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}}
[[File:Basic Income Performance in Bern, Oct 2013.jpg|thumb|[[2013年]]には、[[2016年]]の[[スイス]]の[[:en:2016 Swiss referendums#Basic income referendum|ベーシックインカムに関する国民投票]](77%対23%で否決)を支援するために、[[ベルン]]の連邦広場に5[[サンチーム]][[硬貨]]800万枚(住民1人当たり1枚)が[[投棄]]された。]]
'''ベーシックインカム'''({{lang-en-short|'''''UniversalBasic basicIncome, income'''BI''', '''''basicUniversal Basic income'''''Income, '''UBI'''}} {{smaller|など}})は、[[最低限所得保障]]の一種で、[[政府]]が[[国民|全国民]]に対して<ref group="注釈">日本で一人月8万円のベーシックインカムを導入するのに消費税単独で約54%、所得税だけで賄うなら全労働者均一に約51%ほど。個人への徴税を財源にするのは、企業や高所得者はメリットのない高い税率の国から出てくことがヨーロッパの低税率やシンガポールなどへの移住でも証明されているため。政府が国民から、現状を上回る税を徴収して財源に充てる必要や、社会保障を廃止する目的でBIを主張している勢力もいるため賛否が分かれている。</ref><ref>「社会保障としてのベーシック・インカム」永嶋信二郎</ref> 、決められた額を定期的に預金口座に支給するという政策<ref>「革新する保守 」 寺崎友芳 扶桑社</ref><ref name="jcast">{{Cite news|url=httphttps://www.j-cast.com/2009/08/18047581.html|title=政府の年金運用は間違い 全員に毎月8万円一律に配れ(インタビュー「若者を棄てない政治」第2回/元ライブドア社長・堀江貴文さん)|newspaper=J-CASTニュース|publisher=[[ジェイ・キャスト]]|date=2009-08-18|accessdate=2009-11-28}}</ref><ref name="news">{{Cite news|author=[[藤沢数希]]|url=http://news.livedoor.com/article/detail/4278095/|title=ベーシックインカムの財源|newspaper= ニュースブロガー|publisher=[[ライブドア]]|date=2009-08-01|accessdate=2009-11-28}}</ref>{{Sfn|山森亮|2009|pp=21-22}}。<br />また、'''基本所得制'''(きほんしょとくせい)、'''基礎所得保障'''、'''基本所得保障'''、'''最低生活保障'''<ref name="Nikkei Switzerland">
{{cite news |url =httphttps://www.nikkei.com/article/DGXLASGM26H3D_X20C16A4EAF000/| title=スイス、6月に国民投票 「最低生活保障」導入巡り| publisher =日本経済新聞| date= 2016-04-27| accessdate =2016-04-27}}</ref>、'''国民配当'''<ref>関曠野 [http://bijp.net/transcript/article/27#chap001 title=「生きるための経済― なぜ、所得保証と信用の社会化が必要か ―」第2回ベーシック・インカム入門の集い講演録、2009年3月8日] 2010年8月29日閲覧</ref> や、頭文字をとって'''BI'''や'''UBI'''などともいう<ref name="nikkei">{{Cite web|和書|author=もり・ひろし|date=2009-10-23|url=http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091019/189431/?P=2|title=「ベーシックインカム」〜就労を問わない大胆な「所得保証」とは?|work=日経BPネット|pages=p. 2|publisher=日経BP社|accessdate=2009-11-28}}</ref><ref name="trendy">{{Cite web|和書|author=アイゾック|date=2009-10-01|url=http://trendy.nikkeibp.co.jp/tvote/poll.jsp?MODE=RESULT&POLL_ID=20091001|title=生活費がもらえる「ベーシック・インカム」とは?|work=日経トレンディネット|publisher=日経BP社|accessdate=2009-11-28}}</ref><ref name="ronten">{{Cite web|和書|author=文藝春秋編|authorlink=文藝春秋|date=2009-09-17|url=http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/sample/keyword/090917.html|title=ベーシック・インカム|work=[[日本の論点]]PLUS|publisher=[[ビットウェイ]]|accessdate=2009-11-28}}</ref><ref name="mri">{{Cite web|和書|author=白石浩介|date=2009-02-27|url=http://www.mri.co.jp/NEWS/column/today/2009/2006458_1636.html|title=ベーシック・インカムの課題|work=MRI TODAY|publisher=[[三菱総合研究所]]||archiveurl=http://www.mri.co.jp/NEWS/column/today/2009/2006458_1636.html|archivedate=2010-08-19|accessdate=2016-04-26
}}</ref><ref name="sanin">{{Cite news|url=http://www.sanin-chuo.co.jp/column/modules/news/article.php?storyid=509808034|title=ベーシックインカムの地下茎|newspaper=[[山陰中央新報]]|date=2009-02-02|accessdate=2009-11-28}}{{リンク切れ|date=2016年4月26日}}</ref><ref name="janjan">{{Cite news|author=土井彰|url=http://www.news.janjan.jp/government/0903/0903068828/1.php|title = 定額給付金をベーシック・インカム(最低保障)に|newspaper=[[JANJAN]]|publisher=日本インターネット新聞|date=2009-03-07|accessdate=2009-11-28}}{{リンク切れ|date=2016年4月26日}}</ref>。世界中で限定的なパイロットプログラムも始まっている。公的[[社会保障]]担当機関における[[賃金|人件費]]・管理運営費に余計にコストが掛かっていることに着目し、'''国民全員均一同額配布'''にすることで現行の審査と管理におけるコスト・負担を無くせる制度。現状の[[ワーキングプア]]層と少子化対策にもなるように世帯における人数が増えるほど受給金額増えるために多子世帯・少子化懸念者から賛成があり、支給金額をいくらにするかが議論になっている<ref name=":0">「ベーシックインカム入門: 無条件給付の基本所得を考える」山森亮 · 2009年</ref>。
 
== 概説 ==
[[国民]]の[[生存権]]を公平に支援するため、国民一人一人に無条件かつ定額で現金を給付するという政策構想。包括的な現給付の場合は[[配給 (物資)|配給]]制度であり、国民全員に無償かつ定期的に現金を給付するため[[社会主義]]的・[[共産主義]]と批判されることがあるが、ベーシックインカムは[[自由主義]]・[[資本主義]]経済で行うことを前提にしている場合が多い。ベーシックインカムの根底には、無知や怠惰といった社会悪の除去という目的がある。{{仮リンク|ダニエル・ラヴェントス|es|Daniel Raventós}}は、その目的のために法律化されるベーシックインカムは、[[世帯]]にではなく個人に対して支給されること、他の収入源から所得は考慮しないこと、仕事の成果や就労意欲の有無は問わないこと、という三つの原則に従わなければならないと主張している<ref name="Bauman">[[ジグムント・バウマン]] 『退行の時代を生きる:人びとはなぜレトロトピアに魅せられるのか』 伊藤茂訳 青土社 2018年 {{ISBN2| 978-4-7917-7113-4}} pp.129-140.</ref>。
[[国民]]の[[生存権]]を公平に支援するため、国民一人一人に無条件かつ定額で現金を給付するという[[政策]]構想。
包括的な現金給付の場合は[[配給 (物資)|配給]]制度であり、国民全員に無償かつ定期的に現金を給付するため[[社会主義]]的・[[共産主義]]と批判されることがあるが、ベーシックインカムは[[自由主義]]・[[資本主義]]経済で行うことを前提にしている場合が多い。ベーシックインカムの根底には、無知や怠惰といった社会悪の除去という目的がある。{{仮リンク|ダニエル・ラヴェントス|es|Daniel Raventós}}は、その目的のために法律化されるベーシックインカムは、[[世帯]]にではなく個人に対して支給されること、他の収入源から所得は考慮しないこと、仕事の成果や就労意欲の有無は問わないこと、という三つの原則に従わなければならないと主張している<ref name="Bauman">[[ジグムント・バウマン]] 『退行の時代を生きる:人びとはなぜレトロトピアに魅せられるのか』 伊藤茂訳 青土社 2018年 {{ISBN2| 978-4-7917-7113-4}} pp.129-140.</ref>。
 
新自由主義者からの積極的BI推進論には、ベーシック・インカムを導入するかわりに、生活保護・最低賃金・社会保障制度を消滅させ、福祉政策や労働法制を「廃止」しようという意図が根底に流れている<ref>http://www.opendemocracy.net/.../universal-basic-income-is-a...</ref>。<!--また、新自由主義者の平等観でBIを導入すると、富裕層に貧困層と同じ金額を支給するという悪平等も発生する。--><!--社会主義は独裁政権が税金の使い道を独断で決定する[[計画経済]]であるのに対し、ベーシックインカムは税金の使い道を国民一人一人が自由に決定できるため社会主義とベーシックインカムは真逆の考え方ととらえることもできる<ref name="npn" />--><!--社会主義も固定された給与(固定給)の範囲で自由に支出内容を選択できますので、出典はありますが、この記述は中立的ではなく演説的なものと考えます。その一方で社会主義の下で支給された固定給与の範囲での自由な支出内容の選択の支出先は、計画経済で生産された製品であるのが一般的なものと考えますが、それが「自由な支出内容の選択」なのかは判断が難しいと考えます。そういったことを踏まえ中立的な記述にすべきと考えます。-->
 
一方で、この考え方・思想に対しては古代ローマにおける[[パンとサーカス]]の連想から「国民精神の堕落」など倫理的な側面から批判されることがある。所得給付の額次第では給付総額は膨大なものになり、国庫収入と給付のアンバランスが論じられたり、税の不公平や企業の国際競争力の観点が論じられることもある。
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賃金補助制度の歴史は、1597年のイギリスにおける[[救貧法]]にさかのぼる。人々から救貧税を徴収し、文字通り貧民を救済する制度である。1601年にはエリザベス救貧法が制定され、救貧は地方ごとに行うのではなく、国家単位で行われることになる。
 
