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== 概要 ==
現在、[[奄美大島]]で出されている本場の鶏飯は、[[茶碗]]に盛った米飯に、ほぐした[[鶏肉]]、[[錦糸卵]]、[[シイタケ|椎茸]]、[[パパイヤ漬け]]か[[沢庵漬け]]などの具材と[[ネギ|葱]]、きざみ[[海苔]]、刻んだ[[タンカン]]の皮([[陳皮]])、白[[ゴマ|胡麻]]などの[[薬味]]をのせ、鶏がらではなく丸鶏を煮て取った[[スープ]]をかけて食べる料理である<ref name=minatoya>{{Cite web|和書|date=|url=http://minatoya.amamin.jp/c13166.html|title=みなとやの鶏飯とは|publisher=みなとや|accessdate=2016-6-1}}</ref>。[[紅生姜]]を添える例もまれにある。米飯、具材、薬味、スープは別々の器で出され、自分で好きな配分で盛り付け、混ぜながら食べる。奄美大島には専門店も複数あり、スープの取り方、素材に地鶏を使うかなど、それぞれの特徴を出している。
 
自分で具やスープを合わせるのではなく、店側で[[丼鉢|丼]]や茶碗に盛ってスープを掛けた状態で客に出す例も[[居酒屋]]などではある。これも鶏飯と呼ぶことが多いが、'''鶏飯丼'''と呼び分けて両方を出す店もある。専門店の鶏飯は茶碗2~3杯の量があり、米飯も食べ放題であるが、鶏飯丼は1杯分だけでお代わりはなく、価格も相対的に安い。
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== 類似の料理 ==
=== ケーファン ===
[[沖縄県]]の鶏飯(ケーファン)は、米飯にほぐした鶏肉、椎茸、[[ニンジン]]、シマナー([[カラシナ]])、錦糸卵をのせておろし[[ショウガ|生姜]]、すり胡麻、おろし[[ワサビ|山葵]]などの薬味をのせ、鶏や[[鰹節]]で出汁をとったかけ汁をかけて食べる料理<ref>渡口初美『沖縄の食養生料理』国際料理学院、1979年 p66</ref>、または、鶏肉を用いた[[雑炊#ジューシー|ジューシー]](炊き込みご飯)にかけ汁をかけて食べる料理<ref>尚承、高良菊『おいしい沖縄料理』柴田書店、1995年 p55</ref>である。前者は鶏肉が入っていることを除けば[[琉球料理]]の菜飯(セーファン)と同じで、本来はかけ汁を入れた[[湯桶]]を添え、湯盆にのせて宴会などの献立の最後に締めとして出される。自らの好みで具材、スープを合わせる例もあるが、多くは最初から盛り合わせて出される鶏飯丼タイプである。
 
=== 鶏飯ラーメン ===
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奄美大島の鶏飯は、もともと旧[[笠利町]]周辺にかつて存在した郷土料理で、当時は[[ヤマシギ]]や[[シロハラ]]などの[[野鳥]]を使用していた。[[江戸時代]]の[[薩摩藩|島津藩]]の支配下であった頃に、北大島で藩の役人をもてなすために[[鶏肉]]を用いるようになったという。一方、[[19世紀]]半ばの島の暮らしを記録した『[[南島雑話]]』では、主に[[豚肉]]料理についてのみ記述され、鶏飯には触れられていない事から、現在の鶏飯は[[近代]]以降に成立したものであるともされる<ref name="a">朝日新聞 1995年1月21日付 夕刊、らうんじ面、P.3</ref>。もともと、奄美大島では正月前に[[アグー|黒豚]]を捌いて、塩漬け肉にし、これと野菜を刻んで炊き込みご飯にした「[[豚飯]]」があり、これを鶏肉に代えたものという説もある。また、江戸時代の料理書『名飯部類』・『料理網目調味抄』には、茹でた鶏肉を細かく裂いて飯に載せだし汁をかけるという鶏飯の作り方が載せられており、本土から伝わった料理が奄美大島に残った可能性もある。
 
