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[[ファイル:Halo Red Bull.jpg|thumb|right|300px|]]
'''Halo<ref>[https://www.fia.com/news/f1-why-halo-best-solution Why Halo is the best solution] - Federation Internationale de l'Automobile(2017年7月17日)</ref>'''は、[[レーシングドライバー]]の頭部を保護する目的で、[[フォーミュラカー]]の[[コクピット]]周辺に取り付けられる環状の[[防具|防護装置]]である。[[国際自動車連盟]] (FIA) が統括する[[フォーミュラ1]] (F1) などのフォーミュラカーレースにおいて、2018年以降順次導入が進められている。
 
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FIAの技術リストにおける部品名は'''AFP-Halo<ref name="fia_list">{{Cite web |date=2018-02-08 |url=https://www.fia.com/file/76307/download/20725 | title=Technical List n°62 - AFP-Halos according to FIA Standard 8869-2018 |format=PDF |publisher=Federation Internationale de l'Automobile |accessdate=2019-02-15}}</ref><ref>{{Cite news |title=CP tech, a Nedschroef company, first supplier to produce new cockpit protection system for Formula 1 |url=https://www.nedschroef.com/en/news/01-15-2018_i560_cp_tech_a_nedschroef_company_first_supplier_to_produce_new_cockpit_protection_system_for_formula_1/ |publisher=Nedschroef |date=2018-01-15 |accessdate=2019-02-15}}</ref>'''。AFPとは'''A'''dditional '''F'''rontal '''P'''rotection<ref>{{Cite news |title=SST Technology launches Titanium AFP-Halo |url=https://www.pmw-magazine.com/news/driver-safety/sstt-titanium-halo.html |newspaper=Professional Motorsport World |date=2018-01-25 |accessdate=2019-02-15}}</ref><ref>意訳すると「付加的な正面防護」。</ref>の略。F1技術規定における定義は”secondary roll structure<ref>{{Cite web |date=2017-09-21 |url=https://www.fia.com/file/64927/download/20785|title=ARTICLE 15.2 Roll structures|format=PDF |work=2018 FORMULA ONE TECHNICAL REGURATIONS |publisher=Federation Internationale de l'Automobile |accessdate=2019-02-15}}</ref>”(第二の[[ロールケージ|ロール]]構造<ref>インダクションポッド内のロールフープが第一のロール構造 (Principal roll structure) とみなされる。</ref>)である。FIAはCPテック(CP tech)、Vシステム(V System)、SSTテクノロジー(SST Technology)の3社を公認サプライヤーとしている<ref name=f1data/>。
 
