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{{Redirectlist|有線テレビジョン放送|日本の放送法における区分|一般放送#有線テレビジョン放送|光放送|光放送}}
{{Otheruses||北関東の同名企業|ケーブルテレビ (企業)}}
{{混同|寧徳時代新能源科技|x1=“CATL”が略称の}}
{{ウィキプロジェクトリンク|ケーブルテレビ局}}
[[ファイル:Miyagi Cable TV co.,Ltd.1.JPG|thumb|[[パラボラアンテナ]]などのケーブルテレビ(有線テレビジョン放送)の[[再放送#1|再放送]]([[再送信]])設備(受信点)がある場合の[[本社]]の社屋([[宮城ケーブルテレビ]])]]
'''ケーブルテレビ'''({{lang-en|Cable television}})とは、[[ケーブル]]を用いて行う[[有線放送]]のうち、[[有線ラジオ放送]]もしくは旧来の[[有線放送電話]]以外のものである。広義には、これを中心として[[インターネット]]接続や[[電話]]([[固定電話]])なども含む複合的なサービスを指す。
 
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== 主なサービス ==
[[ファイル:ACCSTV CS Multi-Channel Station in Ibaraki 2007.jpg|thumb|240px|ケーブルテレビでは、多数の[[放送]]チャンネルを[[有線放送]]している。(2007年、[[日本]]・[[茨城県]][[つくば市]]の[[ケーブルテレビ局]]・[[研究学園都市コミュニティケーブルサービス]])]]
=== ケーブルテレビ ===
地上波テレビ放送<ref group="注釈">2011年7月までにデジタル放送へ完全移行される地上波のテレビ放送では、中継局の整備が遅れるなどして直接受信が難しい地域の難視聴対策として[[日本における衛星放送#地デジ難視対策衛星放送|衛星によるセーフティネット]]を2015年3月まで取り入れていた。<!--(ケーブルテレビでの詳細を求む)--></ref>・BSテレビ放送・CSテレビ放送を[[再送信]]するほかに、自主制作したテレビ番組を個別チャンネルに載せて放送しているケーブルテレビ会社もあり、異なるケーブルテレビ会社同士で番組のやり取りも行なわれている(後述に詳しく記載)。
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なお、[[中継局]]が整備されていない関係で直接受信が不可能な地域が一部含まれている民放局{{efn|特に[[平成新局]]と呼ばれる地方の第3・4局目(北海道・福岡県は5局目)のアナログ放送に多かった。}}においては、本来の放送地域<ref group="注釈">[[区域外再放送]]には該当しない。</ref>で受信できるようにする補完目的での再配信が行われている<ref group="注釈">代表例として、[[奈良テレビ放送]](昭和時代開局)・[[あいテレビ]]・[[愛媛朝日テレビ]]・[[大分朝日放送]]、在名民放局の愛知県[[奥三河]]地域など。同一県であっても中継回線([[海底ケーブル]]・[[通信衛星]]含む)などの技術的都合により、[[テレビ北海道]]や[[琉球朝日放送]]は山間部や離島の一部ではケーブルテレビを介した放送も受信できない時代が、特にアナログ放送時代に発生していた。テレビ北海道は特に北見・帯広地域、[[琉球朝日放送]]は[[先島諸島]]([[宮古島]]、[[石垣島]])、[[大東諸島]]([[北大東島]]、[[南大東島]])が該当した。<br />なお沖縄県の離島においては、琉球朝日放送開局前の1993年12月に在那局([[琉球放送]]、[[沖縄テレビ放送|沖縄テレビ]]、[[NHK沖縄放送局|NHK沖縄]]2波の3社・4局)の宮古・石垣中継局が開局するまで受信することが不可能であり、事実上沖縄本島とその周辺にサービスエリアが限定されていた。この間、[[宮古テレビ]]と[[石垣ケーブルテレビ]]は独自に在那局や在京・在阪キー局などから[[番組販売|番組を購入し]]、本島では前日に放送されていたニュースワイド番組や、一般番組を自主放送チャンネルで時差放送していた。[[日本テレビネットワーク協議会|日テレ系]] (NNS) と[[TXNネットワーク|テレ東系]] (TXN) の新局開局予定がないため、この2系列については同様の措置が取られている。大東諸島に至っては、在那局の中継がデジタル新局として開局したのがアナログ放送終了間際の2011年7月になってから。アナログの場合は、当初は1975年に[[NHK沖縄放送局]]が本土のテレビ番組を2時間程度に編集し、南大東島役場を通して中継する程度で、1976年からはそれをケーブルテレビを通じて中継していたが、1987年に廃止。その後、1984年5月から1998年3月まではNHKのBS2波のみ、同4月からは左記に加えて在京局のうち、本来の在那局の系列キー局([[TBSテレビ|TBS]]、[[フジテレビジョン|フジテレビ]]、[[テレビ朝日]]、[[NHK放送センター]])の中継局を小笠原中継局からの分波という形で受信していたため、沖縄県内のニュース・気象情報は電話回線を使い字幕スーパーで流すことしかできなかった。なお、小笠原中継所もデジタル放送への完全移行により2011年7月に廃止され、[[小笠原村ケーブルテレビ]]での再放送にて補完している。<br />奈良県の場合は奈良テレビのほか、在大阪民放4社、[[NHK奈良放送局]]の中継局が、県の人口の大半が集中する奈良市など生駒山に近い北部・西部に集中しており、南部・東部に中継局を整備することによる放送局の経営面への影響、また同地区では[[こまどりケーブル]]に大半の世帯が加入していることで、中継局をあえて整備せず、こまどりケーブルの再放送中継を持って代替している。<br />愛知県奥三河では、アナログ移行期に[[共同受信施設]]の合理化を狙い、[[新城市]]等が光ファイバー回線を整備して、[[豊橋ケーブルネットワーク]]の再放送中継に置き換えた。</ref>。
 
