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[[ファイル:Fuel Dispenser at Lawson by Dia Shoseki (2023).jpg|thumb|right|セルフ式[[ガソリンスタンド]]のノズルの色分け<br />[[誤給油]]防止のため、ハイオクは黄色、レギュラーは赤、軽油は緑、灯油は青で統一されている。]]
'''高オクタン価ガソリン'''(こうオクタンかガソリン)とは、レギュラーガソリン(別名ノーマルガソリン)より高い[[オクタン価]]を持つ[[ガソリン]]のことである。一般に'''ハイオクガソリン'''、'''ハイオク'''と略称される。
'''高オクタン価ガソリン'''(こうオクタンかガソリン)とは、レギュラーガソリン(別名ノーマルガソリン)より高い[[オクタン価]]を持つ[[ガソリン]]のことである。石油市場などでは'''プレミアムガソリン'''ということもある<ref name="kaneko" />。一般には'''ハイオクガソリン'''または'''ハイオク'''と呼ばれる。燃料に高オクタン価のガソリンが指定されている[[自動車]]の車種に使用される。
 
オクタン価は異常燃焼の一種である[[ノッキング]](ガソリンと空気の混合気に点火して正常火炎に伝播する前に高温により末端の未燃焼混合気に自己着火してしまう現象)の起こしにくさを示すアンチノッキング性の指標である<ref name="kaneko">{{Cite journal|和書|url=https://doi.org/10.20619/jcombsj.54.170_217 |author=金子タカシ |title=オクタン価とガソリン品質設計 |journal=日本燃焼学会誌 |year=2012 |volume=54 |issue=170 |pages=217-220 |doi=10.20619/jcombsj.54.170_217}}</ref>。自動車の性能の向上によりノックセンサーによって点火時期を制御するシステムが搭載されるようになりノッキング自体は回避できるようになったが、ノッキングを回避するための制御のシステムは走行時のエンジントルクや加速性などに影響があるとされ、オクタン価が高いガソリンを使用することで車両側でのノッキング制御を予め抑えて車両本来の性能を引き出す利点がある<ref name="kaneko" />。ただし、一部の車種では[[ガソリン直噴エンジン|直噴]]で[[リーンバーン]]を行う関係上、ハイオクガソリンを使用すると「着火しにくさ」が問題となり、燃費や始動性が悪化するという指摘がある<ref>[https://bestcarweb.jp/feature/254578 新型レヴォーグを買うと教わる意外な注意書き 令和になって「慣らし運転」復活!??] [[国沢光宏]]、[[ベストカーWeb]]、2021年3月2日、2021年7月6日閲覧。</ref>。
高オクタン価とは、[[石油]]燃料を[[内燃機関]]で燃やしたときに[[ノッキング]]と呼ばれる障害の起こしにくさ(アンチノッキング性)の度合いが高いことを示しており、揮発性の有無や燃焼カロリーとは関係がない{{efn2|実際には無鉛プレミアムガソリンの場合レギュラーガソリンよりわずかではあるが熱量が高いといわれているが、あくまでレギュラー仕様で設計・製造されたエンジンが継続的に使用しても大きな問題がでないレベルでしかないほどの微々たるものである。}}。
 
オクタン価の計測法(RONとMON)の組み合わせや区分は地域ごとに異なる<ref name="kaneko" />。
ガソリンの規格は地域ごとに異なっており、高オクタン価ガソリンの名称や基準も地域ごとに異なる(ヨーロッパ規格のプレミアムガソリン、[[日本工業規格]]のハイオクガソリンなど)。日本国内でも例として無鉛高オクタン価ガソリンを要する車両の諸元表の燃料の欄には「無鉛プレミアム」などと表記される。
 
== 生産製造法 ==
高オクタン価ガソリンは製油所内の「[[接触改質|接触改質装置]]」と「[[クラッキング (化学)|接触分解装置]]」という2種類の異なる装置によって別々の特性を持つガソリンが製造され、求められる特性に合わせて混合される。
 
高オクタン価ガソリンは、[[製油所]]内の「[[接触改質|接触改質装置]]」と「[[クラッキング (化学)|接触分解装置]]」という2種類の異なる装置によって別々の特性を持つガソリンが製造され、求められる特性に合わせて混合される。
=== 接触改質装置 ===
重質ガソリンと水素を原料に、白金系粒状触媒との接触によってオクタン価が高く芳香族を多く含んだガソリンに改質される。収量は80%と比較的良好であり反応中に新たに水素が得られる。このガソリンは高速での燃焼時にオクタン価が高い特性を持つ。
 
===; 接触分解改質装置 ===
減圧蒸留で生み出された: 重質ガソリンと水素を原料に、重質油の長い炭素鎖を[[シリカ]]-[[酸化アルミニウム|アルミナ]]白金粒状触媒との接触によって短く分解し、オクタン価が高く[[アルケン|オレフィン]]分芳香族を多く含んだガソリンが作らに改質される。
: 収量は80%と比較的良好であり反応中に新たに水素が得られる。このガソリンは高速での燃焼時にオクタン価が高い特性を持つ。
; 接触分解装置
: 減圧蒸留で生み出された重質油を原料に、重質油の長い炭素鎖を[[シリカ]]-[[酸化アルミニウム|アルミナ]]系の粒状触媒との接触によって短く分解し、オクタン価が高く[[アルケン|オレフィン]]分を多く含んだガソリンが作られる。
: 収量は40–50%であまり高くない。このガソリンは低速での燃焼時にオクタン価が高い特性を持つ<ref>{{Cite book |和書 |author=化学工業日報社 |title=知っていますか「石油の話」 |edition=改訂第5版 |date=1997年2月14日 |publisher=化学工業日報社 |isbn=4-87326-235-6}}</ref>。
 
== 試験法 ==
収量は40 - 50 %であまり高くない。このガソリンは低速での燃焼時にオクタン価が高い特性を持つ<ref>『知っていますか石油の話』 化学工業日報社 1997年2月14日改訂第5版発行 ISBN 4-87326-235-6</ref>。
オクタン価にはリサーチ法オクタン価 (RON) とモータ法オクタン価 (MON) があり、試験では標準化された単気筒のCFRエンジンと可変圧縮比の試験エンジンが用いられるが、エンジン回転数や吸入空気温度など運転条件に違いがある<ref name="kaneko" />。これらの試験条件の検討は1930年頃から米国のCFR 委員会で始められ、当時付けられた番号からリサーチ法をF-1法、モータ法をF-2法と呼ぶことがある<ref name="kaneko" />。
 
リサーチ法オクタン価 (RON) とモータ法オクタン価 (MON) の差をセンシティビティという<ref name="kaneko" />。
== 使用する自動車について ==
燃料に高オクタン価のガソリンが指定されている車種に使用される。
 
== ヨーロッパ規格 ==
=== 各車種との組み合わせ ===
ヨーロッパ規格 (EN228) では、レギュラーガソリンのアンチノック性の下限値は91/82.5 (RON/MON) とされており、アンチノック性の下限値が95/85 (RON/MON) の基準を上回るものをプレミアムガソリンという<ref name="BOSCH236">[[ロバート・ボッシュ (企業)|ロバート・ボッシュ]]著、小口泰平監修『ボッシュ自動車ハンドブック第2版』シュタールジャパン、2003年、236頁。</ref>。さらにアンチノック性の下限値が98/88 (RON/MON) の基準を上回るものをスーパープラスという<ref name="BOSCH236" />。
{{独自研究|section=1|date=2011年3月}}
==== レギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れた場合 ====
一般的に高性能エンジンはハイオクガソリン仕様である上に、かつて盛んに行われたハイオクガソリンの広告宣伝活動の影響もあり、「レギュラーガソリン仕様でもハイオクガソリンを入れれば性能が向上する」という説が存在するが、その説は一概に正しいとは言えない。ハイオクガソリンは燃料そのものの熱量がわずかながら高いだけであり、高出力や低[[燃費]]を得るために[[圧縮比]]を高く設定したエンジンにおいて、高温になり自然発火(ノッキング)することを防ぐために、オクタン価を高めた燃料だからである。
 