1795年 - 1834年には[[スピーナムランド制度]]が実施された。この制度は、一定基準以下の賃金労働者に、救貧税として徴収した額の中から生活補助金を支出するというものである。この制度の背景には、ナポレオン戦争と凶作によって農民の窮乏が深刻となったという事情があり、補助金の額は食料品(パン)の価格と家族の人数によって算定された。この制度は人道主義的な政策ではあったが、労働意欲を低下させ、救貧税負担を増大させ、また労働者の賃金下落を引き起こす結果となり、やがて廃止となった。
 
やがてBIの構想が18世紀末に出現した。BIの最初の提唱者は以下に挙げるトマス・ペインとトマス・スペンスの2人だと考えられる。
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彼ら二人が出現した後、19世紀にも断続的にBI構想が生じた。1848年に、ベルギーの思想家ジョセフ・シャルリエ([[:en:Joseph Charlier]])が、自著『自然法に基づき理性の説明によって先導される、社会問題の解決または人道主義的政体』において、地代を社会化・共有化しそれを財源するBIを構想した。また同年、[[J・S・ミル]]が自著『経済学原理』の中で、労働のできる人にもできない人にも、ともに一定の最小限度の生活資糧を割り当てるという案を示した。
 
シャルリエやミルがBIを主張した40年後の1888年には、米国の作家であり社会主義者の[[エドワード・ベラミー]]が、自著『顧みれば』の中でベーシックインカムに近いシステムを描いた。その内容は伊藤(2011)(2011)によると、以下のようだったとされる。“私企業に代わり、国家があらゆる財の唯一の生産者となった未来(2000年)のユートピア社会のあり方として、毎年、国民の生産のうちの各人の分け前に相当するクレジットが公の帳簿に記入されるとともに、各人にそれに対応するクレジット・カードが発行され、それによって共同体社会の公営倉庫からなんでもほしいものを、いつでもほしいときに買うことができる様子を描いていた。”この中には引用部分の冒頭にあるように、社会主義的な発想も含まれているため、自由競争を否定しない制度であるBIと必ずしも一致しない側面もあるが、それぞれの人に富を分配するという点ではBIと共通する。また、その分配の方法として現金ではなく「クレジット・カード」を発想したことは極めて斬新であり、この発想はBIの実施方法を考えるうえで、現金給付特有の問題を排除したい場合 などに有用であると考えられる。
 
やがて20世紀になるとBI構想を考える研究者が多く出現した。一般的な知名度は高くないが、BI構想の歴史を語るうえで欠かせないのがC・H・ダグラス([[:en:C. H. Douglas]])(1879-1952)である。彼は、自らの著書で社会信用論というシステムを発表し、月5ポンド の国民配当を提唱した。その財源は貨幣発行益である。当初、これに対して正統派の経済学者である[[ジョン・メイナード・ケインズ|ケインズ]]は否定的であったが、のちに肯定的な立場をとっている。
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== 利点 ==
ベーシックインカムは、[[年金]][[雇用保険]][[生活保護]]などの社会保障制度、公共事業を縮小・統廃合することにより、公平かつシンプルで「[[小さな政府]]」を実現するのに役立つといわれている<ref name="jcast" /><ref name="news" /><ref name="nikkei" /><ref name="trendy" /><ref name="ronten" /><ref name="sanin" />。
 
また、最低限の生活を保障するほど、市民は労働から解放され、企業も雇用調整を簡単に行うことができるようになり、雇用の流動性が向上し<ref name="trendy" /><ref name="ronten" />、富の格差は解消し、社会不安はなくなり、新産業創出などの効果があるという意見がある<ref name="news" /><ref name="nikkei" /><ref name="sanin" />。
 
=== 勤労貧困対策・勤労意欲の維持 ===
ベーシックインカムの最終的な目標は、一定の所得を無条件で保障することで、すべての国民が最低限以上の生活を送れるようにすることである<ref name="BIwakaru">{{Cite book|和書|author=ベーシック・インカム・実現を探る会|editor=ベーシック・インカム・実現を探る会|title=ベーシック・インカムがわかる本 Q&A入門編|url=http://bijp.net/data/article/137|publisher=ベーシック・インカム・実現を探る会}}</ref>。[[ワーキングプア]]問題への処方箋として期待する向きもある。ワーキングプアは、自己の年収が200万円を下回る貧困層の立場に置かれているものの、辛うじて生活保護を要するほど困窮した立場にはないとして、従来の社会保障制度では救済されない。ベーシックインカムを導入すれば、ワーキングプアにも社会保障を受ける機会を提供できるとされる。また現行の勤労意欲を減退させていて、脱却率が著しく低い生活保護に至る前に人々を救う「防貧」の効果がある。現行の生活保護や雇用調整助成金では働かない状態を維持するため受給の条件に下方修正している人がいる、負の動機付けや、交渉や制度の利用の得手、不得手から、適切な可否判断が難しい現行制度を是正出来るとの指摘がある<ref name=":0" />。
 
=== 少子化対策 ===
ベーシックインカムは[[負の所得税]]と異なり、世帯ではなく個人を単位として給付される。子供を増やすことは世帯所得増加に繋がるため、子供を産む[[インセンティブ (経済学)|インセンティブ]]となるために少子化対策となりうるという考えがある<ref name=":0" /><ref>[[橋本努]] 『自由の社会学』 [[エヌ・ティ・ティ出版]]、2010年、170頁。{{ISBN2| 978-4757142572}}。</ref>。
 
=== 家賃の低い地方の活性化 ===
ベーシックインカムの給付額は生活に必要な最低限といわれることが多い。全国一律であると仮定した場合、家賃の安い地方に生活するインセンティブになるという意見がある<ref name=":1">{{Cite web|和書|title=無条件で一定のお金を渡します!ベーシックインカム導入における5つの論点とは?|url=https://fledge.jp/article/basic-income|website=fledge.jp|accessdate=2021-11-18|language=ja}}</ref>。
 
=== 社会保障制度の簡素化 ===
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=== 行政コストの削減 ===
社会保障制度を簡素化できれば、それらの運用コストは簡素化に応じて削減される。これはベーシックインカムの導入目的の一つでもある。さらにベーシックインカム実現への課題の一つである財源問題は、現行の社会保障政策を全廃しベーシックインカムに一本化を行えば、財源となる予算の付け替えだけで済むため、同時に解決可能との意見もある<ref>{{Cite web|和書|url=http://nippon-dream.com/archives/PDF/20100226_yosan.pdf |title=第174回国会衆議院予算委員会2010年2月26日議事録|publisher=新党日本|format=PDF|accessdate=2010-10-20}}</ref>
さらにベーシックインカム実現への課題の一つである財源問題は、現行の社会保障政策を全廃しベーシックインカムに一本化を行えば、財源となる予算の付け替えだけで済むため、同時に解決可能との意見もある<ref>{{Cite web|url=http://nippon-dream.com/archives/PDF/20100226_yosan.pdf |title=第174回国会衆議院予算委員会2010年2月26日議事録|publisher=新党日本|format=PDF|accessdate=2010-10-20}}</ref>。
 
=== 余暇の充実 ===
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=== ブラック企業の撲滅・転職活動の容易化 ===
仕事を辞めてもBI給付によって、求職中も最低限の生活を送れるため、不本意な労働をしている人々が仕事を辞めることができる。それに伴い、劣悪な労働環境下で働く労働者に支えられてきた、いわゆるブラック企業が淘汰されていく。所得が保証されれば劣悪な労働環境で無理に働くことを継続する必要がなくなるため、[[違法性]]やグレーゾーンを含む劣悪な労働環境で労働者を働かせている[[ブラック企業]]倒産に追い込めると指摘されている<ref>{{Cite web|和書|title=ベーシックインカムのデメリットとは?導入事例から見る制度の問題点をFPが解説 (2020年7月6日) - エキサイトニュース(2/7)|url=https://www.excite.comanetasu.jp/news/article/Monetasu_12861961286196/ |website=エキサイトニューマネタ |accessdate=2021-11-18 |languagedate=ja2020-7-6}}</ref>。
 
=== 職業選択・チャレンジの容易化 ===
現在の社会制度の下では起業に失敗すると経済的に困難な状況に陥るが、ベーシックインカムが導入されていれば、もともと最低限の生活は保障されているため失敗を恐れる必要がなくなるという意見が有る。また学生が、生活していくためあるいは小遣い稼ぎのためにアルバイトにあてている時間を学問・研究に回すことにより学生の質を上げる。現状では、ごく[[一部]]の成功者だけしか生活が成立するだけの収入を稼げていない、[[芸術家]]・[[音楽家]]・[[作家]]などの[[職業]]を選ぶことも[[容易]]になる<ref>{{Cite web|url=http://www.mag2.com/p/news/294962/2|和書 |title=ネットがざわついた「ベーシックインカム」に希望はあるのか? - ページ 2 / 3 - |newspaper=[[まぐまぐニュース]] |accessdatedate=2017-10-1911 |author=中島聡 |url=https://www.mag2.com/p/news/294962/2/ |access-date=2023-6-18 |page=2}}</ref>。
 
