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{{Otheruseslist|2000年と2008年に大阪府大阪市で発生した連続強盗殺人事件|1984年に京都府京都市と大阪市で発生した連続強盗殺人事件([[警察庁広域重要指定事件|警察庁広域重要指定]]115号事件)|京都・大阪連続強盗殺人事件|1985年から1994年にかけて大阪府で発生した連続殺人事件(警察庁広域重要指定122号事件)|大阪連続バラバラ殺人事件|2011年11月から翌12月にかけて大阪府堺市で発生した連続強盗殺人事件|堺市連続強盗殺人事件}}
{{出典の明記| date = 2021年10月}}
'''大阪連続強盗殺人事件'''(おおさかれんぞくごうとうさつじんじけん)とは、[[2000年]]([[平成]]12年)と[[2008年]](平成20年)に[[大阪府]][[大阪市]]で連続して発生した[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]・同未遂事件である。
{{Infobox 事件・事故
|名称= 大阪連続強盗殺人事件
|正式名称=
|画像= {{maplink2|frame=yes|plain=yes|frame-align=center|zoom=14|frame-width=300|type=point|coord={{coord|34|42|25.2|N|135|29|50.2|E}}}}
|脚注= B事件の現場
|場所= {{JPN}}:[[大阪府]][[大阪市]]
* 大阪市[[中央区 (大阪市)|中央区]]上本町西2丁目の路上(A事件)
* 大阪市[[北区 (大阪市)|北区]]芝田一丁目8番1号の複合商業施設「[[新阪急ホテル#新阪急ホテルアネックス|DD HOUSE]]」の2階共用トイレ(B事件)
|緯度度=34 |緯度分=42|緯度秒=25.261
|経度度=135 |経度分=29 |経度秒=50.546
|標的=
|日付= [[2000年]]([[平成]]12年)[[7月29日]]午前1時頃(A事件)
[[2008年]]([[平成]]20年)[[2月1日]]午後10時頃(B事件)
|時間=
|開始時刻=
|終了時刻=
|時間帯= [[UTC+9]]〈[[日本標準時]]〉
|概要= 加害者の男Kが金銭強奪を目的として大阪市内で男女3人を相次いで殺傷した。
|懸賞金=
|原因= パチンコへの浪費癖などで生活が困窮したため
|手段= 刃物で刺す・拳で殴る
|攻撃側人数= 1人
|凶器= 骨そぎナイフ1本(平成20年押第224号の1)
|武器=
|兵器=
|死亡= 2人(AとC)
|負傷= 1人(B)
|行方不明=
|被害者=
|損害=
|犯人= 男K(逮捕当時58歳)
|容疑= [[強盗致死傷罪|強盗殺人罪、強盗殺人未遂罪]]
|動機= 強盗目的
|関与=
|防御=
|対処= [[大阪府警察|大阪府警]]が被疑者Kを[[逮捕]]・[[大阪地方検察庁|大阪地検]]が[[起訴]]
|謝罪= あり
|補償=
|賠償=
|刑事訴訟= [[大阪地方裁判所]]:[[日本における死刑|死刑]][[判決 (日本法)|判決]]([[上告]][[棄却]]により[[確定判決|確定]] / [[日本における被死刑執行者の一覧|執行済み]])
|少年審判=
|海難審判=
|民事訴訟=
|影響=
|遺族会=
|被害者の会=
|管轄=
}}
[[大阪地裁]]は本事件を「日本と中国の両国で広く報道され、両国民に大きな衝撃や、恐怖心、不安感を与えたものであって、社会一般に及ぼした影響は大きい」と判示している。B事件については商業施設名より'''DDハウス殺人事件'''と呼称される場合もある。
== 加害者 ==
本事件の加害者である男'''K・R'''(以下、姓名のイニシャル「K」と表記」は[[1950年]](昭和25年)1月3日生まれ(逮捕当時は58歳)。[[宮崎県]]で2人兄弟の次男として出生した。両親は離婚している。
[[2012年]](平成24年)に刑事裁判で死刑が確定し、死刑囚となったKは[[法務省]]([[法務大臣]]:[[谷垣禎一]])の死刑執行命令により、[[2013年]](平成25年
=== 生い立ち ===
Kは中学卒業後に職業訓練校に進み、[[神奈川県]]や宮崎県の工務店で大工として働いたり、東京で配達の仕事をして働いていた。Kは27歳には結婚して2児を儲けたが、35歳で妻と[[離婚]]した。その後40歳から49歳までの間、北陸地方の運送会社に勤務していたが、安定した仕事に就くことができなかったため、仕事を求めて首都圏を転々としたが定職には就けなかった。50歳になった[[2000年]](平成12年)に
