |url=https://allabout.co.jp/gm/gc/404830/ |website=[おもちゃ] All About |access-date=2023-03-17 |language=ja}}</ref>。
: 2012年10月25日発売(復刻版)、{{ISBN2|978-4-87014-080-6}}
 
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: 1954年発売。作詞:大下文代、作曲:細川潤一、歌:[[照菊]]・[[若原一郎]]・キング合唱団。[[キングレコード]]盤。
 
===広告===
== キャラクター商品 ==
*[[ADEKA|旭電化]]リス印の[[マーガリン]]
本作のアニメが放映開始された当初は、キャラクター商品の許諾を全くしない方針だった。玩具メーカー[[バンダイ]]が打診したが断った。放映当時は[[マルサン商店]]と[[今井科学]]の倒産で玩具業界ではキャラクター商品は敬遠されていたためとみられる。
*[[森永乳業]][[粉ミルク|ドライミルク]]
 
*[[ハウス食品]]サザエさんちシリーズ(ふりかけ、お茶漬け)
[[サザエさんバス事件]]の判決が出た1976年に[[タカラ (玩具メーカー)|タカラ]](現・[[タカラトミー]])が初めて商品化した。タカラは同年の年末商戦における「最大の関心事」と位置づけ、人形から貯金箱まで幅広く商品を展開。しかしあまり売れなかった。業界では「人間キャラは売れない」という[[ジンクス]]があり、本作もそれを証明することになった(後にこのジンクスを打ち破るのは『[[ちびまる子ちゃん]]』である)。
*[[日本コカ・コーラ]]Hi-c(フルーツ100%還元ジュース)
 
*[[明治製菓]]
[[ハウス食品]]から1984年に「サザエさんちのふりかけ」「サザエさんちのお茶漬け」が、1985年に「サザエさんちのおにぎり」が発売され、1990年代前半まで発売が続けられた。ただし、パッケージデザインに関しては[[著作権]]の関係上、テレビアニメ版のものが採用された。また、[[明治製菓]](現・[[明治 (企業)|明治]])から1984年にスナック菓子として「かつおくん」と「わかめちゃん」が発売された。
*[[日本電信電話公社]][[プッシュホン]]
 
*[[JAバンク]]
非売品ではあったが、1980年代には、スポンサーである[[東芝]]からもグッズが多数出ており、東芝の特約店などで商品を買うと、主に[[サザエさんの登場人物|サザエ]]や[[サザエさんの登場人物|タラちゃん]]がプリントされた[[財布]]などを進呈するというフェアもあった。
 
また、名古屋に本社を置く[[長登屋]]が商品化権を取得しており、全国各地の土産物屋を中心にキャラクターを利用した菓子商品の製造販売を行っている。
 
2006年7月15日、お台場のフジテレビ本社ビルに、『サザエさん』のキャラクター商品を扱う専門店「サザエさんのお店」が開業した。
{{節スタブ}}
 
== サザエさん通り ==
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生涯で最も長い期間住み続け、本作の舞台となったこと、[[長谷川町子美術館]]が1985年に開館したため、桜新町商店街振興組合が音頭をとって[[東急田園都市線]]の[[桜新町駅]]前から[[国道246号]]へとつながる「中通り」を1987年に「サザエさん通り」と改称された。
 
歩道には『サザエさん』のキャラクターが描かれた看板もある。ほとんどが原作の時の絵になっている。2012年3月25日には、磯野家メンバーの銅像が設置された<ref>{{PDFlink|[http://www.sakurashinmachi.net/pdf/120303_02.pdf サザエさん生誕66周年 桜新町/サザエさん通りに、サザエさん一家の銅像が完成!]}}、桜新町商店街復興組合、2012年3月3日</ref>。この銅像に対し、2013年6月3日付で都税事務所から58万9200円の固定資産税(償却資産)の納税通知書が届き、桜新町商店街振興組合では困惑していたが<ref>{{Cite web |和書|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013061202000131.html |title=「サザエさん」像に課税 世田谷・桜新町商店街 45年間980万円 |access-date=2023-03-17 |publisher=[[東京新聞]] |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20130708020615/http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013061202000131.html |archive-date=2013-07-08}}</ref><ref>{{Cite web |和書|title=【衝撃】サザエさん像は課税対象だけど亀有の両さんは非課税 / その理由が判明 |url=https://rocketnews24.com/2013/06/13/340034/ |website=ロケットニュース24 |date=2013-06-13 |access-date=2023-03-17 |language=ja}}</ref>、10月19日に一転して固定資産税の免除が通知された<ref>{{Cite web |和書|url=http://mainichi.jp/select/news/20131019k0000e040190000c.html |title=サザエさん銅像:固定資産税60万円…一転、免除に |access-date=2023-03-17 |publisher=毎日jp |archive-url=https://archive.is/20131021084958/mainichi.jp/select/news/20131019k0000e040190000c.html |archive-date=2013-10-21}}</ref><ref>{{Cite web |和書|title=サザエさん像、一転して税免除に 都が地元商店街に通知 - 日本経済新聞 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1900F_Z11C13A0CC0000/ |website=www.nikkei.com |access-date=2023-03-17}}</ref>。同じく長谷川町子原作の[[いじわるばあさん]]の看板や銅像もある。
 