ヨーロッパ規格 (EN228) では、リサーチ法オクタン価 (RON) とモータ法オクタン価 (MON) の両方で規定されている<ref name="kaneko" />。
もともとレギュラーガソリンを使用する前提のエンジンは、レギュラーガソリンでノッキングが起こらない設計になっており、更に2000年以降の多くのエンジンはノッキングの発生を感知し(いわゆる[[ノックセンサー]])、それを最小限に抑えるように補正する装置が装備されているためハイオクガソリンを入れる意味はほとんどない。燃費が2〜5%程度向上する場合もあるが(電子制御ECUが普及する以前の[[2ストローク機関|2ストロークエンジン]]車のように、ある程度のノッキングを前提にしているエンジンの場合、ノックが減少し若干ではあるが燃費の改善が期待できる)、ハイオクガソリンとの価格差を考慮すると無意味のケースが多い。
 
== アメリカ合衆国 ==
また、レギュラー仕様でも[[ターボチャージャー]]や[[スーパーチャージャー]]を装着しているエンジンにおいて、高回転運転を続け、エンジンの温度が高まった場合は、ノッキングが発生する可能性もある。こういった特殊な状況においては、ノッキング防止と言う点で効果は考えられるが、ノックセンサーが装備されているエンジンは多い{{efn2|ただし、連続過給運転時などはノッキングセンサーがあっても燃料でノック対策をした方がよいとする説の支持は高い。}}。一部のレギュラー仕様エンジンは、燃料のオクタン価の違いを判断し、自動的に点火時期をハイオク仕様に進角する物もあるので{{efn2|[[スズキ・スイフト]]の[[スズキ・K型エンジン#K12B|K12B]]エンジンなど。同じ車種でも仕向地によって指定するオクタン価が異なる場合、仕向地でそもそものセッティングが異なる場合と燃料を自動で判断するものがあり、後者の場合はこの例に該当する。}}、この場合は「若干の出力の向上が見込める」と期待する人もいる。
米国規格 (ASTM D 4814) では、リサーチ法オクタン価 (RON) とモータ法オクタン価 (MON) の両方で計算されるアンチノックインデックス (RON+MON)/2 の値で規定されている<ref name="kaneko" />。ヨーロッパや日本などの規格ではオクタン価の高い方と低い方の2つに分けているが、米国規格ではミッドグレードが中間にあり3グレードとなっている<ref name="kaneko" />。
 
== 日本産業規格 ==
「ハイオクガソリンに含まれている添加剤によってエンジン内部や燃料系統の清浄効果が得られる」という説があるが、実際の効果は車種等によって大きく異なっており、すべての車種に対して宣伝通りの効果が得ることができるとは限らない(そもそもレギュラーガソリンでもハイオクガソリンほどではないものの清浄剤は含まれている)。
=== 規格 ===
[[日本産業規格]](JIS K 2202)はリサーチ法オクタン価 (RON) のみを基準に使用しており、1号ガソリン(プレミアムガソリン)のオクタン価は96以上とされている<ref name="kaneko" /><ref name="section01">[https://www.eneos.co.jp/binran/part02/chapter01/section01.html 第1節 自動車ガソリン] ENEOS</ref>。なお、2号ガソリン(レギュラーガソリン)のオクタン価は89以上とされている<ref name="kaneko" /><ref name="section01" />。ただし、実際に市場で販売されている実勢値はプレミアムガソリンがRON100程度(そのため、プレミアムガソリンの商品名には「100」が入るものが多かった)、レギュラーガソリンがRON90程度とされている<ref name="kaneko" />。
 
=== 商品としての位置付け ===
点火時期が狂っていたり、燃焼室内部にカーボンが溜まっているなど圧縮比が高くなりノッキングを起こしている場合、ハイオクガソリンを使用することによってノッキングを防げるケースはあるが、点火時期を直したりカーボンをすべて排除するなどの機能はない。内部の清浄化目的でハイオクガソリンを入れるよりは濃度の面でも別途清浄剤を添加する方が効率的であるし、燃焼状態に影響が出るほど圧縮比が高まるぐらいにカーボンの堆積が重度である場合は分解清掃する方が何より確実である。
{{出典の明記|section=1|date=2022-01}}
かつて日本国内で製造されたガソリンエンジン搭載の自動車は、全て[[有鉛ガソリン]](有鉛レギュラーおよび有鉛ハイオク)仕様であった。その後、[[公害問題]]によるガソリンの無鉛化対策の結果、[[1972年]]3月までに有鉛仕様の自動車は製造されなくなった。しかしこの段階では有鉛仕様車の使用自体が禁止されたわけではなく、有鉛仕様の自動車が使われている間は国内のガソリンスタンドでは有鉛ガソリンの販売が続けられていた。[[1975年]]にレギュラーガソリンが無鉛化され[[無鉛ガソリン]]となった後は、有鉛ガソリンの販売は有鉛ハイオクに限られていた。しかし有鉛仕様車の数は徐々に減少し、ガソリンスタンドでの販売量も同様に減少していった。
 
そこで[[1983年]]に、[[出光興産]]と日本石油(現・[[ENEOS]])が'''無鉛ハイオク'''を発売し、他社もそれに追随した。なお、ごく少数が使用されていた有鉛ハイオク仕様の自動車には「[[鉛]]の代用品」を意味する「レッド・サブスティテュート (lead-substitute)」と呼ばれる添加剤を指定された割合で投入することで対処していた。
なお、かつてはハイオクとは有鉛プレミアムガソリンのことを指していたため、[[1985年]]頃までのレギュラーガソリン仕様車には「ハイオク(プレミアム)ガソリンは使用しないこと」と書かれている場合が多いが、現在のハイオクガソリンは無鉛ガソリンであり、これらの車に現在のハイオクガソリンを給油してもまず問題はない。一方で、[[2020年]]に登場した[[SUBARU]]の[[スバル・CB型エンジン|CB18エンジン]]([[スバル・レヴォーグ#2代目|2代目レヴォーグ]]などに搭載)では[[ガソリン直噴エンジン|直噴]]で[[リーンバーン]]を行う関係上、ハイオクガソリンを使用すると「着火しにくさ」が問題となり、燃費や始動性が悪化するとしている<ref>[https://bestcarweb.jp/feature/254578 新型レヴォーグを買うと教わる意外な注意書き 令和になって「慣らし運転」復活!??] [[ベストカーWeb]]([[国沢光宏]])、2021年3月2日(2021年7月6日閲覧)。</ref>。
 