=== うつ病を含む精神疾患の症状改善 ===
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== 欠点・議論・懸念 ==
=== 財源の不安 ===
人口が少なく豊富な天然資源があるなど、国家に極端に大きな歳入源があることで機能する制度との考えもある。ベーシックインカムはその財源をどこに求めるのかという点が議論の的となる。これについては[[#財源案]]を参照<ref>[https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=3013634 ベーシックインカム Universal Basic Income: A Review]. Social Science Research Network (SSRN). 2017.11.29</ref>。また、後述の通り働かない人が増えれば国家の歳入はそれだけ減る。すると政府はベーシックインカムを維持するためにますます税金を引き上げることになる<ref>{{Cite webnews|和書 |title=ベーシックインカムは日本を壊したい誰かの妄言。「働き損」で貧困層だけの国になると気づけ=鈴木傾城 {{!}}|newspaper=MONEY ページVOICE 4|date=2021-9-26 / 5|access-date=2023-1-3 |url=https://www.mag2.com/p/money/1104530/4/ |websitepage=マネーボイス |date=2021-09-26 |access-date=2023-01-03 |language=ja4}}</ref>。
==== 浪費への懸念 ====
ベーシックインカムが消費者金融からの借金や賭博に使われる可能性が懸念されている<ref name="BIwakaru" />。
==== 経費膨張の法則 ====
国家の経費はつねに膨張の圧力にさらされており、歳費削減問題は国庫の恒常問題である。主権者は国庫からの恩恵よりも国庫に対する義務をつねに過大に感じており、このことが財政需要を拡大させる。17世紀イギリスの[[ウィリアム・ペティ]]の時代から、国家経費の膨張あるいは冗費節減が指摘されてきた。[[アドルフ・ワーグナー (経済学者)|アドルフ・ワーグナー]]によれば、戦争や大不況、大災害など社会的動乱により「人々は平時には容認できないと考えていた租税水準と収入増加の方法を危機時には認めるようになり、この容認は動乱自体が収束しても存続する。」その結果、動乱が過ぎると支出は下落しているのにも関わらず政府はこれまで必要とされながらも増税をしてまでは行わなかった諸政策の実施を図るようになり、結果として高い水準での財政支出構造が維持される(転移効果)とする<ref>{{Cite journal|和書|author=吉田義宏、「[http |date=1988-02 |url=https://harphue.librepo.hiroshima-unii.ac.jp/huerecords/metadata/2543152 |title=「経費膨脹の法則」に関する研究について]」『 |journal=広島経済大学創立二十周年記念論文集』 1988年 p.127-140, |publisher=広島経済大学経済学会 |pages=127-140 |CRID=1050295757690925952}}</ref>。
 
==== 勤労意欲の低下 ====
「何もしなくても現金が手に入る」「生活できる程度の収入が手に入る」ということが分かっている上、働かねば働かないほど生活保障を厚くしてくれるというのであれば働かないでわざと困窮するのは合理的な判断になってしまうため、労働者の勤労意欲が低下し、無責任になる動機付けが起こる可能性があるという考えがある<ref>[[{{sfn|小沢修司]] 『「持続可能な福祉社会」とベーシック・インカム』 |2007|p. =60。</ref>}}
=== 大きな政府への批判 ===
[[濱口桂一郎]]は、「ベーシックインカムは、実は超中央集権である」「安易なベーシックインカム論は要するに『一君万民モデル』である。社会というのは何段階も経てまとまっていくもので、ある段階でおかしなところがあればそこを修正すればよい。一人の絶対的な権力を持つ皇帝がおかしくなれば弊害も大きくなる」「事業活動では業界があり、企業があり、個々の職場があるように複数の段階で構成されているが、それが実は大きなセーフティネットになっている。最後のセーフティネットとして生活保護がある。他の段階を全部なくして全部ベーシックインカムで統一しようというのは、いわば皇帝モデルに近い」と批判を述べている <ref>{{Cite web|和書|url=https://www.works-i.com/column/policy/detail017.html|title=濱口 桂一郎氏 『メンバーシップ型・ジョブ型の「次」の模索が始まっている』|author=リクルートワークス研究所|work=労働政策で考える「働く」のこれから|date=2018-03-06|accessdate=2021-06-09}}</ref>。
 
 
== 財源案 ==
[[山崎元]]の試算によれば[[年金]]・[[生活保護]]・[[雇用保険]]・[[児童手当]]や各種[[控除]]をベーシックインカムに置き換えることで、1円も増税することなく日本国民全員に毎月に4万6000円のベーシックインカムを支給することが可能であるとする。具体的には日本の[[社会保障]]給付費は平成21年度で総額99兆8500億円であり、ここから[[医療]]の30兆8400億円を差し引くと69兆円となる、これを[[人口]]を1億2500万人として単純に割ると月額4万6000円となる<ref>{{Cite journal |url=http://diamond.jp/articles/-/16672 |title=「ベーシックインカム」の誤解を解く|山崎元のマルチスコープ|journal=ダイヤモンド・オンライン|author=山崎元|date=2012-03-21 |accessdate=2012-03-22 }}</ref>。[[小沢修司]]も月額5万円程度のベーシックインカム支給ならば増税せずに現行の税制のままで可能と試算している<ref>{{Cite video |和書|url=https://www.nicovideo.jp/watch/sm9796325 |title=ベーシック・インカム(キリッ 朝までニコニコ生激論 2/3 ‐ ニコニコ動画|date=2010-02-21 |accessdate=2012-04-13 }}</ref>。
 
ベーシックインカムの支給額は日本では月額5万から15万円程度で議論されることが多く、様々な財源案が提起されている。一方で多くの提案の背景には租税徴収確保主義("集めれば良い")があり、民主主義と財産権の観点から課税の正当性を記述する必要がある(目的税)。
 
たとえば受益が課税の正当性の根拠だと安直に短絡している議論もあり、公的分配の背景に財産権の公的侵害がある場合、公平・公正の観点から、慎重かつ明確に政策目的とその限界が記述されるべきものである([[租税法律主義]]・[[租税公平主義]])。
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資産格差の是正を目的に相続・贈与税の極端な強化がしばしば提言されるが{{sfn|小飼|2009|pp=38-43}}、現在の社会経済体制を前提とすれば、公平性のあくなき貫徹というだけではなく他の税との差はあれども効率性その他の要因を配慮する余地がある。とくに自営業の再生産が維持できるインセンティブは必要である<ref>{{cite journal|和書|author=江見康一 |date=1980-06 |title=≪書評≫高山憲之著「不平等の経済分析」 |url=https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/data/pdf/sh160110.pdf |format=PDF |journal=[https://www.ipss.go.jp/syoushika/bunken/sakuin/kikan/sakuin4.htm 社会保障研究] |ISSN=03873064 |publisher=国立社会保障・人口問題研究所 |volume=16 |issue=1 |pages=112-115}}</ref>。社会主義では遺贈が法的に存在していないかのような誤解があるが旧ソビエト、ベトナム、中国でも相続権は存在しており、土地所有形態や課税体系と税率の問題である。とくに中国では2012年現在でも相続税(遺産税)は存在しない。課税についてはさまざまな[[節税]]策や[[租税回避]]、[[脱税]]行為などが不公正としてしばしば論じられる。
 
2020年に入り[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]への経済対策に端を発した給付金の実施などでベーシックインカムも導入の機運が高まっており、その有望な財源案として金融取引([[投機]]的短期取引)に超低率(1%以下程度)課税でも莫大な財源創出が見込める<ref>{{Cite web|和書|title=財源確保の切り札?トービン税再び静かに浮上>加谷珪一氏の解説 {{!}} 国際連帯税フォーラム|url=http://isl-forum.jp/archives/3001|website=isl-forum.jp|accessdate=2020-10-23}}</ref>[[金融取引税]]や[[トービン税]](通貨取引税)などが浮上し、日本も含め世界的に一部の有識者や政治家などの間で導入の議論が始まっている。金融の投機的取引での莫大な金融所得が現在の超富裕層を生み出している主な要因であるが、これらの富裕層への直接的な高率の金融所得課税強化は抵抗が大きいが、この金融取引段階での課税は超低率の課税で導入の抵抗もはるかに少ないと考えられ、投機の抑制と格差是正にも貢献するメリットがある。しかし、この税の非導入国への投機的金融資本逃避などの懸念から効果を発揮させるためには全世界での協調導入([[国際連帯税]]として)が必要である。
 
=== 政府紙幣 ===
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貨幣発行益を財源としてベーシックインカムを実施する場合、新たな増税が必要ないという考えであり、また同時にインフレーションが起こるという意見である(インフレーション税)。インフレーション税の場合わざわざ政府紙幣を発行する必要はなく、恒常的に長期国債を累積的に発行し、それを中央銀行に引き受けさせても良い。
 
国宗浩三によれば<ref>{{cite book|和書|author=国宗浩三 |year=2010 |title=第I部 歳入(税収)と再分配における制度設計と改革 第5章 インフレ税,成長に伴う通貨発行益 (シニョリッジ)と途上国財政 |series=研究双書 583 ; 開発途上国と財政-歳入出,債務,ガバナンスにおける諸課題- |publisher=日本貿易振興機構アジア経済研究所 |pages=135-165 |url=httphttps://doi.org/10.20561/00042399 |isbn=9784258045839}}</ref>、通貨発行益の増大を行政府がはかったばあい、誘惑に負けて巨額の貨幣発行を行うことの経済的帰結は明らかであり、インフレの発生、インフレ率の高騰、それに伴う経済社会の混乱である。またインフレは貨幣需要をへらすため(通貨保有による「課税」を逃れるため)、結局は通貨発行益を減らすことになるとする。
 
一方で、とくに開発途上など持続的な経済成長をともなく経済においては、経済の成長に伴う貨幣需要に見合っただけの通貨を追加的に供給することにおいては、通貨発行はインフレの要因にはならず税源としての通貨発行益が期待できるとする。経済にはタダ飯(フリーランチ)は無いのが普通であるが、経済成長に伴う通貨発行益は数少ない例外であり、通貨発行益を主な財源としてあてにするのは大きな間違いであるが、経済成長が続くかぎり(とくに発展途上国にとっては)安定的な補助的財源としては優秀なものだとする。
137 ⟶ 134行目:
中国の経済構造はこの点で特筆すべきものがあり、中国政府の財政における通貨発行益は非常に高く、GDP比5%を超えている。しかしインフレ税に頼る比率は約3割にすぎず、7割は成長にともなう果実としての通貨発行益である。ただしこれが今後も続くかどうかと言う点については慎重であるべきで、経済システムが成熟するにしたがって貨幣選好は低下し相対的な貨幣発行益は減少する可能性がある。
 
[[森永卓郎]]によると赤ちゃんから老人まで全国民に一律月額7万円給付すると財源は100兆円くらいかかるが、通貨発行益が450兆円あるので20年くらいは一切増税せずに給付できると試算している<ref>{{Cite webnews|url=https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190618-00010000-abema-bus_all&p=3和書 |title="年金”2000万円”問題で森永卓郎氏「安倍総理は増税延期と衆院解散を発表すると思う。私ならベーシックインカムを導入する」(AbemaTIMES) -|newspaper=ABEMA TIMES Yahoo!ニュース"|accessdatedate=2019-066-18 |url=https://times.abema.tv/articles/-/7006861/ |access-date=2023-6-18}}</ref>。
 