『サザエさん』に登場する「三河屋」は「サザエさん通り」に[[コンビニエンスストア]]の[[セブン-イレブン]]・世田谷サザエさん通り店として実在する。三河屋の屋号は、出入口のセブン-イレブンのロゴの下に「三河屋酒店」と小さく表記されていたが、のちにこの表記は「三河屋」に変更された。
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福岡市では2007年4月26日、長谷川が住んでいた福岡市早良区百道浜一丁目に磯野広場ができ、記念碑が建てられた。記念碑には『[[サザエさんうちあけ話]]』からの引用が記載されている。
 
2013年2月には、サザエさんと福岡市在住の波平の兄・海平の着ぐるみが完成し、地元のイベント等で活用されるようなった<ref>{{Cite web |和書|url=https://www.47news.jp/localnews/hukuoka/2013/02/post_20130222120538.html |title=海平さん 西新商店街をPR 着ぐるみ完成、サザエさんも  |access-date=2023-03-17 |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20140710121806/https://www.47news.jp/localnews/hukuoka/2013/02/post_20130222120538.html |archive-date=2014-07-01}}</ref>。
 
2014年5月20日 - 7月13日に福岡市博物館で展覧会「サザエさん展 長谷川町子とその時代」が開催されたり<ref group="注">{{Efn2|その展覧会の開催に先立って、「[[恋するフォーチュンクッキー]]」([[AKB48]])の「[https://www.youtube.com/watch?v=VoJ9DiDWX-I サザエさんの街でつながろう!]」編が、世田谷区・早良区および長谷川町子美術館の協力で制作され公開している。</ref>}}、2015年1月30日に、[[西新駅]]に第1巻の表紙と第1話をモチーフにした[[高取焼]]の陶板の設置<ref>{{Cite web |和書|url=http://www.city.fukuoka.lg.jp/sawaraku/sawaraku-tamatebako/miryoku/sazaesan/sazaesan_touban.html |title=西新駅に「サザエさん」の陶板設置! |access-date=2023-03-17 |publisher=[[早良区]] |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20150202154112/http://www.city.fukuoka.lg.jp/sawaraku/sawaraku-tamatebako/miryoku/sazaesan/sazaesan_touban.html |archive-date=2015-02-02}}</ref>や、2017年1月29日より[[樋井川]](旧今川橋)から藤崎駅南東まで続くオレンジ通り・西新中央・中西・高取・藤崎の5つの商店街の通りに「サザエさん商店街通り」の愛称が付いた<ref>{{Cite web |和書|title=「サザエさん商店街通り」開通記念にパレードとウォークラリーを開催(1/29) {{!}} 西新商店街公式ホームページ|福岡市早良区西新 |url=http://nishijin.fukuoka.jp/news/4516/ |website=[[西新商店街]]|福岡市早良区西新 |date=2017-01-23 |access-date=2023-03-17}}</ref>。
 