無鉛ハイオクは、レギュラーガソリンと[[差別化]]を図れるため高価格で販売でき、大きな利幅を得ることができるため、当時は各社とも無鉛ハイオクガソリンの商品開発と販売促進に熱心であった。ハイオクガソリンはオクタン価向上剤の添加でアンチノッキング性を高めるだけでなく、強化された清浄剤などの添加により付加価値を高め「プレミアムガソリン」と銘打って販売された。当時は高性能をイメージさせる映像表現を用いたり「クリーン」「環境にやさしい」などと銘打った無鉛ハイオクガソリンの[[コマーシャルメッセージ|コマーシャル]]が盛んに行われていた。
==== ハイオク(プレミアムガソリン)仕様車にレギュラーガソリンを入れた場合 ====
前項とは逆に、ハイオクガソリン仕様車にレギュラーガソリンを入れた場合は、出力と燃費が確実に悪化するなど、様々な問題が発生する。車種にもよるが、出力は実測で5〜30%ほどの低下が見られる。また上記の通りノッキングが発生する可能性があるため、場合によっては、深刻な故障の原因にもなり得る。ただし、大半の[[輸入車]]も含めた市版車のエンジンは、緊急時におけるレギュラーガソリンの'''一時的な'''使用を想定しており、その場合は即故障にまでは至らないと考えてよい。この場合は、[[エンジンコントロールユニット]](ECU)にレギュラーガソリンを入れた時のプログラムが入力されており、レギュラーガソリンなど低オクタン価のガソリンを入れた際には、自動的にそのプログラムが作動する仕組みとなっている。ただし「レギュラーガソリンで走れる」といってもそれは緊急時(何らかの理由によりレギュラーガソリンしか入手できない事態など)の場合であり、改めて指定ガソリンを入手すべく自走可能にするための応急措置である{{efn2|事実、一部のハイオクガソリン仕様車のカタログには'''「無鉛レギュラーガソリンをお使いになることもできます。その場合エンジン性能を十分発揮できません」'''などといった注意事項が記述されている。}}。
 
一方で自動車会社は、こうした[[石油元売]]会社の動向に対して冷淡であった。実際のところはレギュラーガソリン仕様の自動車にただハイオクガソリンを給油しただけで性能が向上するわけではなく、石油元売会社が宣伝するような効果はなかったからである。しかし[[1980年代]]は、自動車メーカーも[[石油ショック]]や[[自動車排出ガス規制]]といった逆風から立ち直りハイパワー競争に明け暮れた時期でもあった。そこで出力を高める手段としてエンジンのハイオク仕様化が行われ、高性能の[[スポーツカー]]や高級車の多くがハイオク仕様となった。
ただし、一部の車種は“ハイオクガソリン専用”を謳うエンジンが存在するため{{efn2|[[トヨタ自動車|トヨタ]]・[[トヨタ・2ZZ-GE|2ZZ-GE]]、[[トヨタ・LRエンジン|1LR-GUE]]および[http://toyota.jp/customize/vitz/trdturbom/index.html ヴィッツ “TRD Turbo M”]や[http://www.trdparts.jp/parts_axio-turbo.html カローラアクシオ “GT”]などに搭載される、ごく一部の[[トヨタテクノクラフト#TRD|TRD]]コンプリートモデル専用の[[インタークーラー]]付[[ターボチャージャー]]搭載の[[トヨタ・1NZ-FE|1NZ-FE]][http://toyota.jp/after_service/faq/fuel/]、[[日産自動車|日産]]・[[日産・VR38DETT|VR38DETT]][http://www.nissan.co.jp/AP-CONTENTS/POSTOFFICE/ANSWERS/7753.html]、[[ダイハツ工業|ダイハツ]]・[[ダイハツ・JC型エンジン|JC-DET]]など。}}、注意が必要である。このようなエンジンの場合、'''エンジンの損傷や車両火災と言ったトラブルに直結するため、ハイオク仕様の車両にレギュラーガソリンを使用することは極めて危険な行為である。'''一例として、「[[日産・GT-R]]」はエンジンが非常に繊細なため、レギュラーガソリンの使用については非常時においても禁止している。
 
元売り各社間での宣伝文句自体も似通った文言<ref name="Mainichi_20200627_1" /> となっており、かつてのような宣伝は下火となっている。
ハイオク仕様・ハイオク指定・ハイオク専用などいろいろあるが、レギュラーガソリン可のハイオク仕様エンジンだとしても、長期的に見ればノッキングによって故障が生じる恐れがあるため、'''ハイオク指定車種では、レギュラーガソリンを常用(継続使用)すべきではない。'''レギュラーガソリンの常用によりエンジンに不調をきたした場合、保証対象外になりうる{{efn2|[[SUBARU (自動車)|SUBARU]]ではこの点を明言している。[https://www.subaru.jp/faq/engine/engine01.html]}}。これらは車両の[[マニュアル|取扱説明書]]に明記されており、ユーザーはそれに従うことが望ましい。
 
ハイオクガソリンは、元売系列や[[無印スタンド]]を含めて全てのスタンドで取り扱いがあるわけではなく、店によってレギュラーのみ、あるいはレギュラーと軽油のみの取り扱いだったりするため注意が必要である(逆にレギュラーとハイオクのみ、というスタンドもある)。
近年ノックセンサーなどが発達し、燃料の噴射や点火のタイミングをずらすなどの補正が行われ、ノッキングが生じにくくなってはいるが、古い車種ではノックセンサーで補正しきれずアイドル不安定・エンストなどの事例も報告されている。また、レギュラーガソリンを入れた場合、ノッキングの発生などによるエンジンの過剰な加熱による破損を防ぐために、燃料を増量させ、ピストンを加熱させないプログラムへと変更される。燃費が悪化する理由はこのためである。これらのことを勘案すると、レギュラーガソリン仕様車でも、ハイオクガソリン仕様車でも、自動車メーカーが指定していないガソリンを使用するメリットは乏しい。
 
=== ハイオクガソリンの品質問題 ===
なお[[ガソリン直噴エンジン|直噴エンジン]]車のうち、初期の希薄燃焼タイプのものは、ハイオク指定であることが多い。これは直噴エンジン自体が通常のポート噴射型エンジンに比べて高圧縮比設定になっていることが多いためで{{efn2|[[マツダ]]の[[マツダ・SKYACTIV-X|SKYACTIV-X]]のように、構造上超高圧縮比(15.0。欧州仕様は16.3)になるものもある。勿論ハイオク指定である(レギュラーガソリンも使用可)。{{PDFlink|[https://www.mazda.co.jp/globalassets/assets/cars/mazda3/common/pdf/mazda3_specification_201911.pdf MAZDA3 主要諸元]}}}}、[[三菱自動車|三菱]]の[[ガソリン直噴エンジン#三菱・GDI|GDI]]のように低負荷領域では圧縮時、中高負荷領域では吸気時および圧縮時に燃料噴射を行う制御であることが多いため、レギュラーガソリンを入れると圧縮時に[[デトネーション]]などを引き起こして、出力不足や、エンジン損傷に繋がるからである。近年では制御技術の向上により「直噴エンジン=ハイオク指定」でなくなってきてはいる{{efn2|希薄燃焼タイプの直噴エンジンでも、トヨタ・[[トヨタ・コロナプレミオ|コロナプレミオ]]、5代目前期型トヨタ・[[トヨタ・ビスタ|ビスタ/ビスタアルデオ]]などに搭載される[[トヨタ・S型エンジン (2代目)#3S-FSE|3S-FSE]]、および5代目後期型トヨタ・ビスタ/ビスタアルデオなどに搭載される[[トヨタ・AZエンジン|1AZ-FSE]]などのようにレギュラーガソリン用に最適化された直噴ガソリンエンジンも存在する。}}が、ハイオク指定の直噴エンジンでのレギュラー常用は、基本的に禁忌である。
* [[消費者庁]]は[[2012年]]4月19日のプレスリリースで、レギュラーガソリンを混ぜてハイオクとして販売したり、レギュラーガソリンをハイオクと偽って販売した業者もあると公表した<ref>{{PDFlink|[http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120419premiums_1.pdf]}} [[消費者庁]]プレスリリース、2012年4月19日</ref>。
* [[読売新聞]]は2012年4月28日、2008年から2012年までの5年間で、全国で延べ209か所ものSSで、レギュラーガソリンがハイオクガソリンと称して販売されていたと報道した<ref name="Yomiuri_20120425">{{ cite news | title = 偽ハイオク、全国209のGSで…過去5年調査 | newspaper = [[読売新聞]] | date = 2012-04-25 | author = | authorlink = | authorlink9 = | url = https://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120425-OYT1T00607.htm | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[読売新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = https://web.archive.org/web/20120428054311if_/https://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20120425-OYT1T00607.htm | archivedate = 2012-04-28 | ref = | postscript = }}</ref>。
 