素材は[[航空宇宙産業]]の分野でも用いられるグレード5の[[チタン|チタニウム]]<ref name="howto">{{Cite web |date=2018-03-18 |url=https://www.fia.com/news/how-make-f1-halo |title=How to Make an F1 Halo |publisher=Federation Internationale de l'Automobile |accessdate=2019-02-15}}</ref>。左右のメインループ部分、根元のブラケット2個、センターピラーの5つの部品を溶接して製作する<ref name="howto"/>。重量は[[スーパーフォーミュラ]]の場合、本体が6.94kg、取り付けのためのブラケット等を含めると7.98kgある<ref name=SF_TEST>“[http://www.as-web.jp/super-formula/396385?all スーパーフォーミュラSF19テスト:2台がハロを装着。山本尚貴「違和感なし」]”. オートスポーツWeb (2018年7月31日)</ref>。正面・左右の3箇所で静止荷重試験を行い、最大116[[キロニュートン]] (kN) の負荷に耐えられるなど一定の基準をクリアしなければならず、その強度は「2階建ての[[ロンドンバス]]を載せても耐えられる」と表現される<ref>“[https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-halo-london-bus-1003091/2131247/{{Cite web|title=ロンドンバスが乗っても大丈夫!? ハロ搭載という挑戦をメルセデス解説]”|url=https://jp. motorsport.com/f1/news/f1-halo-london-bus-1003091/2131247/ (|publisher=motorsport.com|date=2018年2月8日)-02-08 |accessdate=2024-06-23| archiveurl=https://web.archive.org/web/20190216035553/https://jp.motorsport.com/f1/news/f1-halo-london-bus-1003091/2131247/| archivedate=2019-02-16 | deadurl= no}}</ref>。なお、[[フォーミュラ3]] (F3) ではコスト削減のため重いスチール製のものになる。
 
== カテゴリ別の導入例 ==
[[ファイル:Räikkönen Ferrari SF71H Testing Barcelona (cropped).jpg|thumb|right|200px|空力フェアリングを取り付けたHalo(F1)]]
[[ファイル:Geneva International Motor Show 2018, Le Grand-Saconnex (1X7A1728).jpg|thumb|right|200px|Haloを装備したフォーミュラE新シャーシ Gen2]]
;[[フォーミュラ1|FIA フォーミュラ1世界選手権]]
:{{F1|2018}}シーズン開幕戦[[2018年オーストラリアグランプリ|オーストラリアGP]]より導入。F1レギュレーションでは、主構造から20mm以内の高さの範囲であれば空力付加物(ウィングレットやフェアリング等)を付与したり<ref>[https://jp.motorsport.com/f1/news/F1-FIA-%E7%A9%BA%E5%8A%9B%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A2%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B0-%E3%81%AE%E6%90%AD%E8%BC%89%E3%81%A7%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%81%AE%E8%A6%8B%E3%81%9F%E7%9B%AE%E3%81%AF%E8%89%AF%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%82%8B%E3%81%A8%E4%B8%BB%E5%BC%B5-935282/935282/ 【F1】FIA、”空力フェアリング”の搭載でハロの見た目は良くなると主張] - motorsport.com 2017年7月28日</ref>、バックミラーを取り付けることが認められている。
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FIA管轄外で独自の安全基準を設けている[[インディカー・シリーズ]]はHaloを採用せず、2019年の[[インディ500]]以降はコクピット正面にアドバンスト・フロンタル・プロテクション (Advanced Frontal Protection,'''AFP''') と呼ぶ突起状のチタン製部品を取り付けた<ref>“[https://www.as-web.jp/overseas/476416?all インディカー、デブリからドライバーの頭部を守る安全装置“AFP”をインディカーGPから導入]”. AUTOSPORT web (2019年4月29日). 2019年5月1日閲覧。</ref>。2020年より、レッドブル・アドバンスド・テクノロジーズ(RBAT)が開発したハーフキャノピー型の「エアロスクリーン」を正式採用する<ref>[http://www.as-web.jp/overseas/335711?all インディカー開発の“ウインドウスクリーン”に及第点を出すディクソン「致命的な問題はない」] - AUTOSPORT web(2018年2月10日)</ref><ref>“[https://jp.motorsport.com/indycar/news/power-after-a-day-youd-feel-naked-without-indycar-aeroscreen/4551726/ パワーとディクソン、エアロスクリーンに好感触「外すと裸になったような感じ」]”. motorsport.com (2019年10月3日). 2019年10月4日閲覧。</ref>。
 
