「アメリカ海兵隊武装偵察部隊」の版間の差分

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|再廃止 =
|国籍 = {{USA}}
|所属 = [[アメリカ海兵隊]]{{USMC}}
|規模 =
|兵科 =
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|人員 = 2000人<ref name = "Force RECON Overview">{{cite web |url=http://military.com/special-operations/force-recon.html |title=Force RECON Overview |work=Military.com | accessdate=6 March 2016}}</ref>
|所在地 =
|編成地 = [[カリフォルニア州]]
|通称号 =
|愛称 = フォース・リーコン(Force Recon)
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|担当地域 =
|最終位置 =
|主な戦歴 = [[ベトナム戦争]]<br>[[パナマ侵攻]]<br>[[湾岸戦争]]<br>[[アフガニスタン紛争 (2001年-2021年)|アフガニスタン紛争]]<br>[[イラク戦争]]}}
'''アメリカ海兵隊武装偵察部隊'''('''United States Marine Corps Force Reconnaissance'''、通称: Force Recon {{Small|フォース・リーコン}})とは、[[アメリカ海兵隊]]所属のにおいて[[特殊作戦]]能力保有する[[部隊]]である。主任務はその部隊名の通り威力[[偵察]]であり、海兵隊では[[特殊部隊]]と公式には認めてはいない。そのため、[[アメリカ陸軍特殊作戦コマンド]]所属の[[アメリカ陸軍特殊部隊群|グリーンベレー]]や[[アメリカ海軍特殊戦コマンド]]所属の[[Navy SEALs]]の様に[[アメリカ特殊作戦軍]](SOCOM)の管轄下には入っておらず、アメリカ海兵隊が直接指揮・管轄を行っている。以下通称である'''フォース・リーコン'''と呼称する。
[[ファイル:Marine Force Recon -001-.jpg|サムネイル|300px|4人1組で行動するフォース・リーコン(1995年)]]
以下、通称である'''フォース・リーコン'''と呼称する。
'''アメリカ海兵隊武装偵察部隊'''('''United States Marine Corps Force Reconnaissance'''、通称: Force Recon {{Small|フォース・リーコン}})とは、[[アメリカ海兵隊]]所属の特殊作戦能力保有部隊である。主任務はその部隊名の通り威力[[偵察]]であり、海兵隊では[[特殊部隊]]と公式には認めてはいない。そのため、[[アメリカ陸軍特殊作戦コマンド]]所属の[[アメリカ陸軍特殊部隊群|グリーンベレー]]や[[アメリカ海軍特殊戦コマンド]]所属の[[Navy SEALs]]の様に[[アメリカ特殊作戦軍]](SOCOM)の管轄下には入っておらず、アメリカ海兵隊が直接指揮・管轄を行なっている。以下通称である'''フォース・リーコン'''と呼称する。
 
== 概要 ==
[[ファイル:Marine Force Recon -001-.jpg|サムネイルthumb|300px250px|left|4人1組で行動するフォースリーコン(1995年)]]
フォースリーコンは主に敵地における威力偵察(どちらかと言えば[[斥候]]部隊に近い)を主任務とする部隊であり、本隊上陸前の偵察や、場合によっては敵地攻撃ことで敵戦力を把握する事実上の[[特殊部隊]]であるが、公式には特殊部隊とは認められていないため、[[アメリカ特殊作戦軍]](SOCOM)の隷下ではなく海兵隊によって直接指揮・管轄が行われている。因みにあくまでもフォース・リーコンは戦闘斥候が任務であり、本格的な急襲は一般海兵隊員及びフォース・リーコンと同じく海兵隊の特殊部隊である[[アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド|海兵特殊作戦部隊]](Marine Special operations Command: MARSOC、こちらはSOCOM所属)が行う。
 
偵察部隊ではあるものの戦闘能力が高く[[CQB]]、射撃、爆破等に長けており、その実力は[[Navy SEALs]]にも匹敵するとされる。また、さらなる交戦を余儀なくされた場合、彼らには[[艦砲射撃]]や[[戦闘機]]、[[爆撃機]]を使用した攻撃の権限まで与えられており、加えて[[油田]]船舶への奇襲、[[人質救出作戦|人質救出]]、敵陣地破壊などの強襲攻撃型任務も可能である<ref>{{Cite book|和書 |author= 笹川英夫 |year= 2004 |title= 世界の特殊部隊 武器・装備編 |publisher= [[講談社]] |isbn= 4-06-256880-2 |pages= 184 }}</ref>。
 
