「張麗華」の版間の差分

[[File:Zhang Lihua -.JPG|thumb|『百美新詠図伝』張麗華]]

'''張 麗華'''（ちょう れいか、? - [[589年]]）は、[[陳 (南朝)|南朝陳]]最後の後主皇帝[[後主 (陳)|陳叔宝]]（後主）の[[貴妃]]（側室）。

貧家に生まれて、父兄は莚織りを生業とした。陳叔宝が[[皇太子]]となると、麗華は選抜されて東宮に入った。龔龔良娣娣の下で給使をつとめていたが、陳叔宝に見初められて寵愛を受け、子の[[陳深]]を生んだ。後主が即位すると、麗華は貴妃に立てられた。後主が麗華や賓客たちを召して遊宴を開くと、麗華は宮女たちを推薦して参加させたので、後宮でも麗華は人気があった。また厭魅の術を好んで、鬼道で後主を眩惑し、あやしげな祭祀を宮中に置いた。妖巫の使者たちが身辺を出入りして、宮廷外の情報をもたらし、俗世間で起こった事件をいち早く知って後主に伝えたため、ますます麗華は尊重され、一族も多くが任用された。[[589年]]（[[禎明]]3年（589年）、[[隋]]軍が[[建康 (都城)|建康]]の台城を陥落させると、麗華は後主と[[孔妃嬪]]の三人でともに井戸に隠れていたが、隋軍によって引きずり出された。麗華と孔妃嬪は井戸の中にいたたため、全身は水に濡れていて、衣服は透けて乳首まで露わになっていた。そのすがたを見た隋の兵士たちは麗華と孔妃嬪に襲いかかると、その身体を隅々まで弄んで[[凌辱]]したため、二人の女性の叫び声は途切れることがなかった。そのため、この井戸は「恥辱の井戸」と呼ばれた。その晋王楊広（後、隋の晋王[[煬帝|楊広]]）は麗華の美貌を見てまるで天人であるかのように感じ、愛妾にしようと考えた。だが、[[高熲]]に「周の[[武帝]]が[[妲己]]を殺したことをお忘れですか」と諌められたため、ついに彼女を斬るように命じ、青渓中橋に掲示させた。

[[Category:南朝陳の妃嬪]]

[[Category:刑死した人物6世紀中国の女性]]