「2022年ロシアのウクライナ侵攻のタイムライン (2022年9月 - 12月)」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
m 外部リンクの修正 http:// -> web.archive.org (www.asahi.com) (Botによる編集)
m編集の要約なし
(4人の利用者による、間の5版が非表示)
1行目:
{{Pathnav|frame=1|2022年ロシアのウクライナ侵攻のタイムライン}}
'''2022年ロシアのウクライナ侵攻のタイムライン (2022年9月 - 12月)'''(2022ねんロシアのウクライナしんこうのタイムライン 2022年9月 - 12月)では、[[2022年]][[2月24日]]に開始された[[2022年ロシアのウクライナ侵攻|ロシアのウクライナ侵攻]]の経過の2022年9月から12月について述べる。
{{2022年ロシアのウクライナ侵攻のタイムライン}}
 
== 2022年9月 ==
57 ⟶ 58行目:
 
=== 9月17日 ===
* アメリカのシンクタンクの戦争研究所が、ロシアがハルキウ、ルハンシク両州に大規模な援軍を出せなかったとして「ウクライナ北東部の大部分で、ロシア軍はウクライナの反攻に対し非常に脆弱な状態になっている」と分析した<ref>{{Cite web|和書|title=ウクライナ軍の反攻続く 東部ドンバスのロシア軍もろく |url=https://web.archive.org/web/20220919060308/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022091900334&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-19 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-19}}</ref>。
* ゼレンスキー大統領はロシア軍から奪還したハルキウ州の計10カ所以上で、住民らが[[拷問]]を受けたとみられる部屋や器具が見つかったことを明らかにした<ref name=":cnn20220919">{{Cite web|和書|title=ウクライナ東部に「拷問部屋」10カ所以上以上、ロシア軍撤退後に発見 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35193473.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-09-20 |publisher=CNN |date=2022-09-19}}</ref>。州検察も拷問用の電気ショック用の器具を押収したと発表している<ref name=":cnn20220919" />。
 
75 ⟶ 76行目:
=== 9月21日 ===
* プーチン大統領が国営テレビでの演説で、部分的動員令の大統領令への署名を発表するとともに、核兵器使用の可能性と、ロシア軍が占領しているウクライナ東南部でのロシア編入への賛否を問う住民投票への支持を表明<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR2169Y0R20C22A9000000/ 「プーチン氏、部分動員令に署名 30万人規模 親ロ派地域併合へ 核使用も辞さず」]日本経済新聞ニュースサイト(2022年9月21日)同日閲覧</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20220921/k00/00m/030/143000c.amp|title=プーチン大統領、部分的な動員令に署名 「特別軍事作戦」巡り|publisher=毎日新聞|date=2022-09-21|accessdate=2022-09-21}}</ref>。[[予備役]]30万人の[[動員]]<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20220921/k00/00m/030/271000c|title=プーチン氏、予備役30万人動員へ 編入問う「住民投票」は4州に|accessdate=2022-09-22|publisher=毎日新聞}}</ref>。
* ロシアとウクライナが、271人を対象とする捕虜交換を実施した<ref name=":reuter20220922">{{Cite web|和書|title=ロシアとウクライナが捕虜交換、侵攻後最大の約300人|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-prisoners-idJPKBN2QN02O|work=Reuters|date=2022-09-22|access-date=2022-09-22}}</ref><ref name=":jiji20220922">{{Cite web|和書|title=271人の捕虜交換成立 「国家の勝利」とウクライナ大統領:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220922013519/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092200445&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-22 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-22}}</ref>。ロシアのウクライナ侵攻開始以降最大の規模で、ロシアからは東部マリウポリで長期にわたりロシア軍に抵抗した[[アゾフ連隊]]の司令官と隊員108人を含む205人のウクライナ兵と外国人の雇い兵10人が、ウクライナからはロシア兵55人と、親ロシア派のウクライナ人政治家でオリガルヒのヴィクトル・メドヴェチュクが解放された<ref name=":reuter20220922" /><ref name=":jiji20220922" /><ref>{{Cite web|和書|title=ウクライナで拘束のイギリス人5人、解放される|url=https://www.bbc.com/japanese/62990748|work=BBCニュース|access-date=2022-09-22|date=2022-09-22}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(9月22日の動き) {{!}} NHK |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220922/k10013777261000.html |website=NHKニュース |access-date=2022-09-22 |publisher=日本放送協会 |date=2022-09-22}}</ref>。今回の捕虜交換はトルコとサウジアラビアが仲介した<ref name=":jiji20220922" />。解放された司令官5人はロシアとの交戦が終わるまでウクライナに帰還せず、トルコにとどまるのが条件<ref name=":jiji20220922" />。外国人10人はサウジアラビアに移送された<ref name=":jiji20220922" />。
* アメリカのバイデン大統領が、国連総会で一般討論演説に臨み、ロシアによるウクライナ侵攻について、領土保全や武力行使禁止などの原則を定めた国連憲章に違反したと強く非難した<ref>{{Cite web|和書|title=バイデン氏、ロシアを非難 ウクライナ侵攻「国連憲章違反」―安保理改革訴えも:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220921173459/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092100659&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-22 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-22}}</ref>。
* ショイグ国防相が、国営テレビで放映されたインタビューで、ウクライナ侵攻に伴うロシア側の戦死者が5937人に上ったと明らかにした<ref name=":jiji202209222">{{Cite web|和書|title=ロシア軍の死者「5937人」 動員令で情報公開か―国防相:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220921124451/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092101171&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-22 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-22}}</ref>。ロシア国防省は2022年3月下旬に死者1351人と発表後、更新していなかった<ref name=":jiji202209222" />。
* ロイター通信の報道で、ロシアと国境を接するラトビア、エストニア、リトアニアのバルト3国、招集拒否を理由にしたロシア人の入国に厳しく対処する方針を示した<ref name=":youmuri20220922">{{Cite web|和書|title=ロシアで動員準備始まる…招集忌避の風潮、ネットで「腕を折る方法」検索急増 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20220922-OYT1T50279/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-22 |access-date=2022-09-22 |publisher=読売新聞社}}</ref>。ロシア国内での厭戦気分を高める意図があるとみられている<ref name=":youmuri20220922" />。
* ロシア全土で、プーチン大統領が出した部分的動員令への抗議デモが行われ、「人権団体OVD」インフォによると、拘束者は38都市で1400人以上に上った<ref name=":jiji202209222-2">{{Cite web|和書|title=反戦デモ再燃、1400人超拘束 動員令に高官の息子「応じない」―ロシア:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220921202726/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092200196&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-23 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-22}}</ref>。内訳は首都モスクワと第2の都市サンクトペテルブルクで各500人規模<ref name=":jiji202209222-2" />。
 