CS放送については、再送信ではなく自主放送として送信する場合もある。またCS放送のチャンネルは、パススルー方式で送信している場合を除き、[[スカパー! (東経110度BS・CSデジタル放送)|スカパー!]](旧スカパー!e2)・[[スカパー!プレミアムサービス]](旧スカパー!)で実際に放送されているチャンネルとは異なるチャンネル番号を使うことが多い([[ケイ・キャット]]など、スカパー!プレミアムサービスのチャンネルに準拠した局もある)。なお、2011年10月から急増しているBS放送のうち、スカパー!でCSからBSに放送チャンネルが変更された番組を再配信する場合、放送局により、利用する衛星の都合上、BSのチャンネルでそのまま放送されているものと、CS再配信によるものとに分類される(スカパー!でBS放送をしているチャンネルでも一部を除き、スカパー!プレミアムサービスによるCS配信をしているチャンネルもあるため){{Efn|[[ビーエスFOX|FOX bs238(現・FOXbs238→FOXスポーツ&エンターテイメント]]では、BS放送として新規開局後の2011年10月から最初の1年間は無料放送としたため、多くのケーブルテレビはBSのチャンネルとして配信したが、有料放送となった2012年10月に一旦BSでの配信を終了した。その後、2012年12月に2013年シーズンから[[プロ野球中継]]に参入することを発表し、それに伴い、2013年2月からスカパー!プレミアムサービスでの配信を開始したため、主に[[プロ野球]]球団本拠地がある地域を中心にCSチャンネル扱いで配信を再開した局も多数ある<ref>{{Cite web|和書|title=「FOX SPORTS」ブランドを日本で展開へ、プロ野球パ・リーグ3球団を生放送など|url=https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20121218/445253/?ST=network|website=日経クロステック(xTECH)|accessdate=2020-09-26|publisher=|date=2012-12-18}}</ref>。<br>また[[J:COM]]に於ける[[ワールド・ハイビジョン・チャンネル|BS12トゥエルビ]]や、[[2022年]]に新規開局した[[BSよしもと松竹東急]]、[[BS松竹東急BSJapanext]]、[[BS Japanextよしもと]]などのように、[[セットトップボックス]]の周波数領域の都合によりCS領域で放送するチャンネルもある。}}。
 
[[ラジオ放送]]を再送信しているケーブルテレビ局も多い。[[超短波放送]] (FM) のみの場合が多いが、[[中波放送]] (AM) の周波数を超短波に変換して(一部の放送局は[[FM補完中継局]]の周波数に切り替えて再送信している。)送信しているケーブルテレビもある。ケーブルを[[受信機|チューナー]](FMチューナー)に接続するだけで聴くことができる。後述するコミュニティチャンネルの[[データ放送]]や[[音声多重放送|副音声]]を利用してラジオ放送の再送信をしている所もあり、その場合はテレビを使ってラジオ放送を聴取することになる<ref>[https://c.myjcom.jp/jtele/radio.html J:COMテレビのデータ放送でAMラジオが聴ける!]</ref>。
 
これら以外に、[[ペイ・パー・ビュー]] (PPV) や[[ビデオ・オン・デマンド]] (VOD) を提供するケーブルテレビもある。
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なお、パススルー方式以外で伝送している局では[[WOWOW]]<ref group="注釈">WOWOWはスカパー!プレミアムサービス(CS124/128度放送)においても配信されているが、ケーブルテレビでの配信の多くはBSから電波を受信しており、CSからの受信は殆ど皆無である</ref>、[[スターチャンネル]]やスカパー!([[BSスカパー!]]として配信されるものを含む)・スカパー!プレミアムサービスが実施する無料(ノースクランブル)放送<ref group="注釈">BSは不定期。CSは原則毎月第1日曜の午前0時から翌日月曜の午前4時までを「スカパー!(プレミアムサービス)大解放デー」で行うが、一部あらかじめ無料放送となるチャンネルあり(いずれも[[ミニ番組]]=[[番組宣伝]]などは随時無料とする時間あり)</ref>がチューナーのシステムの構成上視聴できない場合がある。よって資料により「ケーブルテレビでは無料放送を行わない局があります」という注釈を入れる場合がある。
 
[[4K 8Kテレビ放送]](いわゆる[[スーパーハイビジョン]])については、一部のケーブルテレビ局の対応局のみで受信できる。なお8Kは[[光ファイバー]]を利用したFTTH方式の一部で対応しているが、従来の同軸ケーブルを利用したHFC方式では当面対応していない<ref>[https://www.nhk.or.jp/bs4k8k/howto/ 視聴方法(NHK BS4K・8K)]</ref>。但し本来の4K・8K画質を見るにはそれに対応したテレビが必要であるが、4K放送に関しては従来の2K放送のみしか対応していない機種でも、2Kへのダウンコンバートの形にはなるが受信できる機種・局がある(録画も可能だが、市販の[[ブルーレイレコーダー]]への[[LAN]]ダビングは不可。また4Kを受信する場合、局により[[トランスモジュレーション方式]]を採用しているところがあり、その局では専用の[[セットトップボックス]]の設置も必要)<ref>[https://www.jcom.co.jp/service/tv/4k_shindan/guide02.html#b 4K放送見るには?スタートガイド/J:COM TVにご加入中の方が4K放送を見るには]</ref>。{{anchors|コミュニティチャンネル|自主放送}}
 