一方でフォーミュラカー以外の車両(クローズドコックピットの車)にもHaloを導入する動きがあり、主な例として[[ハイパーカー]]の[[マクラーレン・ソーラスGT]]などがある。
 
== 歴史 ==
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[[ファイル:2017 British GP - Vettel's Ferrari SF70H with 'Shield' system (1) (edited).jpg|thumb|right|200px|[[フェラーリ・SF70H]]に装着された「シールド」(2017年イギリスGP)。]]
2017年にはFIAが風防型の「シールド」を公開し、Haloに代わって優先的に開発されることになった<ref>[http://www.topnews.jp/2017/04/26/news/f1/157504.html 【F1】頭部保護システム「ヘイロー」「エアロスクリーン」に代わり「シールド」が本命 まもなく登場] - TopNews(2017年4月26日)</ref>。しかし、[[2017年イギリスグランプリ|イギリスGP]]フリー走行でシールドを試した[[セバスチャン・ベッテル]]は1周でテストを打ち切り、「視界が歪んでいてめまいがした」「風を巻き込んでヘルメットが押された」と否定的なコメントを残した<ref>[https://jp.autoblog.com/2017/07/15/formula-1-shield-vettel-test/ 新考案されたF1の頭部保護デバイス「シールド」を初めてテストしたベッテル、「めまいがする」と指摘] - Autoblog(2017年7月16日)</ref>。翌週7月19日、F1ストラテジーグループは一転して2018年からF1にHaloを導入することを決定した<ref>[httphttps://www.afpbb.com/articles/-/3136312 頭部保護システム「Halo」、F1で2018年シーズンから導入決定] - AFPBB news(2017年7月20日)</ref>。FIAは安全面で最も優れていると説明したが、会議に出席した10チーム中9チームが反対したといわれており<ref>[https://www.as-web.jp/f1/143780/2 FIAが驚きの方針変更。F1コクピット保護デバイス“ハロ”を2018年に導入、“シールド”に見切り] - AUTOSPORTweb(2017年7月20日)</ref>、2018年に間に合わせるためにはこれ以外の選択肢がなかったという見方もある<ref>[https://www.as-web.jp/f1/144389?all 「FIAはハロを導入する以外に選択肢はなかった」とメルセデスF1] - AUTOSPORTweb(2017年7月25日)</ref><ref>[http://www.as-web.jp/f1/150834?all 外観が不評の“ハロ”をF1に採用せざるを得ないFIAの事情] - AUTOSPORTweb(2017年8月11日)</ref>。また同年からは[[フォーミュラ2|FIA F2]]においてもHaloが導入されることになった。
 
=== 導入後の事例 ===
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導入後、以下のようなアクシデントにおいてHaloがドライバーの安全性に一定の寄与を果たしていることが実証され、批判は沈静化した。
 
;マシンが接触等の要因で他のマシンに乗り上げた際、ドライバーの身体とマシンの接触を回避した事例
*2018年5月に行われたFIA F2第3戦スペインラウンドにおいて[[牧野任祐]]と[[福住仁嶺]]が接触事故を起こした際、福住のマシンが牧野の上に乗り上げたが、Haloがタイヤがヘルメットに接触するのを防ぐ機能を果たした<ref>[https://jp.motorsport.com/fia-f2/news/F2-makino-fukuzumi-halo-1038690/3094088/ ハロがその役割を果たした、スペインでの牧野×福住の接触] - motorsport.com 2018年5月18日</ref>。牧野は「ハロが役立った第1号が僕だと思います。ハロがなかったら頭に当たっていたと思いますよ」とコメントした<ref>“[https://www.as-web.jp/overseas/369767/2 牧野は着実に一歩前進、福住はエンジニアと連携が取れず不振にあえぐ/FIA F2第3戦スペイン]”. オートスポーツweb (2018年5月16日)</ref>。
