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'''速記'''(そっき、[[英語]]:shorthand)とは、速記文字や速記符号とよばれる特殊な[[記号]]を用いて、[[言葉]]を簡単な[[符号]]にして、人の発言などを書き記す方法をいう。主に[[議会]]や法廷の発言を[[記録]]する分野や[[出版]]、[[ジャーナリズム]]などで[[口述筆記]]する際に利用されている。
 
この[[技術]]の知識体系を速記法、技術を運用する方法を速記術、実際に運用する者を速記者という。また、[[日本速記協会|公益社団法人日本速記協会]]では、[[文部科学省]]後援[[速記技能検定]]1級、2級に合格し申請した者を、それぞれ一級速記士、二級速記士として認定している<ref>[{{Cite web |title=合格すると {{!}} 公益社団法人 日本速記協会 |url=https://sokki.or.jp/kentei/ginou/pass/ 合格すると|website=sokki.or..]jp 日本速記協会 2020年1月8日閲覧.|access-date=2024-06-18}}</ref>。
 
== 歴史 ==
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=== ドイツ語の速記 ===
ドイツの速記の特徴は草書派と称される、筆先の動きを速記に適した符号に変換した方式であった。初めて速記理論を完成させたのは[[1834年]]の[[フランツ・クサーヴァー・ガベルスベルガー]]であり、{{仮リンク|ガベルスベルガー式速記文字|de|Gabelsberger-Kurzschrift|label=ガベルスベルガー式}}と称されるこの方法は北欧諸言語をはじめ、[[イタリア語]]、東欧諸語、[[ロシア語]]の[[サカロフ式速記文字|サカロフ式]] ({{lang|ru|Государственной единой системы стенографии}}:{{lang|ru|ГЕСС}}、GESS) に影響を与え、更にイギリスにも影響を与えロー式を生み出している。ガベルスベルガー式はその後改良が進み、{{仮リンク|ジャーマンショートハンド|de|Deutsche Einheitskurzschrift}} (DEK) と呼ばれる方式となり現代に受け継がれている。
=== フランス語の速記 ===
[[1633年]]に[[ジャック・コサール]]が発表したものが[[フランス語]]での始まりとされるが、現代につながる系統としての起源は[[1778年]]に[[ジャン・クロン・ド・デブノ]]が発表したクロン式と言われている。現在ではエーメ・パリ式、{{仮リンク|デュプロワエ式速記文字|en|Duployan shorthand|label=デュプロワエ式}} ([[エミール・デュプロワエ]]が考案)、ドロネ式が使用されている。
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また、従来は民間養成を基本としていた帝国議会の速記官であるが、この頃には報道など、民間における速記への需要の高まりがあり、速記官確保が困難になってきた。そこで政府は、[[1918年]]に速記練習生を募集し内部養成する方針に転換した。ここでは現場の速記官からのアイデアが集積され、[[1942年]]には[[衆議院式標準符号]]が定められるに至った。
 
国会の両院規則でも議事は速記によって記録することが定められている(衆議院規則201条、参議院規則156条)<ref>{{Cite journal|和書|author=石倉賢一 |title=国会会議録について |journal=大学図書館研究 |ISSN=0386-0507 |publisher=大学図書館研究編集委員会 |year=1984 |volume=25 |pages=39-44 |naid=110004566590 |doi=10.20722/jcul.769 |url=https://doi.org/10.20722/jcul.769 |accessdate=2021-12-09}}</ref>。初期の国会では議事録の作成は速記のみで行われ、各院に速記者の養成所があったが、1951年(昭和26年)2月8日に参議院労働委員会でテープレコーダーが導入され採用テストが行われた<ref name="共同20210208">[{{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20210207230158/https://this.kiji.is/731284018519408640 |title=<あのころ>国会に初の録音機] 参院委員会で採用テスト | 共同通信、2021年2月9日閲覧。}}</ref>。2006年には各院独自に設けられていた速記者の養成所が廃止された<ref name="共同20210208" />。
 
会議録作成のIT化が進み、手書き速記は本会議や予算委員会などを残して、それ以外の会議においては参議院では[[2008年]]から担当職員がモニターで音声と映像を確認してパソコン入力する方式、衆議院では[[2011年]]から[[音声認識]]システムが導入された<ref name="sankei20130620">[{{Webarchive|url=https://web.archive.org/web/20210509162120/https://www.sankei.com/west/news/130620/wst1306200059-n1.html |title=手書き速記、国会や地方議会でも廃止の波] - 産経WEST、2021年2月9日閲覧。}}</ref>。速記者の交代を知らせるため5分ごとに鳴る時計が速記者席に設置されているが<ref>{{Cite web|和書|title=国会支える「最後の速記者」たち 論戦の舞台裏、光る職人技【政界Web】 :時事ドットコム |url=https://www.jiji.com/jc/v4?id=20210723seikaiweb0001 |website=時事ドットコム |access-date=2023-02-12 |language=ja}}</ref>、速記が廃止された後も時計は残され5分ごとに鳴っている<ref>{{Cite web|和書|title=https://twitter.com/KenAkamatsu/status/1596100911612407808 |url=https://twitter.com/KenAkamatsu/status/1596100911612407808 |website=Twitter |access-date=2023-02-12 |language=ja}}</ref>。2023年(令和5年)11月28日、参議院議院運営委員会理事会は参議院本会議場などでの速記者を廃止することを決定した<ref>[https://www.47news.jp/10192418.html 参院、速記者の廃止決定 人材の減少踏まえ] - 共同通信(2023年11月28日)</ref>。
 
そして2023年2月18日、134年の歴史をもち、終了した<ref>{{Cite web |title=参院「手書き速記」が134年の歴史に幕 速記者は「一抹の寂しさが」(全文) |url=https://www.dailyshincho.jp/article/2024/02180557/ |website=デイリー新潮 |date=2024-02-18 |access-date=2024-06-18 |language=ja}}</ref>
 
地方議会でも2010年度(平成22年度)までに24都道府県議会で手書き速記が廃止された<ref name="sankei20130620" />。
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=== 早稲田式 ===
*[[早稲田速記医療福祉専門学校|川口渉]](1906年 - 1956年)らが、1930年に発表した方式。[[通信教育]]で普及した<ref>{{Cite web |title=学校法人川口学園〔キャリア短大と医療秘書、介護、鍼灸、速記の専門学校〕 |url=http://www.kawaguchi-g.ac.jp/enkaku/index.html 2020年1月8日閲覧|website=www.kawaguchi-g.ac.jp |access-date=2024-06-18}}</ref><ref>{{Cite web|和書 |author= |date=2017-07-11 |url=https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/education/people_170711.html |title=日本人が読み書きできない日本語!?「早稲田式速記」の文化、絶やさない |website=WASEDA ONLINE |publisher=読売新聞 |accessdate=2019-10-12 |archive-url=https://web.archive.org/web/20240229042621/https://yab.yomiuri.co.jp/adv/wol/education/people/people-170711.php |archive-date=2024-02-29}}</ref>
 
=== 国字式 ===
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*[[武田千代三郎]]が発表した方式。
 
* '''機械速記''' - 単独で使用するものから[[パーソナルコンピュータ|パソコン]] (PC) と併用するタイプまである。
** 一般的なタイプライターを使用するもの
*** 牧タイプ