現在のスタイルの鶏飯は、奄美市笠利町赤木名で[[1945年]]<ref group="注">みなとやの石碑『鶏飯元祖の由来』</ref>に創業した旅館みなとや<ref group="注">現在は鶏飯専門店。</ref>の館主岩城キネが、開業に際して江戸時代にあった鶏肉の炊き込みご飯にアレンジを加えて供するようにしたのが始まりとされる<ref>{{Cite web|和書|date=|url=http://www.kirishima.co.jp/aji/2011/autumn/10/03.html|title=九州の味とともに秋 元祖鶏飯みなとや池山喜美子の「鶏飯」|publisher=霧島酒造株式会社|language=日本語|accessdate=2012年9月30日}}</ref>。[[1968年]][[4月]]に皇太子[[上皇明仁|明仁親王]]、[[上皇后美智子|皇太子妃美智子]](当時)が奄美大島に来島した際に食したが、その美味しさにおかわりをしたという<ref name="a" />。その様子が伝えられると地元で観光客の人気を博し、奄美大島を代表する郷土料理となった。
 
* [[2001年]]、南九州[[ファミリーマート]]が[[コンビニエンスストア|コンビニ]]商品化して[[鹿児島県]]、[[宮崎県]]で販売開始<ref name=famima>{{Cite web|和書|date=2014年|url=http://www.mfamily.co.jp/products/local/entry-1457.html|title=奄美大島出身アーティスト「中孝介」が監修“「奄美鶏飯」30万食達成記念”のご案内|publisher=株式会社南九州ファミリーマート|language=日本語|accessdate=2016年2月18日}}</ref>。
* [[2005年]]には[[ローソン]]も商品化し、鹿児島県と宮崎県の店舗で販売された<ref>『朝日新聞』、2005年10月29日付夕刊、p1</ref>。
* [[2007年]]、[[農林水産省]]の『農山漁村の郷土料理百選』の鹿児島県のノミネート料理の鶏飯が[[インターネット]]投票で2位の得票となった。
* [[2011年]]に南九州ファミリーマートが奄美大島出身の歌手[[中孝介]]監修の改良「奄美鶏飯」を販売。2014年には累計30万食を販売したことで表彰を行った<ref name=famima/>。また、全国のファミリーマートで発売となった。
* [[2012年]]、[[良品計画|無印良品]]の良品計画がレトルトパックの「奄美大島風 鶏飯」を「宮崎風 [[冷や汁]]」と共に発売<ref name=mujirusi>{{Cite web|和書|date=2014年|url=httphttps://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000377.000000987.html|title=「宮崎風 冷や汁」、「奄美大島風 鶏飯」発売のお知らせ|publisher=株式会社良品計画|language=日本語|accessdate=2016年2月18日}}</ref>。
* 2012年 姶良のラーメン店「一軒目」がラーメンのお供(ラーメンのスープをかける)としての鶏飯を開発。このメニューは鹿児島県内外のラーメン店に一気に広がった。
* [[2013年]]、[[永谷園]]が「ニッポンうまいもん巡りお茶づけ編」でフリーズドライの「鶏飯」を販売<ref>{{Cite web|date=2013-08-21|url=http://www.nagatanien.co.jp/contents/news_release/247.pdf|title=NEWS|work=|author=|publisher=[[永谷園]]|accessdate=2017-02-09}}</ref>。 
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== 外部リンク ==
* [https://web.archive.org/web/20170129150550if_/http://www.amami-museum.org/takara/takara_detail.php?id=21 鶏飯(ケイハン)] - 奄美群島総合情報サイト「奄美ミュージアム」(奄美群島広域事務組合] - [[ウェイバックマシン]](2017年1月29日アーカイブ分
 
== 関連項目 ==
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{{DEFAULTSORT:けいはん}}
[[Category:江戸時代の食文化]]
[[Category:九州地方の肉食文化]]
[[Category:奄美群島の食文化]]
[[Category:鹿児島県の食文化]]
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[[Category:日本の郷土料理]]
[[Category:チキンライス]]
[[Category:農山漁村の郷土料理百選]]