== その他 ==
* [[京都大学]]の日本史の問題に出題された。教科書でも本作が題材となることがあった。
* 1998年に発行された[[年賀状#お年玉付郵便はがき|お年玉つき年賀はがき]]の東京地方版に漫画では初となるサザエさんが採用された。
* 磯野家は「東京都世田谷区桜新町あさひが丘三丁目10番地」という架空の住所が使用されている<ref group="注">東京都世田谷区桜新町二丁目25番や、東京都世田谷区[[新町 (世田谷区)|新町]]三丁目51番地または515番地(架空の住所)等の仮定もある。</ref>。
* 単行本の第1巻はB5判の横綴じだったが、書店の店頭に並べにくいということですべて返品され、自宅は返品された単行本に占拠される事態となった。そこで判型をB6判に変更した第2巻を出したところ読者には好評で問題の第1巻にも注文が入るようになり、この事態は解消された。姉妹社の廃業までこの判型が踏襲され、第1巻も後にB6に変更された。詳しいエピソードは『サザエさんうちあけ話』で紹介されている。また、このB5判横綴じの第1巻を再現した復刻版が、2013年4月27日より長谷川町子美術館の売店で販売された。
* 基本的に現代(連載当時)を舞台にしたサザエさんであるが、長谷川の漫画『[[新やじきた道中記]]』には江戸時代設定の磯野家の面々が登場する。設定としては、サザエが結婚する前の頃の一家を江戸時代にアレンジしたものであり、本編における現在の磯野家との関係はないものとみられ、一種のスターシステムといえる。
* 原作での磯野家の正確な間取りは話によって変わるため決まっていないが、長谷川町子美術館ではアニメ版のものを展示している。
* 連載時期により家の造りが異なり、連載初期は二階建ての日本家屋、東京での載再開時の磯野家は平屋となっており<ref>朝日文庫版23巻171ページ掲載話、24巻139ページ掲載話</ref>、漫画では洋室も登場している。
* 舞台が東京になった際、長谷川の隣家の家族構成が同じであり、マスオさん婚や平屋などを参考にした。その情報源は長谷川町子の姉である[[長谷川毬子]]と隣家との世間話から得た。
* 連載初期には壁掛け電話機が登場しているが、舞台が東京になった際は黒電話になった<ref>朝日文庫版34巻138ページ掲載話</ref>。
* 東京に舞台を移してからは、福岡ではあまり見かけない銭湯文化に感動した町子は、原作に銭湯の話をたびたび描くようになる。
* 作中で適当に書かれた電話番号が実際に存在、その番号に悪戯電話が頻繁に掛かる被害があった。単行本収録の際に問題箇所は修正された。
* [[鶴見俊輔]]は『サザエさん』について「戦前の[[父権主義]]や[[核家族]]化に対するアンチテーゼを描いたものだ」と自著で記している<ref>漫画の戦後思想史</ref>。
* 1954年の文藝春秋により出版されたスピンオフ作品の中で10年後を描いた「サザエさん一家の未来予想図」の中でフグ田サザエとフグ田マスオの子[[ヒトデちゃん]]が登場する。漫画ではこの一話にしか登場しておらず、アニメにも登場していないため幻とされている<ref group="注"> 2019年にフジテレビ開局60周年特別企画 サザエさん放送50周年を記念してフジテレビで放送されたスペシャルドラマ” 磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜」 のみに高校生になった姿でヒトデが登場している</ref>。
 
== 著作権問題 ==
原作者の長谷川が『[[サザエさんうちあけ話]]』にて「サザエさんの単行本をコピーした、いわゆる[[海賊版]]が国内に出回っていた」と語っており、発行元の姉妹社に損害が起きていた<ref group="注">{{Efn2|全く逆の話として、「ニセ本が出ている」と長谷川に送られてきた本が、実は絵柄が変化したことに気付かなかった読者の勘違いで本物の初期の単行本だった、という事例もある。</ref>}}
 
無許可でキャラクター画を使用した「[[サザエさんバス事件]]」以後、本作は他の作品以上に版権管理が厳しくなり、版権を管理する長谷川町子美術館に画像使用許可などを申請しても門前払いされていた時期があった。
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1970年、[[奥成達]]が編集長を務めた雑誌『東京25時』(アグレマン社)9・10月合併号に、テディ片岡([[片岡義男]])原案・木崎しょう平作画によるパロディ漫画『サザエさま』が掲載されたが、過激な内容と著作権の問題で姉妹社から訴えられ、示談の結果、罰金50万円の支払いと謝罪広告の掲載がなされた<ref>赤田祐一・ばるぼら『消されたマンガ』(鉄人社、2013年)186-191頁</ref>。長谷川は[[飯沢匡]]との対談の中で本作品の存在に触れ、「名誉毀損で裁判沙汰にいたしました」「むこうの編集者が謝罪しました」としている。この際、訴えを起こした理由として、長谷川は「作品を見たときに悪意を感じた」上に「それが面白いものならばまだしも出来が悪く、ぜんぜんひどいと思った」旨を挙げている<ref>{{Cite journal |和書|author=飯沢匡 |authorlink=飯沢匡 |title=イイザワ対談 遠近問答:ゲスト マンガ家長谷川町子 |journal=週刊朝日 |volume=1970年12月25日号 |publisher=朝日新聞社 |date=1970-12-25 |pages=48 }}</ref>。
 
