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駅弁の持つ歴史や情緒などが好まれ、「各地の名物」として[[百貨店]]等で販売されることもある([[元祖有名駅弁と全国うまいもの大会]]など<ref name="東洋経済20210114">さとうようこ:[https://toyokeizai.net/articles/-/403186 京王百貨店「駅弁大会」開催を決断した舞台裏 例年とは異なり、鉄道業界を盛り上げる企画へ] [[東洋経済新報社|東洋経済]]ONLINEオンライン(2021年1月14日)2021年8月9日閲覧</ref>、[[#地方の名物とする試み、イベント商品としての拡販|後述]])。
==起源==
日本最古の駅弁がどこの駅でいつ発売されたのかについては諸説ある。1885年(明治18年)7月16日に[[日本鉄道]]の嘱託を受けた旅館「[[白木屋]]」が、この日開業した[[日本鉄道]](現在の[[東日本旅客鉄道]][[東北本線]])[[宇都宮駅]]で[[おにぎり|握り飯]]2個と[[沢庵漬け|たくあん]]を[[竹]]の皮に包んで販売した例が、前述のように最初の事例とされる<ref name = kadokawa/><ref name = shogaku-kan/><ref>日本国有鉄道中央会『会員の家業とその沿革』[[1958年]]6月</ref>。ため、宇都宮説によるでの駅弁発売日である7月16日は'''「駅弁記念日」'''となっており、数多くの文献や[[ウェブサイト]]が駅弁記念日を紹介する際に宇都宮起源説を紹介している<ref>[http://www.ekiben.or.jp/main/hot_news/2015/03/001813.php おかげさまで駅弁130周年] [[一般社団法人|一社)]]日本鉄道構内営業中央会(2021年8月9日閲覧)</ref>。
 
起源についてはこの他に以下の説がある。
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* [[1883年]](明治16年)の[[上野駅]]説<ref>日本鉄道『改正日本鉄道規則及び諸賃金明細独案内』[[1883年]]12月</ref>。
* [[1884年]](明治17年)の[[敦賀駅]]説<ref>[http://shioso.co.jp/company-history/ 塩荘の歴史] 株式会社 塩荘(2021年8月9日閲覧)</ref>
* 1884年(明治17年)に[[高崎駅]]説。これは[[高崎弁当]]が自説として1884年(明治17年)に[[高崎駅]]でおにぎり弁当を発売したと述べているもの<ref>[http://www.takaben.co.jp/history-takaben/index2.html#btn たかべんの歩み] 高崎弁当(2021年8月9日閲覧)</ref>であるが、一般的には高崎弁当の販売開始は[[信越本線|信越線]]開通の[[横川駅 (群馬県)|横川駅]]での駅弁販売開始に続く[[1886年]](明治19年)3月だったと言われている<ref name = shogaku-kan/>。
 
現在のような[[折箱|折詰]]に入った駅弁は、[[1890年]](明治23年)に[[姫路駅]]で[[まねき食品]]が発売したものが最初との説がある<ref>[http://www.maneki-co.com/makunouchi/ 明治22年発売の「元祖」幕の内駅弁] まねき食品株式会社(2021年8月9日閲覧)</ref>。また農文協(社団法人[[農山漁村文化協会]])刊行の『日本の食生活全集 28 聞き書 兵庫の食事』(1991年)にも「元祖・駅弁--姫路の『まねき』」と題する記述があり、そこでは[[1889年]](明治22年)に姫路駅で発売された物を駅弁の元祖とし以下のように述べている。
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== 駅弁と軍弁 ==
[[第二次世界大戦]]前、各所に駅弁業者が開業するにつれ、[[日本軍]]の部隊が[[演習]]や出征等により鉄道で移動する際の車内での食事用にも駅弁が利用されるようになり、その場合、軍の輸送計画に基づき軍部隊から経路上の駅弁業者に発注・手配が行われた(「軍弁」)<ref name="gunben">伊藤東作『本当にあった[[第101建設隊|陸自鉄道部隊]]』([[光人社]]、2008年、ISBN 978-4-7698-2574-6)pp.41-42</ref><ref group="注釈">軍部隊は、出動時の輸送手段・経路等を平時から予め調査・検討し、鉄道省等との間で軍用列車の手配等に備えた調整等も行っていた(演習での移動はその検証でもあった)。移動中の食事の供給についても、経路上の駅弁業者の供食能力を把握し、輸送計画実施時の発注に備えて調整を行っていた。</ref>。輸送計画の秘匿のため発注がなされるのは直前であり、駅弁業者には短時日で大量の弁当調製対応が求められた。難しさを伴ったものの需要は大きく、ある程度定期的に行われる演習による発注は駅弁業者の収益源の一つともなり、駅弁業者はその需要に応えるよう努め、駅弁の進歩・普及の背景ともなった<ref name="gunben"/>。戦時中は食糧事情の悪化により食材も不足し、軍弁といえども弁当の内容は簡素なものとなっていった。
 
戦後、[[自衛隊]]の部隊の鉄道輸送時にも、移動中の食事には[[駐屯地]]給食の手配(「運搬食」)と併せて駅弁も利用されている<ref name="gunben"/>。
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[[ファイル:Station_lunch_selling,Yoshimatsu-sta.,Yusui-town,Japan.jpg|thumb|right|希少になった売り子による駅弁立ち売り(鹿児島県・[[吉松駅]])]]
[[画像:崎陽軒 (8968795525).jpg|thumb|right|世界的にも稀な「地下鉄での駅弁販売」(神奈川県・[[あざみ野駅]])]]
最も一般的な販売形態は、駅構内や[[プラットホーム|ホーム]]上にある駅弁調製業者の売店で店頭に置いて販売している形である。調製業者が経営する駅構内の[[立ち食いそば・うどん店]]、[[キヨスク]]など調製業者以外が経営する売店などが扱っている場合もある。
 