==== コミュニティチャンネル(自主放送) ====
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* 扱う情報は、地域のきめ細かな話題や地域行政情報(市町村広報番組・議会中継)といった現在の基本的なコンテンツ<ref name="jishu"/>のほかに、地域によってはスポーツ・イベント中継([[全国高等学校野球選手権大会|夏の高校野球・都道府県予選]]や地域レベルのスポーツ大会・祭礼等の文化的イベントなど)に力を入れているところも多く、幅広い。
* ケーブルテレビは山岳地帯の難視聴対策などインフラとしての性格が強かったため、地域によっては番組コンテンツが充実していない部分もあった<ref name="jishu"/>。
* [[リモコンキーID]]はほとんどの都道府県で、地上波局で使用していない「'''11'''」「'''12'''」<ref group="注釈">[[放送大学学園]]のみが使用していたが、2018年10月30日の停波に伴い空席に。</ref>や、使用する地上波局が少ない「'''9'''」<ref group="注釈">[[東京メトロポリタンテレビジョン]]・[[奈良テレビ放送]]のみの使用。</ref>「'''10'''」<ref group="注釈">[[テレビ愛知]]・[[讀賣テレビ放送]]のみ。</ref>のいずれかに割り当てられた。地域や局によっては複数のチャンネルに割り当てられており([[関東広域圏]]の場合は10と11)、最大2つの自主放送番組を同時にハイビジョン放送することが可能であり、[[マルチチャンネル]]であれば標準画質で最大6つの自主放送番組を同時放送できる。
* 今世紀になってからは自局での制作能力を強化するため、独自に[[中継車]]を導入したり、制作現場環境を強化・リニューアルするところも多い。
*2010年以降は[[日本放送協会]] (NHK) との連携を強化している。NHKでは、NHKの番組制作において地元ケーブルテレビ会社の協力を仰いだり、地元ケーブルテレビ会社の[[アナウンサー]]らをNHKの番組に出演させたりしているほか、衛星放送において全国のケーブルテレビ会社が制作した番組のコンテストを放送するなどしている。
* 大部分のケーブルテレビにおいて、アナウンサー職は大手放送局のように専門職としては扱われておらず、番組制作(プロデューサーから、ディレクター、カメラといった仕事まで)やニュース取材(記者、カメラマン)などの番組制作に関わる全ての業務の中の一要素として扱われている。このため、アナウンサー職のみを募集しているケーブルテレビは無い。
* 前述にも示したとおり、ケーブルテレビの自主番組制作部門において、大半のケーブルテレビでは社員自らがプロデューサー・ディレクターからカメラマンといった制作技術まで行う事が多いが、[[ジュピターテレコム|J:COM]]など財務に比較的余裕があるところでは、プロデューサー・ディレクター以外は(番組出演者も含めて)[[番組制作会社|プロダクション]]に外部発注しているところも多い。
* なお、[[放送番組審議会]]はテレビジョン放送を同時再送信するのみの事業者は対象外であるが、自主放送も併せて行っている事業者に関しては同審議会を設置する義務がある。但し、[[基幹放送]]を行っている事業者とは違い、規制が緩やかになっており、[[総務省]]などに対して、審議会の設置や開催の報告を求めていない場合もある<ref>{{Cite web |和書|title=放送開始11年で初の番組審議会 福島・三島町ケーブルテレビ |url=https://kahoku.news/articles/20220525khn000029.html |website=河北新報 |date=2022-05-26 |access-date=2022-05-29}}</ref>。
*対象地域の地上波放送局で放送しない、近隣都道府県の番組を放送するコミュニティチャンネルも登場している。一例として、[[日本テレビ系列|日本テレビ系列局]]の無い[[沖縄県]]では同県内にて展開している[[沖縄ケーブルネットワーク]]と[[宮古テレビ]]において、日本テレビ系列([[日本ニュースネットワーク|NNN]]・[[日本テレビネットワーク協議会|NNS]])で放送している一部の[[報道番組|ニュース]]・[[情報番組]]を[[鹿児島讀賣テレビ]]からの[[スピルオーバー]]受信で[[区域外再放送]]している。ケーブルテレビのコミュニティチャンネルで[[在京テレビジョン放送局|在京キー局]]の報道番組を放送するのは極めて稀なケースである<ref>{{Cite web|url=https://www.nirai.ne.jp/info0801/|title=日テレ系人気の情報・報道番組が7番組沖縄で放送開始!!|accessdate=2019-12-24 |publisher=沖縄ケーブルネットワーク株式会社 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20190801034643/https://nirai.ne.jp/info0801/ |archivedate=2019-08-01 }}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://ryukyushimpo.jp/news/entry-964270.html|title=沖縄ケーブルネットワーク、きょうから日テレを生放送 「ZIP!」「ヒルナンデス」ニュース番組中心に|accessdate=2019年12月24日|publisher=[[琉球新報]](2019年8月1日作成)}}</ref><ref>{{Cite web |和書|title=日テレ系人気番組が視聴へ |url=https://www.miyakomainichi.com/news/news-170890/ |website=宮古毎日新聞 |access-date=2022-10-16 |date=2022-09-16}}</ref>。
* 日本における自主放送の第1号は、後の[[岐阜県]][[郡上市]]八幡町において、郡上八幡共同聴視施設組合が1963年9月2日から組合解散日の1968年6月8日まで運営していた[[郡上八幡テレビ]] (GHK-TV) である<ref name="jcta25th">{{Cite web|和書
|date = 2005-06
|url = http://www.catv-jcta.jp/history/renmeishi_3.html
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==== CATVブロードキャスト方式 ====
[[電子情報技術産業協会]](JEITA)が中心となって開発し、2005年9月から実証実験を開始した方式で<ref>{{Cite web|和書|date=2005-07-26|url=http://home.jeita.or.jp/spp/newsrelease/pdf/20060726.pdf|title=「CATVブロードキャスト方式緊急地震速報データ配信システム」プロトタイプの完成と実証試験の開始について|format=pdf|publisher=電子情報技術産業協会|accessdate=2012-08-14}}</ref>、454MHz帯を用いて[[デジタル変調#周波数偏移変調|FSK]]によるデータ伝送を行い、それに応じあらかじめ防災情報専用端末に記憶させた想定震度などの防災情報の音声メッセージを発して告知する<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.dpass.jp/info_price/manual/sh210.pdf|title=CATV-Catfish 仕様書|format=pdf|publisher=ドリームウェア|accessdate=2012-08-14}}</ref>。放送センター(ヘッドエンド)から端末への音声伝送はできないため、避難所開設など個別具体的な情報は、端末からのケーブルテレビ視聴を呼びかけるメッセージにより視聴者をコミュニティチャンネルに誘導して告知することになる。また、「テレコントロール用[[特定小電力無線局]]によりさらに(必要に応じ複数の)子機に伝送し、端末(親機)から離れた部屋でも利用できる。JEITAの実証実験に参加した[[東京ケーブルネットワーク]]、[[シー・ティー・ワイ]]、[[大分ケーブルテレコム]]などで採用されている。
 