1980年前後に[[勁文社|ケイブンシャ]]が発行していた「全アニメ大百科」(年度ごとに改訂版あり)では、日本で制作された連続テレビアニメについて草創期から当時の最新作までを網羅しており、各作品ごとに放送期間や声優、ストーリーの概略などをキャラクターの画像と共に紹介していたが、『サザエさん』と『[[いじわるばあさん]](1970年版)』については画像を掲載することができなかった<ref group="注">{{Efn2|ただし、1978年から1979年にかけて発売された「70年代テレビアニメ全集」([[秋元文庫]])と、1982年・1983年に発売された「アニメNOW」シリーズ([[集英社文庫]])には、アニメの一場面が掲載されている(『テレビアニメ全集』には『いじわるばあさん』も)。双方とも著者は[[杉山卓 (アニメ演出家)|杉山卓]]。</ref>}}。[[1988年]]に[[徳間書店]]から出版された「TVアニメ25年史」についても同様で、本作のみ画像が掲載されていない。ただし、アニメ版のスポンサーである企業についてはこうした限りではない。
 
1992年頃に流行となった[[謎本]]のひとつ、[[東京サザエさん学会]]により『磯野家の謎 サザエさんに隠された69の驚き』(飛鳥新社)が刊行され、続編『磯野家の謎おかわり』とともに大ヒットとなったが、これらは原作やアニメのコマが一切掲載できなかったため、文中で「●巻p.●●」のように出典を示す脚注が付けられたのみであった。原作漫画やアニメのコマが一切掲載されていない理由について、「作者の許諾が得られなかったから(代わりに脚注を付けたので、そちらを参照してほしい)」と記述している。また翌年にはビデオ版も発売されたが、こちらも著作権者の許可を得なかったため[[長谷川毬子]]と長谷川町子美術館から訴えられており<ref>「サザエさんの『謎』勝手にビデオ 販売差し止め申請」『朝日新聞』1993年12月13日付東京夕刊、11頁。</ref>、絶版となっている。
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同じく1992年にシングルCDとして再発されたアニメ主題歌のシングルでも、ジャケットにはキャラクターの画像は一切使用されていない。
 
現在でもこの厳しい版権管理は続いており、映像化作品(ドラマ、映画全般も含む)のビデオソフト(DVD、BD)化は行われておらず、インターネットでの有料配信やCSなどでの放送といった映像の二次利用自体が行われていなかったが、2016年にサザエさん誕生70周年を迎えたことから、[[衛星放送|CS]]の「[[日本映画専門チャンネル]]」にて、同年4月から2017年1月にかけて[[#映画|東宝および宝塚映画のシリーズ]]全10作が順番に毎月1作品ずつ放送されている<ref group="注">{{Efn2|『サザエさん』ではないが、2018年1月に同じ長谷川原作の『新やじきた道中記』の映画化作品[[新やじきた道中記#映画 『新やじきた道中』|『新やじきた道中』]]が前述の映画を放送した「日本映画専門チャンネル」で1月に、「[[時代劇専門チャンネル]]」にて3月に放送されている。</ref>}}。また、2018年12月26日より、アニメ放送50周年を記念してフジテレビの有料配信サービス[[フジテレビオンデマンド|FOD]]及び[[Amazon Prime Video|Amazon プライム・ビデオ]]にて、放送開始年である1969年から1978年までのエピソードがデジタル化され配信されることが決定した<ref>{{Cite web |和書|url=https://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2018/181225-i523.html |title=サザエさん FOD・Amazon Prime Videoで配信決定! - とれたてフジテレビ |access-date=2023-03-17 |publisher=[[フジテレビ]] |archive-date=2018-12-26 |archive-url=httphttps://web.archive.org/web/20181226020045/https://www.fujitv.co.jp/fujitv/news/pub_2018/181225-i523.html}}</ref><ref group="注">{{Efn2|なお、Amazon プライム・ビデオでの1969年から1978年までのエピソード(シーズン1)は2022年1月13日現在配信停止されている。</ref>}}
 
