削除された内容 追加された内容
Xqbot (会話 | 投稿記録)
m ロボットによる 追加: la:Endocrinologia
 
(35人の利用者による、間の42版が非表示)
1行目:
{{出典の明記|date=2011年10月|ソートキー=医}}
{{medical}}
'''内分泌学'''('''ないぶんぴつがく'''または'''ないぶんぴがく'''英 Endocrinology)と{{lang-en|endocrinology}})は、[[内分泌]]及び[[内分泌器]]を研究する[[生物学]]の一分野である。
 
本項ではとくに、ヒトを対象とした、[[医学]]の一分野である内分泌学について述べる。
 
== 概要 ==
医学における内分泌学は「内分泌機能」を中心とした人体の正常および病態を扱う分野として位置づけられている。内分泌学は生体内代謝と密接に関連していることから、学問的により広い概念として「'''内分泌・代謝'''」と一括りにして扱われることも多く、病院の診療科もこれに準じたものとなっていることが多い(代謝内分泌・代謝科」など)
 
内分泌学は[[神経内科学]]を含む[[内科学]]領域に包含される部分が多いが、[[産婦人科学]]や[[泌尿器科学]]の一分野である[[生殖内分泌学]]も内分泌学に含まれる。さらにまた実際内分泌疾患外科的・内科的治では前述のを行う'''内分泌外の他に['''も存在する<ref>[https://www.nms.ac.jp/hosp/section/endocrine.html 内分泌外科|日本医科大学付属病院]</ref>。[[下垂体腺腫]]の場合、[[脳神経外科学|脳神経外科]]による治療が行われることもある。
 
== 内分泌 ==
15 ⟶ 16行目:
 
=== ホルモンを分泌する臓器 ===
# [[視床下部]]: もっとも上流に位置するホルモン分泌臓器である。さらに上流には[[脳]]が存在する。視床下部から分泌されるホルモンはCRH([[副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン]]), TRH([[甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン]]), LH-RH([[黄体形成ホルモン放出ホルモン]]), GRH([[成長ホルモン放出ホルモン]]), PIF(プロラクチン抑制因子), ADH([[抗利尿ホルモン]])、[[ドーパミン]]などである。
# [[下垂体]]: 視床下部の下流に位置し上記のホルモンをうけて下垂体前葉からACTH([[副腎皮質刺激ホルモン]]), TSH([[甲状腺刺激ホルモン]]), FSH([[卵胞刺激ホルモン]]), LH([[黄体化ホルモン]]), GH([[成長ホルモン]]), PRL([[プロラクチン]])や、下垂体後葉に送られてきたADHを血中に放出する。
# [[甲状腺]]
# [[副甲状腺]]
# [[副腎]]
 
== 代表疾患 ==
=== [[視床下部]] ===
# [[視床下部]]性肥満
## [[フレーリッヒ症候群]](フレーリッヒしょうこうぐん、[[FröhlichFröhlich症候群]])
##* 視床下部の障害による肥満と性器発育不全。
##* 病態
33 ⟶ 34行目:
##* 原因
##*: 頭蓋咽頭腫など腫瘍や、炎症、外傷等の[[器質性疾患]]である。
## [[プラダー・ウィリー症候群]]
## [[染色体異常内分泌学#その他の染色体異常視床下部|ローレンス・ムーン・ビードル症候群]]
=== [[下垂体]] ===
 