事件後、Kは日雇いの仕事をしていたが、仕事に就けなくなり所持金が底を突き、野宿生活をするようになった。野宿生活中に相談に乗ってくれた人から[[ホームレス自立支援施設|自立支援センター]]を紹介してもらい、54歳にして[[公共職業安定所|ハローワーク]]でリサイクル会社に就職し、解体工として働いた。しかし、Kは上司と折り合いが合わず約3年で仕事を辞めた。その後、日雇いの仕事をしたり、知人に借金をしながら生活を続けたが、所持金がなくなり、当時58歳だった[[2008年]](平成20年)2月に[[大阪市]]北区の複合商業施設「[[新阪急ホテル#新阪急ホテルアネックス|DD HOUSE]]」で再び[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]事件(B事件)を起こした。
== 概要 ==
=== 中国人留学生殺害事件(A事件) ===
[[2000年]](平成12年)7月29日午前1時頃、[[大阪府]][[大阪市]]中央区上本町西2丁目の路上で帰宅途中だった被害者・中国籍の女性A(当時24歳)に
Bは犯人の特徴について「50歳前後で、身長約170センチのがっちりした体型」と証言したが、捜査が難航したため、
=== 商業施設男性殺害事件(B事件) ===
[[2008年]](平成20年)[[2月1日]]午後10時頃、大阪府大阪市北区の複合商業施設「DD HOUSE 」に強盗目的で侵入したK(当時58歳)は犯行に使用する道具を点検するため、2階共用トイレに入った。点検中にKがバッグに入っていたドライバーを床に落とした直後、被害者・男性会社員C(当時30歳)がトイレに入ってきた。Kは「金を出せ。早く出せ。」と言って金品を要求したが、Cはこれに応じなかった。KはCに「泥棒でもするんか」と見
== 逮捕・起訴 ==
[[2008年]](平成20年)[[2月8日]]、Kは
大阪府警はKの[[余罪]]を調べるうちに、
Kは
== 裁判 ==
{{最高裁判例
|事件名= 強盗殺人、同未遂被告事件
|事件番号=平成21年(あ)第2078号
|裁判年月日=[[2012年]]([[平成]]24年)7月24日
|判例集=『最高裁判所刑事判例集』(刑集)第308号159頁
|裁判要旨=*本件上告を棄却する。
*[[死刑制度合憲判決事件|死刑制度は憲法第13条・31条・36条に違反しない。]]
|法廷名=第三[[小法廷]]
|裁判長=[[寺田逸郎]]
|陪席裁判官=[[田原睦夫]]、[[岡部喜代子]]、[[大谷剛彦]]、[[大橋正春]]
|多数意見=全員一致
|意見=なし
|反対意見=なし
|参照法条=[[強盗致死傷罪|強盗殺人罪]]
|url= https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=82562
}}
=== 第一審・大阪地裁 ===
[[2008年]](平成20年)11月20日に本事件の裁判の初公判が[[大阪地方裁判所|大阪地裁]](細井正弘裁判長)で開かれた。Kは被害者2人への殺意を否認した。検察側は冒頭陳述で「被害者女性からバッグを奪った際に胸と腹を2回刺し、傷口も17センチと深いことから殺意は明確だ」と指摘した。 同年12月26日に論告求刑公判が開かれ、[[大阪地方検察庁|大阪地検]]の検察官は被告人Kに[[死刑]]を[[求刑]]した。一方弁護側は、「捕まるのを恐れて夢中で刺した」として強盗致死罪を主張した上で、
Kは最終意見陳述で「今さら遅いかもしれないが申し訳ないことをした」と謝罪した。
[[2009年]](平成21年)[[2月27日]]に判決公判が開かれ、[[大阪地方裁判所|大阪地裁]](細井正弘裁判長)は被告人Kに検察官の求刑通り死刑判決を言い渡した。裁判長は、ナイフを用意した上で複数回被害者らを刺し、傷が深いことについて「計画的で殺意を持って犯行に及んだ」と殺意を認定した。
その上で「死刑を回避すべき事情は見当たらない」「2人の尊い命を奪った結果は重大で極刑をもって臨むほかない」と
被告人Kは判決を不服として[[大阪高等裁判所|大阪高裁]]に[[控訴]]した。
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[[参議院議員]]・[[福島瑞穂]]が2012年9月から11月にかけて確定死刑囚らを対象に実施したアンケートに対し、[[大阪拘置所]]に収監されていた死刑囚Kは以下のように回答していた。
{{Quotation|