==== 緊急告知FMラジオ ====
[[ファイル:DPR-3.JPG|thumb|150px|[[緊急告知FMラジオ]]受信機DPR-3([[CSR (電気機器)|CSR]]製)]]
2005年、[[エフエムくらしき|FMくらしき]]と[[倉敷ケーブルテレビ]]が共同開発した方式で、[[ラジオ#ラジオ放送の種類|FM放送]]の周波数帯を用い、緊急告知放送の前に所定の始動用[[DTMF]]信号を送信して待機状態の受信機を起動させ、音声による防災情報の放送を行う。旧[[ジャパンケーブルネット#JCNパートナー局|JCNグループ局]](JCN緊急地震速報)を中心に採用されている。
{{Main|緊急告知FMラジオ}}
 
==== 端末演算方式 ====
2007年、[[ジュピターテレコム]](J:COM(ジェイコム))が開発した方式で、FM放送より低い70〜76MHz帯の1波を用いて2値[[デジタル変調#周波数偏移変調|FSK]]により19.2kbpsの通信速度でデータ伝送を行い、防災情報専用端末にあらかじめ設定された緯度・経度・地盤情報(揺れやすさ)を基に計算することで、より精度の高い震度・地震到達時間の告知を可能としている<ref>{{Cite web|和書|date=2007-09-26|url=http://www.jcom.co.jp/library/pdf/newsrelease/ja/20070926_ja_1.pdf|title=独自システムによる、緊急地震速報サービスの内容を決定|format=pdf|publisher=ジュピターテレコム|accessdate=2012-08-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://www.starcat.co.jp/support/tv/pdf/RKW30F.pdf|title=取扱説明書 緊急告知放送端末装置 RKW30F|format=pdf|publisher=[[DXアンテナ]]|accessdate=2012-08-14}}</ref>。
2008年1月18日に「J:COM緊急地震速報」としてサービスを開始した<ref>{{Cite web|和書|date=2008-01-18|url=http://www.jcom.co.jp/var/rev0/0005/8917/200811813436.pdf|title=@NetHome とスターキャットが緊急地震速報サービス提供で合意|format=pdf|publisher=ジュピターテレコム|accessdate=2012-08-14}}</ref>。[[ジュピターテレコム#ケーブルテレビ事業|J:COMグループ局]]以外にも、[[スターキャット・ケーブルネットワーク]]、[[キャッチネットワーク]]、[[日本ネットワークサービス (ケーブルテレビ局)|日本ネットワークサービス]]などでも採用されている。データ伝送だけでなく放送センターから音声伝送することも可能で、2012年2月15日からは[[浦安市]][[市町村防災行政無線|防災行政無線]]の内容を[[ジェイコム千葉|J:COM千葉]] 浦安局の本サービス利用者に提供している<ref>{{Cite web|和書|date=2012-02-15|url=http://www.jcom.co.jp/corporate/group_news/2012/_45380.html|title=浦安市とJ:COM 浦安が連携 「J:COM緊急地震速報」に防災行政用無線を配信 2月15日より提供開始|publisher=ジェイコム千葉 浦安局|accessdate=2012-08-14}}</ref>。
 
=== インターネット ===
[[ファイル:ARRIS CM820B DOCSIS Cable Modem.jpg|thumb|150px|アリス([[:en:ARRIS|ARRIS]])製[[ケーブルモデム]]]]
[[Data Over Cable Service Interface Specifications]](DOCSIS)に準拠する[[モデム]]([[ケーブルモデム]])を利用した[[インターネット]]接続を提供する。速度はCATVによって異なるが、一例として[[ジュピターテレコム]]傘下のCATVは、下り最大320M1G[[ビット毎秒|bps]]のサービスを提供している。通信回線にFTTHを導入することで、通信速度の高速化も進みつつある。CATVの場合、インターネットの通信速度には非対称性があり、上り方向の通信速度は格段に落ちる傾向にある。従って、巨大なファイルを外部送信するような用途には不向きであるとされる。しかし、CATVにおいても[[HFC]],[[FTTx|FTTC]],[[FTTH]]等、ネットワーク構成が多様化しているため、一概には言えなくなってきていることも確かである。
 
=== 電話 ===
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====携帯電話(含・格安スマホ)====
多くのケーブルテレビ局では、KDDIの[[au (携帯電話)|au]]の割引サービス「[[auスマートバリュー]]」とケーブルテレビの利用料金をセットにした特典料金コースを多数展開している。
 
[[日本における携帯電話#サービス|格安スマホ]]による新規参入が大幅に緩和されてからは、各ケーブルテレビ局が[[スマートフォン]]市場に[[仮想移動体通信事業者|MVNO事業者]]として相次いで参入するようになり<ref>[https://www.catv-jcta.jp/mobile/ ケーブルスマホ]</ref>、ケーブルテレビ最大手であるJ:COMも2015年10月29日から、[[UQコミュニケーションズ]]を[[仮想移動体サービス提供者]]とし[[au 4G LTE]]を使用する[[仮想移動体通信事業者]]として[[J:COM MOBILE]]を販売開始した。
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※以下は主に日本での状況を解説。
 
=== 概況歴史 ===
==== 初期 ====
{{雑多な内容の箇条書き|date=2021年12月|section=1}}
*日本においては[[テレビ|地上波テレビ放送]]の難視聴地域の解消を目的に誕生(地上アナログテレビ放送のみした。多くはマンション管理業や限定地域の共同体による運営がメイン)。※よりであった(詳細は[[#共同受信設備|共同受信設備]]の節を参照の事
 
*[[ラジオ|ラジオ放送]]や[[有線ラジオ放送|有線音声放送]]の提供を付加サービスとして提供(主にホテル業界、一部マンション管理業などの業者向け)。※より詳細には[[#共同受信設備|共同受信設備]]の節を参照の事。
*日本において難視聴対策を目的とする[[共同受信施設]]を使った放送は[[1950年代]]中盤から一部の地域で行われていた(後述)が、独自の番組編成(コミュニティーチャンネル)を行う本格的なケーブルテレビサービスの嚆矢としては、1963年に開局(1966年廃止)した[[岐阜県]]の[[郡上八幡テレビ]](GHK-TV)が第1号だとされている<ref>[http://www.catv-jcta.jp/history/item/history_en1.pdf 日本ケーブルテレビ連盟・「日本のケーブルテレビ発展史」1・前史(日本初のケーブルテレビ誕生)]</ref>。
 
