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|特記事項=開局日は社団法人東京放送局の本放送開始のもの
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'''NHKラジオ第1放送'''(エヌエイチケイ(NHKラジオだいいちほうそう)は、[[日本放送協会]](NHK)による[[基幹放送|地上基幹放送]]の一種別の[[中波放送]](AM放送)で[[国内放送]]でもある。
 
通称は「'''ラジオ第1'''」「'''R1'''」「'''NHK第1'''」など。また[[キャッチコピー]]は、「'''24時間安心ラジオ'''」「'''ラジオはミミとも、NHK'''」など<ref group="注釈">2011年3月11日に発生した東日本大震災以降、平日の正午のニュースと『[[NHKきょうのニュース]]』では開始冒頭で「24時間安心ラジオ」のフレーズが用いられた。</ref>。2011年4月、「'''あ、ラジオ聞こ。'''」が新たなキャッチフレーズとして発表された。これは、[[NHKラジオ第2放送]]、[[NHK-FM放送]]を含むNHKラジオ放送全体のキャッチフレーズである。
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==編成==
[[NHKラジオセンター]]からの[[生放送]]が中心。生放送の割合が92パーセント<ref group="注釈">「[http://www.nhk.or.jp/r1/about/index.html R1 NHKラジオ第1 - ラジオセンターとは?]」 NHKラジオ第1放送</ref><ref group="注釈">2015年3月29日までは96パーセント</ref>。基本的には正時(00分)に[[NHKニュース]]を、毎時55分に地域情報(主に、[[気象情報 (NHK)|気象情報]]。東京・名古屋・大阪では加えて[[交通情報]])や地域のニュースが放送される。このため、[[店|商店]]や作業場などで、[[時計]]代わりに受信しているところも多い。1970年頃からはワイド番組(「◯◯のロータリー」など)が登場、その後「〇〇ラジオセンター」というゾーン名がつけられ、今の形になった。
 
通常の番組編成はおおむね総合テレビなどと合わせる形で、4月第1月曜日に大規模な改正を行うが、[[NHKプロ野球]](2019年度から原則として毎週土曜日のデーゲームを放送)の中継の編成に対応するため、10月第1月曜日に小規模な改正を実施する番組もある。特に、[[1978年]]秋・冬季の改編は、同年[[11月23日]]の[[グリニッジ天文台]][[協定世界時]]〈GMT〉0時01分に当たる日本時間9時01分から、[[国際電気通信連合]](ITU)の取り決めにより、日本の属する[[アジア]]・[[アフリカ]]・[[ヨーロッパ]]などの[[中波放送]]の周波数単位がこれまでの[[アメリカ大陸]]等と同じ10㎑単位から9㎑単位に改められたタイミングで、FM放送とともに改正が実施された<ref group=注釈>周波数の変更そのものは、[[試験放送]]の名目で放送を開始した午前5時にすでに行われていた。</ref><ref>[https://www5b.biglobe.ne.jp/~co11/chronologicallist.html クロスオーバーイレブンファンサイト・年譜]</ref>。
 
===ニュース===
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===深夜放送===
NHKのラジオ放送が開始された[[1925年]]当初は9時30分に放送を開始、日中の時間帯の中断を挟みながら21時までには放送が終了していた<ref>[https://note.com/davekawasaki/n/n094588dbebe9 日本の放送百年百局 1 『JOAK(社団法人東京放送局)』]</ref>。当時は放送終了時にも[[時報]]が放送されていた<ref>[https://www2.nhk.or.jp/archives/movies/?id=D0009060027_00000 時報装置の誕生](NHK番組史)</ref>。戦後は[[TBSラジオ]]や[[文化放送]]、[[ニッポン放送]]など[[民間放送]](民放)では、早いものは1950年代からそれぞれレギュラー[[深夜放送]]を開始したがNHKは長らく行わず、毎夜日付が変わった時点(午前0時 - 5時)で[[放送休止]]していた。
 
1988年秋から1989年年始にかけて、[[昭和天皇]]の病状を伝えるための終夜放送を実施した際、この時間の大半で[[クラシック音楽]]を流した。この反響を受け、1990年4月から試験的に『特集・[[ラジオ深夜便]]』と題して深夜の放送をスタートさせた。
 
リスナーからの好評以外にも、深夜時間帯の[[地震]]や[[津波]]、あるいは内外での突発的な事態への迅速な対応を行う目的も兼ねて、1992年4月から正式にレギュラー化され<ref group="注釈">それに先だって1990年10月より週末(金曜日・土曜日・日曜日の深夜から翌曜日早朝)のみ終夜放送化。1991年は更に終夜放送の回数が増やされ、月末以外の月曜から木曜深夜の放送も拡大。なお[[NHKサービスセンター]]発行の『[[ラジオ深夜便]]年鑑2010』に掲載されている年表では「1995年4月から深夜便を定時放送化」と掲載されている他、1994年度までのNHK番組表においても、0時から5時まで「随時深夜便を編成」という件が掲載されていた。</ref>、[[メンテナンス]](送信機器、放送設備点検)実施日以外は午前5:00を1日の基点とした24時間放送となる。これはNHKの[[地上波]]放送としてはラジオ・テレビを通して初めてのことであった。
 
