削除された内容 追加された内容
Rei-bot (会話 | 投稿記録)
m robot Adding: pt:CP/M-86
→‎日本語化: 出典年の誤記を修正1973年→1983年
 
(19人の利用者による、間の24版が非表示)
1行目:
{{Infobox OS
'''CP/M-86'''とは、[[デジタルリサーチ]]社が開発した16bit[[CPU]]([[Intel 8086]]シリーズ)用の[[オペレーティングシステム]]。
| name = CP/M-86
| logo = <!-- filename only (no wikilink, no Image:/File:) -->
| logo caption =
| logo size =
| logo alt =
| screenshot = CPM-86.png<!-- filename only (no wikilink, no Image:/File:) -->
| caption = [[IBM PC]]版CP/M-86のスクリーンショット
| screenshot_size =
| screenshot_alt =
| collapsible =
| version of =
| developer = [[デジタルリサーチ]]、[[ゲイリー・キルドール]]
| family = CP/M
| working state = 終了
| source model = [[クローズドソース]]、後に[[オープンソース]]<ref>[https://www.theregister.co.uk/2001/11/26/cp_m_collection_is_back/ CP/M collection is back online with an Open Source licence] The Register, 2001-11-26</ref>
| released = 1981/{{Start date and age|1982}}
| discontinued =
| RTM date =
| GA date =
| latest release version =
| latest release date =
| latest preview version =
| latest preview date =
| marketing target =
| programmed in =
| prog_language =
| language =
| update model =
| package manager =
| supported platforms = [[Intel 8086]]
| kernel type = [[モノリシックカーネル]]<!-- Hybrid, Monolithic, Microkernel, Exokernel, Nanokernel, etc. -->
| userland =
| ui = [[キャラクタユーザインターフェース]]
| license = [[プロプライエタリ]]、後に[[パーミッシブ・ライセンス|BSDスタイル]]
| preceded by = ([[CP/M-80]] 2.2)
| succeeded by = [[コンカレントCP/M-86]] 3.0
| website =
| support status =
| other articles =
}}
'''CP/M-86'''とは、[[デジタルリサーチ]]社が開発した16bit[[CPU]]([[Intel 8086]]シリーズ<ref>[[Intel 8088]]を含む。</ref>)用の[[オペレーティングシステム]]。
 
== 概要 ==
8bit用のOSである[[CP/M|CP/M-80]]の後継にあたり、機能的にはCP/M-80のバージョン2.2に相当する。[[マイクロソフト]]の[[MS-DOS]]との市場争いに敗れ、普及はしなかった。
8bit CPUである[[Intel 8080]]・[[Intel 8085|8085]]およびその互換CPU用のOSである[[CP/M|CP/M-80]]の後継にあたり、機能的にはCP/M-80のバージョン2.2に相当する。
 
8bit用のOSである商業的にはPC DOSとして[[CP/M|CP/M-80IBM PC]]の後継標準採用されり、機能的にはCP/M-80のバージョン2.2に相当する。[[マイクロソフト]]の[[MS-DOS]]との市場争いに敗れ、普及はしなかった。
CP/M-86は16bitのCPU用として豊富な機能を盛り込まれていたが、CP/M-80との[[互換性]]に関してはMS-DOSが優位であった。
 
== 特徴 ==
原始的なマルチタスクシステムとして、コンカレントCP/M-86(CCP/M-86)も登場した。コンカレント(並列性)は称してはいるが、実情はタスクスイッチャであった。Concurrent DOS(CDOS)とも。
CP/M-86は16bit CPU用OSとしてIntel 8086に実装された各種機能を有効活用すべく、豊富な機能を盛り込まれていた。
またマルチユーザーマルチタスク版としてMP/M-86も存在した。
 
また、CP/M-80で多用されていたアプリケーションプログラムによるファンクションコールの呼び出し方法が変更され、call 5、つまり単純なサブルーチン呼び出し命令による0005h番地の呼び出しを止め、セグメントの導入や将来のマルチタスク化を念頭に置いてInt 224 (Int E0h)によるソフトウェア割り込み処理として実装してあるなど、将来的な発展を考慮して様々な変更が施されていた。
==日本語化==
[[1982年]]4月、[[三菱電機]]の[[MULTI16]]に搭載された、「日本語CP/M-86」がリリースされた。これは[[Shift_JIS]]を採用した初めてのオペレーティングシステムとなった。MS-DOSにおけるShift_JIS(厳密にはMS漢字コード)のサポートは、[[1983年]]5月にリリースされたMS-DOS 2.01からとなる。
 