=== 9月22日 ===
* ロシアの[[ドミトリー・ペスコフ|ぺスコフ]]大統領報道官が、息子のニコライの徴兵拒否疑惑について、「発言の一部が切り取られたものだ」としてニコライを擁護した<ref name=":jiji20220923">{{Cite web|和書|title=徴兵拒否の息子を擁護 流出の会話は「発言の切り取り」―ロシア高官:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220922210121/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092300166&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-23 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-23}}</ref>。ロシアの反体制派グループが、徴兵施設の担当者に成り済ましてニコライに電話し、出頭を命令した<ref name=":jiji20220923" />。ニコライはこれを拒否し、「上のレベルで解決する」などと発言<ref name=":jiji20220923" />。同氏と通話する様子を収めた映像がSNSで急速に広まっていた<ref name=":jiji20220923" />。
* ウクライナのゼレンスキー大統領が動画声明で、ロシアのプーチン大統領が出した部分動員令について、反転攻勢に転じたウクライナ軍の強さに「ロシア正規軍が耐えきれず崩壊したことを認めたものだ」とし、全土奪還に向け戦い続ける方針は不変だと宣言した<ref>{{Cite web|和書|title=ロシア動員令は「正規軍が崩壊」 ウクライナ大統領、継戦を宣言 |url=https://www.47news.jp/world/ukraine/8350929.html |website=47NEWS |access-date=2022-09-23 |publisher=共同通信社 |date=2022-09-23}}</ref>。
* ドイツのナンシー・フェーザー内相は「深刻な弾圧を受ける恐れがある脱走者は原則、ドイツで国際保護を受けることができる」と説明し、部分的動員令から逃れたロシアの脱走者を受け入れる用意があると表明した<ref>{{Cite web|和書|title=ドイツ、ロシア脱出者の受け入れ表明 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3425273 |website=www.afpbb.com |access-date=2022-09-23 |publisher=フランス通信社 |date=2022-09-23}}</ref>。
90 ⟶ 91行目:
* 東部のドネツクとルガンスク、南部のへルソンとザポロジエの4州のロシア側支配地で「ロシア編入」の賛否を問う[[ロシア占領下のウクライナでの2022年の併合住民投票|住民投票]]が開始<ref>{{Cite web|和書|title=「ロシア編入」問う住民投票、ウクライナ占領地で始まる(写真=AP) |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR22CM50S2A920C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-09-23 |access-date=2022-09-23 |publisher=日本経済新聞社}}</ref>。
* ロシア国防省が、プーチン大統領が9月21日に署名した「部分動員令」について一部の銀行員やIT専門家のほか、報道関係者らの招集を免除すると発表した<ref>{{Cite web|和書|title=ロシア、金融やITなど重要産業で招集免除=国防省 - ロイターニュース - 国際:朝日新聞デジタル |url=https://web.archive.org/web/20220923163636/http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN2QO18C.html |website=朝日新聞デジタル |access-date=2022-09-23 |publisher=朝日新聞社 |date=2022-09-23}}</ref>。
* プーチン大統領の政治運動体「全ロシア人民戦線」がモスクワで愛国主義を打ち出した官製デモを開催した<ref name=":64">{{Cite web|和書|title=ロシア、世論引き締めに躍起 プーチン政権、反戦に「愛国」で対抗:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220924221546/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092400327&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-25 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-25}}</ref>。プーチンは姿を見せなかったが「5万人」(警察発表)を動員した<ref name=":64" />。
* ウクライナ外務省は、ロシアによる攻撃にイラン製武器が使われているとして、イランの駐ウクライナ大使の承認を取り消すと発表した<ref name=":sankei20220924">{{Cite web|和書|title=ウクライナ、イラン大使の承認取り消し 露にドローン供与を非難 |url=https://www.sankei.com/article/20220924-YAC6ABFPMJL4LFLM7VSJ7AFU4Y/ |website=産経ニュース |date=2022-09-24 |access-date=2022-09-25 |publisher=産経新聞社}}</ref>。ロシアへの武器供与は、敵対行為に当たると非難した<ref name=":sankei20220924" />。イランはロシアに、軍事用の無人機(ドローン)を提供している<ref name=":sankei20220924" />。
* 国連人権理事会が設置した国際調査委員会のエリック・モーセ委員長が、ロシア軍による処刑や拷問、性的暴行が確認されたとし、「ウクライナで戦争犯罪が行われたと結論づけた」と述べた<ref name=":yomiuri20220924">{{Cite web|和書|title=ロシア軍による処刑・拷問、国際調査委が確認…4~82歳への性的暴行証言も |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20220924-OYT1T50180/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-24 |access-date=2022-09-26 |publisher=読売新聞社}}</ref>。モーセが開会中の人権理事会で行った中間報告によると、視察先の16か所で処刑が行われていたことを確認した<ref name=":yomiuri20220924" />。犠牲者は事前に拘束され、遺体には頭部への銃創や喉の切り裂かれた傷痕、後ろ手に縛られた痕跡があった<ref name=":yomiuri20220924" />。4~82歳の被害者が露軍兵の性的暴行を受けたことも確認された<ref name=":yomiuri20220924" />。ウクライナ側によるロシア軍兵士への虐待も2件確認された<ref name=":yomiuri20220924" />。
105 ⟶ 106行目:
 
=== 9月26日 ===
* イギリス国防省はウクライナ戦況分析で、ロシアによる予備役の部分動員令に関し「招集を受けた初期部隊が軍基地に到着を始めた」との見方を明らかにした<ref name=":jiji20220926">{{Cite web|和書|title=ロシア軍、動員で一層の人的損害も 「最低限」の準備で前線へ―ウクライナ:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220926090957/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092600804&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-26 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-26}}</ref>。また、経験や戦う意欲に乏しい兵士を前線に送り込むことで、今後一層の人的損害を受けることになると予測した<ref name=":jiji20220926" />。
* ウクライナ軍参謀本部が、ロシア軍が占領している東部ルハンスク州の一部で、18歳以上のウクライナ人男性にロシア軍への参加を求める招集令状の配布を始めたと表明した<ref name=":yomiuri20220926">{{Cite web|和書|title=ロシア軍、占領下のウクライナ人にも招集令状…国際条約に違反してでも兵員補充 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20220926-OYT1T50247/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-26 |access-date=2022-09-26 |publisher=読売新聞社}}</ref>。ロシアが占領地域の一方的な併合を前提に、ロシア国内で着手している部分的動員を強化しているものとみられる<ref name=":yomiuri20220926" />。占領地での住民の徴兵は国際条約に違反しており、ロシア軍の強引な兵員補充が目立っている<ref name=":yomiuri20220926" />。
* ロシアは解任した補給担当のブルガコフ次官の、後任にロシアのウクライナ侵攻後、ウクライナの激戦地マリウポリ制圧を指揮した強硬派、ミジンツェフ大将を任命した<ref>{{Cite web|和書|title=ロシア国防次官に強硬派大将 「マリウポリの殺人鬼」制圧指揮 |url=https://mainichi.jp/articles/20220926/k00/00m/030/036000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-09-27 |publisher=毎日新聞社 |date=2022-09-26}}</ref>。
112 ⟶ 113行目:
 
=== 9月27日 ===