*1960年代後半から1970年代前半のケーブルテレビ開始当初、[[郵政省]]は「このような事業は[[企業|民間企業]]ではなく、[[公益法人]]が望ましい」として、民間会社によるケーブルテレビ事業を否定し、公益法人による運営を推進。実際に郵政省による行政指導で1970年1月にNHKや[[在京テレビジョン放送局|在京民放各社]]、[[日本電信電話公社|電電公社]]などによる出捐で[[財団法人]][[東京ケーブルビジョン]]が設立されるなどしたが、同年2月に山梨県では見られない[[フジテレビジョン|フジテレビ]]の区域外再放送を目的とした民間企業「日本ネットワークサービス」が[[甲府市]]で設立され、郵政省も届出を受理した。これを契機に全国各地で地元資本によるケーブルテレビ会社が設立されたり、[[大手私鉄]]の[[東急電鉄]]がケーブルテレビ事業への参入を発表するなどしたため、郵政省が主張するケーブルテレビ公益法人化論は事実上有名無実化した。その後、1972年に[[国会 (日本)|国会]]で有線テレビジョン放送法が成立したことでこの論議は収束した<ref name=":0">{{Cite web|和書|url=https://www.catv-jcta.jp/jcta/files/pdf/history_en1.pdf|title=沿革Ⅰ 連盟活動の軌跡|accessdate=2019年12月16日|author=社団法人日本ケーブルテレビ連盟|date=2005年6月|work=日本のケーブルテレビ発展史|publisher=|pages=22-27}}</ref>。
*[[専門チャンネル]]の番組製作が始まり、ケーブルテレビ業者への提供(ビデオテープによる物流配信)が開始された。
 
*1989年、[[通信衛星]]を利用した[[日本における衛星放送#CSデジタル放送|CSアナログ放送]](各種[[専門チャンネル]]放送)が誕生・開始されケーブルテレビでもそれらのサービスを利用した配信を開始。ただし、通信衛星からの受信を利用したものはホテル業界などの業者向けに限定されていた。また、[[放送衛星]]を利用した[[日本における衛星放送#BS放送|BSアナログテレビ放送]]の誕生に伴い、ケーブルテレビでもそれらの配信を開始。
==== 多チャンネル化 ====
*1992年、1989年の放送法の一部改正を受けたCSアナログ放送が一般個人向けの放送が開始された。それに伴いケーブルテレビでもマンションなどの共同体を通したり、直接に個人宅にも配信が可能になる。ただし、当初は[[インフラストラクチャー|インフラ]]が整っておらず、個人宅へのサービス提供は可能であったが、設備投資などの関係で加入費・導入費がまだ高く、共同体への展開がメインとなった。
*その後ケーブルテレビの発展にあわせ、[[専門チャンネル]]の番組製作が始まり、ケーブルテレビ業者への提供(ビデオテープによる物流配信)が開始された。
*<!--[[ラジオ|ラジオ放送]]や[[有線ラジオ放送|有線音声放送]]の提供を付加サービスとして提供(主にホテル業界、一部マンション管理業などの業者向け)。※より詳細には[[#共同受信設備|共同受信設備]]の節を参照の事。-->
1980年代に[[放送衛星]]を利用した[[日本における衛星放送#BS放送|BSアナログテレビ放送]]が誕生したことに伴い、ケーブルテレビでもそれらの配信を開始した。1989年には[[通信衛星]]を利用した[[日本における衛星放送#CSデジタル放送|CSアナログ放送]](各種[[専門チャンネル]]放送)が誕生・開始されたことにより、さらにコンテンツが増加した。ただし、通信衛星からの受信を利用したものはホテル業界などの業者向けに限定されていた。
 
*1992年、1989年の放送法の一部改正を受けたCSアナログ放送が一般個人向けの放送が開始された。それに伴いケーブルテレビでもマンションなどの共同体を通したり、直接に個人宅にも配信が可能になった。ただし、当初は[[インフラストラクチャー|インフラ]]が整っておらず、個人宅へのサービス提供は可能であったが、設備投資などの関係で加入費・導入費がまだ高く、共同体への展開がメインとなった。
 
==== デジタル時代 ====
*[[日本の地上デジタルテレビ放送|地上デジタルテレビ放送]]の誕生と共にそれらの配信を開始。各種テレビ放送(地上波、BS、CS)のデジタル化に伴い、ケーブルテレビ放送としてもデジタル放送提供サービス(デジタル信号として再配信するサービス)を開始。また、デジタルサービス化に伴いインターネットの接続プロバイダ機能のサービス提供やIP電話なども併せた統合型サービスが可能になった。
 
*1996年10月、[[武蔵野三鷹ケーブルテレビ]]が日本初のCATVインターネットサービスを開始。
*1997年、[[日本における衛星放送#CSデジタル放送|CSデジタル放送]]が始まり、それまでCSアナログ放送を利用していたサービスが順次デジタル化。それに伴い、それらの配信(ただし、各戸への配信にはアナログ信号に変換)が開始。
*2000年12月、[[日本における衛星放送#BSデジタル放送|BSデジタルテレビ放送]]の誕生と共にそれらの配信(ただし、各戸への配信にはアナログ信号に変換)を開始。
*2000年代、[[日本の地上デジタルテレビ放送|地上デジタルテレビ放送]]が始まった地域ごとにその配信を開始。
*2002年、デジタル化されたケーブルテレビ(※より詳細には[[#デジタルケーブルテレビ|デジタルケーブルテレビ]]の節を参照の事)業者向けにCS衛星を介した専門チャンネルの配信にデジタル変調された信号の提供が開始。
*2005年、ケーブルテレビ業者向けの専門チャンネルの配信に途中に衛星を介さないデジタル回線ネットワークによる配信サービスを開始。
 