また、2020年2月まで絶版作品を含む[[電子書籍|電子書籍化]]は行われていなかったが、同年に世界規模で感染が拡大している[[2019新型コロナウイルス|新型コロナウイルス]]の影響で自宅待機を余儀なくされている人々向けへの支援として、朝日新聞出版が長谷川町子美術館による協力の下、同年3月に期間限定ではあるが電子書籍化と無料公開が行われた<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.cinra.net/news/20200407-sazae|title=電子版『サザエさん』無料配信期間が4月末まで延長&本日発売10巻も公開|accessdate=2020年4月8日|publisher=CINRA.NET(2020年4月7日作成)}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://eiga.com/news/20200408/2/|title=4コマ漫画「サザエさん」の無料公開が4月末まで延長! 最新刊10巻も特別公開|accessdate=2020年4月8日|publisher=映画.com(2020年4月8日作成)}}</ref>。
 
また、[[文藝春秋]]発行の「文藝春秋デラックス」では「日本の笑い マンガ1000年史」(No.17 昭和50年9月号)に新聞掲載の4コマ作品3本、「アニメーションの本」No.42 昭和52年10月号)には、一家が勢揃いしたアニメのキャラクターの画像が掲載されている。
 
=== キャラクターの二次利用 ===
== サザエボン問題 ==
[[#そのほかに|上述]]したように、連載初期頃には[[文明堂]]や[[森永製菓]]、[[ADEKA|旭電化]](現・ADEKA)リス印マーガリンなどの広告で起用されており、いくつかの長谷川の手による広告用の原画、贈答用の物や包装紙などが存在する。また、選挙の投票期間告知のポスターでも採用されている。
 
作者が存命中の頃はテレビアニメの筆頭スポンサーである[[東芝]]をはじめ、[[ハウス食品]]・[[日本コカ・コーラ]]([[Hi-C]])・[[日本電信電話公社]]などの[[コマーシャルメッセージ|CM]]に起用されていたが、1990年代はほぼ東芝一社のみとなり、1996年以降は同社のテレビCMにも起用されなくなった。
 
1998年に発行された[[年賀状#お年玉付郵便はがき|お年玉つき年賀はがき]]の東京地方版では、漫画では初めてサザエさんが採用された。
 
作者の没後8年を経過した2000年頃から、[[マイライン]](→[[#CM]])や[[JAバンク]]、日本コカ・コーラ(ミディペットボトル)などのCMで、アニメ版を中心とした本作のキャラクター画を使用されることが多くなってきている。ただし、これらのタイアップは作者の生前に契約が存在した企業がほとんどである。また、後述の理由から[[東急電鉄|東京急行電鉄]]のイメージキャラクターにも起用されたこともあった。
 
2008年に[[江崎グリコ]]のチョコレート製品のテレビCMとして制作された「[[#CM|OTONA GLICO 〜25年後の磯野家〜]]」は、その独特な世界観から話題を集めた。
 
JAバンクについては、キャッシュカード一体型の[[JAカード]]にアニメ版のサザエさん一家が描かれた「JAカード(サザエさん)」が存在しており、2010年前後になってJAバンクを統括する[[農林中央金庫|農林中金]]側の公式サイト内にあるJAカードのサイトに掲載されるようになっている。
 
2011年、2013年には[[防災の日|防災週間]]のPRキャラクターに起用された。
 
2019年11月24日に放送されたアニメ50周年スペシャルでは、当時のスポンサーである9社(『[[日清食品]]』、『[[日産自動車]]』、『[[花王]]』、『[[宝くじ]]』、『[[西松屋]]』、『[[味の素]]』、『[[大和ハウス]]』、『[[Amazon.co.jp|Amazon]]』、『[[全国労働者共済生活協同組合連合会|こくみん共済]]』)とのコラボレーションCMが放送された。
 