* ウクライナの親ロシア派がウクライナ東・南部4州の編入計画に絡み、「住民投票」が終了し、暫定結果として編入賛成が「97~98%」に上ったと発表した<ref name=":jiji20220927">{{Cite web|和書|title=ロシア編入賛成「97~98%」 ウクライナ東・南部、「住民投票」終了―プーチン氏、領土編入強行へ:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220927135726/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022092701162&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-09-27 |publisher=時事通信社 |date=2022-09-27}}</ref>。タス通信が伝えた<ref name=":jiji20220927" />。あらかじめ用意した結果とみられ、先進7カ国(G7)が「偽の投票」を無効と見なす中、プーチン大統領は9月30日にも領土編入を強行する見通し<ref name=":jiji20220927" />。
* カザフスタン内務省の高官は「およそ9万8000人のロシア市民が入国した」と明らかにした<ref name=":nhk20220927">{{Cite web|和書|title=【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(27日の動き) {{!}} NHK |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220927/k10013831221000.html |website=NHKニュース |access-date=2022-09-27 |publisher=日本放送協会 |date=2022-09-27}}</ref>。カザフスタンのトカエフ大統領は、ロシアから入国する市民について「彼らは絶望的な状況から国を去ることを余儀なくされていて、安全を守る必要がある」と述べ、動員の不安が広がるロシアを「絶望的な状況」としたうえで、逃げてきた人々を保護する考えを示した<ref name=":nhk20220927" />。
* 1600以上のロシアのプロパガンダアカウントが[[Facebook]]から削除された<ref>{{Cite web |title=Latest Developments in Ukraine: Sept. 27 |url=https://www.voanews.com/a/latest-developments-in-ukraine-sept-27/6764823.html |access-date=2022-09-27 |website=VOA |language=en}}</ref>。
130 ⟶ 131行目:
=== 9月30日 ===
* プーチン大統領が、モスクワの大統領府で演説し、東部ドネツク、ルハンスク両州と南部ヘルソン、ザポリージャ両州、4州の併合を宣言した<ref name=":yomiuri20220930">{{Cite web|和書|title=プーチン氏「何百万人もの意思だ」、ウクライナ4州の一方的「併合」宣言 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20220930-OYT1T50260/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-09-30 |access-date=2022-09-30 |publisher=読売新聞社}}</ref>。{{see|ロシアによるウクライナ4州の併合宣言}}
* ウクライナのゼレンスキー大統領が、NATOへの加盟を正式に申請すると表明した<ref name=":jiji20221001">{{Cite web|和書|title=ウクライナ、NATO加盟申請 対ロシア抑止強化、併合強行で:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20220930154803/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022093000757&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-10-01 |publisher=時事通信社 |date=2022-10-01}}</ref><ref name=":mainichi20221001">{{Cite web|和書|title=ウクライナ、NATO加盟申請へ ロシアの併合宣言に対抗 |url=https://mainichi.jp/articles/20221001/k00/00m/030/013000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-10-01 |publisher=毎日新聞社 |date=2022-10-01}}</ref>。ロシアによる核兵器使用に対する懸念が強まる中、NATO加盟で抑止力を強化する狙いとみられる<ref name=":jiji20221001" />。
* ウクライナ軍は、ロシア軍の占領下にある東部ドネツク州の要衝[[リマン]]の包囲をほぼ完了したと発表した<ref name=":sankei20221001">{{Cite web|和書|title=ウクライナ「東部要衝の包囲完了」陥落なら露に打撃 |url=https://www.sankei.com/article/20221001-FQCEF6XVQROZNN34GMJCB3UADA/ |website=産経ニュース |date=2022-10-01 |access-date=2022-10-01 |first=SANKEI DIGITAL |last=INC |publisher=産業経済新聞社}}</ref>。[[リマン]]はロシア軍の拠点の1つで、ウクライナ軍がハルキウ州の奪還に成功後、次の軍事目標として進軍している<ref name=":mainichi202210012">{{Cite web|和書|title=ウクライナ軍、ドネツク州で攻勢か 北部の町リマン包囲を目指す |url=https://mainichi.jp/articles/20221001/k00/00m/030/002000c |website=毎日新聞 |access-date=2022-10-01 |publisher=毎日新聞社 |date=2022-10-01}}</ref>。ウクライナ軍は北部、南部、西部の3方向から進軍し、リマンを包囲し、5000人程度のロシア軍部隊が補給路、退却路を絶たれ、孤立しているとみられる<ref name=":cnn202210012">{{Cite web|和書|title=ウクライナ軍、東部要衝でロシア軍の包囲進める 補給路断ち |url=https://www.cnn.co.jp/world/35194013.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-10-01 |publisher=CNN |date=2022-10-01}}</ref>。アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は、ロシア軍がリマンを喪失した場合、既に全域の制圧を宣言しているルガンスク州の中心都市セベロドネツクやリシチャンスクの支配を維持できなくなる可能性があると指摘した<ref name=":sankei20221001" />。親ロシア派組織「ドネツク人民共和国」の指導者デニス・プシリンも、ロシアの占領下にある同州北部の要衝[[リマン]]のロシア軍がウクライナ軍に一部包囲されていることを認め、前線からの報告は「憂慮すべきもの」だと述べた<ref name=":afp202209302">{{Cite web|和書|title=ウクライナ南部でロシアが人道支援の車列攻撃、23人死亡 ロシア側は否定 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3426626 |website=www.afpbb.com |access-date=2022-09-30 |publisher=フランス通信社 |date=2022-09-30}}</ref><ref name=":Reuters20220930">{{Cite web|和書|title=ウクライナ軍、ドネツク州リマンに攻勢 親ロシア派幹部が認める|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-donetsk-lyman-idJPKBN2QV10L|work=Reuters|date=2022-09-30|access-date=2022-09-30}}</ref>。 リマンは鉄道の重要な分岐点でロシア軍が2022年4月に数週間をかけて占領していた<ref name=":bbc20220528">{{Cite web|和書|title=ウクライナ東部でロシアの攻勢続く 主要都市からウクライナ軍撤退の可能性と地元当局 |url=https://www.bbc.com/japanese/61615196 |website=BBCニュース |date=2022-05-28 |access-date=2022-05-29}}</ref>。
* ザポリージャで、人道支援のための民間人の車列にロシア軍の砲撃を加え、少なくとも23人が死亡、28人が負傷した<ref name=":afp20220930">{{Cite web|和書|title=ウクライナ南部でロシアが人道支援の車列攻撃、23人死亡 ロシア側は否定 |url=https://www.afpbb.com/articles/-/3426626 |website=www.afpbb.com |access-date=2022-09-30 |publisher=フランス通信社 |date=2022-09-30}}</ref>。親ロシア派当局は、攻撃はウクライナ軍によるものだとし、ロシア軍の関与を否定した<ref name=":afp20220930" />
* NATOのトルテンベルグ事務総長が、ロシアによる最近の行動はロシア軍が2022年2月にウクライナに侵攻して以来の「最も深刻なエスカレーション」だと述べた<ref name=":reuters20221001">{{Cite web|和書|title=ロシアの行動、開戦来「最も深刻なエスカレーション」=NATO|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-nato-idJPKBN2QV1TZ|work=Reuters|date=2022-09-30|access-date=2022-10-01|language=ja}}</ref>。