海兵隊は、[[アメリカ陸軍|陸軍]]の[[空挺部隊]]と共に緊急展開即応部隊として派遣される。[[航空機]]で短時間に展開できる反面、装備が不十分な空挺部隊と比べて、艦艇で移動することの多い海兵隊は、重装備で任地に赴けるという利点が存在する。それゆえフォース・リーコンは、多少困難が想定される状況下においても、戦略上有益と判断された場合は、作戦地域に向けて偵察や襲撃に投入される。装備面では、各監視装置や[[衛星]]、秘匿通信システムなどの最新機器を使用し、地上のあらゆる場所から司令部へ向けて情報を送信できる。
 
== 主な任務 ==
フォース・リーコンの主な任務は、海兵空地任務部隊(MAGTF)の上陸時における支援及び援護である。フォース・リーコンは、本隊が進行する際、事前に想定作戦地域に展開し、上陸地点の選定誘導、偵察、[[監視]]、斥候などの情報収集を行う。海兵隊では唯一[[エアボーン|空挺降下作戦]]が可能な部隊であるがため、本隊の上陸後は空中機動部隊として参戦し、航空機での敵地潜入、長距離偵察を行う。
 
また、敵陣の情報や[[生物兵器]]や[[化学兵器]]の有無の確認、敵要人などの監視などにもあたる。[[アフガニスタン]]、[[イラク]]においても、フォース・リーコンは[[アメリカ陸軍特殊部隊群|グリーンベレー]]や[[デルタフォース]]などの部隊よりも先に潜入し、事前に敵地地形や人員配置、現地の情報収集などを行ったとされる。
 
== 歴史 ==
前身となる部隊は[[第二次世界大戦]]下で創設され、[[太平洋戦争]]の[[ガダルカナル島の戦い|ガダルカナル島上陸作戦]]で主力部隊として第一線で活躍。
 
その後の[[朝鮮戦争]]にも投入され、[[釜山広域市|釜山]]や[[仁川広域市|仁川]]への上陸作戦に従事した。[[1954年]]からの3年間、正式なフォース・リーコンを創るため実験部隊が創立された。
 
[[1957年]][[6月19日]]、[[カリフォルニア州]]でフォース・リーコンとして新たに創設。
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== 部隊編制 ==
[[ファイル:FORECON VBSS training.jpg|サムネイル|190px|VBSS(船舶検査)の訓練を受ける武装偵察部隊の直接行動小隊]]
* 第1武装偵察中隊(解散し[[:en:1st Reconnaissance Battalion|第1偵察大隊]]所属武装偵察中隊に再編成された) - [[カリフォルニア州]]キャンプ・ペンドルトン(Camp Pendleton)所在
**  第1海兵遠征部隊本部グループ所属([[第1海兵遠征軍 (アメリカ軍)|第1海兵遠征軍]])
* 第2武装偵察中隊(解散し[[:en:2nd Reconnaissance Battalion|第2偵察大隊]]所属武装偵察中隊に再編成された) - [[ノースカロライナ州]]キャンプ・ルジューン(Camp Lejeune)所在
**  第2海兵遠征部隊本部グループ所属([[第2海兵遠征軍 (アメリカ軍)|第2海兵遠征軍]])
* 第3武装偵察中隊 - [[アラバマ州]][[モービル (アラバマ州)|モービル]]に所在
**  MFR所属
* 第4武装偵察中隊 - [[カリフォルニア州]][[アラメダ (カリフォルニア州)|アラメダ]]に所在
**  MFR所属
* 第5武装偵察中隊([[第3海兵師団 (アメリカ軍)|第3海兵師団]]・[[:en:3rd Reconnaissance Battalion|第3偵察大隊]]B中隊を経て大隊所属武装偵察中隊となった) - [[沖縄県]][[キャンプ・バトラー]](Camp Smedley D. Butler)所在
**  第3海兵遠征部隊本部グループ所属([[第3海兵遠征軍 (アメリカ軍)|第3海兵遠征軍]])
* 本部大隊- [[ノースカロライナ州]]キャンプ・ルジューン(Camp Lejeune)所在
**  第2海兵遠征部隊本部グループ所属([[第2海兵遠征軍 (アメリカ軍)|第2海兵遠征軍]])
 