なお当初はラジオ第1のみ24時間放送の対象としていたが、外国の大出力局などとの混信や十分に聴取できない地域への配慮や緊急有事にも迅速に対応する必要があること、また大規模な送信機のメンテナンスが行われるときでも滞りなく放送できるようにする目的で、[[1996年]][[4月]]からラジオ第1が休止の時(地上波全波のメンテナンス日のみに限り24時で終了のため除く)、試験的にFMで深夜便のリレー放送を行い、[[1998年]]4月から正式にラジオ第1・FM双方で24時間生放送を行えるようになった。放送休止も、大規模な送信機のメンテナンスや更新工事・局舎移転などが生じてやむなく双方を休止せざるを得ない場合を除き、どちらか一方は放送できるようにすることで、『ラジオ深夜便』を1年間を通して生放送できる体制を整えている<ref>[https://www.nhk.or.jp/shinyabin/qa.html 深夜便Q&A・「なぜ午前1時から、FM放送が加わるの?」]</ref>。
 
==放送形態==
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[[FM補完中継局]]について、中波放送の送信電力が民放よりも大きいことや独自にFM放送([[NHK-FM放送|NHK-FM]])を運用していることを踏まえて、NHKでは通常中波中継局との併存は認められていない。その後、国は災害で大きな被害を受けると想定される地域や外国波との混信、地理・地形的要因などにより、NHKの中波放送を聴取するのが困難で補完中継局の開設条件を満たすと判断された場合に限り認める方針に転換した<ref name=":16">{{Cite web|和書|url=https://www.soumu.go.jp/main_content/000753258.pdf|title=V-Low帯域(95MHz~108MHz)の利活用方策に関する基本方針(案)に係る意見募集結果(概要)|accessdate=2021-09-05|author=放送を巡る諸問題に関する検討会・放送用周波数の活用方策に関する検討分科会|website=総務省|date=2021-05|pages=2-3}}</ref>。
 
[[NHK札幌放送局|北海道]]・[[NHK盛岡放送局|岩手県]]・[[NHK秋田放送局|秋田県]]・[[NHK放送センター首都圏局|東京都]](後述)・[[NHK長野放送局|長野県]]・[[NHK金沢放送局|石川県]]・[[NHK福井放送局|福井県]]・[[NHK静岡放送局|静岡県]]・[[NHK岐阜放送局|岐阜県]]・[[NHK和歌山放送局|和歌山県]]・[[NHK岡山放送局|岡山県]]・[[NHK広島放送局|広島県]]・[[NHK松江放送局|島根県]]・[[NHK徳島放送局|徳島県]]・[[NHK松山放送局|愛媛県]]・[[NHK高知放送局|高知県]]・[[NHK長崎放送局|長崎県]]・[[NHK大分放送局|大分県]]・[[NHK宮崎放送局|宮崎県]]・[[NHK鹿児島放送局|鹿児島県]]・[[NHK沖縄放送局|沖縄県]]の各一部地域では夜間から深夜において近隣諸国からの[[混信]]が激しいため、その対策としてFM波([[超短波]])の中継局が設置されている(沖縄県は[[南大東中継局]]を除きラジオ第2放送も設置)。過去には[[新潟県]][[小千谷市]]でも震災関連情報の提供および[[平成16年新潟県中越地震]]の被災で送信不能となった[[NHK津南ラジオ中継放送所|津南ラジオ中継局]]設備が完全復旧するまでの臨時中継所としてFM波の中継局が設置されていた。
 
かつて[[小笠原諸島]]ではFM波も含めて中継局が設置されていなかったため、一部の限られた地域を除いて夜間のみの受信となっていたが、先述のサイマルラジオサービスのほか、既設の小笠原村営光ファイバーケーブルを使用した防災放送受信機によって聴くことができた。その後、2012年度には3か所の中継局が開局し、このうちの1局は[[高知県]]の[[NHK早明浦ラジオ中継局|早明浦中継局]]が5月に開局した。残りの2か所は、長年ラジオ放送の直接受信が困難だった、小笠原諸島の[[父島中継局|父島]]・[[母島中継局|母島]]にラジオ第2放送・FM放送と合わせて設置された(3波ともFM波で送信)。また、2013年度には外国放送局との[[混信]]が激しい鹿児島県の喜界地区にも、FM波の[[喜界中継局|中継局]]が設置された<ref group="注釈">2012年10月2日開催・10月19日公表の日本放送協会理事会議事録より。</ref>。
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なお、2012年度から、[[高校野球]]期間中は「[[日曜討論]]」が24時台に放送される(雨天中止時も同)ため、放送設備点検・工事が実施される地域はそれの終了後の基本1:10(討論の内容により延長有り)から5:00まで休止となるため、「日曜討論」終了後1分間は休止・減力放送となる地域はそのアナウンス、通常放送が行われる地域は時間調整のフィラー音楽を放送してから「[[ラジオ深夜便]]」(本編)をスタートさせる。またFMが放送休止となりラジオ第1が通常放送となる地域では1:00の放送休止のアナウンスで'''「深夜便はラジオ第1放送で放送しています」'''とアナウンスされる(したがって、FMが午前1:00で休止となる地域では、「深夜便」冒頭の定時ニュースが聴取できないことになるが、周辺都府県の放送が聞ける場合とサイマルラジオサービスはこの限りではない)。
 