=== 資源 ===
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貨幣発行益が財源の場合、高所得層も低所得層も所得が増大するので、どちらの消費需要も高まるという意見がある。しかし日本のように高度に金融資本の発展した経済ではインフレ税(信用の裏づけの無い通貨による景気刺激策)そのものは荒唐無稽な思考実験に近い論述であり、一部の論者の経済学的思考実験にとどまっている。インフレ税採用の宣言により従来の発行済み国債の価値は経時的に低減してゆくことになるため、信用秩序に与える影響は予測できない。インフレ税導入論の背後には日本経済破局論や根拠のない略奪税(租税徴収確保主義)の主張が含まれている可能性がある。
 
ただし、類似の論調としては、[[政府国庫短期証券]]を累次発行し為替介入を続け、円売り外債買いをつづけることで恒常的な通貨売り(インフレ)をもたらし、かつ外債運用益を財源にすべしとの案も提案されている(政府系ファンド論)。もっとも2009年現在での外貨準備運用はせいぜい年2.9兆円程度<ref>決算ベース。日本経済新聞2010年8月22日</ref> であり、しかも受け取りは外貨建てであり財源として期待できる規模は限定的である。また恒常的な自国通貨売りは典型的な[[近隣窮乏化策]]であるため、IMFを始めとする従来の国際自由貿易体制に許容される可能性は低い(ないしは対象国から対抗介入され無効化される可能性がある)。
 
ケインズ経済学の知見では、技術進歩や資本蓄積によって、生産力が十分に高まった先進国の経済では、潜在的な供給量が常に過剰であり、需要不足ゆえの失業が常に生じる<ref name="Keynes_General">{{Cite book|和書|author=J.M.ケインズ|authorlink=ジョン・メイナード・ケインズ|translator=[[塩野谷祐一]]|title=雇用・利子および貨幣の一般理論|origdate=1995-03|publisher=東洋経済新報社|isbn=9784492312186|quote=社会が豊かになればなるほど、現実の生産と潜在的な生産との間の差はますます拡大する傾向にあり、したがって経済体系の欠陥はますます明白かつ深刻なものとなる}}</ref>。この場合、消費の呼び水となるベーシックインカムは雇用拡大の有力な手段に成りうる。
 
== 日本における動向 ==
日本でベーシックインカム導入を[[マニフェスト]]に盛り込んでいる政党は、[[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]、[[国民民主党 (日本 2020)|国民民主党]]、[[NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で|NHK受信料を支払わない国民を守る政治家女子48党]]、[[緑の党グリーンズジャパン]]、[[つばさの党]]である<ref name="ISHIN">
{{Cite web|和書|url=https://o-ishin.jp/shuin2021/ishin_manifesto.pdf|title="衆院選マニフェスト2021 身を切る改革、実行中。"|accessdate=2021-10-15}}</ref><ref name="DPFP">
{{Cite web|和書|url=https://new-kokumin.jp/wp-content/themes/dpfp/files/DPFP-Policies-Pamphlet2.pdf|title="国民民主党 重要政策2021"|accessdate=2021-10-21}}</ref><ref name="NHK1">
{{Cite web|和書|url=https://www.nhkkara.jp/%E5%9F%BA%E6%9C%AC%E6%94%BF%E7%AD%96/|title="基本政策 | NHKから国民を守る党"|accessdate=2020-11-11}}</ref><ref name="NHK2">
{{Cite web|和書|url=https://www.syoha.jp/%E9%81%B8%E6%8C%99/|title="衆議院選挙 公約"|accessdate=2021-10-24}}</ref><ref name="gj">
{{Cite web|和書|url=http://greens.gr.jp/2013kokkai_info/7740/|title="【政策】2013年参院選公約「いのちをつむぐ緑のプロジェクト」 | 緑の党"|accessdate=2013-07-01}}</ref><ref name="オリーブの木">
{{Cite web|和書|url=https://oliveparty.jp/policy/|title="地方から草の根革命を!オリーブの木共通政策"|accessdate=2019-06-20}}</ref>。
 
=== 現存する政党 ===
177 ⟶ 174行目:
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| [[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]
| 衆院選マニフェスト2021にて「「チャレンジのためのセーフティネット」構築に向けて、給付付き税額控除またはベーシックインカムを基軸とした再分配の最適化・統合化を本格的に検討し、年金等を含めた社会保障全体の改革を推進します。」と記している<ref name="ISHIN" />。しかし2023年7月には支給金額の引き下げなど政策の修正を検討すると表明し<ref>{{Cite news|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230722/k10014139321000.html|title=維新 馬場代表「ベーシックインカム」支給金額見直しなど検討|work=NHK NEWSWEB|agency=[[日本放送協会|NHK]]|date=2023-07-22|accessdate=2023-10-12}}</ref>、10月には実現のための財源など具体的な部分の削除を検討すると報じられるなど、財源の根拠を問われることを念頭に置いた修正を余儀なくされている<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20231011/k00/00m/010/301000c|title=ベーシックインカム具体案、維新が削除調整 政策パッケージ巡り|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2023-10-11|accessdate=2023-10-12}}</ref>。
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| [[国民民主党 (日本 2020)|国民民主党]]
185 ⟶ 182行目:
|[[NHK党]]
| 2021年衆議院選挙公約にて「ベーシックインカムの導入/賛成 ベーシックインカムは既に破綻している年金制度の補完としての役割のほか、地方創生、雇用問題など様々な問題に寄与すると考えています。」<ref name="NHK2" />
基本政策にて「わたしたちNHKNHKから国民を守る党は、ベーシックインカム(国民全員に一定額を支給する制度)を導入することに賛成しています。一定額が支給されることにより、何度でも失敗可能なチャレンジ型社会に変え、綻びのみえる年金制度や生活保護制度を抜本的に変えられると考えています。また、ブラック企業などの雇用問題や少子化対策などの教育問題など、多岐にわたる様々な社会問題を解決する一石になると考えています。」と記している<ref name="NHK1" />。
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| [[緑の党グリーンズジャパン]]
197 ⟶ 194行目:
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| [[立憲民主党 (日本 2020)|立憲民主党]]
| 「所得再分配機能の回復、ライフスタイルに中立で公平な税制の構築、労働力人口増加を促す成長戦略などの観点などから、人的控除の整理を含め、まずは「所得控除から税額控除へ」の転換を図り、さらには「税額控除から給付付き税額控除へ」と税体系を変えていくことを提起します。私たちはこれを日本型ベーシックインカム(基礎的所得保障)構想と呼ぶこととします。」と記している<ref name="com">{{citeCite web|和書|url=https://shugiin.go2senkyo.com/votematches/qa|title=選挙ドットコム - 第49回 衆議院選挙 投票マッチング|accessdate=2022-6-22}}</ref>。
|-
| [[日本共産党]]
| 「ベーシック・インカムの考え方は、憲法2525条に規定された国民の生存権などにてらして、積極的な意味を持っており、検討に値すると考えています。わが党は、最低保障年金の創設を提案していますが、これは、年金保険料の支払いの有無を問わず、最低月5万円を給付し、それに払った保険料に応じた額を上乗せするというものです。これは、ベーシック・インカムの考え方に近いものです。」と記している<ref name="com"/>
|-
| [[社会民主党 (日本 1996-)|社会民主党]]
| 「少子高齢化や社会保障の切り捨てが進むなかで、現在の年金・福祉制度では生きていけない人々が大量に生じてくることが想定される。すべての人に生活に必要な収入を保証するというベーシック・インカムの考え方は生存権の保障につながり基本的に賛成できる。」と記している<ref name="com"/>。
|-
| [[れいわ新選組]]
| 山本太郎代表は「ベーシック・インカムというのは(万人にとって)響きがいいが、社会保障をほとんどカットするような手法には反対する。(そのような手法ならば例えば)難病疾患者や障害者は生きていけなくなる。今ある社会保障を削らずに加えて給付したいが、限界があるから現実的な政策ではない。」と語っている<ref>[https://www.youtube.com/watch?v=tR5zdX96PFw "【山本太郎】一番ヤバいのが竹中平蔵的ベーシックインカム"] れいわ新選組公式チャンネル YouTube 2022年7月7日配信 2024年5月26日閲覧</ref>。
| 「コロナ脱却給付金として1人当たり毎月20万円の現金給付を行います。人暮らしの生活費を保障するには、最低20万円が必要。」と記している<ref name="com"/>。
|}
 