== 訓練課程 ==
リーコンの選抜訓練は、[[アメリカ]]内でもSEALsに並ぶほど過酷な訓練を繰り返し、陸・海・空全てにおいての作戦行動ができる技能を身につける。
; 第1段階
:* 3マイルの[[ランニング]]、[[懸垂]]、[[腹筋]]、障害物コースをクリアした後、ブーツと服を着用したままプールにて500ヤードを17分間で泳ぎ切る。
* プールから上がった後は、[[M4カービン|M4A1]]をはじめ、50ポンドの装備を担ぎ休むことなく、2時間半の行進を行う。
* これらを終えてから、筆記テストと面接官の面接試験に臨む。
; 第2段階(6か月)
:* [[偵察]]に関する基礎知識と実践的な技術、パトロール、歩兵戦術、陸軍空挺部隊コースで空挺降下技術を学ぶ。
* また、[[スクーバダイビング]]コースでは戦闘員に呼吸訓練などを行う。
; 第3段階(8週間)
:* 陸軍[[レンジャー]]コースで、雪山でのサバイバル訓練や[[ロッククライミング]]などの訓練を受ける。
* また、空挺降下技術、射撃、基礎的な医療技能も身につける。
; 第4段階(6か月)
:* 衛星通信、[[モールス信号]]、[[潜水艦]]などからの水中観測、ダイビング技術、潜入や脱出技術、空挺降下技術、[[サボタージュ|破壊工作]]など、部隊として作戦行動を行うための訓練を施される。
; 第5段階
:* 潜入、脱出、空挺降下、水中観測、山岳や砂漠でのパトロールなどの、今まで行ってきた訓練の総合的な技術をみる実地訓練を受ける。
; 第6段階
:* 人質救出や船舶、石油施設破壊などの訓練を受ける傍ら、各地にMEU(海兵隊遠征隊)の隊員として実戦に参加する。
; 第7段階
:* 最終試験。訓練ではなく、実際に作戦に参加することで、任務遂行能力があるか判断される。
 
== 関連作品 ==
; 『[[パニッシャー (テレビドラマ)|Marvel パニッシャー]]』
: 主人公のフランク・キャッスルが軍隊時代に中尉として配属されていた部隊。
; 『[[ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり]]』
: 箱根旅館に宿泊中の特地要人を拉致するため、CIAより派遣された実働部隊の一人が同部隊出身。
; 『[[コール オブ デューティ4 モダン・ウォーフェア]]』
: キャンペーン中、アル・アサド捕縛のために中東某国に侵攻した海兵隊の一部隊として登場。
; 『[[ザ・シューター/極大射程]]』
*: [[ザ・シューター/極大射程]] - 2006年の映画。主人公のボブ・リー・スワガー一等軍曹が[[前哨狙撃兵]]として配属されていた部隊。
 
== 参考文献 ==
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** [[観測及び目標要求小隊]]
* [[アメリカ海兵隊特殊作戦コマンド]]
* [[水陸機動団|陸上自衛隊水陸機動団]]
** [[第1水陸機動連隊]] / [[第2水陸機動連隊]] / [[第3水陸機動連隊]]
* [[国境離島警備隊|沖縄県警察国境離島警備隊]]
* [[斥候]]
 
* [[ザ・シューター/極大射程]] - 2006年の映画。主人公のボブ・リー・スワガー一等軍曹が[[前哨狙撃兵]]として配属されていた部隊。
{{アメリカ海兵隊}}
{{DEFAULTSORT:あめりかかいへいたいふそうていさつふたい}}
[[Category:アメリカ合衆国の軍隊系特殊部隊]]
[[Category:アメリカ合衆国海兵隊の編成|ふそうていさつふたい]]
[[Category:アメリカ合衆国の特殊偵察部隊|かいへいたいふそうていさつふたいと編成]]
[[Category:偵察]]