2022年5月に[[警視庁]]から防犯広報大使に任命された<ref>{{Cite web|和書|title=防犯大使に「サザエさん」一家 警視庁、4こま漫画でPR |url=https://web.archive.org/web/20220511084324/https://nordot.app/897041467334230016 |website=共同通信 |date=2022-05-11 |access-date=2022-08-14}}</ref>。その一環で同年8月13日に[[東京ドーム]]で開催された[[読売ジャイアンツ]]対[[広島東洋カープ]]戦ではサザエが[[始球式]]を務めた<ref>{{Cite web|和書|title=警視庁広報大使のサザエさんが始球式 防犯アプリ利用呼びかけ |url=https://mainichi.jp/articles/20220813/k00/00m/040/178000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-08-14 |date=2022-08-13}}</ref>。なお、始球式の模様はアニメ版制作局であるフジテレビと同業会社の[[日本テレビ放送網|日本テレビ]]の[[報道番組|ニュース番組]]でも放映された<ref>{{Cite web|和書|title=東京ドームで始球式 サザエさん一家が防犯アプリ利用呼びかけ |url=https://news.ntv.co.jp/category/society/4d91ac1e26354f7b9e0a6f4a88732b63 |website=日テレNEWS |access-date=2022-08-14 |date=2022-08-13}}</ref>。
 
[[日本中央競馬会]]が毎年夏季に地方予選大会→秋季の[[東京競馬場]](概ね10月第2日曜日の最終レース後)に全国決勝大会を行っている、小学4年から中学1年生を対象とした[[ポニー]][[競馬]]の全国選手権大会「[[ジョッキーベイビーズ]]」に[[世田谷区]][[長谷川町子美術館]]が協賛しており、全国大会ではサザエさん一族の着ぐるみが会場に来場している<ref>[https://www.jra.go.jp/company/racing/jb/2017/pdf/2017jb_syutsuba01.pdf サザエさんはジョッキーベイビーズを応援しています](2017年版)</ref>。
 
2022年7月より日清食品の「[[カップヌードル]] シーフード/レッドシーフード」のテレビCMに期間限定で起用されている(同年8月末〈予定〉までのオンエアで、CM本編にはサザエのほか、カツオとワカメが登場している)。
 
2024年4月よりP&Gの「レノア オードリュクスサンデー」のテレビCMに原作のサザエが起用されている。ただし声の担当は加藤みどりではない。
 
=== 商品化 ===
本作のアニメが放映開始された当初は、キャラクター商品の許諾を全くしない方針だった。玩具メーカー[[バンダイ]]が打診したが断った。放映当時は[[マルサン商店]]と[[今井科学]]の倒産で玩具業界ではキャラクター商品は敬遠されていたためとみられる。
 
[[サザエさんバス事件]]の判決が出た1976年に[[タカラ (玩具メーカー)|タカラ]](現・[[タカラトミー]])が初めて商品化した。タカラは同年の年末商戦における「最大の関心事」と位置づけ、人形から貯金箱まで幅広く商品を展開。しかしあまり売れなかった。業界では「人間キャラは売れない」という[[ジンクス]]があり、本作もそれを証明することになった(後にこのジンクスを打ち破るのは『[[ちびまる子ちゃん]]』である)。
 
[[ハウス食品]]から1984年に「サザエさんちのふりかけ」「サザエさんちのお茶漬け」が、1985年に「サザエさんちのおにぎり」が発売され、1990年代前半まで発売が続けられた。ただし、パッケージデザインに関しては[[著作権]]の関係上、テレビアニメ版のものが採用された。また、[[明治製菓]](現・[[明治 (企業)|明治]])から1984年にスナック菓子として「かつおくん」と「わかめちゃん」が発売された。
 
非売品ではあったが、1980年代には、スポンサーである[[東芝]]からもグッズが多数出ており、東芝の特約店などで商品を買うと、主に[[サザエさんの登場人物|サザエ]]や[[サザエさんの登場人物|タラちゃん]]がプリントされた[[財布]]などを進呈するというフェアもあった。
 
