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|画像キャプション =
|ドメイン = [[細菌]] [[:w:Bacteria|Bacteria]]
|門 = [[ファーィルキューテス門]]<br />[[:w:Firmicutes|Firmicutes]]
|綱 = [[クロストリジウム綱]]<br />[[:w:Clostridia|Clostridia]]
|目 = [[クロストリジウム目]]<br />[[:w:Clostridiales|Clostridiales]]
|科 = '''ヘリオバクテリウム科'''<br />'''[[:w:Heliobacteria|Heliobacteriaceae]]'''
|学名 = Heliobacteriaceae {{AU|Madigan and Asao 2010}}
|下位分類名 = 下位分類(属)
|下位分類 =
* ヘリオバクテリウム属 ''Heliobacterium''
* ヘリオバチルス属 ''Heliobacillus''
* ヘリオフィム属 ''Heliophilum''
* ヘリオレスティス属 ''Heliorestis''
}}
 
'''ヘリオバクテリウム科'''([[学名]]([[ラテン語|羅]]):Heliobacteriaceae、一般名([[英語|英]]):Heliobacteria/ヘリオバクテリア)は酸素非発生型[[光栄養]]で生育する[[細菌]]の科である。この科に属す細菌は慣習的に[[光合成細菌]]と呼ばれる場合もあるが、[[光合成]]の性質はない。
'''ヘリオバクテリア'''(Heliobacteria)は酸素非発生型[[光合成]]を行う[[真正細菌]]である。[[16S_rRNA系統解析]]に基づく原核生物の分類によると[[グラム陽性菌]]に分類されるが[[グラム染色]]では[[陰性]]である。[[光合成細菌]]としては最も新しく発見されたグループであり、酸素存在下では生育できない絶対嫌気性細菌である。[[光合成色素]]として[[バクテリオクロロフィル]] ''g'' を用いている点で他の光合成細菌と異なっている。
 
[[ペプチドグリカン]]層が薄いため[[グラム染色]]では[[陰性]]だが、細胞構造そのものはグラム陽性菌に似ている。[[16S_rRNA系統解析]]に基づく原核生物の分類によると[[フィルミクテス門]](ファーミキュテス門)(グラム陽性細菌門)に分類される。[[光合成色素]]として[[バクテリオクロロフィル]] ''g'' を用いている点で、他の[[光栄養細菌]]とは異なっている。酸素存在下では生育できない絶対嫌気性細菌である。
 
==光化学系==
[[光化学反応中心]]は[[光化学系I]]と類似している(鉄硫黄型反応中心である)が、コアタンパク質(PshA)は[[ホモダイマー]]であり、初発電子供与体は P798 である。
一般的に鉄硫黄型反応中心はそのコアタンパク質に鉄硫黄クラスターを二個結合した[[サブユニット]](F<sub>A</sub>/F<sub>B</sub>サブユニット)を持つが、ヘリオバクテリアにおいては強固に結合したF<sub>A</sub>/F<sub>B</sub>サブユニット(PshB)の存在に関して確たる証拠が得られていない。最近、PshBに関して新たな論文が発表され、PshBは存在するが他の光合成生物のF<sub>A</sub>/F<sub>B</sub>サブユニットに比べて非常に弱い結合力でコアタンパク質に結合していることが示唆された。
 
一般的に鉄硫黄型反応中心はそのコアタンパク質に鉄硫黄クラスターを二個結合した[[サブユニット]](F<sub>A</sub>/F<sub>B</sub>サブユニット)を持つが、ヘリオバクテリウム科においては強固に結合したF<sub>A</sub>/F<sub>B</sub>サブユニット(PshB)の存在に関して確たる証拠が得られていない。最近、PshBに関して新たな論文が発表され、PshBは存在するが他の光合成生物のF<sub>A</sub>/F<sub>B</sub>サブユニットに比べて非常に弱い結合力でコアタンパク質に結合していることが示唆された。
また鉄硫黄型反応中心にはコアサブユニットあたり約40分子程度のアンテナとして機能するクロロフィルが結合しているがヘリオバクテリアの反応中心も例外ではない。
 
光合成を行う生物は[[光量子]]を効率よく捕獲するためのアンテナ色素たんぱく複合体(光捕集系)を持つのが一般的であるが、このヘリオバクテリアにおいてはアンテナ色素たんぱく複合体は見つかっていない。
また鉄硫黄型反応中心にはコアサブユニットあたり約40分子程度のアンテナとして機能するクロロフィルが結合しているがヘリオバクテリウム科の反応中心も例外ではない。
 
光合成を行う生物は[[光量子]]を効率よく捕獲するためのアンテナ色素たんぱく複合体(光捕集系)を持つのが一般的であるが、このヘリオバクテリアにおいて科からはアンテナ色素たんぱく複合体は見つかっていない。
 
==発見==
このバクテリア科の細菌の発見は1980、最も古い''Heliobacterium chlorum''の報告でも1985代に入ってからであり、[[合成栄養細菌]](phototrophic bacteria)に分類される細菌の中では最も比較的新しく発見されたい菌群である。水田の土壌から発見されたにもかかわらず生育には絶対嫌気が要求される。酸素存在下では生育は出来できないが、酸素に抵抗性の有る耐性胞子を形成することにより酸素存在下でも耐え忍ぶことができる。
 
==生態==
生育には絶対的な嫌気条件と光が必要であり、光合成により生育が可能であるが、比較的低分子の有機物を元にして光合成を行う利用する光従属栄養生物である。また、嫌気条件において高濃度のピルビン酸存在下では光合成栄養に頼らずに生育することが知られている。
 
==その他==
ヘリオバクテリウム科の細菌が光合成色素として用いるクロロフィル ''g'' は光と酸素存在下でクロロフィル ''a'' 様物質に異性化される。
 
{{DEFAULTSORT:へりおくてりうむか}}
[[Category:真正細菌フィルミクテス門]]
{{Bacteria-stub}}
 
[[ca:Heliobacteri]]
[[de:Heliobacteriaceae]]
[[en:Heliobacteria]]
[[es:Heliobacteria]]
[[uk:Heliobacteriaceae]]