# [[下垂体性巨人症]]・[[先端巨大症]]: 成長ホルモンが異常に放出される(GH↑)事により起きる疾患で下垂体巨大腺腫が原因。全体的にでかいのが巨人症、骨端閉鎖後に骨のはしっこのみ成長してしまったのが末端肥大症([[アントニオ猪木]]の様に目の上の眉弓が張り出しあごがしゃくれあがる)。また、[[ジャイアント馬場]]も巨人症患者であった。治療としては外科的に腺腫を切除する(Hardyの手術など)。
=== [[下垂体]] ===
# [[低身長症]](かつては小人症と呼ばれていた): 成長ホルモンの分泌不良(GH↓)により生じる疾患で低身長を生じる。成長期に生じる。治療としてはリコンビナントGHを皮下注する。
#[[下垂体性巨人症]]・[[先端巨大症]]: 成長ホルモンが異常に放出される(GH↑)事により起きる疾患で下垂体巨大腺腫が原因。全体的にでかいのが巨人症、骨端閉鎖後に骨のはしっこのみ成長してしまったのが末端肥大症([[アントニオ猪木]]の様に目の上の眉弓が張り出しあごがしゃくれあがる)。また、[[ジャイアント馬場]]も巨人症患者であった。治療としては外科的に腺腫を切除する(Hardyの手術など)。
# [[成人GH分泌不全症]]: 小児期からのGH分泌不全症や、成人期における器質的疾患・外傷によるもの、また成人期特発性のものなどがある。易疲労感、抑鬱気分、性欲低下、皮膚乾燥・菲薄化、内臓脂肪増加、筋力低下、骨量低下などが見られる。治療はGH補充療法である。
#[[低身長症]](かつては小人症と呼ばれていた): 成長ホルモンの分泌不良(GH↓)により生じる疾患で低身長を生じる。成長期に生じる。治療としてはリコンビナントGHを皮下注する。
# [[クッシング病]]: 副腎皮質刺激ホルモンが異常分泌(ACTH↑)される病気。中心性肥満、満月様顔貌(moon face)、野牛肩(buffalo hump)、多毛、糖尿病、高血圧など特徴的臨床所見を呈し典型例の診断は容易。下垂体、副腎、異所性の3パターンのクッシング症候群のうち最初に脳外科医クッシングに発見された下垂体病変のみを特にクッシング"病"と呼ぶ。
#[[成人GH分泌不全症]]: 小児期からのGH分泌不全症や、成人期における器質的疾患・外傷によるもの、また成人期特発性のものなどがある。易疲労感、抑鬱気分、性欲低下、皮膚乾燥・菲薄化、内臓脂肪増加、筋力低下、骨量低下などが見られる。治療はGH補充療法である。
# [[ACTH単独欠損症]]: 下垂体前葉より分泌されるホルモンの中で、副腎皮質刺激ホルモンだけが分泌不良(ACTH↓)となり、二次性の[[副腎皮質機能低下症]]をきたす病気。新生児発症のものと成人発症のものがある。成人発症のものには自己免疫的機序によると思われる例が多い。副腎不全症状や、[[電解質代謝#電解質代謝異常|電解質代謝異常]]、低血糖などにより発見されることが多い。治療はグルココルチコイドの補充である。
#[[クッシング病]]: 副腎皮質刺激ホルモンが異常分泌(ACTH↑)される病気。中心性肥満、満月様顔貌(moon face)、野牛肩(buffalo hump)、多毛、糖尿病、高血圧など特徴的臨床所見を呈し典型例の診断は容易。下垂体、副腎、異所性の3パターンのクッシング症候群のうち最初に脳外科医クッシングに発見された下垂体病変のみを特にクッシング"病"と呼ぶ。
#[[ACTH単独欠損症]]: 下垂体前葉より分泌されるホルモンの中で、副腎皮質刺激ホルモンだけが分泌不良(ACTH↓)となり、二次性の[[副腎皮質機能低下症]]をきたす病気。新生児発症のものと成人発症のものがある。成人発症のものには自己免疫的機序によると思われる例が多い。副腎不全症状や、電解質異常、低血糖などにより発見されることが多い。治療はグルココルチコイドの補充である。
# [[乳汁分泌ホルモン産生腫瘍]]([[プロラクチン産生腫瘍]]、[[プロラクチノーマ]]、[[Forbes-Albright症候群]]、[[フォーブスオールブライト症候群]])
#: 乳汁分泌ホルモン産生腫瘍(にゅうじゅうぶんぴほるもんさんせいしゅよう)は、[[乳汁分泌ホルモン]]産生[[下垂体]][[腺腫]]。
50行目:
# 中枢性[[尿崩症]]
# 自己免疫性視床下部下垂体炎:リンパ球性下垂体前葉炎やリンパ球性漏斗下垂体後葉炎。
=== [[甲状腺]] ===
 