217 ⟶ 214行目:
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| [[維新の党]]
| 基本政策にて「給付付き税額控除制度の導入を通じた最低生活保障(ミニマムインカム)の実現。」と記している<ref>{{Cite web|和書|url=http://ishinnotoh.jp/policy/policydetail/|title="基本政策|政策|維新の党"|accessdate=2014-09-22}}</ref>。
また関連政党である[[大阪維新の会]]は維新八策の最終案にて「ベーシックインカム的な考え方」の検討と記されておりベーシックインカムそのものの導入ではなく「資産・所得制限のある年金制度」と「現物支給中心の生活保護」を導入するとしている<ref>{{Cite webnews|和書 |title=【主張】維新八策 疑問に応える責任がある |newspaper=MSN産経ニュース |date=2012-7-7 |url=http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120707/plc12070703080006-n1n2.htm |titleaccess-date="維新八策2012-7-8 疑問に応える責任がある"|accessdatearchive-date=2012-077-0813 |archive-url=https://web.archive.org/web/20120713023309/http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120707/plc12070703080006-n2.htm |page=2}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120706-OYO1T00355.htm?from=main1 |title="「地方発」の改革掲げる 維新八策を正式発表" |accessdate=2012-07-08 |deadlinkdate=2023-6}}</ref>。[[橋下徹|橋下]]代表も「現金を一律に給付するわけではない」と明言しており本項で解説するベーシックインカムと大阪維新の会のベーシックインカムは大きく異なっているため注意が必要である<ref>{{Cite tweet|number=221865398042234880|user=hashimoto_lo|title=午後4時16分投稿のツイート|access-date=2023-06-18|date=2012-07-08}}</ref>。
[[橋下徹|橋下]]代表も「現金を一律に給付するわけではない」と明言しており本項で解説するベーシックインカムと大阪維新の会のベーシックインカムは大きく異なっているため注意が必要である<ref>{{Cite web|url=https://twitter.com/t_ishin/|title="橋下徹 (t_ishin)さんはTwitterを使っています"|accessdate=2012-07-09}}</ref>。
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| 旧[[希望の党 (日本 2017)|希望の党]]
| [[第48回衆議院議員総選挙|2017年衆院選]]政策パンフレットに「ベーシックインカム導入により低所得層の可処分所得を増やす。」「格差が極大化するAI(人工知能)時代を念頭に、基礎年金、生活保護、雇用保険等をBI(ベーシックインカム)に置き換えることを検討する。所得税増税と差引きすると、低所得者は給付増、高所得者は負担増となる。」と記している<ref name="kibou">{{Cite web |和書|url=https://kibounotou.jp/pdf/policy.pdf |title=希望の党 政策について|date=2017-10-06 |publisher=希望の党|accessdate=2017-10-07}}</ref>。
なお2018年結党の新しい[[希望の党 (日本 2018)|希望の党]]はベーシックインカムを公約にはしていない。
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| [[国民の生活が第一]]
| 2012年11月25日に発表した第2次基本政策検討案にて「ベーシックインカムの導入を検討する」としていた<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.seikatsu1.jp/images/user_files/kentouan_2.pdf|title="第2次基本政策検討案"|accessdate=2012-12-02}}</ref>。
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| 旧[[国民民主党 (日本 2018)|国民民主党]](※2020年結党の新しい[[国民民主党 (日本 2020)|国民民主党]]とは異なる。)
237 ⟶ 233行目:
# 現行の社会保障給付(保険、手当、扶助)に於ける、現金給付部分(年金、生活保護、失業保険等)に関して抜本的な統合を図ると共に、障害者、母子・父子家庭には積極的加算を実施する。
# 年金受給資格者には、既に4年前から新党日本が提唱する、毎月の積立実績と将来の支給金額を明確に印字する年金通帳を導入した上で、これまでの積立金額、積立期間に応じて年金支給総額を明示し、その総額を保証すると共に、一括給付か毎月のBIへの上乗せか、選択制とする。
# 裁量行政の象徴的存在の社会保険庁、各自治体の福祉事務所は役割を終える為、順次、これを廃止する<ref name="npn">2009年に行われた[[第45回衆議院議員総選挙]]において。{{Cite web|和書|url=http://www.nippon-dream.com/?page_id=175 |title=ベーシックインカムについて|publisher=新党日本|accessdate=2010-10-20}}</ref>。
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| [[自由党 (日本 2016-2019)|生活の党]]
| [[第24回参議院議員通常選挙|2016年参院選]]公約にて「最低保障年金のあり方を含め、生活をしっかり支えるベーシックインカム制度の導入を進めます」と記載している<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.seikatsu1.jp/special/2016sangiin/manifest |title=2016年参議院議員選挙公約|accessdate=2016-07-11}}</ref>。また[[第23回参議院議員通常選挙|2013年参院選]]公約にて「税財源の最低保障年金と社会保険の所得比例年金の構築により、年金制度一元化を図る」「社会保障制度を見直し、公平・公正な所得再分配を行い、貧困、低所得層への給付を適切化する。また、ベーシックインカム制度の導入を検討する」と記載している<ref name="plp">{{Cite web|和書|url=http://www.seikatsu1.jp/activity/party/act0000093.html|title="生活の党「参院選公約 2013」、幹事会で決定 | 生活の党"|accessdate=2013-06-25}}</ref>。
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| [[民進党]]
| 基礎控除、配偶者控除、扶養控除の3つの所得控除を税額控除に変え、税額控除しきれない税額分がある低所得者には、その人が負担しなければいけない年金保険料や医療保険の保険料など社会保険料の負担軽減に充てるとしこれを「日本型ベーシックインカム」と呼んでいる。
民進党の「日本型ベーシックインカム」では「現金を給付することは考えていない」としている為、本項で解説するベーシックインカムとは大きく異なる<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.minshin.or.jp/article/110657/%E3%80%90%E8%AA%9E%E3%82%8B%E3%80%91%E7%A8%8E%E5%88%B6%E3%81%AB%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%BF%9D%E9%9A%9C%E7%9A%84%E3%81%AA%E6%A9%9F%E8%83%BD%E3%82%92%E6%8C%81%E3%81%9F%E3%81%9B%E3%82%8B%E3%80%80%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%9E%8B%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0%E6%A7%8B%E6%83%B3%E3%82%92%E6%8F%90%E5%94%B1%E3%80%80%E5%8F%A4%E5%B7%9D%E5%85%83%E4%B9%85%E7%A8%8E%E5%88%B6%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E4%BC%9A%E9%95%B7%E3%80%80|title="【語る】税制に社会保障的な機能を持たせる 日本型ベーシックインカム構想を提唱 古川元久税制調査会長"|accessdate=2017-02-01}}</ref>。
|-
| [[みんなの党]]
| 2013年参院選公約にて「年金は積立方式への移行を検討」「低所得者層への給付つき税額控除方式を導入。また生活保護制度の不備・不公平、年金制度との不整合等の問題を段階的に解消し、最終的には基礎年金と生活保護を統合したミニマムインカムを創設する」と記載しているが、このミニマムインカムはベーシックインカムとは異なり全国民に無条件で現金を支給することが記載されていない<ref name="your">{{Cite web|和書|url=http://www.your-party.jp/%E3%82%A2%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%802013%EF%BC%88%E5%85%A8%E4%BD%93%E7%89%88%EF%BC%89.pdf|title="アジェンダ2013みんなの政策(全体版)"|publisher=みんなの党|accessdate=2013-07-01}}</ref>。みんなの党所属議員も「ミニマムインカムとベーシックインカムは違います」と述べている<ref name="yourmini">{{Cite web|和書|url=httphttps://twitterx.com/UmedaNobutoshi|title="梅田信利【みんなの党葛飾区議会議員】"|accessdate=2011-11-11}}</ref>。
|-
| [[結いの党]]
| 主要政策にて「「給付付き税額控除」によりミニマムインカム(最低生活保障)を担保。」<ref name="yuinotoh">{{Cite web|和書|url=http://www.yuinotoh.jp/policy/|title="主要政策 | 結いの党"|accessdate=2013-12-19}}</ref>。
|}
 
=== 2017年衆院選に候補者を擁立した政党に対する意識調査 ===
[[2017年]]の[[第48回衆議院議員総選挙]]に候補者を擁立し[[政党助成法]]の政党要件を満たした8政党に対して、ベーシックインカムに関する意識調査が行われた<ref>{{Cite web|和書|url=https://seiji.yahoo.co.jp/senkyo/match/party/result/|title=政党との相性診断 衆議院選挙2017|publisher=Yahoo!みんなの政治|accessdate=2017-10-14}}</ref>。[[民進党]]と[[自由党 (日本 2016-2019)|自由党]]は政党助成法の政党要件を満たしているものの候補者を擁立しなかった為調査の対象外となった。
 
{| class="wikitable"
297 ⟶ 293行目:
 
=== 2010年参院選政党所属候補者に対する意識調査 ===
[[2010年]]の[[第22回参議院議員通常選挙]]に立候補した候補者に対して、ベーシックインカムに関する意識調査が行われた<ref name="saninsen">{{Cite web|和書|url=http://politics.news.livedoor.com/election2010/question/?q=10 |title=立候補者意識調査「Q10.ベーシック・インカム導入に |publisher=Livedoorニュース |accessdate=2011-1-3 |website=参議院選挙2010 立候補者意識調査 |publisherarchive-url=https://web.archive.org/web/20100714032703/http://politics.news.livedoor.com/election2010/question/?q=10 ニュース|accessdatearchive-date=20112010-017-0314}}</ref>。
 
この調査から同じ政党にベーシックインカム賛成派と反対派の両方が所属していることがわかる。
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== 世界における動向 ==
=== スイスの所得制限のあるベーシックインカム導入を問う国民投票 ===
* [[スイス]]にて、エノ・シュミット氏が成人国民に月額2,500スイスフラン(約28万円)、未成年者には月額625スイスフラン(約7万円)のベーシックインカムを給付するかどうかを決める国民投票が[[2016年]]6月5日に行われる予定。制度に必要な費用の大半が税金によってまかなわれる。制度導入に伴って年金や失業手当などの社会保障制度の一部を打ち切りベーシックインカムに一本化する。国民投票が可決されると、収入が月額2,500スイスフラン未満の人にベーシックインカムが支給されることになるが、政府や経済界は猛反対している。支給額は国民投票が可決された後に法律で決めるため、実際に成人28万円、未成年7万円となるかは不透明<ref name="Nikkei Switzerland" /><ref>{{cite news|和書 |url =httphttps://gigazine.net/news/20160201-switzerland-national-wage/ | title="働かなくても毎月30万円もらえる所得保障制度導入の是非を決める国民投票がスイスで行われることに - GIGAZINE| publisher =| date= 2016-022-01|1 |accessdate =20162023-026-0118 |newspaper=GIGAZINE}}
</ref>。
 
* スイスで提案されているベーシックインカムは本項で解説するベーシックインカムとは異なり所得制限が存在する。具体的には就労による収入が月額2,500スイスフランに満たない国民に月額2,500スイスフランまで給付する制度である。そのため収入が月額2,500スイスフラン以上ある人はベーシックインカムがもらえず、また収入が月額2,500スイスフラン未満でも就労収入がある人はベーシックインカムが減額されるため、高所得者や中間層の支持を得にくい制度であり、事前の世論調査では反対派が賛成派を上回っている<ref>{{cite news|和書 |url =http://business.newsln.jp/news/201605121050300000.html| |title="スイス、ベーシックインカム導入の可否を決める国民投票を6月5日に実施へ - BusinessNewsline| publisher =| date= 2016-055-12| |accessdate=2016-5-13 |newspaper=BusinessNewsline |archive-date=2016-055-13 |archive-url=https://archive.is/YyWYD/ |first=James |last=Jackson}}
</ref>。
 
