「トランスヴァール共和国」の版間の差分

|日本語国名 = トランスヴァール南アフリカ共和国

|公式国名 = {{Langlang|afnl|'''TransvaalZuid-Afrikaansche Republiek'''}}<small>（アフリカーンス語）</small>{{nl icon}}

|次代1 = ケトランスヴァープル植民地

|次旗1 = CapeFlag of the Transvaal Colony flag1904–1910.pngsvg

|国旗画像 = Flag of Transvaal.pngsvg

|国章画像 = Coat of arms of the South African Republic.svg

|位置画像 = Transvaal mapLocationZARca1890.pngsvg

|位置画像説明 = トランスヴァール共和国の位置（1890年）

|公用語 = [[オランダ語]]<br />[[アフリカーンス語|ケープ・オランダ語]]が常用された

|面積測定時期1 = 1896

|面積値1 = 286,053

|変遷年月日1 = [[1852年]]

'''トランスヴァール共和国'''（トランスヴァールきょうわこく、{{Langlang-afnl|'''Transvaal''' Republiek}}、{{Langlang-en|'''Transvaal Republic'''}}<ref>）、正式名称'''南アフリカ共和国'''（みな英語表記は「みアフリカきょうわこく、{{Lang-nl|Zuid-Afrikaansche Republiek}}、{{lang-en|'''South African Republic'''}}」である。因みに）<ref>現在の[[南アフリカ共和国]]は[[アフリカーンス語]]（ケープ・オランダ語の後身）で{{lang|af|Republiek van Suid-Afrika}}、[[英語表記は「]]で{{lang|en|'''Republic of South Africa'''}}」であり、語順が異なる。</ref>、略称: '''ZAR'''<ref>{{lang-nl|Zuid-Afrikaansche Republiek}}より。</ref>）は、20世紀初めまで、[[ヴァバール川]]の北方側（現在の[[南アフリカ共和国|南アフリカ]]北部）に存在した[[国家]]。[[て、1852年]]に[[ボーア人]]が建国し、1902年まで存在した[[共和国]]。首都は、[[プレトリア]]。なお、「トランスヴァール」は英語読みで、現地語である[[アフリカーンス語]]では「'''トランスファール'''」と発音する。

1830年代より、イギリス領[[ケープ植民地]]のオランダ系移民（[[ボーア人]]）が、イギリス統治への反発などから、内陸への集団移動を開始させた（[[グレート・トレック]]）。その結果、[[ヴァール川]]の北方（トランスヴァール）にボーア人が拠点を築くことになった。ケープ植民地との武力闘争を経て、[[1852年]]に[[{{仮リンク|サンド・リバー会議|en|Sand River Convention|label=サンド・リバー協定]]}}が成立し、トランスヴァール共和国が成立した。

独立後の課題の一つに、[[内陸国]]で海への出口を持たないことがあった。そのため[[デラゴア湾]]周辺に勢力拡大を図ったが、これはイギリスの反対にあって実現しなかった。この一件を背景として、初代大統領の[[:en:Marthinus Wessel Pretorius|マルティヌス・プレトリウス]]は失脚に追い込まれた。[[1877年]]、一時的にイギリスによって併合されるが、ボーア人は抵抗を続け[[1881年]]の[[{{仮リンク|プレトリア会議|en|Pretoria Convention|label=プレトリア協定]]}}で独立を回復させた（このことを[[第一次ボーア戦争]]と称し、[[1899年]]から[[1902年]]にかけての戦争を[[第二次ボーア戦争]]と称することもある）。

[[1886年]]、豊富な[[金]]の鉱脈が[[ヨハネスブルグ]]の近郊で発見されたことが、トランスヴァール共和国にとって大きな転機となった。財政難に陥っていたのため国家による大規模な開発は困難だったが、多く[[外資]]の企業を誘致し地代を負担都合に左右させることれた。1891年には[[セシル・ローズ]]の要求で大きな利益保有する鉄道の終点を上げ[[ケープ植民地]]に移した。これに伴って翌年からは[[ロスチャイルド]]が起債交通網の整備も進み渉を始め、1894年にはポルトガル領東アフリカ（現在の[[モザンビーク]]）の港湾都市ロレンソ・マルケス（現在の[[マプート]]）に至る鉄道が開通した<ref>ロスチャイルドのオファーは、条件が200万ポンドの借款を額面90ポンド利率4.5％、代理募集のうえ資金を提供するというもの。ときの大統領[[ポール・クリューガー]]はオファーをほぼ受け入れた。議会は利率を5％に、借款総額を250万ポンドに引き上げ、承認した。</ref>。また、翌年にはナタールの[[ダーバン]]とも鉄道で結ばれた。

しかし、こうした急速な繁栄は、当初よりトランスヴァール進出を企図していたイギリスの帝国主義的野心を強めさせることになった。1895年の{{仮リンク|リンダー・スター・ジェームソン|en|Leander Starr Jameson}}とその私兵らによる「[[ジェームソン侵入事件]]」（{{仮リンク|ジェームソン・レイド|en|Jameson Raid}}）はその一例であり、ついに[[1899年]]よりイギリスの帝国主義的侵略戦争である[[ボーア戦争]]が開始された。ボーア人は各地でゲリラ的抵抗を続けイギリスを苦しめたが、1902年に敗戦するとしてトランスヴァール共和国は滅亡し、イギリスの「直轄植民地」とされた。これにより「[[トランスヴァール共和国は滅亡し植民地]]」とされた。戦争中、金の生産量は10分の1以下にまで低下したほか、焦土戦術に伴う農地の荒廃もひどく、トランスヴァール経済に大きな打撃を与えた。

しかし、イギリスはボーア人との関係改善を図り、1905年にはボーア人農民を勢力基盤とする人民党の成立を認めた。1906年に自治政府が樹立され、[[1910年]]に成立した[[南アフリカ連邦]]を構成する州の一つ「[[トランスヴァール州]]」となった。短期間で経済復興も進められ、鉄道網もさらに整備された。

[[Category:過去のかつて存在したアフリカの共和国]]