また、名古屋に本社を置く[[長登屋]]が商品化権を取得しており、全国各地の土産物屋を中心にキャラクターを利用した菓子商品の製造販売を行っている。
 
2006年7月15日、お台場のフジテレビ本社ビルに、『サザエさん』のキャラクター商品を扱う専門店「サザエさんのお店」が開業した。
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=== サザエボン問題 ===
{{出典の明記|section=1|date=2016年3月}}
1995年 - 1996年頃、サザエと[[バカボンのパパ]]を合成した「天才サザエボン」や、波平と[[鉄腕アトム]]を合成した「鉄腕波平」、波平と[[安室奈美恵]]を合成した「アムロ波平」などといったキャラクターグッズが無許可で制作され、修学旅行生が集まる全国の土産物店に卸して販売したものが有名になった。これに対し1997年夏に長谷川町子美術館や[[赤塚不二夫]]、[[手塚プロダクション]]など(原告)が[[著作権]]・[[著作者人格権]]などの侵害として、グッズを企画・製造していた[[福岡県]]春日市の衣料品会社「大成」を相手に訴訟を起こした<ref>{{Cite web |和書|url=https://ima.goo.ne.jp/column/article/6842.html |title=アノ有名キャラを無断で〇〇して販売停止…サザエボン事件の顛末 |access-date=2022-05-15}}</ref>。
 
これに対し会社側は「大阪固有のギャグ、パロディー文化を踏襲したものであり、著作権侵害の意図は全くない」などと反論した<ref name="nikkei970809">日本経済新聞朝刊1997年8月9日35面</ref>。
 
1997年8月、[[裁判所]]は、被告の文化的解釈はあくまでもアマチュアにおける二次創作(例としては、漫画やアニメを同人誌として頒布することなど)に摘要されるものであり、企業が利益目的として販売する場合、被告の主張する社会的文化の範囲に含まないのが通例である。よって、著作権侵害とすることが相当である。また、原告の主張には始終一貫として正当性が認められる。それに対する被告は先の文化的解釈など、狭義な見解が散見された、と結論づけ原告の勝訴となった。「大成」は販売禁止を命令され、同社は2000年1月27日に[[破産]]した。
 
「サザエボン」の起源を巡っては、次のような説がある。
* 1980年代後半に発表された『[[週刊少年ジャンプ]]』の読者参加型の「[[ジャンプ放送局]]」内の「NG大賞」コーナーの投稿作品がオリジナルで、そこから読者により拡散された、とする説。
* [[ダウンタウン (お笑いコンビ)|ダウンタウン]]の[[松本人志]]が『[[4時ですよーだ]]』で披露した絵がオリジナルで<ref>遊タイム出版編集部『なにわのおもろい商人たち』遊タイム出版、1996年、156-157頁。ISBN 4-946496-24-6。</ref>、それを子供が真似て描いた絵を、[[阪急電鉄]]・[[十三駅]]前西[[商店街]]の[[露天商]]「TOY魔人」がさらに真似て、単独で売っていた「サザエさん」や「バカボンのパパ」の[[キーホルダー]]を「サザエボン」に仕立てて販売していた<ref>「十三にTOY魔人現る」遊タイム出版編集部『なにわのおもろい商人たち』遊タイム出版、1996年、140-162頁。ISBN 4-946496-24-6</ref>とする説。
 
[[大阪商工会議所]]新淀川支部では、後者の説にちなみ、TOY魔人が商っていた西商店街を「波平通り」と名づけた。さらには[[1999年]]頃、合成キャラクター「鉄腕波平」の街路灯を同じ通りに設置した<ref>{{Cite web|和書|author=新淀川支部 |url=http://www.osaka.cci.or.jp/Kankoubutsu/Newsletter/172/kourei3-1.html |title=地域の動き 「鉄腕波平さん」が灯りを点す商店街 |website=ニューズレター(支部概況報告)No.172 |publisher=大阪商工会議所 |date=2005-04-22 |accessdate=2023-08-01 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20081007004636/http://www.osaka.cci.or.jp/Kankoubutsu/Newsletter/172/kourei3-1.html |archivedate=2008-10-07}}</ref>ものの、2012年には撤去されたという<ref>{{Cite web|和書|url=https://osakadeep.info/juso-namihei-street/ |title=阪急十三駅前の著作権違反ストリート・波平通りから「鉄わん波平」が消えてしまった件 |website=大阪Deep案内 |date=2013-04-11 |accessdate=2023-08-01}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://pochi12345.blog.fc2.com/blog-entry-3208.html |title=波平通りのはずが、鉄腕波平が消えたっ!! 十三駅前西商店街 |author=Pochi12345 |date=2012-11-23 |accessdate=2023-08-01}}</ref>。
福岡県春日市の衣料品会社「大成」に販売禁止を命令。会社は2000年1月27日に[[破産]]した。
 
