「反米保守」の版間の差分
削除された内容 追加された内容
m編集の要約なし タグ: ビジュアルエディター モバイル編集 モバイルウェブ編集 |
|||
(6人の利用者による、間の6版が非表示) | |||
5行目:
|独自研究=2014-6
}}
'''反米保守'''(はんべいほしゅ)とは、[[反米]]の立場で、[[政治哲学|政治思想]]的には[[保守]]派に属する立場をいう。[[日本]]における[[右翼|右派]]、保守派の一潮流である。対義語は[[親米保守]]。
==概説==
41行目:
==戦後の思想と現状==
[[ファイル:Kakuei Tanaka and Ichiro Ozawa cropped 1 Stanford R Ovshinsky Momoko Ito Kakuei Tanaka and Ichiro Ozawa.jpg|thumb|300px|[[田中角栄]](左)と[[小沢一郎]](右)]]
アメリカが日本に対して命令的な態度を取るほど、干渉に反発して反米保守が拡大し、逆に[[日米関係]]が円滑に進むほど、親米保守が拡大してきた。親米保守と反米保守は共に保守勢力であり、「アメリカを好きか嫌いか」という国民感情によって保守のなかの反米派の勢力図は移り変わる面がある。たとえば近年では、児童ポルノ法のアニメやマンガへの表現規制問題や[[靖国神社
反米保守の思想は、[[戦前]]・[[戦中]]の[[大日本帝国]]の流れを汲む面もある。[[支那事変]]([[日中戦争]])から[[大東亜戦争]]([[太平洋戦争]])に至る一連の軍事行動に関しては「[[アジア]]解放および自存自衛のための戦い
傾向として、戦前の「正統右翼」(伝統右翼)や、「[[YP体制]]([[ヤルタ会談|ヤルタ]]・[[ポツダム宣言|ポツダム]])打倒」を掲げる[[新右翼]]に似ている。
[[歴史認識]]では、[[太平洋戦争]]([[大東亜戦争]])にはおおむね肯定的で、[[日中戦争]]([[支那事変]])に関しては、日華両国や[[中国共産党]]それぞれに責任があると考えているが、「[[南京事件|南京大虐殺]]」や「[[三光作戦]]」などは中華人民共和国政府や
[[国防]]に関しては他国とは一線を画した形での軍備増強を強く望み、そのことにより日本の主権は守られるとしている。日本がアメリカによる核抑止力、いわゆる「核の傘」の中にいることについては否定的で、漸進的な核廃絶か、単独[[日本の核武装論|核武装]]を望む傾向にある。核武装論議については、親米保守派が日米同盟の枠内での核武装・[[ドイツ]]型の[[ニュークリア・シェアリング]]や[[イギリス|英国]]型の米国との[[核兵器|核]]の共同開発を主張するのに対し、かつて[[シャルル・ド・ゴール]]元[[共和国大統領 (フランス)|フランス大統領]]が目指した[[アメリカ合衆国|米国]]とは一線を画す「単独核武装論」に似ている。日本が被爆国であること、遺族及び被爆者感情を尊重して通常兵器のみによる軍備増強を主張し核武装に反対する立場もある。
55行目:
小泉内閣の政策に対しては、[[郵政民営化]]をはじめとする[[新自由主義]]政策や[[皇室典範]]改正など、日本の社会・伝統を破壊するものが多分に含まれているという理由で否定的である。[[対米従属]]強化を警戒し、日本の真の独立('''自主独立''')として、[[日本国憲法|憲法]]を廃止し“[[自主憲法論|自主憲法]]の制定”を志向している。[[郵政民営化]]に反対したため、[[第44回衆議院議員総選挙|2005年の解散・総選挙]]で小泉[[自由民主党執行部|自民党執行部]]に「刺客」候補を送り込まれて落選した[[城内実]]は自らの立場を「真正保守主義」、「[[革新]]的な保守主義者」であるとして [http://www.kiuchiminoru.com/blog/2006/04/post_32.html]、「最近の[[規制緩和]]路線、[[市場原理主義]]、株式至上主義の行き着くところはアメリカ型の[[格差社会]]である。格差が広がりつつあることは、現場の声を聞けば明らかである」[http://www.kiuchiminoru.com/blog/2006/04/post_38.html]と小泉内閣を激しく批判し、月刊『現代』2006年7月号誌上で[[平沼赳夫]]、[[関岡英之]]との鼎談「アメリカ崇拝政治を排し、保守を再生せよ!」を行っている [http://www.kiuchiminoru.com/blog/2006/06/post_61.html]。また、郵政民営化に反対した[[綿貫民輔]]、[[亀井静香]]、[[小林興起]]らは[[国民新党]]を結成した。
1990年代以降は大手マスコミが反米保守派と対立しがちな新自由主義者を評価するようになったため、メディアへの出演は少ない。政界に於いても、親米保守に比べると非常に勢力は小さくなっている(特に1980年代以降)。一方で、1990年代からはアメリカ主導のグローバリゼーションへの反発や[[小林よしのり]]
2009年に[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]][[政権]]が発足してからは、民主党内の反米勢力の枠組みが変化し、評論家の[[天木直人]]や[[副島隆彦]]は、[[田中角栄]]や[[保守本流]]の正統な後継者であると位置付ける向きもある[[小沢一郎]]を軸にした「親小沢(反・[[三宝会]])」(一新会・[[小沢グループ]]系)議員が唯一、対米自立を目指す勢力であり、それ以外の「反小沢」議員を対米隷属派に分類することができるとした<ref>[http://www.snsi.jp/bbs/page/1/ 14日の民主党の代表選では、組織的な不正が行われたようである]副島隆彦の学問道場 2010年9月17日</ref>。小沢一郎本人は『[[日本改造計画]]』において、日米同盟強化を前提とした『普通の国』論を主張し、[[新進党]]や[[自由党 (日本 1998-2003)|自由党]]を率いて[[小選挙区制]]・[[二大政党制]]確立のための選挙改革、新自由主義・新保守主義寄り経済政策を主張するなどし、これが識者から親米傾向のある政策との批判もあるが、小選挙区制については戦前に既に[[原敬]]が導入済みであり、また二大政党制についても戦前には[[立憲政友会]]と[[立憲民政党]]という軸があった。また、[[新党大地]]の[[鈴木宗男]]など政界での反米保守派の議員数は少なくなりつつある。論評の分野では、新党大地を支援している[[佐藤優 (外交官)|佐藤優]]は[[原理日本社]]の[[蓑田胸喜]]を再評価している。
62行目:
2012年[[9月29日]]には、元[[防衛大学校]]教授・[[孫崎享]]が[[小学館]]から『アメリカに潰された政治家たち』を刊行。孫崎享は著書の中で小沢一郎と田中角栄を紹介し、小沢一郎の2009年2月24日の[[記者会見]]の発言内容である「軍事戦略的に米国の極東におけるプレゼンスは[[第7艦隊 (アメリカ軍)|第7艦隊]]で十分だ」が[[アメリカ陸軍情報部]](MIS)の虎の尾を踏み、直後に米国の[[情報機関]]が検察にリークし、[[陸山会事件]]が勃発した経緯を一例として紹介した。また孫崎氏は小沢一郎を「最後の対米自主派」として高く評価している。
==脚注==
|