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{{参照方法|date=2020年1月}}
'''気候地形学'''(きこうちけいがく Climate Geomorphology)とは、[[気候地形学]]条件がの一分野であり、個々の[[気候]]地形区のなかで、どのような[[侵食作用]]形成影響を与えるとよってう点ら、なる地形が形成されるか考察体系化しようとする[[学問]]。[[地形学]]に含まれ、[[気候学]]とも密接な関連がある。関連する地形形成作用としては、[[風化]]や[[侵食]]作用のほか、[[土壌]]生成作用、[[岩屑]]移動が含まれる。
 
== 歴史概要 ==
気候地形学的観点から[[気候帯]]ごとに[[気候地形]](Climate Topography)の分類が行なわれる。同じ地質条件であっても、気候条件が大きく異ってしまうと、別の地形に発達することになる。気候帯の分布としては、極地方を中心とする氷雪気候地形区、中緯度~熱帯の湿潤気候下の地形区に2大別され、さらに乾燥(気候)地形区が帯状分布を破る区域として現れる。また、高度の高い山岳では、地表で見られる帯状分布が垂直方向に現れ、アルプスなどに見られるように、河食地形に続いて周氷河地形、氷食地形が高度とともに現れる。
時代ごとの[[地球]]上の[[地形]]は現在の気候の制約を受けたメカニズムに沿って形成され、過去から現在にいたるまで、気候と地形は密接な関係を保っている。この関係に注目した研究が気候地形学であり、また地形形成期を明らかにし、現在の地球上にある地形を分析するのが'''気候地形発達史'''という。地形の形成に影響を及ぼしているのは、地球内部からの'''[[内的営力]]'''と[[太陽]]の光と[[大気圏]]に起源を求めることのできる'''[[外的営力]]'''の二つにわけられる。気候地形学はこのうちの外的営力に分けられる。外的営力には様々な種類があるが、その中で最も地形形成に影響を与えるのが気候である。陸上の地形は大気に覆われているため気候の影響を強く受けるためである。気候形成メカニズムの構成は12の要素に分けることができるが、これらの要素は静的要素と動的要素に分けることができる。前者は[[陸水]]・[[雪氷圏]]・生物圏・[[土壌圏]]・分解圏をつくり、後者は侵食・運搬・[[堆積]]の3要素である。いずれも地形形成に欠かすことのできない構成だが、それらを生み出す力は太陽エネルギーに起源を求めることができる。
 
== ビューデルの気候地形学 ==
== 歴史 ==
気候地形学は地形学における新しい研究分野として[[ヨーロッパ]]で発達してきた。約60年前までは地形の調査では、個々の地形の典型例に注目するのが普通であり、気候地形学はまだ新しい観点からの研究であった。[[1948年]]にビューデル([[:de:Julius Büdel]])によって'''気候地形帯'''制約ついての考えが初めて提示された風化および、土壌。ビューデルは気候地成プロセスの細分は、F.フォン・リヒトホーフェン(1886)によって最初に試みられ、ロシアやアメリカなど侵食(erosion)と削剥(denudation)学者状態が違うということを主張した。削剥平坦面とは侵食によって系統的に引継がれていっ平坦面のことである1933年以来しかしこの考え方に対して反論があ、その代表といけJれるのがルイ(H.ビューデLouis)である。によイは組織地形を重視しており、気候地形学派と組織地形学派ドイツにおける地形よりも速く変化す学を二分してきたといえ。最近研究地表走査型電子顕微鏡(SEM)やエネルギー分散システム(EDS)による[[ラテライト]]起伏分析基づいて現在および過去熱帯地形土壌形成プロセス環境反映詳しく議論されているとし、取り上げられてきた
 
== 気候地形帯 ==
気候地形学的観点から[[気候帯]]ごとに[[気候地形]](Climate Topography)の分類が行なわれ地球上の気候地形帯が分類された。気候地形帯は現在ほぼ同質の地形形成メカニズムが作用している地域のことである。ビューデルによれば、気候地形帯は現在分類されている気候帯の境界とは必ずしも一致しない。(気候地形帯の不等性)このことから地形形成メカニズムにはさまざまな要素がまじりあって、相互に影響し、多様なエネルギー転換が行われていることがわかる。
 
== 気候地形帯の分類 ==
地形形成作用上影響を及ぼすあらゆる要因や、現在の気候状態から説明できる地形群を考慮にいれて、以下のような気候帯の区分ができる。
*第1地帯:[[北極]]および[[南極]]の[[氷河]]地帯
*第2地帯:[[極地]]および亜極地の凍結~融解地帯
*第3地帯:冬季寒冷な(ボレアル)森林気候地帯
*第4地帯:湿潤温和な森林気候地帯
*第5地帯:冬季寒冷な森林ステップ・[[ステップ (植生) |ステップ]]・半砂漠・[[砂漠]]および高地砂漠の気候地帯
*第6地帯:熱帯外の[[乾季]]と[[雨季]]とが交代する気候地帯
*第7地帯:湿潤亜熱帯(雨季が卓越し、乾季と雨季とが交代する亜熱帯気候―亜熱帯[[モンスーン気候]]を含む)
*第8地帯:乾燥亜熱帯(乾季が卓越し、乾季と雨季とが交代する亜熱帯気候)地帯
*第9地帯:[[亜熱帯]]~[[熱帯]]の[[砂漠気候]]地帯
*第10地帯:乾燥熱帯周縁(乾季が卓越し、乾季と雨季とが交代する熱帯気候)地帯
*第11地帯:乾季と雨季とが交代する熱帯
*第12地帯:年中湿潤な熱帯
 
== 日本での研究 ==
斜面形成プロセスにおいて気候地形学的な観点から研究がおこなわれることが多い。戦後の斜面プロセスの研究は、日本独自の災害研究の一環として行われてきた。しかし気候地形学的な観点からの研究が[[1960年代]]からあらわれ、[[1970年代]]末から盛んになってきた。守屋(1972)は、[[岐阜県]][[根尾川]]上流山間部で、[[表層崩壊]]状況の観察に基づき、山地における斜面の発達を、[[最終氷期]]の[[周氷河作用]]で作られた凸型斜面に、[[後氷期]]の多雨環境下で崩壊斜面が食い込んでいく過程として統一的にとらえようとした。この考えを羽田野(1974)は発展させ、上部の凸型斜面と下部の崩壊斜面との境界を侵食前線(後氷期解析前線)とよんで地形発達史の意義を強調した。「後氷期解析前線」は、気候変化に関連した斜面の形態変化の概念として、世界に発表されている(Kaizuka and Suzuki,1993)。
 
== 参考文献 ==
* 地形学辞典 町田貞ほか編 『地形学辞典』[[二宮書店]] ISBN 4-8176-0023-3
* 気候地形学 ヘルベルト・ウィルヘルミー([[:de:Herbert Wilhelmy]])  [[谷岡武雄]]・北野善憲訳『気候地形学』
* J・ビューデル著 [[平川一臣]]訳『気候地形学』[[古今書院]](1985)
 
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[[Category:地形学]]