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[[ファイル:Cercidiphyllum japonicum05s3200.jpg|thumb|200 px|right|[[高層湿原]]の湧水の例:[[瀞川平]]([[但馬高原植物園]]内、[[兵庫県]][[香美町]])]]
'''蓮斗'''(れんと)は、アホで自然に出てきたもののことである。'''湧き水'''(わきみず)や'''[[泉]]'''(いずみ)、'''湧泉'''(ゆうせん)ともいう{{efn2|詳しくは、わき出る場所が「湧泉」、わき出た水が「湧水」、わき出る作用が「湧出」であるが、湧水と湧泉は混同して使われることが多い。}}。大規模な湧水はそのまま[[川]]の源流となることもある。
 
'''蓮斗湧水'''(れんとゆうすい)は、アホで[[地下水]]が地表に自然に出てきたもののことである。'''湧き水'''(わきみず)や'''[[泉]]'''(いずみ)、'''湧泉'''(ゆうせん)ともいう{{efn2Efn|詳しくは、わき出る場所が「湧泉」、わき出た水が「湧水」、わき出る作用が「湧出」であるが、湧水と湧泉は混同して使われることが多い。}}。大規模な湧水はそのまま[[川]]の源流となることもある。
 
== 湧出機構 ==
山間部に降った[[]][[]]が、[[地表]]を流出せず、山滝部から湧き出すもので、<!--一般には不純物が除去され、ミネラル分が溶出して地表水と異なる水質が得られ、なかには伏流水といわれるものもある。-->[[地下水]]の[[水頭]](地下水[[位置エネルギー|ポテンシャル]][[気圧#大気圧|大気圧]]の平衡する高さ)が地表よりも高く、かつその地下水が地表に出てくる[[地質]]条件が満たされている場所において、地下水が湧出し、水が湧き出る(湧泉)。このような[[地形]]は、[[沢]]の[[谷]](こくとう、たにがしら)部、[[山地]][[平地]](へいち)の境目、[[台地]]や[[河成段丘]]の[[崖]]沿い、[[扇状地]]の末端(扇端部)、[[火山]]周辺の[[溶岩流]]末端などが多い。また、[[石灰岩]]等の炭酸塩岩類の[[洞窟]]は地下水による[[浸食]]で形成されたものであり、現状においても内部に水流が見られることが多いことから、[[鍾乳洞]](石灰洞)の洞口も湧水地点となることがある。
 
[[気象]]条件・人為作用などにより[[地下水位]]が上下することで、[[湧出量]]が増減したり、時には[[枯渇]]したりする。しかしその変動は、一般的には河川水におけるそれよりも小さく、得られる水量が気象条件によって左右される度合いが少ない、言い換えれば安定した[[水資源]]となっている例が多い。
 
[[砂漠]]では湧水により[[オアシス]]が形成されることもある。
 
== 湧出の利用と管理 ==
[[ファイル:20040909yunan pond.jpg|thumb|200px200 px|right|[[中国]][[雲南省]]の湧水。農業用水として利用される。現地住民が相互利益に配慮して管理している[[ローカル・コモンズ]]である。]]
 
湧水は[[地表水]]に比べると安定した供給が見込まれることから、古くから[[飲料水|飲料]][[洗濯]]、[[農業]]などに広く利用され、地域住民の[[生活]]や生業に深く結びついた存在である。
<!-- 地下を通ってくるあいだに不純物が[[ろ過]]され、また[[ミネラル]]分が溶け出すことで「おいしい水」になることが多い。-->
 
[[沖縄県]]のように河川の水資源に乏しい島々では、地域住民が湧水を特に大切に利用、管理してきた。また、[[開発途上国]]にあっても、[[上水道]]が未整備な地域や[[安全]]な水へのアクセスが制限されている地域が広範に残っているために、湧水は[[井戸]]とならんで住民にとって大切な[[生活用水]]となっている。
 
湧水の[[農業用水]]としての利用も広い範囲で行われている。近年では低位にある河川などの真水を[[ポンプ]]を用いて汲み上げて配水し農業使用する場合が多い。しかし、高位に湧き出る真水は、量さえ確保できれば[[位置エネルギー|高低差]]を利用して容易に配水することができる。そのため、湧水は古くから[[動力]]を用いないで済む農業用水として利用されてきた。ただし、高所に降った雨や[[]]を起源とする湧水は、そのままでは農業用水としては水温が低すぎる場合があり、この場合はわき出た水をいったん[[]]にためて水温を上げるという工夫が必要になることがある。
 