*2018年8月の[[2018年ベルギーグランプリ|F1ベルギーGP]]では、スタート直後の多重クラッシュで[[シャルル・ルクレール (レーシングドライバー)|シャルル・ルクレール]]([[ザウバー]])の上を[[フェルナンド・アロンソ]]([[マクラーレン]])が飛び越え、ルクレール車のHaloには黒いタイヤ跡が残っていた<ref>[httphttps://www.afpbb.com/articles/-/3187327 ルクレール危機一髪、クラッシュに巻き込まれるも「Haloに助けられた」] - AFPBB・2018年8月27日</ref>。FIAの調査の結果、ルクレールはHaloのおかげで頭部への外傷を免れた可能性が高いと結論付けられた<ref>“[https://www.as-web.jp/f1/438120?all FIA「エアロスクリーンではルクレールを守れなかったはず」。スパでの大クラッシュ調査結果が明らかに]”. オートスポーツWeb (2018年12月11日)</ref>。
*2021年9月の[[2021年イタリアグランプリ|F1イタリアGP]]では、[[ルイス・ハミルトン]](メルセデス)と[[マックス・フェルスタッペン]](レッドブル)がシケインで交錯し、フェルスタッペンのマシンがハミルトンの上に跳ね上げられ、右後輪が[[ロールバー]]を乗り越えてHaloの上を通過した<ref>{{cite video |date=2021-09-14 |title=Hamilton, Verstappen, Horner And Wolff On The Collision... |{{!}} 2021 Italian Grand Prix |url=https://www.youtube.com/watch?v=4egdMwxAFl4 |format= |medium=YouTube公式チャンネル |language=英語 |publisher=FORMULA 1 |archiveurl= |archivedate= |accessdate=2021-09-14 }}</ref>。ハミルトンのヘルメットにタイヤが接触し、レース後首の痛みを訴えたものの、Haloに護られてタイヤの下敷きなる事態は免れた<ref>{{Cite web |和書|title=ハロがハミルトンの命を救った。メルセデス代表「なければ恐ろしい事故になっていたはず」 |url=https://jp.motorsport.com/f1/news/how-the-halos-london-bus-load-requirement-saved-hamilton/6667078/ |website=motorsport.com日本版 |date=2021-09-14 |accessdate=2021-09-14}}</ref>。ハミルトンは「今日はものすごく幸運だった。Haloに感謝する。Haloが最終的に僕を救ってくれたんだ。僕の首を守ってくれた」とコメントした<ref>{{Cite web |和書|title=ハミルトン「マックスは何が起きるか分かっていて引かなかった」クラッシュで身体を守ったヘイローには感謝/F1第14戦 |url=https://www.as-web.jp/f1/739307?all |website=autosport web |date=2021-09-13 |accessdate=2021-09-14}}</ref>。
*2022年7月のFIA F2のイギリスラウンドのレース2のターンにおいて、デニス・ハウガーと[[ロイ・ニッサニー]]が接触。ダメージを受け、コントロールを失ったハウガーのマシンは勢いをそのままに芝生を滑り、次のターン16の縁石で跳ね上がると、ターンイン中のニッサニーのマシンに乗り上げるかたちでクラッシュ。このクラッシュでは、ニッサニーのヘルメットとハウガーのマシンのフロアがかすめるアクシデントとなったが、ヘイローの存在が功を奏し、両者に怪我はなかった<ref>{{Cite web |和書|title=ウイリアムズ育成のサージェントが初優勝。岩佐はピットミスに泣く【FIA F2第7戦シルバーストン レース2】 |url=https://www.as-web.jp/overseas/834159?all |website=auto sport web |date=2022-07-03 |accessdate=2022-07-16}}</ref>。
 
;大きな衝撃のかかったクラッシュからドライバーを守った事例