しかし、このように意図的に下位互換性を無視した変更は既存のCP/M-80用アプリケーションソフトの移植に当たってソースコードレベルでの膨大な量の書き換えを必要とする点で難があり、素直にCP/M-80のファンクションコール呼び出し方法を継承してcall 5での呼び出しにも対応し、CP/M-80用ソフトウェアのソースコードをほとんど手直し無しで再アセンブルするだけでも動作するほどの[[互換性]]<ref>当然ながらマシン語命令の異なるCP/M-80用ソースコードそのままでは動作しないが、特別なハードウェア依存性の無いプログラムの場合は、メモリモデルの指定などIntel 8086・8088固有の処理を除けばほぼ機械的な命令の置き換え処理を行い、再アセンブルするだけで動作した。</ref>を備えていた[[マイクロソフト]]の[[MS-DOS]]<ref>ただし、MS-DOSにおいてもファンクションコールの基本はInt 21hによる割り込み処理である。</ref>と比較すると、移植性で不利であった。
==CP/M-80との互換性==
[[Intel 8085]]/[[Intel 8080]]の[[アセンブリ言語|アセンブラ]]の[[ソースコード]]を、Intel 8086用の同等のソースコードに変換するプログラム(XLT86)が存在した。
 
もっとも、この変更の恩恵により上位に当たるシングルユーザー・マルチタスク版としてコンカレントCP/M-86(CCP/M-86)<ref>コンカレント(並列性)は称してはいるが、実情は原始的なタスクスイッチャであった。後にConcurrent DOS(CDOS)と名称が変更されている。</ref>も早期に開発・提供され、さらにマルチユーザー・マルチタスク版としてMP/M-86も提供されており、これらは業務用途では一定の支持を受けていた。
[[Category:Digital Research 社]]
[[Category:オペレーティングシステム]]
 
機能面では初期のMS-DOSと大差なかった<ref>大きな相違の一つに、ファイルの属性およびサイズ管理の有無がある。</ref>CP/M-86であるが、IBMがPC DOS(≒MS-DOS)を標準扱いとしてCP/M-86はUCSD p-systemと共にオプション扱いとした結果、そのシェアには大きな開きが生じ、その後の衰退につながった。
[[en:CP/M-86]]
 
[[pt:CP/M-86]]
== 日本語化 ==
[[sv:CP/M-86]]
[[1982年]]4月、[[三菱電機]]の[[MULTI16MULTI 16シリーズ|MULTI 16]]に搭載された「日本語CP/M-86」<ref>{{Cite book| last1 = 北原 | first1 = 拓也 | title = CP/M-86入門 その機能・仕組み・使い方 | page=149 | year = 1983}}</ref>がリリースされた。これは[[Shift_JIS]]を採用した初めてのオペレーティングシステムとなった。MS-DOSにおけるShift_JIS(厳密には[[Microsoftコードページ932|MS漢字コード]])のサポートは[[1983年]]5月にリリースされたMS-DOS 2.01からとなる。
 
日本においてはMULTI 16シリーズの他、[[富士通]][[FM-11]]シリーズ・[[FM-16β]]シリーズなどの初期のx86系CPU搭載マシンでも標準OSとして採用されたほか日本電気の[[PC-9800シリーズ]]でもサポートされており、それぞれ日本語化されている。
 
== CP/M-80との互換性 ==
[[Intel 8080・8085]]/[[Intel 8080]]の[[アセンブリ言語|アセンブラ]]の[[ソースコード]]をIntel 8086用の同等のソースコードに変換するプログラム(XLT86)が存在した。
 
== 注釈 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|2}}
 
[[enCategory:CP/M-86]]
[[Category:フリーソフトウェアOS]]
[[Category:1982年のソフトウェア]]