==== ハイオクガソリン混合問題 ====
もちろんレギュラーガソリン用のプログラムが組まれたハイオクガソリン仕様車でも、チューニングショップによる現車合わせにより、燃調をギリギリまで詰めたECUを使用したり、圧縮比を著しく高めたりした場合、レギュラーの使用は論外となる。この場合、わずかでもオクタン価が低下すると、ノッキングやピストン[[棚落ち]]などのトラブルに直結する場合があり、レギュラーガソリンは使用できないからである。最近では、ECUの書き換えによるトラブルを防ぐために、メーカー側がECUを容易に改竄できないように対策を取っている。同様にチューニングや改造によって元々のレギュラーガソリン仕様車をハイオクガソリン仕様車にした場合もレギュラーは使用してはならなくなる。
各元売り系列ごとに「独自開発」を謳い、独自性能を宣伝して販売してきたハイオクガソリンが、実は約20年にわたり混合されて販売されてきた問題が[[2020年]](令和2年)に報道された。同時期の石油輸入の自由化をきっかけに、レギュラーガソリン等ハイオクガソリン以外の燃料については、公正取引委員会の調査でタンクの共同利用や、自社の製油所や貯油設備のない地域で他社の製品を買い取って自社製品として販売する取引があると各社より説明されていたが、ハイオクガソリンについてはその中でも独自の供給体制を維持しているとされてきた。同年2月に元売りがスタンドに対して他社と同一のタンクを利用していると回答した文書にて明らかになったとしている。出光興産はシェルブランドで扱う「Shell V-Power」については、他社と混合出荷されていないと回答し否定した。
 
* [[毎日新聞]]は2020年6月27日、元売各社が[[2000年]]頃から貯蔵タンクの共同利用の関係で出荷前から混合されていることが判明したと報道<ref name="Mainichi_20200627_1">{{ cite news | title = ハイオクガソリン、実は混合 「独自開発」のはずが…20年前から各地で | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-27 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200627/k00/00m/040/124000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref><ref name="Mainichi_20200627_2">{{ cite news | title = 「青天のへきれき。ごちゃ混ぜだったなんて」 ハイオク混合 ブランド信じた消費者を裏切り | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-27 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200627/k00/00m/040/131000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref><ref name="Mainichi_20200802"/><ref name="Mainichi_20200911">{{ cite news | title = 消費者軽視の「ハイオク混合」 独自性能うたい20年 こっそり効率化 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-27 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200911/k00/00m/020/256000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。[[油槽所]]の共同利用や共同配送、自社の油槽所のない地域で他社製品を買い取って自社製として販売する「バーター取引」を行ってきたことが判明した。
欧州車のうち欧州においてレギュラー指定である車両も日本ではハイオク指定となっているが([[#ヨーロッパ規格のプレミアムガソリン|後述]])、欧州規格のレギュラーに相当するようにオクタン価を調整するためにレギュラーを給油ないしハイオクと混合給油するのは不可能ではないが現実的とはとても言えない。
* 毎日新聞は同年6月29日、[[菅義偉]][[内閣官房長官]]は「問題あれば調査し対応」と表明したと報道<ref name="Mainichi_20200629_1">{{ cite news | title = ハイオク不正問題 菅官房長官「問題あれば調査し対応」 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-29 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200629/k00/00m/040/094000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。翌6月30日には[[梶山弘志]][[経済産業省]]長官が「消費者の誤解招かぬ対応を」と要請したと報道した<ref name="Mainichi_20200630">{{ cite news | title = ハイオク問題 「消費者の誤解招かぬ対応を」 梶山経産相が要請 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-30 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200630/k00/00m/040/227000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。
* 毎日新聞は2020年7月17日、石油元売り各社などで作る業界団体である[[石油連盟]]会長の[[杉森務]]([[ENEOSホールディングス]]の[[代表取締役]]でもある)は、レギュラーガソリンと同じくハイオクも各元売り系列で品質に差がない「汎用品」であると認めたと報じ<ref name="Mainichi_20200717_1">{{ cite news | title = ハイオク「レギュラーと同じ汎用品」 石油連盟会長「品質に差ない」 混合出荷 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-07-17 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200717/k00/00m/020/222000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。その上でハイオク混合出荷問題については「消費者の裏切りにはならない」と述べたと報道した<ref name="Mainichi_20200717_2">{{ cite news | title = ハイオク混合出荷 「消費者の裏切りにはならない」 石油連盟会長、一問一答 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-07-17 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200717/k00/00m/020/211000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。
* 毎日新聞は2020年8月2日、[[ENEOS]]が5年間「国内で唯一」と宣伝してきたハイオク「ヴィーゴ」を他社にも供給していたと報道した<ref name="Mainichi_20200802">{{cite news | title = ENEOS、ハイオク「ヴィーゴ」他社にも供給 5年間「国内で唯一」と宣伝 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-08-02 | url = https://mainichi.jp/articles/20200802/k00/00m/020/187000c | publisher = [[毎日新聞社]]}}</ref>。
* 毎日新聞は、このハイオク混合問題については[[NPO]]が[[消費者庁]]に再発防止措置を要請したと報道した<ref name="Mainichi_20200308">{{ cite news | title = ハイオク混合問題、大阪のNPOが消費者庁に再発防止措置を要請 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-03-08 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20210308/k00/00m/040/103000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref><ref name="Mainichi_20201030">{{ cite news | title = ハイオク混合問題 NPO法人がコスモ石油に被害回復を要請 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-10-30 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20201030/k00/00m/040/229000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。
* 石油元売り各社は、他社製と混合したハイオクガソリンをSSに出荷していた一方で、特約店に対しては他社製ガソリンとの混合販売を禁じてきた<ref name="Mainichi_20200713">{{ cite news | title = 怒るスタンド「裏切りだ」 元売りハイオク混合出荷 「『看板外す』という契約は脅し」 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-07-17 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200713/k00/00m/020/168000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。この行為は[[私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律]]に抵触すると公正取引委員会は警告している<ref name="ActualGasolineDistribution">{{Cite web|和書| url = https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h25/jul/130723.html | title = (平成25年7月23日)「ガソリンの取引に関する調査について」 | accessdate = 2004-09-01 | last = | first = | author = | authorlink = | date = | year = | month = | format = pdf | work = | publisher = [[公正取引委員会]] | page = | pages = | quote = | language = ja | archiveurl = https://web.archive.org/web/20171229190809if_/https://www.jftc.go.jp/houdou/pressrelease/h25/jul/130723.html | archivedate = 2017-12-29 | doi = | ref = }}</ref><ref name="AbstractGasolineDistribution">{{Cite web|和書| url = https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/998203/www.jftc.go.jp/pressrelease/04.september/04092202-01-tenpu.pdf | title = ガソリンの流通実態に関する調査(ポイント) | accessdate = 2004-09-01 | last = | first = | author = | authorlink = | date = | year = | month = | format = pdf | work = | publisher = [[公正取引委員会]] | page = | pages = | quote = | language = ja | archiveurl = | archivedate = | doi = | ref = }}</ref>。
* [[内外出版社]]のバイク雑誌『ヤングマシン』の姉妹誌『NSR専門誌 PRO SPEC』Vol.2(2019年5月)誌上で、ENEOS、コスモ石油、昭和シェル、出光の4社のハイオクガソリンを[[ホンダ・NSR250R]]に入れてパワー測定するという記事が掲載され、実際に各社でほとんど差がないという評価結果が出ていた。毎日新聞の報道を受け、内外出版社では同記事を「ヤングマシンWEB」に再掲している<ref name="evaluation">{{Cite web|和書| url = https://young-machine.com/2020/06/29/109919/ | title = 中身は同じだった!?【ガチ比較】ガソリンで出力は変わるのか、4社のハイオクをNSR250Rでパワー測定 | accessdate = 2020-06-29 | last = | first = | author = | authorlink = | date = | year = | month = | format = | work =ヤングマシンWEB | publisher = [[内外出版社]] | page = | pages = | quote = | language = ja | archiveurl = | archivedate = | doi = | ref = }}</ref>。
 