最も一般的な販売形態は、駅構内や[[プラットホーム|ホーム]]上にある駅弁調製業者の売店で店頭に置いて販売している形である。調製業者が経営する駅構内の[[立ち食いそば・うどん店]]、[[Kiosk (JRグループ)|キヨスク]]など調製業者以外が経営する売店などが扱っている場合もある。
このほかに、駅弁の多く売れる食事時間帯前後や[[ブルートレイン (日本)|寝台特急列車]]、[[臨時列車#イベント列車|イベント列車]]などの到着時に限り、ホーム上に[[キャスター (移動用部品)|キャスター]]つきの[[荷車|カート]]または台を置き、その上に駅弁や[[茶]]を陳列して売り子が販売する形態がある<ref>{{Cite news|url=https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130412/dms1304120711009-n1.htm|title=寝るか起きるか迷う! 寝台特急「あけぼの」の旅|newspaper=ZAKZAK|date=2013-04-12|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/life/news/120721/trd12072112010003-n2.htm|title=【鉄道ファン必見】OL鉄子“SLばんえつ物語”号に乗る! 念願かなった七夕の旅|newspaper=[[MSN産経ニュース]]|date=2012-07-21|accessdate=2016-05-03}}</ref>。また、かつての駅弁売りの典型的スタイルであった、売り子が[[帯]]([[たすき]])のついた[[ばんじゅう]]に駅弁や茶を入れ、容器を前方に出す形で首から下げホーム上を歩いて掛け声を発しながら販売する「立ち売り」がある<ref name=tachiuri>{{Cite news|url=http://www.news-postseven.com/archives/20140513_256277.html|title=なぜ、駅のホームで駅弁を売る「立ち売りさん」はいなくなった 駅弁の歴史を紐解く|newspaper=[[NEWSポストセブン]]|date=2014-05-13|accessdate=2016-05-03}}</ref>。しかしいずれも減少傾向にあり<ref name=tachiuri/>、2016年5月の時点で駅弁の立ち売りが行われているのは、<!-- [[下今市駅]]<ref>{{Cite news|url=http://response.jp/article/2015/08/16/257967.html|title=「東武のSL復活」でヒートアップ!? 下今市で新旧駅弁がガチンコ対決|newspaper=レスポンス([[Response.]]jp)|date=2015-08-16|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>[http://travel.biglobe.ne.jp/ekiben/special03/ 旅の玉手箱「全国駅弁ガイド」北関東・東武日光線の旅 - BIGLOBE旅行]</ref>([[栃木県]])、 2015年夏期で立ち売り終了-->、[[折尾駅]]<ref>[http://tochikuken.co.jp/shop/kks/kks_orio/tachiuri/ 立ち売り紹介]{{リンク切れ|date=2021年8月}}東筑軒</ref>([[福岡県]])、[[人吉駅]]<ref>{{Cite news|url=http://www.kininaru-k.jp/2008/back_doc/09/0904/genki.html|title=連載「くまもと元気モン!」第375号|newspaper=熊本県広報課|date=2008-09-04|accessdate=2016-05-03}}{{リンク切れ|date=2021年8月}}</ref><ref>[https://archives.bs-asahi.co.jp/mirai_isan/lineup/000089/ #89「土地を味わう、立ち売りの駅弁」(熊本県人吉市)][[BS朝日]]「みらい遺産 ~Human×Lands~」2015年12月15日(2021年8月9日閲覧)</ref>([[熊本県]])、[[吉松駅]]<ref>{{Cite news|url=http://www.47news.jp/localnews/hotnews/2015/09/post-20150916215725.html|title=昔ながらの駅弁立ち売り、鹿児島県で唯一 JR吉松駅|newspaper=[[47NEWS]](よんななニュース)|date=2015-09-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>([[鹿児島県]])など日本全国で10駅に満たない。長年続いた<ref>{{Cite news|url=http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1486|title=中部エリアで最後の駅弁立売美濃太田駅弁「松茸の釜飯」 美濃太田駅 向龍館|newspaper=[[WEDGE]] Infinity(ウェッジ)|date=2011-09-13|accessdate=2016-05-03}} {{Cite news|url=http://www.asahi-mullion.com/column/article/station/478|title=コラム/ひとえきがたり/美濃太田駅(岐阜県、JR高山)|newspaper=朝日マリオン・コム|date=2014-03-04|accessdate=2016-05-03}}</ref>[[美濃太田駅]]([[岐阜県]])のように、担当者の引退で駅弁ともども終了した例もある<ref>[https://www2.ctv.co.jp/news/2019/05/29/52641/ "60年間愛された釜飯弁当に幕 駅のホームで売り続けた男性(75)が引退へ 時代の移り変わりで 岐阜・美濃加茂市"]『[[中京テレビ]]』2019年5月28日放送</ref>。
 