* 2016年6月5日、ベーシックインカム導入の是非を問う国民投票がスイスで行われ、投票率46.3%、賛成23.1%、反対76.9%で否決となった。連邦政府は、制度導入に係る巨額税源不足と経済競争力低下の懸念を表明しており、国民の支持も広がらなかった<ref>[httphttps://www.nikkei.com/article/DGXLASGM05H2U_V00C16A6FF8000/|スイス「最低生活保障」否決へ 国民投票、働く意欲低下懸念] 日本経済新聞、2016年6月5日。</ref>。
{| class="wikitable"
|-
490 ⟶ 486行目:
 
=== イタリアにおける低所得者層へのベーシックインカム導入政策 ===
2018年6月に発足したイタリアの[[ジュゼッペ・コンテ]]政権は当初から低所得者層へのベーシックインカム導入を公約として掲げており、同年12月末にはBI導入を盛り込んだ次年度予算案を成立させた<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO39582770Q8A231C1I00000/|title=イタリア19年予算成立 財政悪化懸念なお強く|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2018-12-30|accessdate=2019-01-04}}</ref>。2019年からは、実際に制度が開始された<ref>{{Cite web |和書|date=2019-06-13 |url=https://president.jp/articles/-/29003 |title="年金開始62歳"で大混乱のイタリア経済 |publisher=2019-06-13プレジデントオンライン |accessdate=2019-06-18}}</ref>。
 
=== 2020年アメリカ合衆国大統領選挙 ===
[[2020年アメリカ合衆国大統領選挙]]の[[民主党 (アメリカ)|民主党]]予備選挙に「18歳以上64歳以下の全ての米国民に月額1000ドルを支給する」ことを公約にした[[アンドリュー・ヤン]]が立候補した<ref>{{Cite web |和書|date=2019-09-11 |url=https://forbesjapan.com/articles/detail/28373|title=米大統領選で「ベーシックインカム」提案し注目の異色候補|publisher=フォーブス ジャパン|accessdate=2019-09-11}}</ref>。国の関与を最小限にする[[小さな政府]]が理想とされてきたアメリカにおいては異色の主張であり、注目を浴びることとなった<ref>{{Cite web |和書|date=2019-08-30 |url=https://tocana.jp/2019/08/post_110196_entry.html |title=米大統領トップ候補アンドリュー・ヤンが「超巨大宇宙ミラー」で気候変動防止を提言! 注目アジア系候補の仰天環境プランとは!? |publisher= tocana|accessdate=2019-09-22}}</ref>。27人が立候補し混戦となっている民主党大統領候補予備選挙にてアンドリュー・ヤンは2019年9月時点で支持率6位につけている<ref>{{Cite web |date=2019-09-11 |url=https://www.270towin.com/2020-democratic-nomination/|title=2020 Democratic Presidential Nomination|accessdate=2019-09-11}}</ref>。
 
=== ベーシックインカム導入実験 ===
* [[オランダ]]の[[ユトレヒト]]で2016年1月から試験的に導入する<ref>{{cite news |language = | author = | url =httphttps://www.huffingtonpost.jp/2015/07/12/dutch-basic-income-experiment_n_7782056.html| title="ベーシック・インカム"必要最低限の給付をオランダで実験「幸福度が増す」| publisher =| date= 2015-07-13| accessdate =2015-10-12}}</ref>。
* [[フィンランド]]の2015年総選挙でベーシックインカムを公約とする[[フィンランド中央党|中央党]]が第一党になり、中央党、フィン人党、国民連合党による[[保守]]・[[中道右派]]連立政権が誕生しベーシックインカム導入実験の実施に向けた準備が進んでいる。実験内容はまだ確定していないが、都市、農村、さまざまな経済状況を反映した複数の候補地を選び、大規模な実験を行う可能性が高く、[[2017年]]に実施し、期間は[[2018年]]まで国家レベルで初めて実験的に導入<ref>2020年7月6日中日新聞朝刊{{Full citation needed|date=2023-6}}</ref> 給付額は月額800ユーロ(日本円で約10万6400円)との情報がある<ref>{{cite news |和書 |url =httphttps://blogosnews.yahoo.co.comjp/articlearticles/15191452de5065fe515495406bf6b6b8ae2412ab1ba816/| |title=フィンランドでベーシックインカム導入と“誤報” 実際の進ちょく状況は?| publisher =| date= 2015-12-26| |accessdate =20162023-026-0318 |newspaper=[[THE PAGE]]}}</ref>。フィンランドは2年間BIの実験を行なった。失業者2000人を無作為に選び、月当たり560ユーロを支給した。その実験でBIをもらっていた群はBIをもらっていない群と比べて就業復帰の意欲が増すことはなかった。結局フィンランドは、失業給付を受けている人々が就業復帰を拒んだ場合にはより厳しい制裁を課すというアプローチに切り替えた<ref>{{Cite web
|author = Tim Wyatt
|date = 8 Feb 2019
505 ⟶ 501行目:
| accessdate = 9 Feb 2019}}</ref>。
 
* [[カナダ]]の[[オンタリオ州]]は2016年度の州予算案により法案の提出準備入りを発表した<ref>{{cite news |language和書 =| author = | url =http://business.newsln.jp/news/201603072050050000.html | title =カナダのオンタリオ州政府、ベーシックインカムの試験的支給で準備入り| publisher =| date= 2016-033-10| |accessdate=2016-4-29 |newspaper=BusinessNewsline |last=Jackson |first=James |archive-url=https://archive.is/1tr4p/ |archive-date=2016-044-29}}</ref>。2017年4月から、貧困線以下で生活する4000人に、3年間、支給される<ref>{{Cite [httpnews|和書 |title=貧困層にベーシックインカム試験導入、カナダ・オンタリオ州 |newspaper=AFP通信 |date=2017-4-26 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3126368]/ |access-date=2023-6-18}}</ref>
 
=== マカオ ===
[[マカオ]]では[[カジノ]]による莫大な税収を市民に還元するという名目で、毎年1万[[マカオ・パタカ]]を現金給付している<ref name="nikkei2013">{{citeCite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASGM12044_U3A111C1EB1000/|title=マカオ、市民へ現金給付継続  カジノ税収潤沢で|date=2013-11-14|publisher=[[日本経済新聞]]|accessdate=2019-07-26}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.fnn.jp/articles/-/4327|title=消費税0%0%で、住民には年12万円のボーナス。中国のマカオが発展した理由|date=2018-11-24|publisher=[[FNN]]|accessdate=2019-07-26}}</ref>。
 
== ベーシックインカムに類する一時金制度例 ==
ベーシックインカムに類似した給付を実施している国は少数だが存在する。ただし、その多くば天然資源の輸出による外貨収入を配分・給付するものであり、勤労所得で財政収支を均衡させている先進国および中進国で恒常的に制度化している例はない。以下の制度は年齢制限があったり、支給される金額が多すぎるまたは少なすぎるなど[[新党日本]]や[[緑の党グリーンズジャパン]]のベーシックインカムと異なる点があるが、ベーシックインカムに近い制度が実際に導入されている。
* [[日本]]
** 2020年[[日本における2019年コロナウイルス感染症による社会・経済的影響|新型コロナウイルス感染症による経済的影響]]への緊急対策として実施された[[特別定額給付金]]は、野党の[[国民民主党 (日本 2018)|国民民主党]]が「全国民への現金10万円一律給付」を盛り込んだ経済政策を発表し[[立憲民主党 (日本 2017)|立憲民主党]]や[[社会民主党 (日本 1996-)|社会民主党]]が賛同、後に与党からも[[公明党]]が賛同し[[自由民主党 (日本)|自由民主党]]が野党の提案を受け入れる形で実現した。住民基本台帳に記録されている者1人につき10万円一回限り行うもの。給付単位が個人ではなく[[世帯]]となっている点がベーシックインカムと異なる<ref>[https://www.nhk.or.jp/politics/articles/statement/32104.html 新型ウイルス “国民1人当たり10万円給付を”]-NHK</ref><ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57388980Q0A330C2PP8000/{{Cite news|和書 |title=消費税5%に下げ、自民若手が声明  全国民に10万円も] |newspaper=日本経済新聞 |date=2020-3-30 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57388980Q0A330C2PP8000/ |access-date=2023-6-18}}</ref>。
** 2009年自民党の麻生政権で実施された[[定額給付金]]は、原則給付対象者1人につき12,000円の給付を一回限り行うもの。ただし「選挙の票目的のバラマキ」と批判され単回の実施に留まる。
** 2010年6月から2011年9月までの[[子ども手当]]。2011年10月以降の子ども手当は[[民主党 (日本 1998-2016)|民主党]]・[[自由民主党 (日本)|自民党]]・[[公明党]]の3党合意により、ベーシックインカム的な要素が少なくなっている。さらに2012年6月以降はこれに所得制限が加わりベーシックインカムとはかけ離れた制度になる<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.asahi.com/politics/update/0804/TKY201108040836.html|title="児童手当復活、年収960万円で所得制限 負担大幅増も"|publisher=朝日新聞|accessdate=2011-10-07}}</ref>。
** 民間企業が行っている来店[[ポイントサービス|ポイント]]は、現金と同様に買い物時に利用できる<ref>{{Cite web|和書|
url=http://www.softbank.jp/mobile/point/saving/softbank-shop/|
title="ソフトバンクショップに来店して貯める"|
accessdate=2015-03-09}}</ref><ref>{{Cite web|和書|
url=http://www.itoyokado.co.jp/spe/chirashi_application/|
title="イトーヨーカドーのチラシアプリ"|
525 ⟶ 521行目:
* [[ナミビア]]のOtjivero-Omitara村の60歳以下の住人930人が対象。
* [[ブラジル]]の[[サンパウロ州]]のカチンガ・ヴェーニョという100人程度の農村。
* [[カナダ]]の[[マニトバ州]][[{{仮リンク|ドーフィン (カナダ)|en|Dauphin, Manitoba|label=ドーフィン]]}}で1974年から1979年にかけて行われた「[[:en:MINCOME]]」と呼ばれる実験が行われた。
* [[中華人民共和国|中国]]で2020年に行われた[[中国人民銀行]]と[[深圳市]]が[[デジタル人民元]]を市民5万人に200人民元給付した実験。
*
以下の4つの制度は天然資源を財源にしているため[[持続可能性]]は低い。そのため資源の枯渇と同時に制度の維持が困難になる。
* [[アラスカ]]の『アラスカ・パーマネント・ファンド(アラスカ永久基金)』。[[州]]レベルの実施。潤沢な天然資源から得られる税収を財源としている。2022年度の支給額は一人当たり年3,284ドル(約43万4000円)<ref>{{Cite web|url=https://pfd.alaska.gov/|title=Permanent Fund Dividend / 2022 DIVIDEND AMOUNT|publisher=State of Alaska: Department of Revenue|accessdate=2023-01-11}}</ref>。
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様々な[[社会問題]]は「お金がなくなることへの恐怖」であり、生きていく分に十分な30万円という金額を給付することで、「お金がなくなることへの恐怖」を無くすことで、自然と社会問題が消えてなくなると主張。「お金が儲かるから」、「少しでもコストダウンのため」と'''経済合理性'''で判断するいまの社会から、一人一人が環境全体のことを考える'''環境合理性'''で判断できるようになり、ダイナミックな社会変化が起こると提示している。
 
