「清河八郎」の版間の差分

|画像= [[Imageファイル:Kiyokawahatiro.jpg|250px]]

|通称=正明

|生年= [[文政]]13年[[10月10日 (旧暦)|10月10日]]（[[1830年]][[11月24日]]）

|生地= [[出羽国]]

|没年={{死亡 [[文久]]3年[[4月13日と没年齢|1830|11|24 (旧暦)|4月13日]]（[[1863|年]][[5|月30}}日]]）

|没地= [[江戸]]

|活動= [[浪士組]]

|藩= [[庄内藩]]

|受賞= [[正四位|贈正四位]]

'''清河 八郎'''（きよかわ はちろう、[[天保文政]]元13年[[10月10日 (旧暦)|10月10日]]（[[1830年]][[11月24日]]） - [[文久]]3年[[4月13日 (旧暦)|4月13日]]（[[1863年]][[5月30日]]））は、[[江戸時代]]末期（[[幕末]]）の[[庄内藩]]出身の[[志士]]。[[田中河内介]]とともに九州遊説をして尊王攘夷派の志士を京都に呼び寄せ、一方で[[浪士組]]を結成し[[新選組]]・[[新徴組]]への流れを作り、自らも[[虎尾の会]]を率いて[[明治維新]]の火付け役となった。

[[出羽国]]田川郡清川村（現・[[山形県]][[東田川郡]][[庄内町]]）<ref name="yamagata1">{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2010122100785.php |title=「元気・まちネット」踏査同行記(1)出身地・清川を訪ねて |publisher=[[山形新聞]] |date=2009-09-28 |accessdate=2011-03-26 |}}</ref>[[庄内藩]][[郷士]]・齋藤豪寿の子。

[[天保]]14年（[[1843年]]）、清川[[関所]]役人の畑田安右衛門に師事し勉学に勤しむ。[[弘化]]3年（[[1846年]]）には後の[[天誅組]]総裁・[[藤本鉄石]]と会い親交を深めた<ref>{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2009092900576.php |title=「元気・まちネット」踏査同行記(2)“実像”伝える肖像画 |publisher=山形新聞 |date=2009-09-29 |accessdate=2011-03-26 }}</ref>。弘化4年（[[1847年]]）、[[江戸]]に出て[[古学]]派の東条一堂に師事する<ref>{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2010122100788.php |title=「元気・まちネット」踏査同行記・江戸編（上）文武の修業 |publisher=山形新聞 |date=2010-12-14 |accessdate=2011-03-26 }}</ref>。才を認められ東条塾塾頭を命ぜられたが、固辞し[[安積艮斎]]に転塾。その傍ら、塾の同輩に誘われ<ref>発行者・官英志『県の達人　111人データファイル』2002年、192頁。</ref>、[[北辰一刀流]]の開祖・[[千葉周作]]の[[玄武館]]で剣を磨き[[免許皆伝]]を許され、[[江戸幕府]]の学問所である[[昌平坂学問所|昌平黌]]に学んだ。その後、清河塾を開設するが、当時江戸市中で学問と剣術を一人で教える塾は清河塾だけであった。

[[安政]]2年（[[1855年]]）3月から9月にかけて、母親を連れて、清川村を出発<ref>{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2010122100787.php |title=「元気・まちネット」踏査同行記(4)湯田川温泉 |publisher=山形新聞 |date=2009-10-01 |accessdate=2011-03-26 }}</ref>。[[善光寺]]、[[名古屋市|名古屋]]、[[伊勢国|伊勢]]、[[奈良市|奈良]]、[[京都市|京都]]、[[近江国|近江]]、[[大阪市|大坂]]、[[厳島|宮島]]、[[岩国市|岩国]]、[[天橋立]]、[[鎌倉市|鎌倉]]、江戸、[[日光市|日光]]などをめぐる大旅行をする。その記録『西遊草』は、幕末の旅行事情を知るうえでは貴重な資料である。内容は各国の名士との出会いなどを中心に書かれているが、その性格からか辛辣で手厳しい批評が多い。

[[安政]]7年（[[1860年]]）に起こった[[桜田門外の変]]に強い衝撃を受け、[[倒幕]]・[[尊王攘夷]]の思想を強める<ref name="yamagata1"/>。この事件を契機に、清河塾に[[憂国]]の士が集まりだす。その中には幕臣の[[山岡鉄舟|山岡鉄太郎]]（鉄舟）・[[笠井伊蔵]]・[[松岡万]]、[[薩摩藩]]の[[伊牟田尚平]]・[[樋渡八兵衛]]・[[神田橋直助]]・[[益満休之助]]、同門であった[[安積五郎]]らがいる。また[[池田徳太郎]]・[[中村貞太郎]]・[[西川練造]]・[[村上俊五郎]]・[[石坂宗順]]などとも交わる<ref>{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2010121500789.php |title=「元気・まちネット」踏査同行記・江戸編（中）江戸で三度開塾 |publisher=山形新聞 |date=2010-12-15 |accessdate=2011-03-26 }}</ref>。

同年、盟主として[[虎尾の会]]を結成。発起人は山岡鉄太郎ら15名。横浜外国人居留地を焼き討ちし、尊王攘夷の精神を鼓舞し、倒幕の計画を立てたが、この密計が[[江戸幕府|幕府]]の知るところとなる。しかも[[文久]]元年（[[1861年]]）には罵詈雑言を浴びせてきた幕府の手先を斬り捨てたため、幕府に追われる立場となった<ref name="genki">{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2010121600790.php |title=「元気・まちネット」踏査同行記・江戸編（下）逃亡から浪士組結成へ |publisher=山形新聞 |date=2010-12-16 |accessdate=2011-03-26 }}</ref>。このとき、笠井・中村・西川らは捕縛され、後に獄死している。