* どちらにしても、拘置所の中で人生を終えるわけだし、そのなかで死刑で命を落とすのは、人間として生まれて一番最悪の死であると思う。それより終身刑で現世にいて、自己の天寿をまっとうした方が、人間らしい死に方と思う
* いきなり死刑執行というのは人道上問題があるので事前通知して希望する家族、友人、知人、弁護士などの面会などを執行前に実施するのが心情の安定につながる
* 日本も早く死刑制度を廃止してEUに加盟し、国際社会の仲間入りを果たしてほしい
* 裁判員制度で国民を巻き込んで、国民に次々と死刑判決を出させているという事実を見ると、日本の未来は無いと思う
* 裁判員に選ばれた人たちは、被告がなぜ事件を起こしたか、被告の生い立ちや、事件に至るまでの色々な経緯など細部にわたって、分析して裁判に取り組んでほしい
* 人生は何回でもやり直せるとかいうのは嘘で人生は何事でも一発勝負だという事に今更気づいた。これからの人生はオマケの人生として生きていこうと思う}}
Kの一審の弁護士は、Kが事件後に出頭したことについて、「警察に出頭すれば、まだ人生をやり直せるのではないかと考えて厳しい処分が下されるのを覚悟した上で出頭したのではないか」と指摘している。
Kはアンケートに「今後、[[再審]]請求する予定である」と回答していた。
[[法務省]]([[法務大臣]]:[[谷垣禎一]])の死刑執行命令により、死刑囚Kは[[2013年]](平成25年)[[12月12日]]に収監先・[[大阪拘置所]]で[[日本における被死刑執行者の一覧|死刑を執行された]](63歳没)<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG1201I_S3A211C1CC0000/ 2人の死刑執行 安倍政権に交代後4度目、計8人](2013年12月12日付 [[日本経済新聞社]])</ref>。死刑確定から執行までわずか1年4ヶ月と異例の早期執行であった。
== 参考文献 ==
=== 刑事裁判の判決文・法務省発表 ===
* 第一審 - {{Cite 判例検索システム |裁判所=[[大阪地方裁判所]]第4刑事部 |事件番号=平成20年(わ)1028号 |裁判形式=判決 |事件名=強盗殺人、強盗殺人未遂被告事件 |裁判年月日=2009年(平成21年)2月27日 |判示事項= |裁判要旨= 路上強盗後に,被告人を逮捕しようとした男性を殺害しようとして負傷させた上,被害品を取り戻そうと追いかけてきた女子留学生を殺害し,その約7年半後,商業施設の共同トイレで入ってきた男性を強盗目的で殺害した事案につき,各犯行とも殺意がなく,自首が成立するという主張をいずれも排斥して死刑を言い渡した事例
|url=https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/519/037519_hanrei.pdf |ref=大阪地裁判決(2009-02-27)}}
** [[判決 (日本法)|判決]][[主文]]:被告人を[[日本における死刑|死刑]]に処する。押収してある骨そぎナイフ1本(平成20年押第224号の1)を没収する。(求刑:同/被告人側控訴)
** [[裁判官]]:細井正弘(裁判長)・秋田志保・池上弘
* 法務省による死刑執行の発表 - {{Cite press release|和書|title=法務大臣臨時記者会見の概要|date=2013-12-12|publisher=[[法務省]]([[法務大臣]]:[[谷垣禎一]])|url=http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00486.html|language=ja|accessdate=2021-11-28|archivedate=2015-05-10|archiveurl=https://web.archive.org/web/20150510122130/http://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00486.html|deadlinkdate=2021-11-28}}
== 脚注 ==
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[[Category:2000年7月]]
[[Category:2008年2月]]
[[Category:平成時代の大阪]]
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