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== 概要 ==
本型は、[[イギリス海軍]]の前弩級戦艦「[[ロイヤル・サブリン級戦艦|ロイヤル・サブリン級]]」の基本設計を用いた。ただ加えて次級の[[マジェスティック級戦艦]]で採用た技術も取り入れている。さらにイギリスは輸出軍艦で自国海軍用の軍艦に将来採用予定のする技術のテストを行う戦略を採っており、本型もその方針に則っていくつかり主砲などの最新の技術がイギリス海軍の採用に先立って取り入れられた。
 
主砲は、後の[[フォーミダブル級戦艦]]で採用された新設計の「アームストロング 30.5cm(40口径)砲」<ref>この砲([[:en:Armstrong Whitworth 12 inch /40 naval gun|Armstrong Whitworth 12 inch/40 naval gun]] = Mk. IX)は、[[マジェスティック級戦艦]]で初めて採用された[[コルダイト]]を装薬に使う35口径30.5cm砲([[:en:BL 12 inch Mk VIII naval gun|BL 12 inch Mk VIII naval gun]])の改良・後継型となる。</ref>を採用した(イギリス海軍ではさらに後の[[フォーミダブル級戦艦]]で採用された)
 
また日本戦艦として初めて全面を装甲板で覆った連装式[[砲塔]]に主砲収めた。これはロイヤル・サブリン級の次級の「[[マジェスティック級戦艦|マジェスティック級]]」の形式を採用したものである。ただし斉射後は砲塔を艦の中心線定位置合わせ戻さいと次ければ火薬庫からの給を装填できないという弱点が残っていた。
 
装甲は舷側水線457mm、甲板63.5mm、司令塔356mmであり、甲板を除く<ref>建造当時の交戦距離では厚くする必要が無かった。</ref>厚さは後の[[大和型戦艦]]をも凌ぐものである。これは本型の原型である「ロイヤル・ソブリン級」が主装甲に以前からの「複合甲鉄(コンパウンド・アーマー)」を採用し装甲厚が必要だったためである。これは表側に硬く脆い鋼鉄を、裏側に柔らかく靭性がある錬鉄という二種類の鉄板を貼り合わせた厚い装甲で、その重量のため主装甲の広範囲に装甲を張れず、防御力としてはのちの戦艦に劣ることとなった。なお主装甲以外の装甲には1889年に実用化されたばかりのハーベイ鋼を多用した。これは炭素鋼に浸炭焼入れを施し一枚だけで硬さと靭性を両立した。
 
富士型には主装甲にもハーベイ鋼を採用し減厚できる可能性もあった(イギリスでは[[マジェスティック級戦艦]]で採用)。しかし、重心の変動などに対応して設計を変更しなければならず緊迫する極東情勢に間に合わなくなってしまうため設計を変更せずに建造された<ref>海軍装甲技術史―戦艦富士・三笠から大和まで</ref>。
 
なお次級の[[敷島型戦艦]]では主装甲にもハーベイ鋼を採用し厚さも半分に減らし、装甲をより広範囲に張ることが可能になった<ref>さらに三笠だけはより強靭な[[クルップ鋼]]を採用した(イギリス海軍では後の[[カノーパス級戦艦]]で採用)</ref>
 
機関は主機[[蒸気機関|レシプロ蒸気機関]]2基、主缶[[ボイラー|石炭専燃缶]]10基で出力は13500hp、2軸推進で速力は18.3ktである。
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本型の船体形状は乾舷の高い平甲板型船体で[[衝角]]の付く艦首から艦首甲板上に30.5cm連装主砲塔が1基、その背後に司令塔を組み込んだ箱型艦橋からミリタリーマストが立つ。ミリタリーマストとはマストの上部あるいは中段に軽防御の見張り台を配置し、そこに37mm~47mmクラスの機関砲(速射砲)を配置した物である。これは、当時は水雷艇による奇襲攻撃を迎撃するために遠くまで見張らせる高所に対水雷撃退用の速射砲あるいは機関砲を置いたのが始まりである。形状の違いはあれどこの時代の列強各国の大型艦に多く用いられた様式であった。
 
本艦のミリタリーマストは外部に梯子を持つ円筒状となっており、頂部と中段に見張り台が設けられた。前部ミリタリー・マストの背後には2本煙突が立ち(本型のタイプシップである「ロイヤル・サブリン級戦艦」に代表される、当時のイギリス装甲艦・戦艦が、機関室の前後長を短縮するために、煙突を並列に配置しているのに対し、本型およびそれ以降の日本戦艦は、煙突を前後に配置している)、その周囲は煙管型の通風筒が立ち並ぶ艦載艇置き場となっており、2本1組のボート・ダビッドで運用された。艦載艇置き場の後部には基部にクレーンの付く後部ミリタリー・マストが立ち、その後ろの後部甲板上に2番主砲塔が配置された。
 
=== 主砲 ===