*[[日本の地上デジタルテレビ放送|地上デジタルテレビ放送]]の誕生と共にそれらの配信を開始。各種テレビ放送(地上波、BS、CS)のデジタル化に伴い、ケーブルテレビ放送としてもデジタル放送提供サービス(デジタル信号として再配信するサービス)を開始。また、デジタルサービス化に伴いインターネットの接続プロバイダ機能のサービス提供やIP電話なども併せた統合型サービスが可能になった。
また、デジタルサービス化に伴いインターネットの接続プロバイダ機能のサービス提供やIP電話なども併せた統合型サービスが可能になった。
*[[2011年問題 (日本のテレビジョン放送)|2011年の地上波アナログ放送の終了]]に伴い、対応チューナーの供給不足などによって、デジタル放送に完全移行後テレビの視聴が出来なくなることを防止するため、暫定措置としてアナログ放送停波後もケーブルテレビ側で受信したデジタル放送の信号をアナログテレビ用に変換して各家庭に再送信する[[2011年問題 (日本のテレビジョン放送)#デジアナ変換|デジアナ変換]]が2015年まで実施されていた。これは実施していたケーブルテレビの設備が導入されている建物であれば契約の有無に関わらず利用可能で、[[区域外再放送]]のチャンネルについてはデジアナ変換の対象外となる場合があった。
 
*[[2011年問題 (日本のテレビジョン放送)|2011年の地上波アナログ放送の終了]]に伴い、対応チューナーの供給不足などによって、デジタル放送に完全移行後テレビの視聴が出来なくなることを防止するため、暫定措置としてアナログ放送停波後もケーブルテレビ側で受信したデジタル放送の信号をアナログテレビ用に変換して各家庭に再送信する[[2011年問題 (日本のテレビジョン放送)#デジアナ変換|デジアナ変換]]が2015年まで実施されていた。これは実施していたケーブルテレビの設備が導入されている建物であれば契約の有無に関わらず利用可能で、[[区域外再放送]]のチャンネルについてはデジアナ変換の対象外となる場合があった。
 
==== 光化と通信系事業者の参入 ====
{{節スタブ}}
*2003年11月、[[京阪ケーブルテレビジョン]](ケイ・キャット)が関西電力系の通信会社ケイ・オプティコム(後の[[オプテージ]])と手を組み『K-CAT eo T.V.』(後の『eo光テレビ』)を始める<ref>[https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2003/11/21/1230.html 光ファイバ回線を利用したケーブルテレビ放送サービス「K-CAT eo T.V.」] Impress 2003年11月21日</ref>。
*2004年2月、[[スカパーJSAT]]の子会社[[オプティキャスト]]が『スカパー!対応光ファイバーTV OPCAS』(後のスカパー!光→[[スカパー!プレミアムサービス光]])を開始する<ref>[https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2004/02/26/2238.html オプティキャスト、「スカパー!対応光ファイバーTV」をサービス開始] Impress 2004年2月26日</ref>。
*2004年7月、総務省が情報通信審議会技術分科会に対して「FTTH等によるケーブルテレビネットワークの高度化のための技術的条件」を諮問し、翌2005年3月に答申を得る<ref name="genjo-2006-pp13-14">[https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/policyreports/joho_tsusin/catv_system/pdf/061016_1_si5.pdf 資料1-5 ケーブルテレビの現状] pp.13-14 総務省 2006年10月16日</ref>。
*2005年6月、アイキャストがオン・デマンド・ティービー社の[[フレッツ光]]向けサービス『オンデマンドTV』(後の[[ひかりTV]])で[[スカパー!プレミアムサービス|スカイパーフェクTV!]]のうち19チャンネルのIP再送信を始める<ref>[https://av.watch.impress.co.jp/docs/20050531/ontv.htm アイキャスト、「オンデマンドTV」で多ch放送を開始 -月額3,150円で多chもVODも見放題] Impress 2005年5月31日</ref>。
*2005年12月、「有線テレビジョン放送法施行規則の一部を改正する省令」の施行によりCATV事業者向けのFTTH技術基準が定められる<ref name="allied-tripleplay">[https://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/network/2006/06/07/7998.html アライドテレシス、CATVトリプルプレイサービス向けソリューションを提供] Impress 2006年6月7日</ref><ref name="genjo-2006-pp13-14"/>。
*2006年6月、[[KDDI]]と[[東京電力]]がFTTHによるトリプルプレイサービス『ひかりone』(後の[[auひかり]])を開始する<ref>[https://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/05/25/12086.html KDDIと東京電力、トリプルプレイ対応のFTTHサービス「ひかりone」] Impress 2006年5月25日</ref>。
*同2006年6月、[[アライドテレシス]]が[[上野原ブロードバンドコミュニケーションズ]]にFTTHによるトリプルプレイサービスを提供すると発表<ref name="allied-tripleplay"/>。
*2006年10月、地上デジタル放送のIP再送信を許可するための『地上デジタル放送補完再送信審査会』が設立される<ref name="hikaritv-chidigi">[https://news.mynavi.jp/techplus/article/20080509-a019/ アイキャストとNTTぷらら、"日本初"の地上デジタル放送「IP再送信」開始] マイナビ 2008年5月9日</ref>。
*2008年5月、アイキャストとオン・デマンド・ティービー社の事業を引き継いだ[[NTTぷらら]]がひかりTVで地上デジタル放送のIP再送信を始める<ref name="hikaritv-chidigi"/>。
*2008年、NTT東日本が7月に、NTT西日本が12月にスカパー!光施設を用いた『フレッツ・テレビ』を開始する<ref>[https://www.ntt-east.co.jp/release/0806/080623a.html 「スカパー!光」の伝送帯域を拡張新メニュー「スカパー!光 ホームタイプ ワイド」及び「フレッツ・テレビ」を提供開始] NTT東日本 2008年6月23日</ref><ref>[https://www.ntt-west.co.jp/news/0810/081031a.html 「スカパー!光 ホームタイプワイド」の提供エリア拡大および 「フレッツ・テレビ」の提供について] NTT西日本 2008年10月31日</ref>。
 
=== 共同受信設備 ===
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日本初のケーブルテレビは1955年6月10日に[[群馬県]][[渋川市]][[伊香保町]](当時は[[北群馬郡]]伊香保町)で、[[伊香保温泉]]観光協会の陳情によって、[[日本放送協会|NHK]]が難視聴対策実験として設置されたものが初めてだと言われている<ref name="jcta25th" />が、実際にはそれ以前から温泉地などの難視聴地域ではケーブルテレビの原形とも言うべき共同アンテナの設置が始まっており、有線を引いてのラジオの[[有線ラジオ放送#歴史|共同聴取]]も昭和戦前に既に実施されていた。
 