* トルコ外務省は声明で、ロシアによるウクライナの東・南部4州の併合について「国際法の原則に対する重大な違反だ」と述べ、容認しないと表明した<ref name=":jiji20221001ab">{{Cite web|和書|title=ロシアは「重大な国際法違反」 4州の併合容認せず―トルコ:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20221001055055/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022100100400&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-10-01 |publisher=時事通信社 |date=2022-10-01}}</ref>。
* ゼレンスキー大統領が、日本の[[岸田文雄]]総理大臣との電話会談でを行った<ref name=":nhk20221001aa">{{Cite web|和書|title=【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(10月1日の動き) {{!}} NHK |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221001/k10013831261000.html |website=NHKニュース |access-date=2022-10-01 |publisher=日本放送協会 |date=2022-10-01}}</ref>。岸田総理は、ウクライナの主権と領土の保全に対する日本の明確な支持を表明し、ゼレンスキー大統領は謝意を示した<ref name=":nhk20221001aa" />。また、これまでに日本側が提供した防弾チョッキや防護服など、殺傷能力のない装備品についても謝意を示したうえで、「完全な勝利まで、重要かつ幅広い支援が継続され、拡大することを望んでいる」とさらなる支援を訴えた<ref name=":nhk20221001aa" />。
* ジョージアのズラビシビリ大統領が「偽の住民投票を正式に承認し、強制的な併合の裏付けにしようとしても、正当性がなく、将来性もない」と、[[Twitter (企業)|ツイッター]]に投稿し、ロシアを非難した<ref name=":nhk20221001aa" />。そのうえで、「こうした重大な国際法違反をわれわれは認めない<ref name=":nhk20221001aa" />。ウクライナの領土の一体性を改めて全面的に支持する」と投稿した。ジョージアは2008年に、ロシアの軍事侵攻を受け、一部の地域には今もロシア軍に占領されている<ref name=":nhk20221001aa" />。
143 ⟶ 144行目:
*「ドネツク人民共和国」の指導者[[イーゴリ・ギルキン]]は、要衝リマンのロシア軍がウクライナ軍に包囲されたことについて、ロシア軍司令部の「プロ意識の低さ」を痛烈に批判した<ref name=":cnn20221001">“[https://www.cnn.co.jp/world/35194012.html ウクライナ軍、東部リマンを包囲 親ロ派がロシア軍司令部を批判]”. CNN.co.jp. CNN (2022年10月1日). 2022年10月1日閲覧。</ref>。「なぜ、撤退支援に必要な部隊を投入して撤退路を維持しなかったのか、私には答えが見当たらない」と述べた<ref name=":cnn20221001" />。
* ロシア国防省がドネツク州の重要拠点リマンに駐屯していたロシア軍が撤退したと明らかにした<ref name=":mainichi20221001aa">“[https://mainichi.jp/articles/20221001/k00/00m/030/294000c ロシア軍がウクライナ東部・リマンから撤退 「より有利な戦線へ」]”. 毎日新聞. 毎日新聞社 (2022年10月1日). 2022年10月1日閲覧。</ref>。ロシアのプーチン大統領は前日、ドネツク州を含むウクライナの東部・南部4州を併合すると一方的に宣言していたが、その翌日にロシア軍が要衝からの撤収を余儀なくされた<ref name=":mainichi20221001aa" />。[[インタファクス通信]]によると、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は「包囲による脅威のため、より有利な戦線へと撤退した」と説明した<ref name=":mainichi20221001aa" />。
* チェチェン共和国のカディロフ首長は、リマンを防衛していた指揮官を無能だとして、「前線で機関銃を持って戦うべきだ」と痛烈に批判<ref name=":huff20221002">“[https://www.huffingtonpost.jp/entry/kadyrov_jp_63390bfbe4b03e8038bf01f2 【リマン撤退】チェチェン首長が核攻撃を提言 ⇒ 米シンクタンク「注目に値しない」と冷静な理由は?]”. ハフポスト. BuzzFeed Japan株式会社 (2022年10月2日). 2022年10月3日閲覧。</ref>。「個人的な意見」と前置きした上で、「国境地帯での戒厳令の発令や低出力の核兵器の使用まで、より抜本的な対策を講じるべきだ」と主張した<ref name=":huff20221002" />。核戦争の危機を煽る発言だが、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は10月1日のレポートの中で、「カディロフの暴言は特に注目に値しない」と冷静な反応だった<ref name=":huff20221002" />。その理由を以下のように述べている<ref name=":huff20221002" />。カディロフが戦術核の使用を求めたのは、ウクライナ領土をさらなるロシアの支配下に置く「特別軍事作戦」の継続要求と矛盾している可能性が高い<ref name=":huff20221002" />。現在のロシア地上軍を構成する疲弊した契約兵、急遽動員された予備役、徴兵、傭兵の混沌とした集合体は、(放射線濃度が高い)核環境では機能し得ないだろう<ref name=":huff20221002" />。したがって、ロシアの戦術核兵器の影響を受けた地域はロシア軍にとって通行不能となり、ロシアの進攻を阻む可能性が高い''<ref name=":huff20221002" />。
 
=== 10月2日 ===
161 ⟶ 162行目:
=== 10月4日 ===
* ショイグ国防相は部分動員令に署名して以降、20万人超が招集されたと発表した<ref>“[https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-mobilisation-russia-idJPKBN2QZ1AZ ロシア、20万人超を招集 部分動員令署名から2週間=国防相]”. Reuters (2022年10月4日). 2022年10月4日閲覧。</ref>。
* ゼレンスキー大統領が、ウクライナ南部・東部のクリミア、ドネツィク州、ルハンシク州、ザポリジャ州、ヘルソン州に関する、ロシア大統領の大統領令及び関連決定を無効とするウクライナ大統領令に署名した<ref name=":ukrinform20221003an">“[https://www.ukrinform.jp/rubric-polytics/3585699-zerenshiki-yu-da-tong-lingpuchin-lu-da-tong-lingnoukuraina-ling-du-li-da-tong-ling-lingwo-wu-xiaotosuru-da-tong-ling-lingni-shu-ming.html ゼレンシキー宇大統領、プーチン露大統領のウクライナ領「独立」大統領令を無効とする大統領令に署名]”. www.ukrinform.jp. ウクライナフォルム (2022年10月4日). 2022年10月4日閲覧。</ref>。
* アメリカ政府が、高機動ロケット砲システム「ハイマース」4基、155mm榴弾砲16門や同榴弾砲の砲弾7万5000発、地雷防護性能を持つマックスプロ対地雷装甲車200両などを含む6億2500万ドル(約900億円)の追加軍事支援を行うと発表した<ref name=":sankei20221005ana">“[https://www.sankei.com/article/20221005-VIXHMEA2ONKOZIWCFF67RE4EA4/ 米政府、「ハイマース」4基など900億円追加支援 ウクライナ、反撃に勢い]”. 産経ニュース. 産経新聞社 (2022年10月5日). 2022年10月5日閲覧。</ref>。
* イギリスの日刊紙[[タイムズ]]が、ロシアのプーチン大統領がウクライナとの国境近辺で核実験を計画し、核兵器を使う意志を示そうとしているとの見方があり、NATOが加盟国に警告したと報じた<ref name=":tokyo20221005agh">“[https://web.archive.org/web/20221004222114/https://www.tokyo-np.co.jp/article/206465 プーチン大統領、核実験計画か 英報道、NATOが加盟国に警告:東京新聞 TOKYO Web]”. 東京新聞 TOKYO Web. 東京新聞社 (2022年10月5日). 2022年10月5日閲覧。</ref>。ロシア国防省で核兵器の管理を担う秘密部門に関連があるとみられる列車がウクライナ方面に向けて動き出したとも報じた<ref name=":tokyo20221005agh" />。核弾頭を搭載可能な新型原子力魚雷「ポセイドン」を積んだロシアの原子力潜水艦「ベルゴロド」が北極海に向かい、ポセイドンの発射実験に向けた準備が進んでいるとの報道もある<ref name=":tokyo20221005agh" />。
* ベラルーシのルカシェンコ大統領が、ロシアによるウクライナ侵攻に「われわれは参加している」と認め、一方で「誰も殺していないし、どこにも兵士を送っていない」とも述べた<ref name=":jiji20221004">“[https://web.archive.org/web/20221004121929/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022100401122&g=int ウクライナ侵攻に「参加」 ベラルーシ大統領発言、臆測飛び交う:時事ドットコム]”. 時事ドットコム. 時事通信社 (2022年10月4日). 2022年10月7日閲覧。</ref>。国営ベルタ通信が伝えた<ref name=":jiji20221004" />。
 
=== 10月5日 ===
191 ⟶ 192行目:
=== 10月8日 ===