*2020年11月の[[2020年バーレーングランプリ|F1バーレーンGP]]では、[[ロマン・グロージャン]]([[ハースF1チーム|ハース]])が他車と接触し、その弾みでガードレールに衝突し、爆発炎上する大事故が発生。真っ二つに折れたマシンの[[モノコック]]がガードレールを突き破ったが、グロージャンはHaloによって頭部を保護され、炎上するマシンから自力で脱出した。軽い火傷で済んだグロージャンは、ファンに無事を伝えるメッセージの中で「数年前の僕はHaloに反対していたけど、今はそれがF1にもたらした最高のものだと思っている」とコメント<ref>“[https://formula1-data.com/article/video-romain-grosjean-reporting-safe 動画:事故のロマン・グロージャン、病院で無事を報告…医療スタッフと”ヘイロー”に感謝]”. F1-Data.com (2020年11月30日)</ref><ref>“[https://jp.motorsport.com/f1/news/grosjean-convinced-halo-saved-his-life-in-bahrain-crash/4918546/ 大事故から生還のグロージャン、SNSでファンに無事を報告。“ハロ”の存在にも感謝]”. motorsport.com (2020年11月30日)</ref>。同じくHalo否定派だったチームメイトの[[ケビン・マグヌッセン]]も「あれがなかったら彼はこの世にはいなかっただろう」と効果を認めた<ref>“[http://www.topnews.jp/2020/11/30/news/f1/194005.html 「ハロがグロージャンを救った」とチームメートのマグヌッセン]”. Topnews (2020年11月30日)</ref>。
*2022年7月の上述のF2イギリスラウンドの事故の翌日に行われた[[2022年イギリスグランプリ|F1イギリスGP]]では、スタート直後の加速勝負での順位争いの過程で[[ピエール・ガスリー]](アルファタウリ)が加速勝負で順位を上げようとした際、[[周冠宇]](アルファロメオ)と[[ジョージ・ラッセル (レーシングドライバー)|ジョージ・ラッセル]](メルセデス)に挟まれる形となり、ガスリーとラッセルのマシンのタイヤ同士が接触。ラッセルのマシンはこの衝撃の反動で周のマシンのリアタイヤ付近に接触。周はぶつかった衝撃で上下逆さまになった状態でグラベルに飛び出し、タイヤバリアを飛び越え、観客席の前のフェンスに当たって止まった<ref>{{Cite web |和書|title=大クラッシュの周冠宇とアルボンに大きな怪我はなし。バリアを飛び越えた周「ヘイローに救われた」/F1イギリスGP |url=https://www.as-web.jp/f1/834341 |website=autosport web |date=2022-07-04 |accessdate=2022-07-06}}</ref>。安否不明な状況が続いたため、最悪の事態も想定されたが所属チームから「大きな怪我はなかった。現在メディカルセンターで観察下に置かれている」という報告がされ、周もレース後の取材で「今日はヘイローに救われた。安全性を向上させようとするあらゆる取り組みが本当に価値のある結果をもたらしてる事が示されたと思う」とコメントした<ref>{{Cite web |和書|title=ゾッとするF1イギリス事故動画とウラジミール・リスの写真、無事を報告する周冠宇とアレックス・アルボン |url=https://formula1-data.com/article/zhou-and-albon-reporting-safe-horror-accident-photo-by-vladimir-rys |website=formula1-data.com |date=2022-07-04 |accessdate=2022-07-04}}</ref>。この事故でマシンにかかった負荷の要因は複数あるものの、このような横転時にドライバーを保護する役割の一つでもあったロールバーが破壊されたものの<ref>{{Cite web |和書|title=ヘイローが周冠宇の命を救った一方……完全破壊されたロールバーには改善の余地ありか |url=https://jp.motorsport.com/f1/news/alfa-romeo-roll-hoop-likely-focus-of-zhou-f1-crash-investigation/10333228/ |website=motorsport.com日本版 |date=2022-07-05 |accessdate=2022-07-06}}</ref>、Haloやその他の安全構造物がドライバーを保護する結果となった。
*2021年9月の[[2021年イタリアグランプリ|F1イタリアGP]]では、[[ルイス・ハミルトン]](メルセデス)と[[マックス・フェルスタッペン]](レッドブル)がシケインで交錯し、フェルスタッペンのマシンがハミルトンの上に跳ね上げられ、右後輪が[[ロールバー]]を乗り越えてHaloの上を通過した<ref>{{cite video |date=2021-09-14 |title=Hamilton, Verstappen, Horner And Wolff On The Collision... | 2021 Italian Grand Prix |url=https://www.youtube.com/watch?v=4egdMwxAFl4 |format= |medium=YouTube公式チャンネル |language=英語 |publisher=FORMULA 1 |archiveurl= |archivedate= |accessdate=2021-09-14 }}</ref>。