このほかに、駅弁の多く売れる食事時間帯前後や[[ブルートレイン (日本)|寝台特急列車]]、[[臨時列車#イベント列車|イベント列車]]などの到着時に限り、ホーム上に[[キャスター (移動用部品)|キャスター]]つきの[[荷車|カート]]または台を置き、その上に駅弁や[[茶]]を陳列して売り子が販売する形態がある<ref>{{Cite news|url=https://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20130412/dms1304120711009-n1.htm|title=寝るか起きるか迷う!寝台特急「あけぼの」の旅|newspaper=ZAKZAK|date=2013-04-12|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20120721084658/http://sankei.jp.msn.com/life/news/120721/trd12072112010003-n2.htm|title=【鉄道ファン必見】OL鉄子“SLばんえつ物語”号に乗る! !念願かなった七夕の旅|newspaper=[[MSN産経ニュース]]|date=2012-07-21|accessdate=2016-05-03}}</ref>。また、かつての駅弁売りの典型的スタイルであった、売り子が[[帯]]([[たすき]])のついた[[ばんじゅう]]に駅弁や茶を入れ、容器を前方に出す形で首から下げホーム上を歩いて掛け声を発しながら販売する「立ち売り」がある<ref name=tachiuri>{{Cite news|url=http://www.news-postseven.com/archives/20140513_256277.html|title=なぜ、駅のホームで駅弁を売る「立ち売りさん」はいなくなった 駅弁の歴史を紐解く|newspaper=[[NEWSポストセブン]]|date=2014-05-13|accessdate=2016-05-03}}</ref>。しかしいずれも減少傾向にあり<ref name=tachiuri/>、2016年5月の時点で駅弁の立ち売りが行われているのは、<!-- [[下今市駅]]<ref>{{Cite news|url=http://response.jp/article/2015/08/16/257967.html|title=「東武のSL復活」でヒートアップ!? 下今市で新旧駅弁がガチンコ対決|newspaper=レスポンス([[Response.]]jp)|date=2015-08-16|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>[http://travel.biglobe.ne.jp/ekiben/special03/ 旅の玉手箱「全国駅弁ガイド」北関東・東武日光線の旅 - BIGLOBE旅行]</ref>([[栃木県]])、 2015年夏期で立ち売り終了-->、[[折尾駅]]<ref>[http://tochikuken.co.jp/shop/kks/kks_orio/tachiuri/ 立ち売り紹介]{{リンク切れ|date=2021年8月}}東筑軒</ref>([[福岡県]])、[[人吉駅]]<ref>{{Cite news|url=http://www.kininaru-k.jp/2008/back_doc/09/0904/genki.html|title=連載「くまもと元気モン!」第375号|newspaper=熊本県広報課|date=2008-09-04|accessdate=2016-05-03}}{{リンク切れ|date=2021年8月}}</ref><ref>[https://archives.bs-asahi.co.jp/mirai_isan/lineup/000089/ #89「土地を味わう、立ち売りの駅弁」(熊本県人吉市)][[BS朝日]]「みらい遺産 ~Human×Lands~」2015年12月15日(2021年8月9日閲覧)</ref>([[熊本県]])、[[吉松駅]]<ref>{{Cite news|url=http://www.47news.jp/localnews/hotnews/2015/09/post-20150916215725.html|title=昔ながらの駅弁立ち売り、鹿児島県で唯一 JR吉松駅|newspaper=[[47NEWS]](よんななニュース)|date=2015-09-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>([[鹿児島県]])など日本全国で10駅に満たない。長年続いた<ref>{{Cite news|url=http://wedge.ismedia.jp/articles/-/1486|title=中部エリアで最後の駅弁立売美濃太田駅弁「松茸の釜飯」 美濃太田駅 向龍館|newspaper=[[WEDGE]] Infinity(ウェッジ)|date=2011-09-13|accessdate=2016-05-03}} {{Cite news|url=http://www.asahi-mullion.com/column/article/station/478|title=コラム/ひとえきがたり/美濃太田駅(岐阜県、JR高山)|newspaper=朝日マリオン・コム|date=2014-03-04|accessdate=2016-05-03}}</ref>[[美濃太田駅]]([[岐阜県]])のように、担当者の引退で駅弁ともども終了した例もある<ref>[https://www2.ctv.co.jp/news/2019/05/29/52641/ "60年間愛された釜飯弁当に幕 駅のホームで売り続けた男性(75)が引退へ 時代の移り変わりで 岐阜・美濃加茂市"]『[[中京テレビ]]』2019年5月28日放送</ref>。
駅構内のほか、古くから列車(主に[[優等列車]])内の[[車内販売]]でも沿線の駅の駅弁が取り扱われている<ref>{{Cite news|url=http://dime.jp/genre/159704/1/|title=ワゴンの中の商品点数は?最も売れる時間帯は?東海道新幹線「車内販売」のヒミツ|newspaper=[[DIME (雑誌)|@DIME アットダイム]]|date=2015-11-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>。後述のように、駅弁とされながら業者が駅構内の販売を取りやめて、駅近くの自社店舗等で販売している例もある。
 
駅構内のほか、古くから列車(主に[[優等列車]])内の[[車内販売]]でも沿線の駅の駅弁が取り扱われている<ref>{{Cite news|url=http://dime.jp/genre/159704/1/|title=ワゴンの中の商品点数は?最も売れる時間帯は?東海道新幹線「車内販売」のヒミツ|newspaper=[[DIME (雑誌)|@DIME アットダイム]]|date=2015-11-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>。後述のように、駅弁とされながら業者が駅構内の販売を取りやめて、駅近くの自社店舗等で販売している例もある。
業者によっては[[電話]]等で予約し、予約時に乗車する列車と車両を通知すれば当該列車・車両の乗降口まで駅弁を届けて販売するサービスも行なっている。また、そのような予約による販売のみで完全予約制の[[会席料理]]と同様の[[惣菜]]を[[重箱]]に詰めた高価な駅弁も[[金沢駅]]などにある<ref>{{Cite news|url=https://www.news-postseven.com/archives/20131016_218287.html?DETAIL|title=1個1万円 金沢駅の超豪華駅弁『加賀野立弁当』(要予約)|newspaper=NEWSポストセブン|date=2013-10-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>。また{{いつ範囲|近年では|date=2021年10月}}、[[インターネット]]等による駅弁の[[通信販売]]を取り扱っている業者もある(低温で配送できるクール[[宅配便]]の登場による)。
 