その後、難視聴解消用の共同受信設備は、山間部或いは都市部における[[マルチパス]]対策で高層ビルや[[集合住宅]]などで発展した。なお、[[東京都]]で初めて誕生したケーブルテレビは[[新宿区]][[歌舞伎町]]の商店組合が難視聴対策で作った[[東京ケーブルビジョン#沿革|日本ケーブルビジョン]]である。このようにNHKもNTTも官主導であることを考えると、ケーブルテレビは通信・放送事業の中で民間主導で形成され、後を追って官庁が法整備をした稀に見るインフラ産業でもある<ref name=":0" />。
 
[[アナログ]]テレビ放送やFMラジオ放送の有線による同時再送信の場合、最高伝送可能周波数が222MHzであった。[[1980年代]]には、他地域のテレビ放送である区域外再放送やCS/BSなどの専門チャンネルの同時送信による多チャンネル化や自主制作放送を行うため、最高伝送可能周波数を350MHz・450MHzに拡大したものも登場した。
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* デジタルサービスでは対応しているセットトップボックスが一部しかない(対策として同じチャンネルの再送信をトランスモジュレーション方式でも並行して行っているCATV局も多い)。
* 2011年以後に新規開局したBSの一部ではシステム構造上BSパススルーを行っていないチャンネルもある(CSでも放送されている場合はCSでの再送信とするケースも多い)。また、[[ジュピターテレコム]](J:COM)の多くの局のように、BSパススルーを全く行っていない局も存在する。
*特に、従来の同軸線の老朽化により、光ファイバーに切り替える局において、BSパススルーに対応する局<ref>[http://hikari-net.ne.jp/faq/%EF%BD%82%EF%BD%93%E3%83%91%E3%82%B9%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%BC%E6%94%BE%E9%80%81%E3%82%92%E5%8F%97%E4%BF%A1%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AB%E3%81%AF%EF%BC%9F/ BSパススルー放送を受信するには?(光ネット=徳島県)]</ref>が増加している。[[スカパー!プレミアムサービス光]]([[光パーフェクTV!]]や[[フレッツ]]テレビなども含む)の他、一部のケーブルテレビ局やマンション・[[団地]]([[公営住宅]]・[[公団住宅]]など)の共同受信システム<ref name=スカパーが視聴可能なケーブルテレビ局/><ref>[https://www.kcn-nantan.jp/news/2022/12/kcnjsat.html (参考例)【プレスリリース】KCNなんたんとスカパーJSATが京都府南丹市エリアにおいてパススルーによる多チャンネルサービス提供に合意しました]</ref>でも、[[スカパー!]]で提供しているCS放送番組のパススルーを行う事例もある。
 
'''規格等'''
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'''特徴'''
* 加入者は市販のBS・東経110度CS・地上デジタル機器(単体チューナーやテレビ・レコーダーなど)で、直接受信の場合と同じ設定方法でそのまま視聴・録画可能である(セットトップボックスが必要ない)<ref name=スカパーが視聴可能なケーブルテレビ局>[http://www.skyperfectv.co.jp/guide/trial/catv.html 参考・スカパーが視聴可能なケーブルテレビ一覧]</ref>。
* 受信した電波に対し加工を施さずそのまま再送信するため、地上デジタル放送の場合、大概は[[ワンセグ]]放送も同時に再送信される事となる(ワンセグ未実施局の場合を除く)。市販されているワンセグ受信機の中には同軸ケーブルの接続端子を備える事によってCATVからのワンセグ受信に対応した機種も存在する。
* 従来法律により伝送周波数が770MHzまでに制限されていたため、CATV事業者の設備は770MHzまでの対応となっているところが多い。一方衛星放送はこれより高い周波数帯([[中間周波数#衛星放送・通信衛星|BS-IF]]帯)であり、法改正によりBS-IF帯の送信も可能になったものの設備の更新には多額の費用が必要であるため{{要出典範囲|date=2022年4月|多くの事業者は衛星放送の同一周波数パススルーには対応していない。}}
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==== 複数TS伝送方式 ====
主にBSデジタル放送の再送信を行う場合(後述も参照)に用いられる。BSデジタル放送は[[放送衛星]]が、物理チャンネル毎に1つ搭載している[[トランスポンダ]]で伝送される複数の放送番組データ(BSデジタル放送では[[日本における衛星放送#チャンネルの割り当て特徴|1つの物理チャンネルに複数の放送が割り当て]]られている)をそれぞれ1つの別な6MHz帯域幅の伝送路で送る<ref group="注釈" name="トラモジ">技術的にはトランスモジュレーション方式の中の一方式ではなくそれ自体が独立した技術であるが、実際のケーブルテレビ会社での運用としてはトランスモジュレーション方式との組み合わせで行われている。</ref>。
 
'''特徴'''
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* 中継増幅器が無いため電源装置の分散配置が不要となり保守が簡略化できる。
* 流合雑音が発生せずサービスの品質が上がり、上り方向の通信速度も高速となる。
* 広帯域であるためテレビの更なる高画質化や多チャンネル化が可能であり、通信系事業者のテレビサービスに対抗できる。BSデジタル([[4K 8Kテレビ放送|4K・8K放送]]含む)の同一周波数パススルー方式による再送信も既に行われている<ref group="注釈">2007年以後の開局したBS2K無料放送([[日本BS放送|BS11]](2007年~)、[[ワールド・ハイビジョン・チャンネル|Twellv]](2007年~)、[[放送大学学園|放送大学]](2011年~)、[[Dlife (BSデジタル放送)|Dlife]](2012年~2020年)、[[BS松竹東急]](2022年~)、[[BSJapanext]](2022年~)、[[BSよしもと]](2022年~))はこのタイプでないと視聴できないことが多い。[[BSスカパー!]]系統の無料放送の場合もこちらが必要、一部のCATVは[[J SPORTS]]等の全スカパーチャンネル、[[WOWOW]]の有料放送、放送大学の転送をフィルタリング(ブロック)されている帯域(BS-5,11,19,21)がある。</ref>。
* 光ファイバーは同軸ケーブルと異なり帯域を増やすのにアクセス回線のケーブルの交換が不要となる。そのため1Gbpsが限度だったインターネットサービスを中間機器の更新だけで10Gbps以上に上げることができ、カタログスペック上超高速な[[第5世代移動通信システム|5Gモバイル通信]]にも対抗することができている。
 