ハミルトンのヘルメットにタイヤが接触し、レース後首の痛みを訴えたものの、Haloに護られてタイヤの下敷きなる事態は免れた<ref>{{Cite web |title=ハロがハミルトンの命を救った。メルセデス代表「なければ恐ろしい事故になっていたはず」 |url=https://jp.motorsport.com/f1/news/how-the-halos-london-bus-load-requirement-saved-hamilton/6667078/ |website=motorsport.com日本版 |date=2021-09-14 |accessdate=2021-09-14}}</ref>。ハミルトンは「今日はものすごく幸運だった。Haloに感謝する。Haloが最終的に僕を救ってくれたんだ。僕の首を守ってくれた」とコメントした<ref>{{Cite web |title=ハミルトン「マックスは何が起きるか分かっていて引かなかった」クラッシュで身体を守ったヘイローには感謝/F1第14戦 |url=https://www.as-web.jp/f1/739307?all |website=autosport web |date=2021-09-13 |accessdate=2021-09-14}}</ref>。
*2022年7月のFIA F2のイギリスラウンドのレース2において、デニス・ハウガーとロイ・ニッサニーが接触。ダメージを受け、コントロールを失ったハウガーのマシンは勢いをそのままに芝生を滑り、ターン16の縁石で跳ね上がると、ターンイン中のニッサニーのマシンに乗り上げるかたちでクラッシュ。このクラッシュでは、ニッサニーのヘルメットとハウガーのマシンのフロアがかすめるアクシデントとなったが、ヘイローの存在が功を奏し、両者に怪我はなかった<ref>{{Cite web |title=ウイリアムズ育成のサージェントが初優勝。岩佐はピットミスに泣く【FIA F2第7戦シルバーストン レース2】 |url=https://www.as-web.jp/overseas/834159?all |website=auto sport web |date=2022-07-03 |accessdate=2022-07-16}}</ref>。
*F2イギリスラウンドの事故の翌日に行われた[[2022年イギリスグランプリ|F1イギリスGP]]では、スタート直後の加速勝負での順位争いの過程でピエール・ガスリー(アルファタウリ)が加速勝負で順位を上げようとした際、周冠宇(アルファロメオ)とジョージ・ラッセル(メルセデス)に挟まれる形となり、ガスリーとラッセルのマシンのタイヤ同士が接触。ラッセルのマシンはこの衝撃の反動で周のマシンのリアタイヤ付近に接触。周はぶつかった衝撃で上下逆さまになった状態でグラベルに飛び出し、タイヤバリアを飛び越え、観客席の前のフェンスに当たって止まった<ref>{{Cite web |title=大クラッシュの周冠宇とアルボンに大きな怪我はなし。バリアを飛び越えた周「ヘイローに救われた」/F1イギリスGP |url=https://www.as-web.jp/f1/834341 |website=autosport web |date=2022-07-04 |accessdate=2022-07-06}}</ref>。安否不明な状況が続いたため、最悪の事態も想定されたが所属チームから「大きな怪我はなかった。現在メディカルセンターで観察下に置かれている」という報告がされ、周もレース後の取材で「今日はヘイローに救われた。安全性を向上させようとするあらゆる取り組みが本当に価値のある結果をもたらしてる事が示されたと思う」とコメントした<ref>{{Cite web |title=ゾッとするF1イギリス事故動画とウラジミール・リスの写真、無事を報告する周冠宇とアレックス・アルボン |url=https://formula1-data.com/article/zhou-and-albon-reporting-safe-horror-accident-photo-by-vladimir-rys |website=formula1-data.com |date=2022-07-04 |accessdate=2022-07-04}}</ref>。この事故でマシンにかかった負荷の要因は複数あるものの、このような横転時にドライバーを保護する役割の一つでもあったロールバーが破壊されたものの<ref>{{Cite web |title=ヘイローが周冠宇の命を救った一方……完全破壊されたロールバーには改善の余地ありか |url=https://jp.motorsport.com/f1/news/alfa-romeo-roll-hoop-likely-focus-of-zhou-f1-crash-investigation/10333228/ |website=motorsport.com日本版 |date=2022-07-05 |accessdate=2022-07-06}}</ref>、Haloやその他の安全構造物がドライバーを保護する結果となった。
 
== 議論 ==