業者によっては[[電話]]等で予約し、予約時に乗車する列車と車両を通知すれば当該列車・車両の乗降口まで駅弁を届けて販売するサービスも行なっている。また、そのような完全予約による販売のみで完全予約制の[[会席料理]]と同様の[[惣菜]]を[[重箱]]に詰めた高価な駅弁も[[金沢駅]]などにある<ref>{{Cite news|url=https://www.news-postseven.com/archives/20131016_218287.html?DETAIL|title=1個1万円 金沢駅の超豪華駅弁『加賀野立弁当』(要予約)|newspaper=NEWSポストセブン|date=2013-10-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>。また{{いつ範囲|近年低温は|date=2021年10月}}配送できるクール[[宅配便]]の登場により、[[インターネット]]等による駅弁の[[通信販売]]を取り扱っている業者もある(低温で配送できるクール[[宅配便]]の登場による)
2020年以降は[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]の蔓延により旅行・出張や催事が減り、駅弁の製造・販売事業者は苦境に陥っている。インターネット通販を新たに始めたり、駅弁販売店の閉鎖やカレー店への業態転換を進めたりする企業もある<ref>「コロナ長期化 駅弁大打撃 生き残り:業態を変更/ 通販強化へ」『[[日本農業新聞]]』2021年2月24日16面</ref>。その中で2022年には[[東京都知事]]・[[小池百合子]]の発案で、宿泊療養施設の食事に週1回程度、駅弁や航空会社の[[機内食]]を取り入れる<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220114/k10013430881000.html 小池知事 “交通機関の運休 東京でも” 感染拡大防止に協力を] - NHK NEWS WEB([[日本放送協会]]) 2022年1月14日 17時07分</ref>。
 
2020年以降は[[新型コロナウイルス感染症 (2019年)|新型コロナウイルス感染症]]の蔓延により旅行・出張や催事が減り、駅弁の製造・販売事業者は苦境に陥っている。インターネット通販を新たに始めたり、駅弁販売店の閉鎖やカレー店への業態転換を進めたりする企業もある<ref>「コロナ長期化 駅弁大打撃 生き残り:業態を変更/ 通販強化へ」『[[日本農業新聞]]』2021年2月24日16面</ref>。その中で2022年には[[東京都知事]]・[[小池百合子]]の発案で、宿泊療養施設の食事に週1回程度、駅弁や航空会社の[[機内食]]を取り入れる<ref>[https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220114/k10013430881000.html 小池知事 “交通機関の運休 東京でも” 感染拡大防止に協力を] - NHK NEWS WEB([[日本放送協会]]) 2022)2022年1月14日 17時07分</ref>。
 
== 現状 ==
{{出典の明記|section=1|date=2012年9月|ソートキー=鉄}}
=== 概要 ===
かつては停車中に立売りの売り子を窓近くへ呼んで窓越しに購入する方法が主流であった。現在は窓が開閉できない鉄道車両が増えたために為、窓越しの受け渡しが不可となったためてしまい、この方式は珍しくなってしまった
 
[[高速化 (鉄道)|列車の高速化]]による停車時間の短縮、目的地への移動時間の短縮、[[コンビニエンスストア]]ならびにキオスクの廉価な弁当や弁当以外の軽食・パン類との競合、駅構内での[[飲食店]]の充実(いわゆる「[[駅ナカ]]」)、優等列車での車内販売の縮小・廃止などによって駅構内や車内販売での駅弁の売上は減少する傾向にあり<ref>[http://wbslog.seesaa.net/article/426490344.html 駅弁ブームの陰で…“地方の駅弁”が大ピンチ] ワールドビジネスサテライト、2022年4月23日閲覧</ref>、業者の撤退・廃業も珍しくない<ref>{{Cite news|url=http://www.zakzak.co.jp/top/200907/t2009070238_all.html|title=“最北の駅弁屋”惜しむ声…「角舘商会」廃業 |newspaper=ZAKZAK|date=2009-07-02|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.asahi.com/articles/ASH4R3DCCH4RTZNB002.html|title=山口の駅弁会社なくなる 創業1世紀、時代の波に勝てず|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2015-04-27|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20150518124740/http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/entame/railway/20150430-OYS1T50039.html|title=山口唯一の駅弁撤退「小郡駅弁当」4月末で|newspaper=[[読売新聞]]|date=2015-04-29|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://blog.hokkaido-np.co.jp/tamatetsu/2015/06/post-35.html|title=特急オホーツク 車内販売の思い出|newspaper=[[北海道新聞|どうしん]]鉄道[[ブログ]]|date=2015-06-18|accessdate=2016-05-03}}</ref>。
 