* [[クリミア大橋爆発]]が発生した。事件についての声明は発表されておらず<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20221008-OYT1T50254/|title=プーチン氏が渡り初めした「クリミア大橋」爆発し一部崩落…ウクライナ側は関与明言せず |accessdate=2022-10-09|publisher=読売新聞}}</ref>、ロシア軍の補給路に影響があると報道されている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221009/k10013853211000.html|title=「クリミア大橋」で爆発 一部崩落 ロシア軍の補給活動に影響か |accessdate=2022-10-09|publisher=NHK}}</ref>。ロイター通信によれば、「ウクライナ南部に侵攻するロシア軍の「重要な補給路に打撃を与えた」」と伝えている<ref>{{Cite web|和書|title= クリミア大橋爆発、ロシア軍補給路に打撃か プーチン氏肝いりで建設|work= 毎日新聞|date= 2022-10-08|author= 畠山哲郎|url= https://mainichi.jp/articles/20221008/k00/00m/030/282000c|access-date=2022-10-09}}</ref>。また、複数のウクライナのメディアによれば、「背後にウクライナ保安局が関与している」と伝えていて、ウクライナの大統領府長官顧問であるポドリャクは「これが始まりだ。違法なものはすべて破壊されなければならない」とSNSに投稿したものの、これに関してのウクライナ政府の公式な発表はない<ref>{{Cite web|和書|title= クリミア橋の火災「ウクライナが関与」 ウクライナメディアが報じる |work= TBSテレビ|date= 2022-10-09|author= |url= https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/174054?display=1|access-date=2022-10-09|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221009084724/https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/174054?display=1|archivedate=2022-10-09}}</ref>。
* IAEAのグロッシ事務局長の声明によれば、ザリージャ原発に接続している送電線が何らかの砲撃で損傷し外部からの電力供給が失われた<ref name="NHK_20221009">{{Cite web|和書|title= ザポリージャ原発 砲撃で外部電源を再び喪失 IAEA 露を訪問へ|work= 日本放送協会|date= 2022-10-09|author= |url= https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221009/k10013853271000.html|access-date=2022-10-09}}</ref>。その送電線は復旧の作業をしていて、安全に問題はないという<ref name="NHK_20221009"/>。
* ロシアの国防省は「ウクライナでの軍事作戦を指揮する総司令官」にロシアの「空軍・宇宙軍の総司令官」である[[セルゲイ・スロヴィキン]]を任命<ref name="reutar20221009ddf">{{Cite web|和書|title= ロシア、ウクライナ戦総司令官にスロビキン氏 軍幹部交代相次ぐ|work= ロイター通信|date= 2022-10-09|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-military-idJPKBN2R4028|access-date=2022-10-09}}</ref>。9月上旬にロシア軍はウクライナ北東部ハリコフ州から撤退したりと苦戦を強いられているため、司令官を刷新し、軍の立て直しするという意図がある<ref>{{Cite web|和書|title= ウクライナ侵攻の総司令官任命 ロシア軍苦戦で立て直し|work= 時事通信|date= 2022-10-08|author= |url= https://www.jiji.com/jc/article?k=2022100800575&g=int|access-date=2022-10-09}}</ref>。
* イギリスの国防省は9日(日本時間)、ロシアにとってクリミア大橋はクリミアなどに物資を運ぶ戦略的に重要な補給路だとし、「通行が再開されたことはほぼ確実だが、供給量は大幅に低下する」などと指摘し、ロシア軍の兵力の維持に大きな影響を与える可能性が高いとの見方を示した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221009/k10013841531000.html |title=【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(10月9日の動き) |access-date=2022-10-09 |publisher=[[日本放送協会]]}}</ref>。
 
=== 10月9日 ===
* ザリージャにある集合住宅にロシア軍による12発のミサイル攻撃を受け、死傷者が出た<ref name="TVASAHI_20221010">{{Cite web|和書|title= ザポリージャ市街地にミサイル攻撃 12人死亡|work= テレビ朝日|date= 2022-10-10|author= |url= https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000271242.html|access-date=2022-10-10}}</ref>。物的被害では、5棟が倒壊し、9階建ての集合住宅に大きな被害が出た<ref name="TVASAHI_20221010"/>。
* ロシアのプーチン大統領はロシアでの重大事件を扱う[[ロシア連邦捜査委員会]]のバストルイキン委員長から報告を受けた。また、この中でプーチン大統領は「ロシアの極めて重要なインフラの破壊をねらったテロ行為であることは疑いの余地がない。計画の立案者であり、実行者で、黒幕でもあるのは、ウクライナの情報機関だ」と述べ、ウクライナ側によるテロ行為だとする見方を示し、非難した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221010/k10013853931000.html |title=ロシア プーチン大統領 橋爆発をウクライナ側のテロ行為と非難 |access-date=2022-10-10 |publisher=NHKニュース}}</ref>。
* また、独立系メディアによれば、当局が明らかにした51歳のロシア人のトラック運転手が、インターネットで、貨物を受注して運送していたと見られるという<ref>{{Cite web|和書|title= トラック貨物、ネットで受注 クリミア橋で爆発のロシア運転手|work= 時事通信|date= 2022-10-10|author= |url= https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101000196&g=int|access-date=2022-10-10}}</ref>。
* アメリカのホワイトハウス国家安全保障会議のジョン・カービー戦略広報調整官はアメリカABCの「ジス・ウィーク」の番組内で、「われわれはウクライナ側とほぼ毎日連絡を取り、安全保障のための支援を続ける方針だ」と述べ、ウクライナに対して、武器の供与を続けることを明らかにした<ref>{{Cite web|和書|title= 米、ウクライナへの安全保障支援を継続へ=ホワイトハウス|work= ロイター通信|date= 2022-10-10|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-idJPKBN2R504A?il=0|access-date=2022-10-10}}</ref>。
* ウクライナの国営原子力企業であるエネルゴアトムとIAEAによれば、ロシアが占拠するザリージャ(ザポロジエ)原子力発電所において外部の電源が復旧した<ref>{{Cite web|和書|title= ザポロジエ原発、外部電源が復旧|work= ロイター通信|date= 2022-10-10|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-nuclear-plant-idJPL6N31B00B|access-date=2022-10-10}}</ref>。
 
=== 10月10日 ===
221 ⟶ 222行目:
* リビウや南部ザポロジエなど複数の都市において、攻撃が続き、ウクライナのメディアでは、このうちザポロジエではミサイルの着弾で住宅や医療施設が破壊される被害が出た<ref name="nikkei_20221011"/>。
* ロシアの国防省は「軍事・エネルギー施設に対する「大規模な攻撃を続ける」」ことを明らかにした<ref name="nikkei_20221011"/>。
* ウクライナの国営原子力企業であるエネルゴアトムは、10月10日にロシアが占拠したウクライナ南部ザポロジエ(ザリージャ)原子力発電所の副所長がロシア軍に拘束されたことを明らかにした<ref>{{Cite web|和書|title= ロシア、ザポロジエ原発副所長拘束か プーチン氏はIAEAトップと会談|work= ロイター通信|date= 2022-10-12|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-nuclear-plant-idJPL6N31C0CV?il=0|access-date=2022-10-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|work= 時事通信|date= 2022-10-12|author= |url= https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101100682&g=int|title=ザポロジエ原発の副所長拘束 IAEA事務局長がプーチン氏と協議|access-date=2022-10-12}}</ref>。
* G7主要7カ国の首脳はオンライン会合を行い、ウクライナへの支援を継続することを約束した上で、激化しているロシアによる攻撃を非難した<ref name="nikkei_20221011">{{Cite web|和書|title= ロシア、ウクライナに連日「報復」攻撃 G7非難声明|work= 日本経済新聞|date= 2022-10-11|author= ワシントン=坂口幸裕、ベルリン=南毅郎|url= https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN111ES0R11C22A0000000/|access-date=2022-10-12}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title= 【ウクライナ】G7、プーチン大統領に責任負わせる-民間施設攻撃で|work= ブルームバーグ通信|date= 2022-10-12|author= |url= https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-11/RJLIM4T1UM0W01|access-date=2022-10-12}}</ref>。