==== オートバオクガソリン場合性能偽装 ====
* 毎日新聞は2020年6月28日、[[コスモ石油]]が「スーパーマグナム」のブランドで販売するハイオクガソリンについて、[[ウェブサイト]]で清浄剤が配合されておりエンジン内部の汚れを取り除くとの虚偽の宣伝を行っていたと報道した<ref name="Mainichi_20200628_1">{{ cite news | title = コスモがハイオク虚偽表示 洗浄添加物なし、10年以上サイトに 景品表示法違反恐れ | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-28 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200628/k00/00m/040/185000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref><ref name="Mainichi_20200628_2">{{ cite news | title = 「使い続けるほどきれいに」は虚偽 消費者に怒り「コスモ一筋だったのに…」 スーパーマグナム | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-28 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200628/k00/00m/020/186000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref><ref name="Mainichi_20200719">{{ cite news | title = ハイオク虚偽宣伝 消費者庁がコスモ石油を調査 景品表示法違反の疑い | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-07-19 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200719/k00/00m/040/192000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。実際にはそのような事実は無く、同社は記載を削除した。メンテナンスの観点では上記性能の有無で、経年によるエンジン状態の劣化に大きな差が発生する。
自動車とは違い、一般に[[オートバイ]]はコストあるいはスペースの関係上ノッキングセンサーを備えていないケースが多いため、ハイオクガソリン仕様車にレギュラーガソリンを入れることは望ましくない。逆に、レギュラー仕様の車両にハイオクガソリンを入れてもパワーアップや燃費向上などは望めない。
* 毎日新聞は2020年6月29日、[[キグナス石油]]が「α-100」のブランドで販売するハイオクガソリンについて、ウェブサイトでオクタン価は100であると虚偽の宣伝をしていたと報道した<ref name="Mainichi_20200629_2">{{ cite news | title = キグナス、ハイオクを「オクタン価100」と虚偽の宣伝 指摘受けHP修正 | newspaper = [[毎日新聞]] | date = 2020-06-29 | author = | authorlink = | url = https://mainichi.jp/articles/20200629/k00/00m/040/147000c | accessdate = | format = | agency = | location = | publisher = [[毎日新聞社]] | isbn = | issn = | oclc = | pmid = | pmd = | bibcode = | doi = | id = | page = | pages = | at = | language = ja | trans-title = | quote = | archiveurl = | archivedate = | ref = | postscript = }}</ref>。しかし実際のオクタン価はそれより低かった。高オクタン価のガソリンを指定している高性能車にとっては、規定値下限であるオクタン価ではエンジンで[[ノッキング]]や早期着火が起こりやすくなり、その[[寿命]]の短縮に繋がる。
* これらについては上記の件と合わせ、コスモエネルギーホールディングス<ref name="cosmo200630">[https://ceh.cosmo-oil.co.jp/information/200630/index.html ハイオクガソリンに関わる一部報道について] コスモエネルギーホールディングス、2020年6月30日</ref> とキグナス石油<ref name="kygnus200701">{{PDFlink|[http://kygnus.jp/news/pdf/release200701.pdf ハイオクガソリンに関する報道について]}} キグナス石油、2020年7月1日</ref> が後日釈明のプレスリリースを出し、コスモは自社規格に合致しているのを確認して出荷しているため<ref name="cosmo200630"/>、キグナスはJIS規格と自社規格の基準をクリアしているのを確認しているため<ref name="kygnus200701"/>、それぞれ品質に問題ないと主張した<!--{{要出典範囲|<ref group="注">なお、キグナス石油は日本漁網船具(現・[[ニチモウ]])の石油部門だった時代に、東亜燃料工業(→[[東燃ゼネラル石油]]→ENEOS)との折半出資で石油精製部門(日網石油精製→キグナス石油精製)を設立したが2001年に東燃ゼネラル石油に合併され、2020年に主要供給元をコスモ石油に切り替えるまでは同社から主に供給を受けていた。キグナス石油の詐称については(前項の銘柄混合の件を考慮しても)主要供給元の変更も要因のひとつであることは明らかであろう。|date=2022-01}}</ref>}}-->。
 
==== 近況 ====
例外として、[[本田技研工業|ホンダ]]や[[ヤマハ発動機|ヤマハ]]のような日本メーカーの日本国外モデルのようにレギュラーガソリン仕様車の取扱説明書に「もしもノッキング(またはピンギング)が起こるなら、異なるブランドのガソリンか無鉛プレミアム(ハイオク)ガソリンを使うこと」という記述のあるものもある。これらの車種を日本国内で逆輸入車として使用する場合でかつ国内代理店においてレギュラーガソリン仕様車として販売されている場合に、輸出元と日本でレギュラーガソリンの規格が異なる(日本のレギュラーはRON89以上となっているが、東南アジア、オセアニアなどはレギュラーがRON91前後である)と負荷や使用状況によってはノッキング等を起こしうる場合がある。そういった車両であればハイオクガソリンでノッキング等の改善は見込めうる。2010年代頃より主に小排気量車で普及した日本メーカーの東南アジア製の日本国内モデルの場合も同様で、取扱説明書に明記はなくともノッキングに関してであれば改善はありうる。
日本国内で生産されているガソリンエンジンを搭載する自動車において、プレミアムガソリン(以下、ハイオクまたはプレミアム)を燃料に用いる製品(ハイオク専用、ハイオク指定ともに)は減少傾向<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGKKZO24504990R11C17A2QM8000/|title=ハイオク需要減少|work=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|date=2017-12-12|accessdate=2023-01-25}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/premier/business/articles/20200729/biz/00m/020/006000c|title=ハイオク問題「シェア9%」市場縮小は言い訳になるか|work=毎日.jp|publisher=毎日新聞社|date=2020-07-31|accessdate=2023-01-25}}</ref>にある。
 