とりわけ商売環境の厳しい四国では地場業者が日常的に調製しているのは[[今治駅]]と[[高知駅]]の僅か2駅のみである。岡山の業者が調製し納入している[[高松駅 (香川県)|高松駅]]と[[松山駅 (愛媛県)|松山駅]]を合わせても4駅のみである。[[徳島線]]「藍よしのがわトロッコ」の運転日に下り列車が[[貞光駅]]を発車後に車内で買える駅弁も含め、5駅まで減っている。
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[[日本国有鉄道]](国鉄)時代には白飯と焼き魚、肉料理、[[フライ (料理)|フライ]]、[[卵焼き]]、[[蒲鉾]]などの一般的な惣菜を使用した、いわゆる[[幕の内弁当]]の系列のものを'''普通弁当'''と称しそれ以外の弁当を'''特殊弁当'''と称して制度上の区分がなされていた<ref name=koushiki/>。[[飯|ごはん]]と[[おかず]]というセットになっていないもの、たとえば「[[寿司#押し寿司|押し寿司]]」などは「特殊弁当」に分類される。さらに国鉄が「米飯がはいっていないものは駅弁ではない」としたために、[[長万部駅]]の「そば弁当」や[[大船駅]]の「サンドウィッチ」などは国鉄末期まで駅弁として認められなかった<ref group="注釈">[[原ノ町駅]]の「いなり天ざる弁当」や[[出雲市駅]]の「出雲そば弁当」は、寿司を添えていたことで古くから駅弁として認められていた。</ref>。なお、国鉄前身の[[運輸通信省 (日本)|運輸通信省]]時代、[[太平洋戦争]]下には米飯が排除された時期もある。実際に[[1943年]][[11月1日]]からは、節米を目的として主要駅の駅弁が一斉に「[[芋]]弁当」(米の代わりに芋を使用)に切り替えられた<ref>富山市史編纂委員会編『富山市史 第二編』(1960年4月 富山市史編纂委員会)p.1154</ref>。
 
この「中央会加盟業者が調製している」「米を使っている」という条件に該当する弁当は包装紙に共通デザインの「駅弁マーク」と呼ばれる[[商標]]を入れ、[[交通新聞社]]発行の『[[JR時刻表]]』(大型版のみ)欄外に販売駅弁の記載があるのが特徴である<ref name=koushiki/>。駅弁マークは外側に正方形の直角部を削った形の太い枠に弁当箱と箱の仕切りをイメージした細い十字で区切った細い正方形を入れた形で、上に幕の内弁当の由来に因んだ勘亭流の字体を用いた「駅弁」の文字、左下に旅と人の交流の暖かさを表す赤い丸、右下にローマ字の「EKIBEN」をあしらった<ref>COLUMN駅弁マークってなに - 沼本忠次「名物駅弁秘話」 - 天夢人 34-35頁</ref>。
 
この「駅弁マーク」を有する弁当のみが「駅弁」であるという定義づけは当の中央会や一部の人々の間で行われているが、この定義は下記のような事情から現実的とは言えない。
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中央会に加盟している業者でも駅構内での販売を取りやめ駅前の自社店舗での販売のみとしながら引き続き駅弁マーク入りの駅弁を販売する例もある一方(その場合、時刻表にも引き続き「弁」マークの表示を記載)、駅前に店舗を構える中央会非加盟の弁当業者が独自の弁当を作り「駅弁」を名乗る例や、中央会加盟業者が他地域の駅構内売店事業者の委託を受けて弁当を製造する例もある。後者の例は観光客誘致の手段として、地方においてよく見られる([[#日本各地の駅弁|後述]]参照)。但し後者のケースで、中央会非加盟の弁当業者のみが販売している駅の場合は、時刻表での「弁」マークの記載はない。
 
中央会加盟業者がJRの駅構内で販売している場合でも、[[横浜駅]]や[[鳥栖駅]]で売られている[[焼売]]や大船駅で売られている[[サンドイッチ]]弁当のように米飯が入っておらず「駅弁マーク」を付けることができなかったが一般には駅弁と見なされている商品もある。[[大船軒]]の「サンドウィッチ」には駅弁マークこそついていないが、包装紙には「SINCE 1898/日本デ最初ノ駅弁サンドウィッチ」と明記されている<ref>[http://www.ofunaken.co.jp/page015.html 押寿しとサンドウ井ッチ 大船軒]</ref>。また、[[山陰本線]]の[[益田駅]]のように、時刻表には全く駅弁の表記が無いのに、[[Kiosk (JRグループ)|キヨスク]]には「益田駅の駅弁」と大きく書かれ、ごく普通にキヨスクで販売されている例もある<ref>{{Cite news|url=http://mainichi.jp/articles/20150816/ddl/k32/020/324000c|title=鮎めし弁当:益田の仕出し店、天然アユで弁当開発 淡泊な味が売り/島根|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2015-08-16|accessdate=2016-05-03}}</ref>。
 
以上のような事情から、駅構内や駅前の弁当業者の店舗で販売される弁当を総合して「駅弁」と呼ぶ場合が多い。デパートで催される駅弁大会に出品されたり[[旅番組|旅情報を扱ったテレビ番組]]で取り上げられたりする「駅弁」もこのような広義の条件に該当する弁当であり、中央会加盟業者が調製する弁当とは限らない。
 
車内販売のある列車では駅弁のほか、列車内限定で発売される弁当もある。イベント列車などにおいては、そのイベント列車限定で発売される弁当もある。これらも一般的には「駅弁」に含まれるものと解されている<ref name="biwa">{{Cite news|url=httphttps://www.asahi.com/airtravel/OSK201009140073.html|title=SL北びわこ乗客25万人へ 米原駅で記念駅弁発売|newspaper=朝日新聞|date=2010-09-15|accessdate=2016-05-03}}</ref>。
 
== 駅弁と茶 ==
{{出典の明記|section=1|date=2012年9月|ソートキー=鉄}}
多くの販売店では、駅弁を食べる際の飲み物として[[煎茶]]が販売されている。販売店によっては街の持ち帰り弁当店と同様に即席の[[味噌汁]]や[[スープ]]も販売し、それらに使う[[湯|お湯]]を供するケースもある。
 