* ロシアの[[セルゲイ・ショイグ|ショイグ]]国防相とトルコのアカル国防相は電話会談の中で、このウクライナ戦争の停戦について、トルコのアカル国防相が「これ以上人命が失われることを防ぎ、地域の平和と安定を回復するための停戦の重要性を強調した」として、「停戦に関して共通の認識が得られた」ことをトルコの国防省が明らかにしている<ref>{{Cite web|和書|title= トルコ・ロシア国防相が電話会談、ウクライナ停戦で「共通の認識」|work= ロイター通信|date= 2022-10-12|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-turkey-idJPKBN2R70BA|access-date=2022-10-12}}</ref>。
228 ⟶ 229行目:
 
=== 10月12日 ===
* 国連総会のウクライナ情勢を協議する緊急特別会合で、ロシアによる東部・南部4州の一方的な併合を違法だとする[[国際連合総会決議ES-11/4|非難決議案]]を賛成多数で採択した<ref name=":72">{{Cite web|和書|title=国連総会、ロシアの4州併合非難決議を採択 143カ国が賛成|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-un-idJPKBN2R725R|work=Reuters|date=2022-10-12|access-date=2022-10-15|language=ja}}</ref><ref name=":73">{{Cite web|和書|title=賛成143、反対5 国連決議、識者の注目点は?「8年前の反省も」:朝日新聞デジタル |url=https://www.asahi.com/articles/ASQBF5SHJQBFUHBI028.html?iref=ogimage_rek |website=朝日新聞デジタル |date=2022-10-13 |access-date=2022-10-15 |publisher=朝日新聞社}}</ref><ref name=":74">{{Cite web|和書|title=ロシア「併合」非難決議を採択 最多143カ国賛成、反対5カ国―国連総会:時事ドットコム |url=https://web.archive.org/web/20221012204925/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101300168&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-10-15 |publisher=時事通信社 |date=2022-10-12}}</ref><ref name=":75">{{Cite web|和書|title=ロシア4州併合は「無効」 国連総会決議、賛成143カ国 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN12DZ90S2A011C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-10-13 |access-date=2022-10-15 |publisher=日本経済新聞社}}</ref>。また全ての国に対し、ロシアの行動を承認しないよう要請した<ref name=":72" /><ref name=":74" />。ロシアの外交的孤立が一段と深まった。決議には193カ国中143カ国が賛成<ref name=":72" />。ロシアのほか、シリア、ニカラグア、北朝鮮、ベラルーシが反対した<ref name=":72" /><ref name=":73" /><ref name=":74" /><ref name=":75" />。中国、インドを含む35カ国は棄権した<ref name=":72" /><ref name=":75" />。2022年3月にロシアのウクライナ侵攻の非難決議を採択した際の賛成した141カ国を上回り、今回はアンゴラやモロッコなどアフリカ諸国を中心に賛成票が増えた<ref name=":75" />。国際社会では、いわゆる「ウクライナ疲れ」が指摘されるようになっていた。2022年3月のロシア非難決議の賛成国数(141)を下回る可能性もあると考えていたが、やはり、ロシアに対する不満や反発、抵抗が強い状況に変わりはないとはっきりした形となった<ref name=":73" /><ref name=":74" />。国連総会の決議に法的拘束力はないが、採択されれば国際社会としての総意を示す<ref name=":75" />。中国は前回に続き棄権票を投じたが、中国の耿爽次席大使は棄権しながらも「直近の地上戦激化を深く憂慮し、民間人の犠牲や民間施設への損害を非難する」と強く批判する場面もあった<ref name=":75" />。ロシアのネベンジャ国連大使は「(住民投票が実施された)地域の人々はウクライナに戻りたくないと十分な情報を得た上で自由に決めた。投票結果は明確だ」と主張した<ref name=":75" />。
* ロシアの連邦保安庁は、[[クリミア大橋爆発|クリミア大橋の爆発]]に関連し、5人のロシア人に加え、3人のウクライナとアルメニアの市民の身柄を拘束した<ref>{{Cite web|和書|title= ロシア連邦保安庁、クリミア橋爆発で8人拘束|work= ロイター通信|date= 2022-10-12|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-crimea-bridge-idJPL4N31D1D0|access-date=2022-10-12}}</ref>。
* ウクライナ東部の[[ドネツィク州|ドネツク州]]の町アウディーイウカの混雑した市場がロシアの攻撃を受けた<ref name="reuters_20221012">{{Cite web|和書|title= ロシアがウクライナ東部の市場を攻撃、7人死亡=知事|work= ロイター通信|date= 2022-10-12|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-blast-idJPL4N31D282|access-date=2022-10-13}}</ref>。ドネツク州のキリレンコ知事は「多くの人で混雑していた中央市場をロシアが攻撃した」という声明を明らかにした<ref name="reuters_20221012"/>。
236 ⟶ 237行目:
* アメリカ軍の制服組トップのミリー統合参謀本部議長は記者会見で「ロシアは民間人を傷つける目的で、意図的に民間インフラを攻撃した」と指摘した上で「ロシアはウクライナの高齢者、女性、子どもをターゲットにしている。民間人を標的とした無差別かつ意図的な攻撃は戦争に関する国際規則における戦争犯罪だ」と述べた<ref>{{Cite web|和書|title= ロシアの民間人への攻撃は戦争犯罪=米軍トップ|work= ロイター通信|date= 2022-10-13|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-warcrimes-idJPL6N31D0DL|access-date=2022-10-13}}</ref>。
* ブルームバーグ通信の報道によれば、「ウクライナでのロシアの攻撃がエスカレートしていることに対抗した措置」として、アメリカがロシア製の[[アルミニウム]]輸入を全面禁止することを検討していることが明らかになった<ref name="reuters_20221013">{{Cite web|和書|title= 米、ロシア製アルミ全面禁輸を検討 攻撃エスカレートに対応=報道|work= ロイター通信|date= 2022-10-13|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-usa-aluminum-idJPL6N31D0DJ|access-date=2022-10-13}}</ref>。これを受けて、ロンドン金属取引所で、アルミ価格が一時7.3%高くなって、1トン2400ドルまで上昇した<ref name="reuters_20221013"/>。
* ロシアの独立系メディア「バージニエ・イストーリー」は、ロシア連邦保安局などの情報機関に加えて、現役将校とOBの話として、ロシア兵の戦死傷者と行方不明者が合わせて9万人に上っているとの見方を示した<ref>{{Cite web|和書|title= ロシア軍の損害「9万人以上」 内部情報、異例の報道|work= 時事通信|date= 2022-10-13|author= |url= https://web.archive.org/web/20221012232128/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101300284&g=int|access-date=2022-10-13}}</ref>。
 
=== 10月13日 ===
264 ⟶ 265行目:
* ウクライナ原子力企業のエネルゴアトムによれば、ウクライナ南部にあるザポロジエ原子力発電所が、再度外部電源を喪失し、現地時間の未明に非常用ディーゼル発電機が起動したという<ref name="nikkei_20221017">{{Cite web|和書|title= ウクライナ南部の原発が電源喪失 キーウにドローン攻撃|work= 日本経済新聞|date= 2022-10-17|author= ウィーン=田中孝幸|url= https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB173XB0X11C22A0000000/|access-date=2022-10-17}}</ref>。
* イギリスの国防省によれば、クリミア橋が爆発による損傷で、ウクライナ南部におけるロシア軍への「補給の問題が深刻化している」ことを指摘している<ref name="nikkei_20221017"/>。
* ウクライナ文化情報省が、地元のジャーナリストの話としてフェイスブックに投稿したところによれば、ロシアが一方的に併合を宣言している南部ヘルソン州において、地元オーケストラの首席指揮者であるユーリー・ケルパテンコが「ロシアへの協力を拒否」したため、自宅において、ロシア軍によって射殺された<ref name="jiji_20221017">{{Cite web|和書|title= ロシア軍、協力拒否の指揮者射殺か 「併合」のヘルソン州―ウクライナ|work= 時事通信|date= 2022-10-17|author= |url= https://web.archive.org/web/20221017053533/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101700567&g=int|access-date=2022-10-17}}</ref>。ロシア側はヘルソン州において、「平和的な生活の回復」をアピールするために、10月1日の「国際音楽の日」に地元のオーケストラによるコンサートを開催することを計画していたが、ユーリー・ケルパテンコは「占領者への協力を断固拒否した」と述べていた<ref name="jiji_20221017"/>。
