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{{韓国の事物
|title=ミヨックク
|picture=[[File:Miyeok-guk.jpg|
|alphabet-type=[[文化観光部2000年式|ローマ字]]転写
|alphabet=Miyeok-guk
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}}
'''ミヨックㇰ'''({{lang-ko-short|미역국}})は、[[朝鮮半島]]の
== 概要 ==
=== 歴史 ===▼
ミヨックㇰがいつ頃から食べられるようになったのかは定かではないが、ワカメそのものは古くから食べられていたと考えられている。ワカメが文献資料に現れるのは11世紀頃である。[[1123年]]に宋の徐兢が編纂した『[[宣和奉使高麗図経]]』に、身分の貴賤に関わらずワカメを多く消費しているという趣旨の記述がある。また、[[1451年]]に完成した『[[高麗史]]』には王が王子にワカメの漁場を賜ったとある{{Sfn|李|2005|p=20}}。『[[朝鮮王朝実録]]』の中の[[世宗 (朝鮮王)|世宗]]実録{{efn|在位:1418年 - 1450年}}には王家に男子が誕生するとワカメやノリなどの海藻類をとるための道具が下賜された記述があり、[[1600年]]頃に[[許筠]]が記した『屠門大嚼』にも早取りのワカメについての記述があ
[[李氏朝鮮]](1392年 - 1897年)の宮廷料理には'''藿湯'''(クァクタン)としてミヨックㇰ同様の料理が存在してたことが知られている<ref>{{
== 民俗の中のミヨックㇰ ==▼
=== レシピとバリエーション ===
ただし、ワカメはつるつるしていて滑りやすいことから、[[受験]]などの大切な試験の前にはミヨックㇰを食べることは縁起が悪いとされている{{R|学研|RC|IISE|川越}}。なお、{{ISO639言語名|ko}}においても「受験に失敗する」ことを日本語同様に「滑る」と言う{{R|IISE|川越}}。受験に失敗することを「ミヨックㇰを食べた」と表現することもある{{R|川越}}。▼
ワカメがメインの[[朝鮮料理]]。発祥の地は韓国。『Koreana』誌に掲載されたレシピの一例について述べる。鍋にごま油を引き、戻して水気を切った乾燥ワカメと牛肉をいためる。ワカメと牛肉から出汁が出たら水{{efn|より濃厚な味を出すため、煮干しの出し汁または米のとぎ汁、あるいはサゴルクッムル(牛骨を長時間煮込んだ濃厚な味のスープ)を使用してもよい}}を加え、朝鮮醤油と塩で味を付ける。30分以上煮込むと完成。出来立てを食べるよりも、うま味が溶け出している二回目・三回目の方が美味だとされる{{Sfn|ファン|2024|p=65-66}}。
牛肉に代えて[[アサリ]]や[[ムール貝]]、シオフキといった魚介類が使われることも多い<ref>{{Cite book|和書|title=新大久保コリアンタウンガイド: 電車で行けるソウル!韓食と韓流のすべて|author=八田靖史|publisher=晩聲社|year=2008|isbn=978-4-89188-343-0|page=86}}</ref>。ムール貝を用いたものは'''ホンハプミヨックㇰ'''、[[アマダイ]]を用いたものは'''オットムミヨックㇰ'''、[[ウニ]]を用いたものは'''ソンゲアルミヨックㇰ'''、カレイを用いたものは'''カジャミミヨックㇰ'''{{Sfn|桃井|2018}}、[[マガレイ]]を用いたものは'''チャムガジャミミヨックㇰ'''{{efn|チャムガジャミは「マガレイ」}}といったように呼び名が変わることもある{{Sfn|韓国農水産食品流通公社|2016}}。[[タチウオ]]を入れた'''カルチミヨックㇰ'''、干しだらを入れた'''プゴミヨックㇰ'''、[[アワビ]]を入れた'''チョンボクミヨックㇰ'''もある{{Sfn|ファン|2024|p=66-67}}。
▲== 歴史 ==
▲ミヨックㇰがいつ頃から食べられるようになったのかは定かではない。[[朝鮮王朝実録]]の中の[[世宗 (朝鮮王)|世宗]]実録には王家に男子が誕生するとワカメやノリなどの海藻類をとるための道具が下賜された記述があり、[[1600年]]頃に[[許筠]]が記した『屠門大嚼』にも早取りのワカメについての記述があることから、ワカメそのものは古くから食べられていたものと考えられている。ワカメは養殖技術が確立されるまでは高級食材であった{{R|学研}}。
▲== 民俗の中のミヨックㇰ ==
▲[[李氏朝鮮]]の宮廷料理には'''藿湯'''(クァクタン)としてミヨックㇰ同様の料理が存在してたことが知られている{{R|学研|黄}}。
朝鮮半島では「乳の出が良くなる」として、産後の女性にミヨックㇰを勧める習慣がある{{Sfn|桃井|2018}}<ref>{{Cite book|和書|title=にっぽん村のヨプチョン|author=朴重鎬|publisher=御茶の水書房|year=2003|isbn=978-4-275-00295-2|page=57}}</ref>。現在でも出産の準備にはワカメは欠かせないものとされており、妊婦が食べる干しワカメは広くて長いものを選び、値切らずに買う。買ったワカメを折ると難産になるというので折ることはない{{Sfn|李|2005|p=21}}。ここから転じて、自分を産んでくれた母への感謝を込めて誕生日に食べるスープとされている{{Sfn|桃井|2018}}{{Sfn|韓国農水産食品流通公社|2016}}。
▲ただし、ワカメはつるつるしていて滑りやすいことから、[[受験]]などの大切な試験の前にはミヨックㇰを食べることは縁起が悪いとされている
== 出典 ==▼
{{Reflist|refs=▼
== 脚注 ==
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
▲=== 出典 ===
=== 参考文献 ===
* {{Cite journal|和書|title=漁場の所有・利用形態―韓国のワカメ漁場を事例に―|author=李 善愛|ref={{SfnRef|李|2005}}|journal=宮崎公立大学人文学部紀要
|volume=12|issue=1|pages=17-31|date=2005-03-22|issn=1340-3613|naid=120005496354}}
* {{Cite web|和書|ref={{SfnRef|韓国農水産食品流通公社|2016}}|title=韓国人が高級なワカメを買う理由|url=https://web.archive.org/web/20160711024430/https://www.atcenter.or.jp/food/column/detail.php?rid=22
|publisher=韓国農水産食品流通公社|accessdate=2016-07-11}}
* {{Cite web|和書|url=https://web.archive.org/web/20190110183505/http://tabi.chunichi.co.jp/blog/busan/2018/10/004897.html
|title=誕生日にはミヨックク|date=2018-10-27|website=tabi.chunichi.co.jp|author=桃井のりこ|ref={{SfnRef|桃井|2018}}|accessdate=2019-01-10}}
* {{Cite journal|和書|author=ファン・ヘウォン|title=ちょっぴり塩辛く香ばしい海の味|ref={{SfnRef|ファン|2024}}|journal=Koreana|volume=31|issue=1|pages=64-67|publisher=The Korea Foundation|location=済州特別自治道西帰浦市|issn=1225-4592|year=2024}}
{{スープ}}
{{DEFAULTSORT:みよつくく}}
[[Category:朝鮮のスープ・鍋料理]]
[[Category:朝鮮の食文化]]
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