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== MSO ==
{{画像提供依頼|サービスエリアの地図|date=2022年9月|cat=娯楽}}
 
{{Anchors|MSO等}}MSO([[:en:multiple-system operator|Multiple System Operator]])とはCATVを統括し、運営する会社を指す。[[日本]]に於いては、次の4社(解釈によって8社<ref group="注釈">これは同業他社4社を[[J:COM]]が株式の買収その他により傘下に収め、経営統合→のちにJ:COMに合併したことによる</ref>)が存在する。MSOはCATV各社に出資し、支配する形態が殆どである。2007年以降、複数のケーブルテレビ局の[[経営統合]]を目的に設立された[[持株会社]]が登場しており、こうした持株会社をMSOとみなす場合もある。これら4社(8社)で、日本全域を網羅しているというのではない
 
* [[JCOM]](J:COM 旧・ジュピターテレコム)
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** ※ 旧・[[メディアッティ・コミュニケーションズ]] - 2009年4月に吸収合併。
** ※ 旧・[[ジャパンケーブルネット]](JCN) - 2014年4月1日に吸収合併<ref>[http://news.kddi.com/kddi/corporate/ir-news/2014/02/26/92.html J:COM・JCN両社の合併契約締結に関するお知らせ] - KDDI・ニュースリリース(2014年2月26日)</ref>。
* [[TOKAIコミュニケーションズブルネットワーク]](@T COM)(TCN) - [[静岡県]]東部・中部の各一部
* [[CCJ (株式会社)|CCJ]](コミュニティ・ケーブル・ジャパン)〈持株会社〉 - [[三重県]]、[[新潟県]]の各一部
* [[コミュニティネットワークセンター]](CNCi)〈持株会社〉 - [[愛知県]]、[[岐阜県]]の各一部
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=== 韓国におけるケーブルテレビ ===
[[大韓民国|韓国]]では、国内の高速ブロードバンド環境の普及に、ケーブルテレビとセットで導入されるインターネットが一役買っており、地上波TV放送が公共放送のKBS[[韓国放送公社]]とEBS[[韓国教育放送公社]]、MBC[[文化放送 (韓国)|文化放送]]、国内民間放送の[[SBS (韓国)|SBS]](系列局含む)、[[富川市]]にある[[独立放送局|独立局]]の[[OBS京仁テレビ]]しかないことも相俟って、地上波以外の番組を見るためのケーブルテレビの普及率が高い。かつて独立系が多数であった地域SOは、[[LGグループ]]系列の「LG HelloVision」、[[KTスカイライフ]]系列の「HCN」等のMSOに集約されつつある。また、全ての地上波事業者がサブチャンネルとしてケーブルテレビ専門チャンネルを運営する[[子会社]]を持ち、地上波向けテレビ番組の[[再放送]]を地上波局と並行して実施している。ケーブルテレビ向けコンテンツ制作会社である[[CJ ENM]]{{efn|[[tvN]]、[[Mnet]]、[[オリオン シネマ ネットワーク|OCN]]、[[トゥーニバース]]などを運営する、韓国最大のコンテンツ制作会社。E&M事業部が担当。}}、テウォン(大元)放送{{efn|[[テウォンメディア]]の子会社で、韓国最大の[[テレビアニメ]]、[[子供番組]]の放送事業者。当社のみ同様のチャンネルを3局も持ち、統廃合の予定も無い。}}、テキョ(大教)放送や、[[2010年]]に[[1980年]]から実施されている[[言論統廃合]]の規制緩和によって登場した[[新聞]]社直系の総合編成チャンネル([[JTBC]]{{efn|かつてあった[[東洋放送]]の流れを汲んだもので、従前からあるJTBCの系列新聞社である[[中央日報]]系列のコンテンツ制作会社は、当局に合わせるため、『JTBC Plus』に社名を変更されている。}}、[[朝鮮放送]]、[[Channel A]]、[[毎日放送 (韓国)|MBN]]{{efn|当局のみ経済番組専門チャンネルとして開局し、途中から総合編成チャンネルに形態を変更したもの}})の放送文化への寄与度も高まりつつある。一般的に、ケーブルテレビ専門チャンネルが閉局する事例もあるが、大抵の場合、翌日から同じ会社が同じチャンネル番号で別のチャンネルを開局している。さらには、『Channel J』(大元放送)のように、日本のテレビ番組の独占放送権を得ている専門チャンネルもある<ref>{{Cite Webweb|和書|url=https://news.yahoo.co.jp/byline/shinmukoengexpert/20181221-00107992articles/519f7528ba6fb7b940d32614e26fa76c409d588c|title=『逃げ恥』から『探偵ナイトスクープ』まで放映する日本専門テレビ局が韓国にあった!!|author=[[慎武宏]]|website=[[Yahoo!ニュース]]|date=2018-12-21|accessdate=2020-10-14}}</ref>。
 
== 脚注 ==
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== 外部リンク ==
* [https://www.catv.or.jp/jctea/ 一般社団法人日本CATV技術協会] {{ja icon}}([[日本CATV技術協会]])
* [https://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/283520/www.soumu.go.jp/joho_tsusin/policyreports/japanese/misc/CATV-Manual/catv99/99entry.pdf 総務省 ケーブルテレビ事業参入マニュアル(PDF)]([[総務省]]、[[国立国会図書館]] {{ja icon}}[[インターネット資料収集保存事業]]による[[ウェブアーカイブ]])
* [https://www.catv-jcta.jp/ 一般社団法人 日本ケーブルテレビ連盟のサイト]([[日本ケーブルテレビ連盟]])
<!--* [https://web.archive.org/web/19970712152633/http://www.acara.com/NAVI/CATEGORY/Sub/s03/ss01/d07.html ACARA NAVI CATVリンク一覧] {{ja icon}}([[ウェブアーカイブ]])-->
 
{{ケーブルテレビ}}
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{{DEFAULTSORT:けえふるてれひ}}
[[Category:ケーブルテレビ|*]]
[[Category:ニューメディア]]