「サザエボン」などの起源はいくつかの説や経緯がある。1つは、1980年代後半に発表された「[[週刊少年ジャンプ]]」の読者参加型の「[[ジャンプ放送局]]」内の「NG大賞」コーナーの投稿作品であり、そこから読者により拡散された。もう1つは[[ダウンタウン (お笑いコンビ)|ダウンタウン]]の[[松本人志]]が『[[4時ですよーだ]]』で披露した絵であり<ref>遊タイム出版編集部『なにわのおもろい商人たち』遊タイム出版、1996年、156-157頁。ISBN 4-946496-24-6。</ref>、それを子供が真似て描いた絵をもとに[[阪急電鉄]]・[[十三駅]]前西[[商店街]]の「TOY魔人」という[[露天商]]が、単独で売っていた「サザエさん」や「バカボンパパ」の[[キーホルダー]]を自作で組み合わせ加工して販売していた<ref>「十三にTOY魔人現る」遊タイム出版編集部『なにわのおもろい商人たち』遊タイム出版、1996年、140-162頁。ISBN 4-946496-24-6。</ref>。これを関西や全国区のテレビ番組で話題として取り上げた。商店街脇にある路地活動これにちなみ「波平通り」と名づけられたが、2015年現在は改称された。鉄腕アトムと波平の合成キャラクターである「鉄わん波平」の看板も同商店街に掲げられた。これらの社会現象について当初、著名人や関係者もTOY魔人を、からは一般人による二次創作の範疇だと判断されていたため、当初は特に追及はされなかった。しかし、上記先述福岡県春日市の衣料品会社企業「大成」がTOY魔人を模倣し、明らかな商業目的で全国的に販売するようになったことで社会問題になってまった。この問題が報じられたことを受けて、オリジナルのTOY魔人は販売を自粛した。
 
== 関連書籍 ==
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* [[サザエさんうちあけ話]]
** [[マー姉ちゃん]]
* [[サザエさん旅あるき]]
* [[新やじきた道中記]] - 作者の別作品。[[スターシステム]]として磯野家の面々が登場する。
* [[長谷川町子美術館|長谷川町子美術館・記念館]]
* [[福岡県]][[福岡市]][[早良区]]
* [[東京都]][[世田谷区]][[桜新町]]
* [[桜新町駅]]
* [[サザエさん旅あるき]]
* [[磯野家の謎]]
* [[嘉門達夫タツオ]] - サザエさんを題材にした「NIPPONのサザエさん」を歌う。
* [[東京サザエさん学会]]
* [[サザエさん効果]]
* [[Be (朝日新聞)]] - 2004年4月より「サザエさんをさがして」というタイトルで毎週土曜日に1話ずつ掲載している。
* [[サザエ食品]] - 社名は「サザエさん」に由来している。そのため、かつてアニメを火曜日に再放送していた際は、[[北海道文化放送]]でローカルスポンサーとなっていた
* [[サカスさん]] - 当作品名が基となった[[TBSテレビ|TBS]]の情報番組。
 
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| redirect1 = サザエさん (観月ありさ)
| 1-1 = 2009年のテレビドラマ
| 1-2 = 2010年のテレビドラマ観月ありさ
| 1-3 = 2011年のテレビドラマ
| 1-4 = 観月ありさ
| redirect2 = 磯野家の人々〜20年後のサザエさん〜
| 2-1 = 2019年のテレビドラマ
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{{DEFAULTSORT:ささえさん}}
 
[[Category:サザエさん|*]]
[[Category:長谷川町子の漫画作品]]
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[[Category:家族を題材とした漫画作品]]
[[Category:世田谷区を舞台とした漫画作品]]
[[Category:福岡市を舞台とした漫画作品]]
[[Category:日本のギネス世界記録]]
[[Category:1946年の漫画]]
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[[Category:日本のホームドラマ]]
[[Category:日本のコメディドラマ]]
[[Category:江利チエミ]]
[[Category:江利チエミの楽曲]]
[[Category:楽曲 さ|さえさん]]
[[Category:TBS金曜9時枠の連続ドラマ主題歌]]
[[Category:ニッポン放送のラジオドラマ]]
[[Category:めばえ]]
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[[Category:三谷幸喜の戯曲]]
[[category:実写とアニメのコンプレックス番組]]
[[Category:継続中の番組|アニメ]]