=== [[甲状腺]] ===
# [[甲状腺機能亢進症]]
## [[プランマー病]]([[Plummer病]]、[[Plummer disease]])
##: プランマー病(ぷらんまーびょう)は、[[良性]]の機能性[[甲状腺]][[腺腫]]。
##* 検査
60 ⟶ 59行目:
##** 治療
##**: [[良性腫瘍]]なので、根治療法として手術療法を行う。手術は、[[腫瘍]]を切除する。
## [[自己免疫疾患#代表疾患|バセドウ病]] (Graves'病)
# [[甲状腺機能低下症]]
# [[甲状腺炎]]
66 ⟶ 65行目:
## [[無痛性甲状腺炎]]
## [[慢性甲状腺炎]]([[橋本病]])
=== 副甲状腺 ===
 
===# [[副甲状腺機能亢進症]] ===
## [[原発性副甲状腺機能亢進症]]
##[[原発性副甲状腺機能亢進症]]
##: 副甲状腺の腺腫、過形成、癌などにより[[PTH]]の過剰分泌がおこる。
# [[副甲状腺機能低下症]]
 
=== 副腎 ===
# [[先天性副腎皮質過形成]](congenital adrenal hyperplasia;CAH)
83 ⟶ 80行目:
# [[褐色細胞腫]]
#: 副腎髄質からのカテコラミン分泌過剰
=== [[膵臓]] ===
 
=== [[膵臓]] ===
# [[糖尿病]]<!--膵臓のみではありません-->
# [[グルカゴン産生腫瘍]]([[グルカゴノーマ]])
104 ⟶ 100行目:
* 鉄 : [[ヘモクロマトーシス]]
* 銅 : [[肝レンズ核変性症]]
 
=== ポルフィリン症 ===
* 急性間欠性ポルフィリン症
*: [[急性間欠性ポルフィリン症]](きゅうせいかんけつせいぽるふぃりんしょう、[[:en:acute intermittent porphyria]]、AIP)は、[[ポルフィリン症]]の一種。
** 原因
**: 肝臓で[[ポルフォビリノーゲン]](以下[[PBG]])から[[ウロポルフィリノーゲン]](以下UROgen)を合成する[[酵素]]:[[ポルフォビリノーゲンデアミナーゼ]]の先天異常。[[常染色体優遺伝]]。肝性ポルフィリン症。
** 症状
*** 急性発作時
126 ⟶ 121行目:
****: 非発作時の尿(ブドウ酒色ではない)を呈色して、尿中PBGを検出する検査。
****: 特異度は高くない。
 
=== 尿酸代謝異常症 ===
* [[痛風]]
* [[HGPRT完全欠損症]]([[レッシュ・ナイハン症候群]])([[疾病及び関連保健問題の国際統計分類|ICD]]-10:E79.1)
*: HGPRT完全欠損症(えいちじーぴーあーるてぃーかんぜんけっそんしょう)は、[[プリン (化学)|プリン]]体[[代謝]][[酵素]]ヒポキサンチン-グアニン-フォスフォリボシルトランスフェラーゼ(以下HGPRT)の完全欠損症。
** 病態
137 ⟶ 131行目:
* [[APRT欠損症]]
* [[URAT1欠損症]](腎性低尿酸血症)は腎臓型[[尿酸]]トランスポーター欠損に伴い、尿酸再吸収が行われず、尿中への尿酸排泄が増加する。その結果低尿酸血症を来たし、[[尿路結石]]を合併しやすくなる。運動後急性腎不全も合併しやすい。治療は尿路結石の予防として飲水を増やす。運動後急性腎不全の予防としてビタミンCやビタミンEを投与したり、運動前に[[アロプリノール]]を投与することもある。
 