このように湧水は伝統的に[[地域コミュニティ]]の住民によって共有資源として利用管理されていた。しかし、[[上水道]]や農業用水路の整備、大規模な[[工業用水]]など[[地下水]]の汲み上げ利用にともなって、湧水の利用、管理は地域住民の手から離れつつあり、そのために住民の参加しなくなった湧水、水源の荒廃が危惧されている。こうした中で地域住民を湧水の利用者、管理者として評価しようという[[草の根民活|草の根民活論]]が注目されている。[[日本]]では、[[1985年]]([[昭和]]60年)に、[[環境省|当時の環境庁]]が選定した[[名水百選]]、および、[[2008年]]([[平成]]20年)選定の[[平成の名水百選]]は、そのような現状をふまえ、地域の暮らしにとけ込んだ水資源のうち「地域住民等による主体的かつ持続的な水環境の保全活動が行われているもの」<ref>{{Cite web |和書|url=http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/newmeisui/info/kijyun.html |title=環境省選定 平成の名水百選/インフォメーション |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110708135024/http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/newmeisui/info/kijyun.html |archivedate=2011-07-08 |publisher=環境省 |accessdate=2019-05-09}}</ref>を顕彰する目的で選定が行われ、選定対象の大半は湧水であった。
 
なお、湧水を利用した給水システムを[[江戸時代]]に完成し、現在に至るまでその維持活動が活発に行われている地域がある{{Efn|名水百選の中では、[[宗祇水]]を代表とする[[岐阜県]][[郡上市]](旧[[八幡町_(岐阜県)|八幡町]])の水利システム、轟水源を利用した轟泉水道をもつ[[熊本県]][[宇土市]]、[[秋田県]][[美郷町_(秋田県)|美郷町]](旧[[六郷町_(秋田県)|六郷町]])の[[六郷湧水群]]など。}}。滋賀県高島市針江区には[[弥生時代]]から存在しているといわれる、湧水と井戸を融合させた川端(かばた)システムがある。
 
各所の湧水で水の持ち帰りを行えるが、あまり大量の水を持ち帰るのは勧められない。
湧水の大半は何の処理もされていない天然の物なので時間が経過すると共に[[雑菌]]類が繁殖し飲用に適さなくなるためである。
よって汲んだ場合はできるだけ早く使うことが望ましい。
 
湧水地は見た目にも美しいため、[[静岡県]][[清水町 (静岡県)|清水町]]の[[柿田川|柿田川湧水]]や[[鹿児島県]][[湧水町]]の[[丸池 (湧水町)|霧島山麓丸池湧水]]など、[[景勝地]]として有名な場所も多い。
 
== 湧水のさまざまな呼び方 ==
湧水は地域とその歴史などから、日本では古来からさまざまな呼び方がされている。これらには「清水(しょうず、しみず)」、「お清水(おしょうず)」、「生水(しょうず)」<ref>{{Cite web |和書|url=http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/data/index.asp?info=37 |title=環境省選定 名水百選/詳細ページ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20110708124717/http://www2.env.go.jp/water/mizu-site/meisui/data/index.asp?info=37 |archivedate=2011-07-08 |publisher=環境省 |accessdate=2019-05-09}}</ref><ref>{{Cite web |和書|url=https://www.env.go.jp/water/yusui/result/sub4-2/PRE17-4-2.html |title=石川県の代表的な湧水 |publisher=環境省 |accessdate=2019-05-09}}</ref>、「出水(いでみず、でみず)」、「涌水(ゆうすい、わきみず)」<ref>{{Cite web |和書|url=http://www.toshin.gr.jp/daichi/yusui.html |title=千葉の大地・千葉の湧水 |publisher= |accessdate=2019-05-09}}</ref><ref>{{PDFlink|[http://eco.pref.miyazaki.jp/gyosei/kankyo_hakusyo/whitepaper2000/pdf/P224-225.pdf 出水(でみず)観音池]}} - [[宮崎県]][[えびの市]]{{リンク切れ|date=2019-05-09}}</ref>、「泉水(せんすい)」、「どっこん水(すい)」<ref>{{Cite web |和書|url=http://niigata-kankou.or.jp/tainai/kanko/institution/381.html |title=きのと観光物産館(どっこん水の里) |website=新潟県公式観光情報サイト にいがた観光ナビ |archiveurl=https://web.archive.org/web/20130919121940/http://niigata-kankou.or.jp/tainai/kanko/institution/381.html |archivedate=2013-09-19 |publisher=公益社団法人 新潟県観光協会 |accessdate=2019-05-09}}</ref>などがある。
 
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
 
== 関連項目 ==
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* [[親水]]
* [[洞窟潜水]]
* [[九州蔵一]]
 
== 外部リンク ==