沖縄ではもともと「ゆいまーる」や「ぬちゃーしー」という助け合いの精神があり、ベーシックインカムをスタートさせる場所として適しているという<ref>{{Citation|title=「沖縄でベーシックインカムが実現したら」沖縄県知事選挙に出馬した渡口初美先生の提唱する新しい資本主義 ”無条件のベーシックインカム(UBI)”|url=https://www.youtube.com/watch?v=VTbKsWDN31c|language=ja-JP|access-date=2022-06-14}}</ref><ref>{{Cite web |和書|title=沖縄県知事候補 渡口初美 特設サイト |url=https://www.toguchihatumi2.com/ |website=「正直、公正、ベーシックインカム。」 |access-date=2022-06-14 |language=ja-JP}}</ref>
 
[[NHKから国民を守る党]]代表[[立花孝志]]は2019年10月27日投開票の[[補欠選挙|参議院埼玉県選挙区補欠選挙]]の候補者アンケートに「ベーシックインカム制を導入すべき」と回答しており、また同年11月10日投開票の[[海老名市長選挙|海老名市長選]]では「[[日本放送協会|NHK]][[NHK受信料|受信料]]を不払いしているご家庭には年間5万円を支給します!」と公約を掲げた。
556 ⟶ 551行目:
* {{JPN}} - [[日本維新の会 (2016-)|日本維新の会]]<ref name="ISHIN" />
* {{JPN}} - [[国民民主党 (日本 2020)|国民民主党]]<ref name="DPFP" />
* {{JPN}} - [[NHK党|政治家女子48党]]<ref name="NHK1" /><ref name="NHK2" />
* {{JPN}} - [[緑の党グリーンズジャパン]]<ref name="gj" />
* {{JPN}} - [[つばさの党]]<ref name="オリーブの木" />
564 ⟶ 559行目:
* {{GBR}} - [[スコットランド緑の党]]
* {{ITA}} - [[五つ星運動]]<ref>{{Cite web|url=http://www.globalpost.com/dispatch/news/regions/europe/italy/130218/europe-italy-elections|title="Europe hangs on Italian elections | GlobalPost"|accessdate=2013-03-05}}</ref>
* {{AUT}} - [[:de:Piratenpartei Österreichs|オーストリア海賊党]]<ref>{{Cite web|url=https://www.piratenpartei.at/bedingungsloses-grundeinkommen/|title="Bedingungsloses Grundeinkommen - Piratenpartei Österreichs"|accessdate=2014-03-11}}</ref>([[液体民主主義]]によると82%がベーシックインカムに賛成している)<ref>{{Cite web|url=https://lqfb.piratenpartei.at/initiative/show/922.html|title="Das bedingungslose Grundeinkommen - Initiative i922 - Liquid · Piratenpartei Österreichs"|accessdate=2014-03-11}}</ref>
* {{AUT}} - [[オーストリア共産党]]<ref>{{Cite web|url=http://www.kpoe.at/home/positionen/themen-archiv/grundeinkommen.html|title="KPÖ: grundeinkommen"|accessdate=2014-03-11}}</ref>
* {{AUT}} - [[緑の党 (オーストリア)|緑の党-緑の選択肢]]
576 ⟶ 571行目:
* {{KOR}} - [[進歩新党]]<ref>進歩新党公式HPの政治綱領政策に「すべての市民に一定レベルの収入を保証するベーシック・インカム制度を推進する」と記載{{Cite web|url=http://www.newjinbo.org/service/company.php|title=":::: 평등, 생태, 평화, 연대 진보신당 ::::"|publisher=進歩新党|accessdate=2012-04-01|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090530031744/http://www.newjinbo.org/service/company.php|archivedate=2009年5月30日}}</ref>(進歩新党と合党した旧[[社会党 (韓国)|社会党]]もベーシックインカムを支持していた)
* {{GRE}} - [[急進左派連合]](現物給付つきベーシックインカムを提唱している)<ref>{{Cite web|url=http://binews.org/2012/06/greece-left-wing-party-syriza-advocates-a-basic-income/|title="Greece: Left-wing party SYRIZA advocates a basic income | Basic Income News"|accessdate=2012-06-16}}</ref>
* {{CHE}} - [[スイス緑の党]](2016年のベーシックインカム導入を問う国民投票で賛成するよう呼びかけている)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.swissinfo.ch/jpn/%EF%BC%92%EF%BC%90%EF%BC%91%EF%BC%96%E5%B9%B4%EF%BC%96%E6%9C%88%EF%BC%95%E6%97%A5%E3%81%AE%E5%9B%BD%E6%B0%91%E6%8A%95%E7%A5%A8_%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0%E5%B0%8E%E5%85%A5%E6%A1%88%E3%81%AF%E5%90%A6%E6%B1%BA%E3%81%AB%E5%82%BE%E3%81%8F%E3%81%8B-%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB%E7%B5%90%E6%9E%9C/42127844|title="ベーシック・インカム導入案は否決に傾くか 世論調査結果 - SWI swissinfo.ch"|publisher=|accessdate=2016-05-03}}</ref>
* {{SWE}} - [[緑の党 (スウェーデン)|環境党緑]](スウェーデンは世界一福祉が充実した国として知られるが、従来型の福祉では先端部門での雇用確保ができず福祉が機能不全に陥るとして環境党緑はベーシックインカムを提唱している)<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.rieti.go.jp/jp/events/bbl/10042601_resume.pdf|title="生活保障の再生とアクティベーション"|publisher=宮本太郎(北海道大学)|accessdate=2011-04-15}}</ref>
* {{ESP}} - [[ポデモス]]<ref>{{Cite news|和書 |title=なぜ今ベーシックインカムなのか 第2回:「ベーシックインカム」という考え方 同志社大学・山森亮教授 |newspaper=THE PAGE |date=2014-7-18 |url=https://news.yahoo.co.jp/articles/0770ff67b213577dfb67bd17dc2f8324e7e22d4b?page=2 |access-date=2023-6-18 |page=2}}</ref>
* {{ESP}} - [[ポデモス]]<ref>{{Cite web|url=http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20140718-00000020-wordleaf-nb&p=2|title="生活保障の再生とアクティベーション"|publisher=山森亮教|accessdate=2014-12-17}}</ref>
* {{DEU}} - [[ドイツ海賊党]]<ref name="germany">{{Cite web|url=http://www.wen-waehlen.de/btw09/parteien/thesen_1089.html|title="Die Parteien und die These: Langfristig soll ein Bürgergeld bzw. bedingungsloses Grundeinkommen eingeführt werden."|accessdate=2011-05-02}}</ref>(党大会でベーシックインカムを[[2013年]][[ドイツ連邦議会]]選挙のマニフェストに取り入れるべきか採決を行い、その結果66.9%の賛成票を得た)<ref>{{Cite web|和書|url=http://www.net--election.com/news_ajeGFNOatg.html|title="ドイツ海賊党、今年の政党大賞に決定!?"|publisher=ネット選挙ドットコム|accessdate=2011-12-10}}</ref>
* {{DEU}} - [[左翼党 (ドイツ)|左翼党]]<ref name="germany" />
* {{DEU}} - [[:de:Partei für Soziale Gleichheit, Sektion der Vierten Internationale|社会主義平等党]]
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* {{DEU}} - [[:de:Die Violetten – für spirituelle Politik|紫の党]]
* {{DEU}} - [[:de:Bergpartei, die „ÜberPartei“|山の党]]
* {{NZL}} - [[ニュージーランド労働党]](二大政党の片翼であり次の総選挙で政権公約として掲げるかの検討に着手した)<ref>{{Cite webnews|和書 |title=ニュージーランド労働党、ベーシックインカムの導入の政権公約化で検討入り |newspaper=BusinessNewsLine |date=2016-3-15 |url=http://www.businessnewsline.com/news/201603150339460000.html |access-date=2016-3-29 |last=Jackson |first=James |archive-url=https://archive.is/ScXS0/ |archive-date=2016-3-29}}</ref>
* {{FRA}} - [[海賊党(フランス)]]([[2012年フランス議会総選挙]]の任意政策にて積極的連帯手当・家族手当・住宅手当・失業給付を統合しベーシックインカムに置き換えるとし、年齢や身分に関係なくすべての国民に最低限の生活を送るのに必要な金額を毎月支給するとしており本項で解説しているベーシックインカムに忠実な内容である)<ref>{{Cite web|url=http://legislatives.partipirate.org/2012/les-autres-mesures/|title="Les autres mesures | Le site du Parti Pirate pour les élections législatives 2012"|accessdate=2013-02-14}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=http://homepage3.nifty.com/ngtk/Ngtk_JI2_Pirate_party.pdf|title="フランスの海賊党と2012 年国民議会選挙"|accessdate=2013-02-14}}</ref>
|url=http://www.businessnewsline.com/news/201603150339460000.html
|title="ニュージーランド労働党、ベーシックインカムの導入の政権公約化で検討入り - BusinessNewsline"
|accessdate=2016-03-29}}</ref>
* {{FRA}} - [[海賊党(フランス)]]([[2012年フランス議会総選挙]]の任意政策にて積極的連帯手当・家族手当・住宅手当・失業給付を統合しベーシックインカムに置き換えるとし、年齢や身分に関係なくすべての国民に最低限の生活を送るのに必要な金額を毎月支給するとしており本項で解説しているベーシックインカムに忠実な内容である)<ref>{{Cite web|url=http://legislatives.partipirate.org/2012/les-autres-mesures/|title="Les autres mesures | Le site du Parti Pirate pour les élections législatives 2012"|accessdate=2013-02-14}}</ref><ref>{{Cite web|url=http://homepage3.nifty.com/ngtk/Ngtk_JI2_Pirate_party.pdf|title="フランスの海賊党と2012 年国民議会選挙"|accessdate=2013-02-14}}</ref>
* {{FRA}} - [[共和国連帯]]<ref name="france">{{Cite web|url=http://binews.org/2011/09/france-three-condidates-to-propose-basic-income/|title="FRANCE: Three Presidential Candidates to propose Basic Income|3=Basic Income News"|accessdate=2011-09-20|archiveurl=https://web.archive.org/web/20141006070756/http://binews.org/2011/09/france-three-condidates-to-propose-basic-income/|archivedate=2014年10月6日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>([[2012年フランス大統領選挙]]にベーシックインカムを提案する候補者が出馬予定であったが推薦人が集まらず出馬を断念)
* {{FRA}} - [[キリスト教民主党(フランス)]]<ref name="france" />(2012年フランス大統領選挙にベーシックインカムを提案する候補者が出馬予定であったが現職の[[ニコラ・サルコジ|サルコジ]]大統領支持を表明し出馬を撤回)
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=== ミニマムインカム ===
みんなの党のアジェンダに記載されている政策で具体的な内容はアジェンダには全く記載されていないが、みんなの党[[衆議院]][[議員]]の[[柿沢未途]]の発言によると「最低生活費をまず算定し、収入との差額を給付する形」「無条件での一律の現金支給であるべきではない」としており[[生活保護]]や[[負の所得税]]に近い主張をしている<ref name="your" /><ref>{{Cite web|和書|url=httphttps://twitterx.com/310kakizawa|title="柿沢未途(みんなの党・衆議院議員)"|accessdate=2011-10-08}}</ref>。
 