* EU外相会議がルクセンブルクで開かれ、EU加盟国がウクライナ軍兵士1万5千人に訓練を実施することで合意した<ref name=":76">{{Cite web|和書|title=EU、ウクライナ軍兵士を訓練へ 外相会合、1万5000人規模 | 共同通信 |url=https://nordot.app/954727451940896768?c=39546741839462401 |website=47NEWS |date=2022-10-17 |access-date=2022-10-17 |publisher=共同通信社}}</ref>。EUとウクライナの連携が一層深まることとなる<ref name=":76" />。また、ウクライナへの軍事支援を5億ユーロ(約720億円)増額することを決め、EUからのウクライナへの軍事支援は今回分を含め総額31億ユーロとなる<ref name=":76" />。
* 10月15日から日本を訪れているウクライナの議会にあたる最高会議の議員団が、国会内で超党派の日本の国会議員連盟と面会した<ref>{{Cite web|和書|title=ウクライナ議員団 ロシア軍事侵攻後初来日 復旧支援など議論へ {{!}} NHK |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221015/k10013860141000.html |website=NHKニュース |access-date=2022-10-17 |publisher=日本放送協会 |date=2022-10-15}}</ref><ref name=":77">{{Cite web|和書|title=日本に復興支援要請 ウクライナ議員団|FNNプライムオンライン |url=https://www.fnn.jp/articles/-/431949 |website=FNNプライムオンライン |access-date=2022-10-17 |publisher=フジニュースネットワーク |date=2022-10-17|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221017104227/https://www.fnn.jp/articles/-/431949|archivedate=2022-10-17}}</ref>。ウクライナの議員団は日本の支援に謝意を表明し、「早期に勝利しても、戦後の復興という課題が残っている」と協力を求めた<ref name=":77" />。日本側は、「独立を守り抜き、平和を成し遂げてほしい」と支援を約束した<ref name=":77" />。
271 ⟶ 272行目:
=== 10月18日 ===
* ウクライナ側は首都キーウの「発電施設」が攻撃を受けたことを明らかにした上で、ウクライナ大統領府の副長官であるキリロ・ティモシェンコはソーシャルメディアに対して、「現時点でドニエプル川西岸の発電施設に3発の攻撃があったことが分かっている」ことを投稿している<ref>{{Cite web|和書|title= キーウの発電施設に攻撃 ウクライナ|work= AFP通信|date= 2022-10-18|author= |url= https://www.afpbb.com/articles/-/3429516|access-date=2022-10-18}}</ref>。
* ウクライナのゼレンスキー大統領は、ツイッターに10月10日以降にウクライナの国内の発電所の30%が破壊されたことをツイートした上で、この攻撃で、ウクライナの各地で、大規模な停電が発生していることを指摘した<ref>{{Cite web|和書|title= ウクライナ、空爆で1週間で発電所の3割破壊される=大統領|work= ロイター通信|date= 2022-10-18|author= |url= https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-power-zelenskiy-idJPKBN2RD0N0|access-date=2022-10-18}}</ref>。これより先に、ゼレンスキー大統領は、通信アプリの「テレグラム」に「市場や公園など「明らかに平和的な施設」が狙われている」ことを指摘した上で、「責任は必ず追及されなければならない」ことを訴えている<ref>{{Cite web|和書|title= ウクライナの発電所「3割破壊」 ロシア軍、インフラ標的鮮明に|work= 時事通信|date= 2022-10-18|author= |url= https://web.archive.org/web/20221018065026/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022101800789&g=int|access-date=2022-10-18}}</ref>。
* ロイター通信が伝えたところによれば、ウクライナのクレバ外相は、イランを非難した上でロシアに自爆型無人機(ドローン)を提供しているとして、ゼレンスキー大統領にイランとの国交断絶を提案したという<ref name="sankei_20221019">{{Cite web|和書|title= 自爆ドローン製造イランと断交、ウクライナ外相が提案 ロシアへ供与継続|work= 産経新聞|date= 2022-10-19|author= |url= https://www.sankei.com/article/20221019-KDMEMT7FHBN6XI3G2VGLTEQMVI/|access-date=2022-10-19}}</ref>。
* ロイター通信が複数のイラン高官の話を引用して伝えたところによれば、ロシアの求めに応じ、無人機(ドローン)を追加に供与すると共に、弾道ミサイル「ファテフ」や「ゾルファガール」についても提供を行うことだという<ref name="sankei_20221019"/>。
306 ⟶ 307行目:
*アメリカ軍制服組トップの[[マーク・ミリー]]統合参謀本部議長が、ロシア軍制服組トップ[[ワレリー・ゲラシモフ]]参謀総長、ウクライナ軍[[ヴァレリー・ザルジニー]]総司令官とそれぞれ電話会談を行った<ref name=":83">{{Cite web|和書|title=米軍制服組トップがロシアの参謀総長、ウクライナ軍司令官と電話会談 |url=https://www.cnn.co.jp/usa/35195094.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-10-25 |publisher=CNN |date=2022-10-25}}</ref>。ゲラシモフ参謀総長との会話では、安全保障に関する複数の懸念事項を話し合い、連絡を保ち続けることで合意した<ref name=":83" />。ザルジニー総司令官との会話では、継続中のロシア軍によるウクライナ侵攻について話し合い、展望と評価を共有した<ref name=":83" />。ウクライナの主権と領土の一体性に対する支持は揺るぎないものであると改めて明言した<ref name=":83" />。
*イギリス国防省が、ウクライナに侵攻しているロシアがイラン製無人機(ドローン)を使った攻撃を全土で継続しているとの分析を発表した<ref name=":84">{{Cite web|和書|title=ウクライナでイラン製自爆機の攻撃続く 英国防省分析(写真=ロイター) |url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR24ANC0U2A021C2000000/ |website=日本経済新聞 |date=2022-10-24 |access-date=2022-10-25 |publisher=日本経済新聞社}}</ref>。無人機は自爆型のイラン製「シャヘド136」で、戦闘の長期化で不足しているロシア製の高精度兵器の代替として投入されているみられている<ref name=":84" />。また、同省はウクライナ軍による迎撃はおおむね成功しているとの見方も示した<ref name=":84" />。
*イランの[[ホセイン・アミールアブドヤーン|ミールアブドッラーヒヤー]]外相が、「イラン製ドローンがウクライナ戦争で使用されていることが証明されれば、イランは無関心ではいられなくなる」と述べた<ref name=":85">{{Cite web|和書|title=イラン製ドローン、ロシア軍が使用なら無関心でいられず=イラン外相|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-iran-drones-idJPKBN2RJ1JP|work=Reuters|date=2022-10-24|access-date=2022-10-25}}</ref>。ただ、イランとロシアの防衛協力は継続すると語った<ref name=":85" />。
*ゼレンスキー大統領は、イスラエルメディア「ハアレツ」が主催した会合で、事前録画された動画を通じて発言した<ref name=":86">{{Cite web|和書|title=ウクライナ、引き続き防空システムの供与要請 イラン製ドローン対抗へ |url=https://www.cnn.co.jp/world/35195109.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-10-26 |publisher=CNN |date=2022-10-25}}</ref>。イラン製ドローンによる被害を訴え、さらに「残念ながらウクライナはイスラエルの防空システム「[[アイアンドーム]]」は保有していない」と語り、ウクライナには空を守ることができる近代的で効果的な防空・ミサイル防衛システムが配備できておらず、だからこそ、ロシアは空中でのテロ行為で地上での敗北を補おうとしているとの見方を示した<ref name=":86" />。
*ヘルソン州の親ロシア当局が、一部の地元住民による民兵部隊を組織していると明らかにした<ref name=":87">{{Cite web|和書|title=親ロシア派ヘルソン当局、地元住民による民兵部隊を組織|url=https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-russia-kherson-idJPKBN2RJ0KV|work=Reuters|date=2022-10-24|access-date=2022-10-26}}</ref>。地元の男性が自らの意志でヘルソンに残ることを決めた場合、領土防衛部隊に参加する「機会」があるとテレグラムで告知した<ref name=":87" />。ドネツク州などのウクライナの他の占領地域では、これまでに男性が親ロシア派部隊に加わるよう強制されたことがあり懸念が広がっている<ref name=":87" />。また、支配地域の民間人に占領国の軍隊への加入を強制することは、ジュネーブ条約に抵触するとされている<ref name=":87" />。