特に[[ハイブリッドカー]]を含むエコカー減免が受けられるガソリンエンジン仕様の製品に至っては、一般的に[[レギュラーガソリン]](以下、[[レギュラーガソリン|レギュラー]]または単にガソリン)といわれる[[レギュラーガソリン|ノーマルガソリン]](以下、[[レギュラーガソリン|ノーマル]])仕様が多い。
==== その他 ====
[[発電機]]や[[チェーンソー]]など、自動車や二輪車以外のガソリンエンジンの燃料としてハイオクを入れても利点はない。[[ガソリン#航空用ガソリン|航空機用ガソリン]](Avgas)は、[[有鉛ガソリン]]を使用している。
 
[[軽自動車]]においては、[[SUBARU (自動車)|スバル]][[スバルの車種一覧#過去の国内販売車種|がかつて生産していた一部の製品]]<ref group="注">[[SUBARU (自動車)|スバル]][[スバル町#SUBARU群馬製作所本工場|が自社において軽自動車を開発・生産していた時代]]の正式社名は、[[富士重工業]]だった。</ref>([[スバル・EN型エンジン#EN07X(DOHC・IC付きスーパーチャージャー|DOHCで、インタークーラーを備えるスーパーチャージャーエンジンを搭載した製品]]<ref group="注">具体的には、[[スバル・ヴィヴィオ|ヴィヴィオ]][[スバル・ヴィヴィオ#グレード構成|RX-RのE型]]、[[スバル・プレオ#初代 RA/RV型(1998年-2010年)|初代]][[スバル|プレオのRS]]、[[スバル・R2|アールツーのS]]([[スバル・R2#初代 RC系(2003年-2010年)|2006年11月まで]])、[[スバル・R1|アールワンのS]]([[スバル・R1#初代 RJ系(2005年-2010年)|2006年11月まで]])がそれにあたる。</ref>)が、ハイオク指定仕様<ref group="注">基本的に、ハイオクを給油しなければならないが、緊急時には、出力、トルク、燃費こそ劣るもののレギュラーを給油してもよほどのことがない限り故障には直結せず、耐久性にも問題はなかったと思われる。</ref>だった事例を除き、ほぼすべての[[軽自動車#軽自動車車種|車種]]([[軽自動車#過去に販売されていた軽自動車車種|過去に存在した製品]]を含む)がレギュラー仕様となっている。
航空用ガソリンは、[[特定毒物]]で[[鉛中毒]]の危険がある[[テトラエチル鉛]]で加鉛されており、無鉛仕様である現在の車には使用できない。無鉛ガソリン仕様の[[内燃機関|エンジン]]に使用すると、バルブやバルブシートの侵食損傷、点火プラグの汚損、触媒の損傷などを引き起こしたり、環境や人体に対して鉛汚染の原因となる。また、給油の際などに航空ガソリンに直接触れると、[[テトラエチル鉛]]が人体に蓄積され[[鉛中毒]]を起こす危険が多分にあるので、安易に航空用ガソリンに触れたり、ガソリン蒸気を吸入しないようにしなければならない。
 
2010年代以降に日本国内で生産されている自動車で、ハイオク仕様となっている製品は、[[スポーツカー#21世紀のスポーツカー文化|一部のスポーツカー]]など、少数派になってしまい、なかでも[[日産・VR38DETT|VR38DETT型エンジン]]を搭載する[[日産自動車|日産]]・[[日産・GT-R|GT-R]]に至っては、[[日産・VR38DETT#概要|完全にハイオク専用]]となっている。
アルキル鉛としては[[テトラエチル鉛]] (C<sub>2</sub>H<sub>5</sub>)<sub>4</sub>Pb が最も多いが、[[四メチル鉛]] (CH<sub>3</sub>)<sub>4</sub>Pb、[[メチルエチル鉛]]なども該当する。'''いずれも猛毒物質([[毒劇法]]の[[特定毒物]])で呼吸や皮膚接触により容易に吸収され、中枢神経性の[[鉛中毒]]症状を引き起こす。'''
 
かつては、[[高級車|高級]][[セダン]]を中心に、ハイオク指定仕様またはハイオク専用仕様がよく存在したが{{refnest|group="注"|全ての高級セダンがハイオク仕様というわけではなく、レギュラーガソリン仕様の車種も存在した<ref group="注">例:[[トヨタ・クラウン]]の一部グレード</ref>。}}、日本での[[ノッチバック]][[セダン#日本国内での人気|セダン系の人気低迷]]により、高級セダンの淘汰<ref group="注">具体的には、2019年の[[トヨタ自動車|トヨタ]]・[[トヨタ・マークX|マークX]]の生産終了、2020年のスバル・[[スバル・レガシィ|レガシィ]]([[スバル・レガシィアウトバック|アウトバック]]を除く)の日本向け製品の生産終了、2021年の[[本田技研工業|ホンダ]]・[[ホンダ・レジェンド|レジェンド]]の生産終了など、21世紀に入ってから、高級セダン市場が次第に冷え込みつつあったこと。</ref>が相次ぎ、日本国内向けのハイオク仕様のセダンも、2024年の時点では、日産・[[日産・スカイライン|スカイライン]]([[日産・スカイラインセダン V37|13代目]])や[[レクサス]]の一部車種([[レクサス・IS|IS]]・[[レクサス・LS|LS]])、トヨタ・[[トヨタ・センチュリー|センチュリー]]、スバル・[[スバル・WRX|WRX]]に留まっている{{efn2|なお、ハッチバックに拡大すれば、[[マツダ・MAZDA3]]ファストバックの[[マツダ・SKYACTIV-X|SKYACTIV-X]]搭載車がハイオク仕様である。}}。
現在は無鉛ガソリンが流通の大部分であり、[[ジェネレーションギャップ|昔のようにガソリン由来の鉛中毒を起こす危険性を知らない人が多く]]、安易に自動車用ガソリンと同列視して航空用途以外に使用するのは大変危険である。
 
一方日本で入手でき販売され航空用[[欧州車]]のガソリンのオクタン価は、最大でも100オクタンであり、自動ほぼ全用無鉛種がハイオクで同じ仕様となっている{{efn2|[[オクタン価の物が購入でき#地域によので、あえて航空用ガソリンを使用するメリットはない。弊害については上記を変化]]も参照されたい。}}
 
== ヨーロッパ規格のプレミアムガソリン ==
ヨーロッパ規格(EN228)ではレギュラーガソリンのアンチノック性の下限値は91/82.5(RON/MON)とされており、アンチノック性の下限値が95/85(RON/MON)の基準を上回るものをプレミアムガソリンという<ref name="BOSCH236">ロバート・ボッシュ著、小口泰平監修『ボッシュ自動車ハンドブック第2版』シュタールジャパン、2003年、236頁</ref>。さらにアンチノック性の下限値が98/88(RON/MON)の基準を上回るものをスーパープラスという<ref name="BOSCH236" />。
 
ほとんどの欧州車は(欧州ではレギュラー指定のものも含め)日本ではハイオク指定となっている。近年増えつつある直噴エンジンでは、煤の発生や高圧縮比化のため、ハイオクの代わりにレギュラーを使用することは推奨されない。又、高出力なエンジンでは、オクタン価98以上を指定している車種もある。
 