=== 汽車土瓶時代 ===
[[File:きらがし (16965485647).jpg|thumb|right|[[鉄道博物館 (さいたま市)|鉄道博物館]]で展示される「小さな親切」(手前)と「[[信楽駅|しがらき]]」(奥)と書かれた汽車土瓶。いずれも湯呑が被せてある(2015年)]]
[[明治時代]]から[[昭和]]30年代までは。湯呑兼用の蓋が付いた[[汽車土瓶]]と呼ばれる[[陶磁器|陶器]]の小瓶入りの茶が駅弁と共に販売されていた。汽車土瓶の期限起源は、[[1889年]](明治22年)に[[静岡駅]]で[[信楽焼]]の[[土瓶]]にお茶を入れて販売したのが嚆矢と言われている<ref name="shigaraki46">畑中英二・編『信楽汽車土瓶』別冊淡海文庫16 [[サンライズ出版]] 2007年 ISBN 978-4-88325-155-1 P.46</ref><ref name="norimono">{{cite news|url=https://trafficnews.jp/post/108812 |title=「汽車土瓶」って何? 駅弁とともに限定復刻 実は常に売っている駅も|author=古屋啓子 |date=2023-5-24|publisher=[[メディア・ヴァーグ|乗りものニュース]]|accessdate=2023-10-7}}</ref>。信楽焼や[[益子焼]]、[[瀬戸焼]]、[[常滑焼]]、[[会津本郷焼]]で製造され、表面に駅名や、販売元、金額が書かれていた<ref name="fukushima">{{Cite web|和書|url=https://www.fcp.or.jp/iseki/column/1846|title=調査研究コラム#084 汽車土瓶について|autherauthor=吉野滋夫|date=2020-1-14|accessdate=2023-10-7|publisher=福島県文化振興財団遺跡調査部}}</ref><ref name="yamanashi">{{Cite web|和書|url=https://www.pref.yamanashi.jp/maizou-bnk/topics/401_500/0434.html|title=遺跡トピックスNo.0434汽車土瓶〔甲府市〕|date=2016-2-25|accessdate=2023-10-7|publisher=山梨県観光文化・スポーツ部埋蔵文化財センター}}</ref>。
 