2013年秋、スイスでベーシックインカムの導入を訴える10万人の署名が集まり、その可否を問う国民投票が行われる予定であると報道されたが<ref>{{Cite web|url=http://www.businessweek.com/articles/2014-01-16/inequality-fight-swiss-will-vote-on-minimum-income|title="The Swiss Join the Fight Against Inequality"|accessdate=2014-03-09}}</ref>、その一連の報道の中ではミニマムインカムとベーシックインカムは同じ意味で用いられた。
679 ⟶ 671行目:
{| class="wikitable" style="font-size:x-small"
|-
|+ベーシックインカムと他の現金支給型の制度との比較<ref>立岩真也・斉藤拓『ベーシックインカム-分配する最小国家の可能性-』 [[青土社]]、2010年、325頁。{{ISBN2| 978-4791765256}}。</ref><ref>{{Cite webnews|url=http://blogos.com/article/40395/?axis=b:220和書 |title="「負の所得税=ベーシックインカム」は間違い" |publishernewspaper=小黒一正([[一橋大学アゴラ (メディア)|アゴラ]]経済研究所准教授) |accessdatedate=2012-066-3 |last=小黒 |first=一正 |url=https://agora-web.jp/archives/1461535.html |access-date=2023-6-0418}}</ref>
!
! style="min-width:8em"| ベーシックインカム<br />([[新党日本]]および[[緑の党グリーンズジャパン]]の公約)
686 ⟶ 678行目:
! [[給付付き税額控除]]
! [[定額給付金]]
! [[子ども手当]]<br />2010年6月 - 2011年9月の制度
! [[子ども手当]]<br />2011年10月 - 2012年5月の制度
! [[児童手当]]<br />2012年6月以降の制度
! [[年金]]
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=== 功利主義 ===
[[社会学者]]の[[大澤真幸]]によれば、ベーシックインカムは「修正版功利主義」を体現する原理とみなすことができるという。[[功利主義]]とは、「最大多数の最大幸福」を目標として社会設計を行う思想であるが、「最大多数」と「最大幸福」という2つを同時に達成しようとすると「幸福の総和さえ大きくなれば個人の権利は軽視される」という難点が生じる。そこで目標を「最大多数の一定幸福」というように切り替えた修正版の功利主義を考えれば、最低限の生活水準をおくれるだけの資金(=一定幸福)を無条件に国民全員へ(=最大多数)給付するベーシックインカムの思想と結びつくことになる<ref>[[大澤真幸]] 『「正義」を考える―生きづらさと向き合う社会学』 [[NHK出版]]、2011年、75-76頁。{{ISBN2| 978-4140883396}}。</ref>
 
=== ワークシェアリング ===
832 ⟶ 824行目:
{{notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2|refs=30em}}
<ref name="npn">2009年に行われた[[第45回衆議院議員総選挙]]において。{{Cite web|url=http://www.nippon-dream.com/?page_id=175 |title=ベーシックインカムについて|publisher=新党日本|accessdate=2010-10-20}}</ref>
}}
 
== 参考文献 ==<!--参照している文献-->
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* {{Cite journal|和書|author=[[岡野内正]] |title=地球人手当の理論序説:グローバル・ベーシック・インカム論批判のために |journal=社会志林 |publisher=法政大学社会学部学会 |date=2010-09 |volume=57 |issue=1・2 |pages=15-40 |naid=40017366039 |doi=10.15002/00021105 |ISSN=13445952 |url=https://doi.org/10.15002/00021105 |ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|author=吉原直毅 |title=中級 福祉社会の経済学(vol.10)ベーシック・インカムの実行可能性 |journal=経済セミナー |ISSN=0386992X |publisher=日本評論社 |date=2009-02 |issue=646 |pages=107-117 |naid=40016453057 |https://www.ier.hit-u.ac.jp/~yosihara/semi200901.pdf |format=PDF |ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|author=田村哲樹 |title=熟議民主主義とベーシック・インカム:福祉国家「以後」における「公共性」という観点から |journal=早稲田政治経済学雑誌 |ISSN=02877007 |publisher=早稻田大學政治經濟學會 |date=2004-11 |issue=357 |pages=38-62 |naid=120000792420 |url=https://hdlwaseda.handlerepo.netnii.ac.jp/records/6672 |hdl=2065/6632 |ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|author=石垣建志 |title=基本所得についての予備的な考察 |journal=茨城大学人文学部紀要 社会科学論集 |ISSN=13440160 |publisher=茨城大学人文学部 |date=2009-09 |issue=48 |pages=53-58 |naid=120001662522 |url=https://hdlrose-ibadai.handlerepo.netnii.ac.jp/records/9963 |hdl=10109/1032 |ref=harv}}
* {{Cite book ja-jp|author=[[小飼弾]]|year=2009|title=働かざるもの、飢えるべからず。|publisher=[[サンガ (出版社)|サンガ]]|isbn=978-4904507391|ref={{sfnref|小飼|2009}}}}
==関連文献==<!--参照していない文献-->
* 「認知資本主義-ポスト・フォーディズムにおける新たな労働-」内藤敦之(大月短期大学 第13回進化経済学会岡山大会セッションB1 2009.3.28)[http://www.e.okayama-u.ac.jp/jafee/paper/b13.pdf][http://www.e.okayama-u.ac.jp/jafee/program2.pdf]{{リンク切れ|date=2022年3月}}
* 「[http://www.joho.or.jp/report/report/2006/0601report/p14_15.pdf <ページが見つかりませんでした。>スティグマを伴わない社会保障の実現]」小沢修司(京都府立大学教授 情報労連REPORT2006.1.2){{404|date=2024-04}}
* 「ワーキングプア増加と社会保障制度改革」中村実(野村総合研究所2008.9)[http://www.nri.co.jp/souhatsu/research/2008/pdf/act200810_01.pdf]{{リンク切れ|date=2022年12月}}
* 「経済危機克服のための「有識者会合」議事録」内閣府政策統括官付(2009年3月16日)[https://www.kantei.go.jp/jp/keizai_kaigou/090316/gijiroku.pdf]{{リンク切れ|date=2022年12月}}
* 「ワーキングプア」[[伊藤元重]]ほか(総合研究開発機構(NIRA)政策レビュー March 2008 No.24){{PDFlink|[http://www.nira.or.jp/pdf/review24.pdf 政策レビュー March 2008 No.24)]}}
* {{Cite journal|和書|author=北村行伸、「 |year=2009 |url=https://hdl.handle.net/10086/18060 |title=貧困にどう立ち向かうか : 橋エコノミストの提言」『 |quote=公開討論会, 東京, 2009年12月2日, 一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」 2009年11月|journal一橋大学グローバルCOEプログラム「社会科学の高度統計・実証分析拠点構築」 |hdl=10086/18060}}
* {{cite journal|和書|author=湯浅誠 |date=2007 |title=格差ではなく貧困の議論を |journal=社会と倫理 |ISSN=13440616 |publisher=南山大学社会倫理研究所 |issue=21 |pages=38-52 |id={{CRID|1520853832553508096}} |url=http://rci.nanzan-u.ac.jp/ISE/ja/publication/se21/21yuasa.pdf |format=PDF}}
* 「特集  ベーシックインカム入門」市川明代ほか  週刊エコノミスト2020年7月21日号  毎日新聞出版  {{JAN|4910200330707}}
 
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
* [https://basicincome.stanford.edu/ Stanford University Basic Income Lab (BIL)]{{en icon}}
* [http://www.basicincome.org BIEN Home]{{en icon}}
* [http://bijp.net/ ベーシックインカム・実現を探る会]