== アメリカ合衆国のハイオクガソリン ==
アメリカでは、オクタン価91 - 93AKI(RON と MON との平均値)がハイオクガソリンと位置づけられている。そのために、日本のハイオクガソリンよりオクタン価が低いと思われがちである。しかしアメリカでは一部のスタンドで100AKIのレースガソリンも販売されており、チューニング車のユーザーが多いことが窺い知れる。
 
== 日本工業規格のハイオクガソリン ==
=== 規格 ===
具体的には、[[日本工業規格|日本工業規格(JIS)]]でオクタン価が96以上のガソリンという規格が定められているが、実際に市販されているハイオクガソリンの多くは98 - 100のものとなっている。一部の元売会社でハイオクガソリンの商品名に100という数字が付加されていたことがあったが、これはオクタン価100をアピールしたものであった([[#日本国内の主な元売各社のハイオクガソリンの商品名|下記]]参照)。
 
=== 商品としての位置付け ===
かつて、日本国内で製造されたガソリンエンジン搭載の自動車は、全て[[有鉛ガソリン]](有鉛レギュラーおよび有鉛ハイオク)仕様だった。しかし、公害問題によるガソリンの無鉛化対策の結果、1972年3月までに、有鉛仕様の自動車は製造されなくなった。しかし、この段階では有鉛仕様車の使用自体が禁止されたわけではなかった。
 
有鉛仕様の自動車が使われている間、国内のガソリンスタンドでは、有鉛ガソリン(レギュラー無鉛化後の1975年以降、発売された有鉛ガソリンは、有鉛ハイオクに限られていた)の販売が続けられた。しかし、有鉛仕様車の数は徐々に減少し、ガソリンスタンドでの販売量も同様に減少していった。
 
そこで[[1983年]]に、[[出光興産]]と日本石油(現・[[ENEOS]])が'''無鉛ハイオク'''を発売し、他社もそれに追随した{{efn2|なお、ごく少数が使用されている有鉛ハイオク仕様の自動車に対しては、「レッド・サブスティテュート(lead-substitute):鉛の代用品」と呼ばれる添加剤を、指定された割合で投入することで対処する(lead(鉛)の発音記号は[led])。}}。
 
無鉛ハイオクは、量販されるレギュラーガソリンと差別化を図れるため、ガソリンの販売各社([[ガソリンスタンド]])としても高い価格で販売でき、大きな利幅を得ることができる。このため、各社ともハイオクガソリンの商品開発・販売促進に熱心であった。ハイオクと称して販売されているガソリンは、オクタン価向上剤の添加でアンチノッキング性を高めるだけでなく、強化された清浄剤{{efn2|前述の通り清浄剤そのものはレギュラーガソリンでも入っていないわけではないが、清浄能力を強調しているハイオクガソリンではレギュラーのものより濃度を高めたり、強力な成分を使用している。ただし、清浄効果の発揮は継続使用が条件であり、清浄化を目的とする場合は無論その手のハイオクの給油よりも専用の添加剤の注入の方がやはり効果的かつ効率的である。}}などの添加により付加価値を高め、「プレミアムガソリン」と銘打って販売された。一時期は高性能をイメージさせる映像表現や、「クリーン」「環境にやさしい」などと銘打った、ハイオクガソリンの[[コマーシャルメッセージ|コマーシャル]]が盛んに行われていた。
 
一方で自動車会社は、こうした石油元売会社の動向に対して冷淡であった。実際のところはレギュラーガソリンを前提にした自動車に、ただハイオクガソリンを給油しただけで自動車の性能が向上するわけではなく([[#レギュラーガソリン仕様車にハイオクを入れた場合|前述]])、石油元売会社が宣伝するような効果はなかったからである。
 
しかし[[1980年代]]は、自動車メーカーも石油危機や排ガス規制といった逆風から立ち直り、ハイパワー競争に明け暮れた時期でもあった。そこで出力を高める手段として、エンジンのハイオク仕様化が行われた。そのため高性能のスポーツカーや高級車の多くが、ハイオク仕様となった{{efn2|日本初の無鉛ハイオク仕様車は、[[1987年]]発売の[[日産・ブルーバード#8代目 U12型系(1987年 - 1991年)|U12系ブルーバード]]の[[日産・CAエンジン#CA18DET iC付|CA18DET]]搭載車である。}}。
 
ハイオク仕様車の登場によって、消費者の間でも指定の車種でなければ、ハイオクガソリンを給油する意味が薄いことが知れ渡ることとなった。逆にハイオク仕様車には当然ながらハイオクを給油しなければならないため、現在では石油元売会社による性能・環境アピールのようなハイオクガソリンの宣伝活動は控えられている{{efn2|宣伝活動が控えられている他にも、元売り各社間での宣伝文句自体も似通った文言<ref name="mainichi20200627"/>になっており、宣伝が下火となった遠因のひとつとして[[#その他注意点|後述]]の石油輸入の自由化頃からの混合出荷に対して極端な性能差が出ないようにしていると解釈もできる。}}。
 
=== その他注意点 ===
いわゆる「[[無印スタンド]]」と呼ばれる、元売の系列に属さない[[ガソリンスタンド]]は、元売の余剰在庫の、いわゆる'''[[業転玉]]'''(ぎょうてんぎょく)と呼ばれる業者間転売品のガソリンを販売している場合がある。元売の系列に属するスタンドと比べて数円/L安い場合が多いが、業転玉はいくつかのタンクやタンクローリーを渡り歩くことが多く、その過程で複数のメーカー、さまざまな品質の製品が混合され、品質に問題が出る場合がある。悪質な例では、レギュラーガソリンを混ぜてハイオクとして販売したり、レギュラーガソリンをハイオクと偽って販売した業者もある<ref>[http://www.caa.go.jp/representation/pdf/120419premiums_1.pdf] 消費者庁プレスリリース2012年4月19日</ref>。また、元売の看板を出しているスタンドでも、元売の名前がないタンクローリー(いわゆる「無印ローリー」)が日常的に出入りしているスタンドは同様な注意が必要であると言える。
* ハイオクガソリンは無印スタンド、元売系列を含め、全てのスタンドで取り扱いがあるわけではなく、店によってレギュラーのみ、あるいはレギュラーと軽油のみの取り扱いだったりするため注意が必要である(逆にレギュラーとハイオクのみ、というスタンドもある)。
* 2020年(令和2年)6月27日、元売各社のハイオクガソリンが貯蔵タンクの共同利用の関係で約20年前から出荷前から混合されていることが判明したと[[毎日新聞]]が報道した<ref name="mainichi20200627">{{Cite news |url=https://mainichi.jp/articles/20200627/k00/00m/040/124000c |title=ハイオクガソリン、実は混合 「独自開発」のはずが…20年前から各地で|newspaper=毎日新聞|date=2020-06-27}}</ref>。同時期の石油輸入の自由化をきっかけに、レギュラーガソリン等ハイオクガソリン以外の燃料については公正取引委員会の調査でタンクの共同利用や自社の製油所や貯油設備のない地域で他社の製品を買い取って自社製品として販売する取引があると各社より説明されていたが、ハイオクガソリンについてはその中でも独自の供給体制を維持しているとされてきた。同年2月に元売りがスタンドに対して他社と同一のタンクを利用していると回答した文書にて明らかになったとしている。出光興産はシェルブランドで扱うShell V-Powerについては、他社と混合出荷されていないと回答し否定した。
* 2020年(令和2年)6月28日<ref name="mainichi20200628">{{Cite news |url=https://mainichi.jp/articles/20200628/k00/00m/040/185000c |title=コスモがハイオク虚偽表示 洗浄添加物なし、10年以上サイトに 景品表示法違反恐れ|newspaper=毎日新聞|date=2020-06-28}}</ref>と29日<ref name="mainichi20200629">{{Cite news |url=https://mainichi.jp/articles/20200629/k00/00m/040/147000c |title=キグナス、ハイオクを「オクタン価100」と虚偽の宣伝 指摘受けHP修正|newspaper=毎日新聞|date=2020-06-29}}</ref>、コスモ石油のハイオクガソリン「スーパーマグナム」とキグナス石油のハイオクガソリン「α-100」の虚偽の宣伝について毎日新聞が報道した。どちらも、使用することで汚れをつきにくくする程度のものを汚れをキレイにすると宣伝したり、キグナス石油のものについてはオクタン価が100ではないのに100と表記していたことについてである。これらについては上記の件と合わせコスモエネルギーホールディングス<ref>[https://ceh.cosmo-oil.co.jp/information/200630/index.html ハイオクガソリンに関わる一部報道について] コスモエネルギーホールディングス 2020年6月30日</ref>とキグナス石油<ref>[http://kygnus.jp/news/pdf/release200701.pdf ハイオクガソリンに関する報道について] キグナス石油 2020年7月1日</ref>が後日釈明のプレスリリースを出し、コスモは自社規格に合致しているのを確認して出荷しているため、キグナスはJIS規格と自社規格の基準をクリアしているのを確認しているため、それぞれ品質に問題ないとしている{{efn2|なお、キグナス石油は日本漁網船具(現・[[ニチモウ]])の石油部門だった時代に、東亜燃料工業(→[[東燃ゼネラル石油]]→ENEOS)との折半出資で石油精製部門(日網石油精製→キグナス石油精製)を設立したが2001年に東燃ゼネラル石油に合併され、2020年に主要供給元をコスモ石油に切り替えるまでは同社から主に供給を受けていた。キグナス石油の詐称については(前項の銘柄混合の件を考慮しても)主要供給元の変更も要因のひとつであることは明らかであろう。}}。
 