[[倒幕運動]]を続けるため、京に潜伏したり諸国を回り、[[田中河内介]]に続いて九州遊説に入った。[[筑後国]]の[[水田天満宮]]付近の[[山梔窩]]に蟄居中の[[真木保臣]]の下にも滞在し、[[福岡藩]]士の[[平野国臣]]、[[小郡市|小郡]]、[[肥後国|肥後]]の尊皇攘夷派とも接触。その戦略は薩摩藩の率兵上京に期待を寄せるものであり、薩摩は立つと諸国を遊説したが、[[小松清廉]]は一切の言質を与えていない。『[[近世日本国民史]]』では京都に参集した尊皇攘夷派は、清河の空想的政局論により集められた一面があるとしている。

その後、山岡鉄舟らを通して[[松平春嶽]]（幕府[[政事総裁職]]）に急務三策（1. [[攘夷]]の断行、2. [[大赦]]の発令、3. 天下の英材の教育）を上書する。尊攘志士に手を焼いていた幕府はこれを採用し、[[松平忠敏]]のもとに[[浪士組]]結成が許可された（234名）<ref name="genki"/>。上手く幕府を出し抜いて、今度は佐幕派を京に集め出した。[[文久]]3年（1863（[[1863年）2]]）[[2月23日 (旧暦)|2月23日]]、[[征夷大将軍|将軍]]・[[徳川家茂]]上洛の際、その前衛として浪士組を率い京へ出発。到着した夜に浪士を[[壬生]]の[[新徳寺 (京都市)|新徳寺]]に集め、本当の目的は将軍警護でなく尊王攘夷の先鋒にあると述べる。[[鵜殿鳩翁]]が浪士組隊士の[[殿内義雄]]・[[家里次郎]]の両名に、京に残留することを希望する者の取りまとめを依頼し、攘夷に反対した[[根岸友山]]・[[芹沢鴨]]・[[近藤勇]]・[[土方歳三]]らが残留、袂を分かった<ref group="注">彼らは[[壬生浪士]]（壬生浪）となり、後に[[新選組]]へと発展していく。</ref>。翌日、200名の手勢を率い[[朝廷 (日本)|朝廷]]に[[建白書]]の上申を願い出で、幸運にも受理された。

文久3同年（1863年）4[[4月13日 (旧暦)|4月13日]]、幕府の刺客、[[佐々木只三郎]]・[[窪田鎮章|窪田泉太郎]]など6名によって[[麻布]]一ノ[[赤羽橋]]（現麻布十番商店街そば）で首を討たれた<ref>{{citeCite web|和書|url=http://yamagata-np.jp/feature/kiyokawahachirou/kj_2010062700510.php |title=「元気・まちネット」踏査後半同行記(5) 上山 |publisher=山形新聞 |date=2010-06-27 |accessdate=2011-03-26 }}</ref>。[[享年]]34。『女士道<ref>{{近代デジタルライブラリー書誌情報|40002568|女士道}}</ref>』（山岡英子　1903年）の記述<ref>[{{NDLDC|757150/31}} 『女士道』第1回（11）清河八郎の首級を處分したる模様　20-21ページ]　</ref><ref>[http://www5d.biglobe.ne.jp/~mutoryu/page1/siryo/fusako.htm 女士道 冒頭]</ref>によると首は[[石坂周造]]が取り戻し、山岡英子（山岡鉄舟の妻）が保管し[[伝通院]]に葬ったが後に遺族に渡したという。墓所は東京文京区[[小石川]]の[[伝通院]]にある。死後、幕府は浪士組を[[新徴組]]と改名し、庄内藩預かりとした。[[明治]]41年（[[1908年]]）、特旨により[[正四位]]を[[贈位]]された<ref name="shonai263">『新編庄内人名辞典』263頁。</ref>。

== 清河八郎記念館評価 ==

== 関連作品項目 ==

* [[藤沢周平司馬遼太郎]] 「奇妙なり八郎」（『回天の門[[幕末 (司馬遼太郎)|幕末]]』収録） 文藝春秋、19861963年

* [[手塚治虫藤沢周平]] 『[[陽だまり回天の樹]]門』 小学館文藝春秋、1981-861986年

* 清川八郎 （1929年、[[河合映画製作社]]） 演：[[葉山純之輔]]

* [[清川八郎 (映画)|清川八郎]] （1930年、[[東亜キネマ|東亜キネマ･京都撮影所]]） 演：青柳竜太郎

* [[暗殺 (映画)|暗殺]] （1964年、[[松竹]]） 演：[[丹波哲郎]]

* [[燃えよ剣]] （1966年、松竹） 演：[[天津敏]]

* [[必殺スペシャル・新春 大暴れ仕事人! 横浜異人屋敷の決闘|必殺スペシャル・新春 大暴れ仕事人！ 横浜異人屋敷の決闘]] （1990年、[[ABC朝日放送テレビ|ABC朝日放送]]） 演：[[滝田栄]]

* [[陽だまりの樹]] （2012年、NHK） 演：[[土屋佑壱|土屋裕一]]