=== 電解質代謝異常症 ===
* [[高クロール血症]]
156 ⟶ 149行目:
**: 高カリウム血症は、細胞内カリウムとの平衡が血液側へ傾いたり、腎臓からのカリウム排泄が低下する事によって起こる。
** 代表疾患
*** [[自己免疫疾患#多腺性自己免疫症候群|多腺性自己免疫症候群II型]]
***: [[副腎皮質機能低下症]]より、[[鉱質コルチコイド]]の[[内分泌]]が低下して、高カリウム血症になる。
* [[低カリウム血症]](低K血症)(ICD-10:E87.6)
177 ⟶ 170行目:
*** [[抗利尿ホルモン不適合分泌症候群]]
***: [[抗利尿ホルモン]]の異常な分泌によってカリウムに比べて相対的に水の排泄が弱まり、血清カリウム濃度が低下する。
*** [[低カリウム四肢麻痺]]
***: 俗名:テタニン。急激に血液中にカリウムが排出されたことにより体細胞内のバランスが崩れ、手または足に強い痛みを起こす(発作)。大抵、カリウムの補充が出来ないと、歩行不能などの症状が起こり単独行動は激痛に感じる感覚により困難となる。
*** [[下痢]]
***: 便中にカリウムが排泄されるため、便の量が増加するために血清カリウムが減少する。
198 ⟶ 193行目:
*: 高マグネシウム血症(こうまぐねしうむけっしょう)は、[[血清]]中の[[マグネシウム]]濃度が高い状態。
* [[低マグネシウム血症]]
*: 低マグネシウム血症(こうていまぐねしうむけっしょう)は、[[血清]]中の[[マグネシウム]]濃度が低い状態。
* [[高ナトリウム血症]](高Na血症)(ICD-10:E87.0)
*: 高ナトリウム血症(こうなとりうむけっしょう)は、[[血清]]中の[[ナトリウム]]濃度が高い状態。
233 ⟶ 228行目:
== 検査 ==
=== 下垂体 ===
* 下垂体前葉機能検査
** 四者負荷試験
**: 下垂体前葉機能のスクリーニング検査。GRH, CRH, LHRH, TRHを同時に静注し、GH, ACTH, F, LH, FSH, TSH, PRLの経時的変化をみる。
* [[抗利尿ホルモン]]分泌能
** [[水制限試験]]
270 ⟶ 268行目:
|}
<!--****適応は、、費用は、リスクは、感度は、特異度は、-->
 
=== 耐糖能 ===
* [[OGTT]] - [[インスリン抵抗性#.E6.A4.9C.E6.9F.BB | HOMA-R]] -HOMA-β <ref>[[httpwikt://ja.wiktionary.org/wiki/HOMA-β]]</ref>{{出典無効|date=2021年4月|title=だれでも記載可能なウィクショナリーは典拠足りえません}}
* グルカゴン負荷試験 : [[グルカゴン]]を投与して[[血糖]]と血中CPR値を計る検査。
** 目的
291 ⟶ 288行目:
|1.0ng/mL未満||余力なし||インスリン療法が必要
|}
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
[[en:{{Commonscat|Endocrinology]]}}
* [[zh:內分泌]]
 
{{Medical-stub}}
{{医学}}
 
{{Normdaten}}
[[Category{{DEFAULTSORT:内科学|ないふんひつかく]]}}
[[Category:内分泌学|*]]
[[Category:内科学]]
 
[[Category:外科学]]
[[ar:علم الغدد الصماء]]
[[bg:Ендокринология]]
[[bn:অন্তঃস্রাববিদ্যা]]
[[bs:Endokrinologija]]
[[ca:Endocrinologia]]
[[cs:Endokrinologie]]
[[da:Endokrinologi]]
[[de:Endokrinologie]]
[[en:Endocrinology]]
[[eo:Endokrinologio]]
[[es:Endocrinología]]
[[et:Endokrinoloogia]]
[[eu:Endokrinologia]]
[[fr:Endocrinologie]]
[[he:אנדוקרינולוגיה]]
[[hr:Endokrinologija]]
[[hu:Endokrinológia]]
[[is:Innkirtlafræði]]
[[it:Endocrinologia]]
[[ka:ენდოკრინოლოგია]]
[[la:Endocrinologia]]
[[lt:Endokrinologija]]
[[ne:ग्रन्थिशास्त्र]]
[[nl:Endocrinologie]]
[[no:Endokrinologi]]
[[pl:Endokrynologia]]
[[pt:Endocrinologia]]
[[ro:Endocrinologie]]
[[ru:Эндокринология]]
[[sk:Endokrinológia]]
[[sl:Endokrinologija]]
[[sq:Endokrinologjia]]
[[sr:Ендокринологија]]
[[sv:Endokrinologi]]
[[tl:Endokrinolohiya]]
[[tr:Endokrinoloji]]
[[uk:Ендокринологія]]
[[zh:內分泌學]]