これは[[地震]]・[[台風]]・[[豪雨]]などの天災が発生した場合の[[災害対策基本法]]や、[[テロ]]などの大規模な有事が発生した場合の諸法律の義務を履行するための措置である(総合テレビ・FM放送も同様)。{{efn|ただし、[[令和6年能登半島地震]]発生直後の[[2024年]][[1月15日]]深夜〈時間上は[[1月16日]]未明〉の大阪局の減力放送<ref>[https://www.nhk.or.jp/osaka/station_info/kyushi.pdf 2024年1月の近畿地方個別放送休止について](NHK大阪)</ref>などのように、災害・有事対応で編成している場合でも、予定通り放送休止を行った例もある。}}
 
各放送局でメンテナンスによる放送中断がある場合は、各放送局における一部地域の部分休止を除いて「[[君が代]]」の[[演奏]]([[オーケストラ]]による[[器楽曲|インストゥルメンタル]])が放送される<ref group="注釈" name=国歌演奏>例:大阪放送局が休止となる場合、本局(666kHz)((ラジオ第1:666KHZ、FM:88.1MHZ)(この場合は必然的に傘下の中継局はすべて休止される)が休止であれば君が代の放送があるが、本局が放送され、一部の傘下中継局のみが休止となる場合は君が代が割愛される。</ref>。ただし、減力放送の場合は放送されない。1990年代まではラジオ第2放送と同様に、チェレスタ演奏による終了用[[インターバル・シグナル]]が放送されていたが、2021年の時点ではほとんどの放送局で君が代演奏終了あるいは局名告知直後ないし数分後には[[テストトーン]]が流れる。
 
なお、1996年4月から1998年3月はラジオ第1放送のメンテナンスがあった場合、休止となる1時から5時までのラジオ深夜便をFM放送でリレー補完放送したことがあった。ただし、年数回、日曜深夜にテレビを含む地上波の放送を全部停止する日があり、その場合は午前0時で終了・[[停波]]して以後のリレー放送もしなかったことがあった。
 
また、[[NHK菖蒲久喜ラジオ放送所]]からの東京第1放送の番組は2000年7月から2008年9月22日深夜(9月23日未明)3時まではメンテナンス日は減力放送をする形で通常放送を行っていたが、2008年9月23日3時から5時と、12月9日深夜(12月10日未明)1時から3時は放送設備点検のために放送を停止していた。それ以後は再び減力放送のみを実施しており、停波を伴う休止は行われていない
 
====放送休止アナウンス====
2023年3月までは、一部の局においてFMあるいは[[NHKネットラジオ らじる★らじる|らじるらじる]]への迂回を促す放送で親局ほか道府県内主要都市のFM中継局の周波数を知らせる場合もある(逆に、FMが休止時のラジオ第1あるいはらじるらじるへの迂回を促す放送である場合も、親局ほか道府県内主要都市のラジオ第1の周波数を知らせる局がある(松山放送局は全県の迂回先周波数を東から二度繰り返して案内する。))。なお、名古屋放送局では東海地方3県の聴取者に点検・工事に対する理解を求めるアナウンスを行っていた。
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多くの局は、当日の宿直アナウンサー(東京は関西・地方発の時を除いて深夜便アンカー)による生放送だったが、名古屋など一部は事前収録したものを放送したこともあった。
 
2023年4月より、放送休止のアナウンスは全国一斉でラジオ深夜便のアンカー(=パーソナリティー)に託されることになった。0:58頃に一部地域で放送を休止する旨を知らせる。当該放送局の一斉休止の場合は、局によりその直後(即ち0:59の段階)での飛び降り、または1時の時報まで世界の天気のBGMを流し、時報後のどちらかで、それぞれ君が代が演奏され、個別休止(親局が通常通りで、中継局のみ休止)の場合はそのまま停波となる<ref group="注釈" name=国歌演奏/>。なお同様にFM放送が休止となる場合も2023年3月までは当該各放送局ごとに生放送(一部事前収録)で休止告知を放送していたが、4月以後は休止が発生する局がある場合は(休止しない地域も含め)事前収録による一部地域放送休止告知を東京から発信している。
 
==国際放送==
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|-
!rowspan=4|関東・甲信越
|'''[[NHK放送センター首都圏局|東京]]'''||JOAK
|style="text-align:right"|594||style="text-align:right"|300k
|1925年3月22日(仮)<br>1925年7月12日(本)
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*[[NHKラジオ第2放送]]
*[[NHK-FM放送]]
*[[花子とアン]]
 
==外部リンク==