[[1921年]]([[大正]]10年)、[[鉄道省]]は内容物が見えない事や衛生上の理由により土瓶を禁止したため、[[大日本麦酒]]などによる[[ガラス]]製のガラス茶瓶が登場した。しかし煎茶が丸見えのため[[尿瓶]]のように見えて飲む気にならない、窓からの[[ポイ捨て]]で沿線の住民や保線工がケガする危険があるなどの理由で、ガラス製の茶瓶はわずか数年で製造が中止され、昭和に入ると静岡駅で汽車土瓶の販売が再開された<ref name="shigaraki46"/>。
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=== 缶・ペットボトル時代 ===
しかしビニール容器入りの煎茶も[[1980年代]]末期以降、販売時にお湯を用意する必要のない[[缶]]入りの[[緑茶]]や[[烏龍茶]]が普及したため、少なくなった。さらに[[1996年]](平成8年)4月に500[[リットル|ミリリットル]]以下の[[ペットボトル]]飲料の販売が解禁された<ref name="l経済新語辞典">{{citeCite web| 和書|url = https://books.google.co.jp/books?id=YiIQAQAAMAAJ&q=%E8%87%AA%E4%B8%BB%E8%A6%8F%E5%88%B6+PET%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB&dq=%E8%87%AA%E4%B8%BB%E8%A6%8F%E5%88%B6+PET%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB&hl=ja&sa=X&ei=FMgZU7vxJZWxoQTukIC4Ag&ved=0CDUQ6AEwAg| title = 経済新語辞典|publisher = 日本経済新聞社|accessdate =2016-05-06}}</ref><ref>{{citeCite web| 和書|url = https://books.google.co.jp/books?id=ZH3EUZkI5isC&pg=PA140&dq=%E8%87%AA%E4%B8%BB%E8%A6%8F%E5%88%B6+PET%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB&hl=ja&sa=X&ei=FMgZU7vxJZWxoQTukIC4Ag&ved=0CDAQ6AEwAQ#v=onepage&q=%E8%87%AA%E4%B8%BB%E8%A6%8F%E5%88%B6%20PET%E3%83%9C%E3%83%88%E3%83%AB&f=false| title = 文化の力: カルチュラル・マーケティングの方法|author=青木貞茂|publisher=NTT出版|isbn=9784757122178|accessdate=2016-05-03}}</ref>ため、[[2000年代]]以降ではポリ茶瓶はあまり見られなくなり、駅弁とともに売られるお茶は、ペットボトルや缶入りのお茶にほぼ取って代わられたといえる。(20162016年5月現在でもポリ茶瓶のお茶が販売されているのは、[[いすみ鉄道いすみ線]][[大原駅 (千葉県)|大原駅]]<ref>[http://www.isumirail.co.jp/bentou いすみ鉄道のお弁当について] いすみ鉄道株式会社</ref>([[千葉県]])、[[伊東駅]]<ref>[https://ameblo.jp/gionzushi/entry-10716597338.html 昔ながらの茶瓶@伊東駅|伊豆・伊東温泉 名物いなり・弁当・駅弁の祇園社長ブログ]</ref>([[静岡県]])など日本全国で10駅に満たないが、ポリ茶瓶も汽車土瓶と同様に復刻の形で販売されることがある<ref>{{Cite news|url=http://www.asahi.com/articles/ASH7B4G0YH7BUUHB008.html|title=JR宇都宮線130周年 駅弁立ち売りや旧型客車を復活|newspaper=朝日新聞|date=2015-07-18|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite news|url=http://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000004320|title=ここだけ土産売れ筋です 秋葉区・新津鉄道資料館 地元5商店と連携 郷愁誘う「ポリ茶瓶セット」など|newspaper=北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ|date=2015-10-01|accessdate=2016-05-03}}</ref>。
{{節スタブ}}
<!--年代や事実の詳細をご存知の方に、詳しくして頂けると嬉しく思います。-->
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==== 台湾 ====
[[台湾]]は旧日本領で一番「駅弁文化」を発展させている国であり、日本と異なる独自な文化を持っている。台湾の駅弁は「鐵路便當」と呼ばれ、台湾各地の鉄道駅や列車の車内販売で販売される。日本の駅弁は冷めた状態が前提作り置き販売される駅弁当は異なりと正反対に台湾は「温かいままの状態で店頭販売されする」という前提で駅弁を作り置いている<ref>[https://welove.expedia.co.jp/destination/asia/taiwan/12366/ 台湾の懐かしの味!台北駅のできたて駅弁の魅力とは?] エクスペディア、2021年11月27日閲覧</ref>。駅弁の内容は、[[排骨]]飯便當([[ばら肉|油で揚げた骨付きの豚ばら肉]]を白飯の上に載せたもの)や雞腿便當(骨付き鶏もも肉揚げ)に{{仮リンク|滷水蛋|zh|滷水蛋}}(台湾風[[煮卵]])、[[豆腐干]]、[[沢庵漬け]]や[[高菜]]を添えたものなど、米飯と肉料理と付け合わせから構成される弁当が一般的である<ref name="taitetsu">[http://www.railway.gov.tw/tw/shop.aspx?n=6835 台鉄弁当](正体字中国語)</ref><ref>[http://www.taipeinavi.com/special/5057414 台湾の駅弁] 台北ナビ、2021年11月27日閲覧</ref>。このような弁当は駅や地方により多少の違いはあるが、どの駅でも大きな差異はなく比較的画一的である。また、[[台東線]]の[[池上駅 (台東県)|池上駅]]などでは近年まで駅弁の立ち売りが行われていた<ref name="ikegami">{{cite news|url= http://week.ltn.com.tw/Travel/DC1605.html|title=鐵路便當/台東池上便當(正体字中国語)|author=林孟佳、許麗娟|newspaper=[[自由時報]]|date=2014-05-23|accessdate=2016-04-30}}</ref>ほか、[[2015年]]7月には[[台北市|台北]]で国際駅弁祭り({{zh-tw|國際鐵道便當節}})が開催され、日本や台湾を始めとする6か国11社の駅弁が販売された<ref>{{Cite news|url=http://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000054944.html|title=台湾で「第1回駅弁祭り」 日本の「駅弁」が人気|newspaper=[[テレビ朝日|テレ朝]]news|date=2015-07-17|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://web.archive.org/web/20150718040006/http://japan.cna.com.tw/news/aeco/201507160003.aspx|title=台湾で駅弁祭り JR東日本も出展、E7系の新幹線弁当など販売へ|publisher=フォーカス台湾|date=2016-07-16|accessdate=2016-05-03}}</ref><ref>{{cite news|url=http://www.chinatimes.com/newspapers/20150301000286-260114 |title=6國鐵道便當 7月大PK|language=cn|author=楊竣傑 |newspaper=[[中国時報]]|date=2015-03-01|accessdate=2016-05-03}}</ref>。2020年8月、日本の事業者として初めて[[崎陽軒]]が台北駅に[[シウマイ弁当]]を販売する駅弁店を出店した。
* [[台鉄弁当]]<ref name=taitetsu/>([[台北駅]]、[[台中駅]]、[[高雄駅]]、[[花蓮駅]]など)
* [[奮起湖弁当]]<ref>[http://www.fenchihu-hotel.com.tw/lunchbox.asp 戀戀阿里山-奮起湖大飯店官方網站(正体字中国語)]</ref><ref>[http://www.taipeinavi.com/food/1084/ 奮起湖大飯店(嘉義県)] 台北ナビ、2022年12月30日閲覧</ref>([[奮起湖駅]])
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==== 韓国 ====
[[大韓民国|韓国]]でも、駅構内や車内販売で米飯に[[プルコギ]]を主体とする[[惣菜]]を合わせた[[幕の内弁当]]のような弁当、その他の米飯と数種の惣菜による幕の内弁当のような弁当、[[海苔巻き]]の弁当が販売されているが、日本の駅弁ほどの多様性は無い。しかし近年では日本の駅弁文化に習い、[[ソウル駅]]に多数の駅弁販売店が出店し、多様な駅弁が販売されるようになった<ref>{{cite news |title=【NOW!ソウル】ソウル駅に「駅弁」ブーム!|newspaper=[[中央日報]]|date=2013年9月27日 |url=httphttps://japanese.joins.com/article/573JArticle/176573.html?servcode=800&sectcode=850}}</ref>。また[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]では、首都の[[平壌駅]]に駅弁があると北朝鮮鉄道本「将軍様の鉄道」に著されている。
 
==== 樺太南部(サハリン) ====
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=== アフリカ ===
{{出典の明記|section=1|date=2023年6月|ソートキー=鉄}}
[[エジプト]]では寝台列車で弁当がある。[[ナミビア・ドル|ナミビア]]では、首都[[ウィントフック]]駅にハンバーガーの駅弁を販売([[ウォルビスベイ]]、[[アピントン]]の2路線には各々、軽食用自動販売機を設置)。
[[エジプト]]では寝台列車で弁当がある。
 