=== 日本国内の主な元売各社のハイオクガソリンの商品名 ===
[[ファイル:赤黄緑 (2543481618).jpg|thumb|併記の例<br />(ノズルの上に「ハイオク」、横には「シナジーF-1」)]]
: ※セルフ式スタンドではどのブランドもハイオクの名称あるいは商品名にハイオクと併記のうえで販売し、ノズルの色も黄色(レギュラーは赤、軽油は緑、灯油は青)で統一されている。また、独自ブランドや無名ブランドのスタンドもハイオクの名称で販売している。
: ※元売各社のハイオクガソリン融通により、商品名は違っても中身が同じ場合がある。ただし、Shell V-Powerのみ、混合出荷されていないと回答されている。
* [[ENEOS]]:ENEOSハイオク(かつては、ENEOSヴィーゴ{{efn2|2018年9月にENEOSヴィーゴの販売を終了し、ENEOSハイオクに名称を戻した。}})
** かつての[[新日本石油|日本石油]]は、日石80オクタンガソリン→コウモリガソリンP→日石ゴールド→NEW日石ゴールド(100オクタン)→NEW日石ゴールド(無鉛)→日石ダッシュガソリンスペシャル(一般公募により命名)→日石ダッシュガソリンスペシャル(アルキレート)→日石ダッシュレーサー100→日石ダッシュレーサー100(MTBE)→日石ダッシュレーサー100(ワーキレー)
** かつての[[三菱石油]]は、三菱スーパーガソリン→三菱スーパーSガソリン→ダイヤモンドガソリン→ダイヤモンドガソリン100+α→無鉛ダイヤモンドガソリン→Z/100 SUPER PREMIUM(ポンプ表記はZ/100)→プレミアムZ
** 合併前の日石三菱は、日石三菱ハイオクガソリン→ENEOSハイオク(旧)
** 合併前の[[九州石油]]は、ストークサンダー100→ストークサンダーエース
** 合併前の[[ジャパンエナジー]](JOMO)(かつては共同石油→日鉱共石)は、カクタスガソリン→共石スーパーガソリン100→共石シエット{{efn2|シエット(Sietto)は[[イタリア語]]で「混じりけの無い」という意味。}}→共石シエットGP-1→共石GP-1プラス→GP-1プラス(JOMO時代)
** 合併前の[[EMGマーケティング|エッソ・モービル・ゼネラル(EMG)]]は、シナジーF-1
** かつてのESSO(エッソ石油)は、エッソガソリン→Extra→Extra100→スープレックス→Super Tiger{{efn2|一部店舗ではスープレックスを引き続き販売していた。}}
** かつてのMobil(モービル石油)は、モービルガス→モービルガススペシャル→Mobil Hi→Mobil Hi-無鉛→Mobil Hi アルキー→Mobil F-1
** かつての[[東燃ゼネラル石油|ゼネラル石油]](ゼネラル物産時代を含む)は、ゼネラルニューパワーガソリン→ゼネラルスーパーガソリン→マッハG100
** EMGとの合併前のかつての[[三井石油]]は、プラズマ→プラズマNEXT
* [[出光興産]](apollostation):apollostationハイオク
** 出光ブランド店は、出光スーパーゼアス(かつては、アポロガソリン→出光100ガソリン(有鉛)→金アポロガソリン→無鉛金アポロガソリン→NEW金アポロガソリン→出光100ガソリン(無鉛)(愛称・アポロ100ガソリン))
** シェルブランド店(旧・[[昭和シェル石油]])は、Shell V-Power{{efn2|もともとは海外での商品名で、日本国内においても2014年7月1日より一部地域を除いた限定サービスステーションにおいて導入。}}またはShell Premium{{efn2|Shell Pura非取り扱い[[ガソリンスタンド|サービスステーション]]では、Shell V-Power導入後もShell Premiumを継続して販売していたが、現在は全ての店舗でShell V-Powerを販売している。}}(かつては、Shell Super X→FORMULA Shell Super X→FORMULA Shell→Shell Pura(シェル・ピューラ))
*** 合併前のシェル石油は、Super Shell→Super X
*** 合併前の昭和石油は、富士ハイパワーガソリン→昭石スーパーガソリン
* [[コスモエネルギーホールディングス|コスモ石油]]:スーパーマグナム(かつては、MAGNUM 100)
** 合併前の丸善石油は、スーパー・スワ・スピードガソリン98→丸善ガソリン100ダッシュ
** 合併前の大協石油は、大協ダイナミックガソリン→大協スーパーダイナミックガソリン→大協スーパーガソリン100
** 合併前のアジア石油は、アウルガソリン
* [[キグナス石油]]:α-100(かつては、キグナスガソリン)
* [[太陽石油]]:SOLATOプレミアム(かつては、太陽コロナ100→太陽スーパーコロナ)
 
== 脚注 ==
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{{Notelist2}}
=== 出典 ===
{{Reflist|30em}}
 
== 関連項目 ==
* [[ガソリン]]
* [[軽油#プレミアム軽油|プレミアム軽油]]
** [[有鉛ガソリン]] / [[無鉛ガソリン]]
* [[軽油#プレミアム軽油]]
* [[誤給油]]
 
{{自動車用燃料}}
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{{デフォルトソート:こうおくたんかかそりん}}
 
[[Category:石油製品]]
[[Category:自動車用燃料]]