322 ⟶ 323行目:
*ロシアのショイグ国防相が、中国の魏鳳和国防相、インドのシン国防相とそれぞれ電話会談を行い、この中でショイグ国防相は、ウクライナ側が「[[汚い爆弾]]」を使用する可能性について一方的に懸念を表明した<ref name=":90" />。
*プーチン大統領が、旧ソビエト諸国の治安機関のトップによる会議にオンラインで出席し、「ウクライナ側が『[[汚い爆弾]]』を挑発として利用する計画は知られたところだ」と述べ、「汚い爆弾」をウクライナ側が使用する可能性があるとするこれまでのロシア側の主張を繰り返した<ref name=":90" />。また、ウクライナについて「この国は実質的に主権を失いアメリカから直接、支配されている」と主張した<ref name=":90" />。
*ロシア大統領府が核戦力を運用する陸海空軍部隊による核弾頭搭載可能なミサイルの発射演習などを含む定例核軍事演習「グロム」を実施したと発表した<ref>{{Cite web|和書|title=露が核ミサイル演習 ウクライナと米欧を威嚇 |url=https://www.sankei.com/article/20221026-AWZCSZCWVBN5LBSIH6ON6JHLNQ/ |website=産経ニュース |date=2022-10-26 |access-date=2022-10-27 |publisher=産業経済新聞社}}</ref><ref>{{Cite web|和書|title=プーチン大統領の核デモ…ICBM・SLBM・極超音速ミサイルを全部発射 |url=https://web.archive.org/web/20221112022841/https://japanese.joins.com/JArticle/297044?sectcode=A00&servcode=A00 |website=中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします |access-date=2022-10-27 |publisher=中央日報 |date=2022-10-27}}</ref>。
*アメリカのブリンケン国務長官が、ロシアの対ウクライナ戦争で核兵器が使用された場合の結果について、ロシアのプーチン大統領に直接伝えていると明らかにした<ref name=":92">{{Cite web|和書|title=プーチン氏に警告、核使用なら相応の結果 米国務長官 |url=https://www.cnn.co.jp/usa/35195202.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-10-27 |publisher=CNN |date=2022-10-27}}</ref>。ブリンケン国務長官は[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]のイベントで、「我々はロシア側、プーチン大統領に直接、そして非常に明確に、その結果について伝えた」と語った<ref name=":92" />。
*ロシアのアンドレイ・ケリン駐イギリス大使が、ロンドンでCNNの取材に答え「ロシアは核兵器を使わない。論外だ」と述べた<ref>{{Cite web|和書|title=ロシア大使、ウクライナで核兵器「使わず」 |url=https://www.cnn.co.jp/world/35195213.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-10-27 |publisher=CNN |date=2022-10-27}}</ref>。
340 ⟶ 341行目:
* プーチン大統領が[[ヘルソン州]]の州都[[ヘルソン|ヘルソン市]]一帯の情勢に関し、「住民は最も危険な戦闘地帯から避難する必要がある」と述べた<ref name=":94">{{Cite web|和書|title=プーチン氏、初めて苦戦認める…南部ヘルソン州の州都一帯「住民は避難する必要ある」 |url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20221105-OYT1T50125/ |website=読売新聞オンライン |date=2022-11-05 |access-date=2022-11-05 |publisher=読売新聞社}}</ref>。反転攻勢を強めるウクライナ軍に対し、ロシア軍が苦戦していることを初めて認めたと受けとめられている<ref name=":94" />。
=== 11月5日 ===
* [[イラン]]の[[ホセイン・アミールアブドヤーン|ミールアブドッラーヒヤー]]外相が、ロシアへのドローン供与について「限定的な数のドローンをウクライナでの戦争が始まる数カ月前に提供した」と述べ、イランとして初めて公に認めた<ref name=":95">{{Cite web|和書|title=ロシアへのドローン供与認める 「ウクライナ戦争前」と主張―イラン |url=https://web.archive.org/web/20221105114509/https://www.jiji.com/jc/article?k=2022110500523&g=int |website=時事ドットコム |access-date=2022-11-05 |publisher=時事通信社 |date=2022-11-05}}</ref>。イランはこれまで「ウクライナで使用される武器をロシアに供与していない」という言い回しで、供与の有無についてあいまいな態度を取っていた<ref name=":95" />。
* ウクライナ軍の[[ナタリア・グメニュク]]報道官が、ロシア軍がヘルソン州から撤退すると見せかけ、ウクライナ側の部隊を[[市街戦]]におびき出そうとしていると主張した<ref>{{Cite web|和書|title=ロシア軍の「ヘルソン撤退」は偽装工作か ウクライナ |url=https://www.cnn.co.jp/world/35195630.html |website=CNN.co.jp |access-date=2022-11-07 |language=ja |publisher=CNN |date=2022-11-07}}</ref>。
* イランのアミールアブドヤーン外相が、イランとして初めてロシアにドローンを提供していることを公式に認めたことを受けて、[[日本]]の[[松野博一]]官房長官は、午前の記者会見で「強く非難する。イラン製ドローンによるとされるロシアの攻撃により、ウクライナ各地で多くの市民が犠牲となっていることを極めて深刻に受け止めている」と述べた<ref>{{Cite web|和書|title=【随時更新】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き) {{!}} NHK |url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221107/k10013868671000.html |website=NHKニュース |access-date=2022-11-07 |publisher=日本放送協会 |date=2022-11-07}}</ref>。
 
=== 11月6日 ===
* ウクライナのゼレンスキー大統領は6日夜に配信した国民向けのビデオ演説で、イランがロシアに自爆型ドローンを提供したとして、イランによる対露支援を改めて非難、「イランによるロシアの[[テロリズム|テロ]]行為への加担は必ず断罪されねばならない」と述べた<ref name=":97">{{Cite web|和書|title=【動画】ゼレンスキー氏、無人機供与のイラン非難「テロ行為に加担」 |url=https://www.sankei.com/article/20221107-Z56DZTS5VFMTFHUZ7ZABHJYA2Q/ |website=産経ニュース |date=2022-11-07 |access-date=2022-11-07 |language=ja |first=黒川 |last=信雄}}</ref>。ゼレンスキー大統領は同日もイラン製ドローンによる攻撃で、「残念ながら被害が発生した」と指摘<ref name=":97" />。イランがロシアにドローンを供給しなければ「世界はより平和な状況に近づいていた」として、「ロシアによる戦争の長期化を支援したものは、その結果に対する責任を負わねばならない」と強調した<ref name=":97" />。その上で、イランが「まだうそをついている」とし、アミールアブドヤーン外相の「限られた数を供与した」との主張に対し、「毎日少なくとも10機のイランのドローンを撃墜している」と指摘した<ref name=":98">{{Cite web|和書|title=ゼレンスキー大統領 イランは「まだうそをついている」ロシアへのドローン供与で {{!}} TBS NEWS DIG (1ページ) |url=https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/196881 |website=TBS NEWS DIG |access-date=2022-11-07 |publisher=TBS |date=2022-11-07|archiveurl=https://web.archive.org/web/20221106032441/https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/196881|archivedate=2022-11-06}}</ref>。さらに、「イランの要員がロシアのテロリストにドローンの使い方を教えていたのは確かだ」とし、「イランはそれについて沈黙している」と批判した<ref name=":98" />。
*アメリカの研究グループ「[[38ノース]]」が、[[北朝鮮]]がロシアに武器を輸出している疑いが持たれていた中、北朝鮮からロシア側に運行される3両編成の列車を確認したと発表した。北朝鮮とロシアの間の列車は[[新型コロナウイルス感染症]]の影響で[[2020年]]からは運行がされていなかった。国営の[[ロシア通信]]は同月4日、北朝鮮にあるロシア大使館の話として、ロシアが北朝鮮から衣類や靴などの輸入に非常に関心を持っていると伝えていた。戦地で兵士の装備品などが不足しており、兵士の服や靴である可能性が伝えられた<ref name="NHK1106">{{Cite web|和書|date=2022年11月6日|url=https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221106/k10013882641000.html|title=“北朝鮮からロシアへの列車を確認” 武器輸出疑い指摘の中で|publisher=NHK|accessdate=2022-11-14}}</ref>。