[[マダガスカル]]の[[マダガスカルの鉄道|FCE]](フィアナランツア~マナカラ)では、沿線の主要駅にて駅弁(私営の物売り)がある。[[マラウイ鉄道]]のナユチ~バラカは、[[リウォンデ]]駅で同様の販売がある。
 
=== ヨーロッパ ===
[[ヨーロッパ]]では[[イタリア]]北部・中部や[[フランス]]の各地で、肉料理にサラダ、[[パスタ]]、パンかサンドウィッチ、小瓶の[[ワイン]]を合わせた食事セットが販売される鉄道駅がある<ref>京王百貨店駅弁チーム p131</ref>。しかし食事セットはどの駅でも大きな差異はなく、販売される駅も日本の駅弁販売駅ほど多くはない。
 
なお、2012年4月に運行を開始したイタリアの高速列車[[ヌオーヴォ・トラスポルト・ヴィアッジャトーリ|イタロ]] (Italo) では、日本の駅弁を参考にしたイタロ・ボックスが有料で提供されている<ref>[http://pro.gnavi.co.jp/magazine/article/column_2/c21116/ イタリア発 人気を集めるデリバリー&ケータリング 後編 - 海外トレンドリポート - 1]</ref>。そのほかに2016年3月より、[[パリ]]の[[リヨン駅]]で[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]及び[[日本レストランエンタプライズ]]と[[フランス国鉄]]の共同企画として、日本の駅弁5種類が販売された<ref>[https://www.jreast.co.jp/press/2015/20160204.pdf フランス国鉄 初の日本の駅弁売店の開業時期について]</ref><ref>{{Cite news|url=httphttps://mainichi.jp/articles/20160303/k00/00m/040/045000c|title=初の駅弁売店オープン パリ・リヨン駅|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2015-03-02|accessdate=2016-04-29}}</ref>。当初は2カ月間限定の企画であったが、好評であったため販売期間が延長された<ref>{{Cite news|url=https://news.mynavi.jp/article/20160423-a183/|title=JR東日本・NRE、パリの駅弁売店「EKIBEN」好評につき出店期間を26日間延長|newspaper=乗りものニュース|date=2015-04-23|accessdate=2016-05-03}}</ref>。リヨン駅では、さらに2018年11月にも期間限定ショップが設けられ、駅弁の販売が行われたことがある<ref>{{Cite web |和書|date=2019-01-20 |url= https://toyokeizai.net/articles/-/260845|title=日本の駅弁は美食の国フランスで通用したか |publisher=東洋経済オンライン |accessdate=2019-01-20}}</ref>。
 
フランスの[[パリ]]では、日本[[留学]]時に[[ホームステイ]]先で作ってもらった弁当を参考にして、3軒の駅弁店を経営している女性が存在する<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO33377880V20C18A7CR0000/ パリで駅弁人気 焼き魚・空揚げ…多彩]『日本経済新聞』夕刊2018年7月25日(社会面)2018年7月26日閲覧</ref>。
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主な駅弁の種類については[[:Category:駅弁]]の対象記事を参照。
 
[[山口県]]と[[埼玉県]]では、地元の業者が全て駅弁販売から撤退した。[[大阪府]]では、他県所在の業者に営業譲渡した1種類の駅弁のみが残る。[[京都府]]と[[沖縄県]]では、2019年時点で地元企業は1事業者のみ。[[徳島県]]に至っては駅弁が全滅している。しかし、たとえば[[徳山駅]]の「あなごめし」は2010年(平成22年)3月に従来の駅弁業者が撤退したが、同年7月には水産物の通販を行う[[徳山ふくセンター]](中央会非加盟)が別のレシピで販売を開始した<ref>[https://fukufuku.ocnk.net/phone/page/1 徳山駅弁当について] 徳山ふくセンター、2022年12月30日閲覧</ref>。また、[[松山駅 (愛媛県)|松山駅]]の「醤油めし」(岡山県の[[三好野本店]]が製造)<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO36875180U8A021C1LA0000/|title=松山の名物駅弁「醤油めし」復活 伝統の味を継承|newspaper=日本経済新聞|date=2018-10-25|accessdate=2020-04-07}}</ref>や[[新山口駅]]の「SL弁当」([[広島駅弁当]]が製造)<ref>{{Cite news|author=蓬田正志|title=駅弁:山口の味消えず 「ふく寿司」「SL弁当」販売継続 広島駅弁当がレシピ継承|newspaper=毎日新聞山口版|date=2015-05-02}}</ref>、[[博多駅]]の「かしわめし」(広島駅弁当が設立した「博多寿改良軒」が製造)<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20190105/k00/00m/040/061000c|title=JR博多駅の駅弁「博多名物かしわめし」が復活|newspaper=毎日新聞|date=2018-01-05|accessdate=2020-04-07}}</ref>のように、他県の駅弁事業者が名物駅弁のレシピを受け継いで製造し、鉄道会社の系列会社等に販売を委託して『復活』させる事例もある。沖縄では正規の駅弁は全滅しているが、(園内鉄道がある)名護市の「ナゴパイナップルパーク・アナナスキッチン」のスパイシーソイミートロール、パイナップルタコライス、今帰仁村の「古宇利オーシャンタワー・オーシャンブルー」のピザが購入可能である。
 
== エピソード ==
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* [[空弁]](そらべん) - [[空港]]で売られている弁当
* [[速弁]](はやべん) - [[中日本高速道路]]のサービスエリアで売られている弁当
* [[港弁]](みなとべん) - [[みなとオアシス全国協議会]]が認定して各港で売られている弁当
* [[駅弁大学]]
* [[ぶらり駅弁味な旅]] - 全国の駅弁を題材とした漫画作品