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[[Imageファイル:Zeiss ikon contarex hg.jpg|thumb|right|300px|西独ツァイス・イコン社製コンタレックスI]]
'''ツァイス・イコン'''({{lang-de-short|''Zeiss Ikon'' }})は
#[[カール・ツァイス]]|カール・ツァイス財団({{lang|de|''Carl Zeiss Stiftung'' }})]]傘下で[[1926年]]創設されたツァイス・イコン社[[カメラメーカー]]
#[[コシナ]]とカール・ツァイスが提携し、[[2005年]]に発売された[[レンジファインダー]]カメラ「ツァイス・イコのブラ
である。
 
== 歴史 ==
*[[1920年]][[3月28日]] - [[イカ (カメラ)|イカ]]と[[コンテッサ・ネッテル]]が利益共同体を成立させた。
*[[1926年]] - [[カール・ツァイス]]財団の主導で有力[[カメラ]]メーカーであった[[イカ (カメラ)|イカ]]、[[エルネマン]]、[[ゲルツ]]、[[コンテッサ・ネッテル]]の4社を統合し、カール・ツァイス社の子会社としてツァイス・イコンを設立。本社はエルネマン本社社屋をそのまま使用し、当初は統合前の製品にツァイス・イコンの刻印を押して製造していた。
*[[19281925]][[9月29日]] - 利益共同体に[[ヴェッゲルラー]]のヘンゾと[[カートを合併・ツァイス]]が参加した
**[[12月10日]] - 利益共同体に[[エルネマン]]が参加した。
*[[1926年]][[5月8日]] - 利益共同体が成立したが各メーカー間の競合はなくならず合理化も進まなかったことから、[[カール・ツァイス]]財団の主導で有力[[カメラ]]メーカーであった[[イカ (カメラ)|イカ]]、[[エルネマン]]、[[ゲルツ]]、[[コンテッサ・ネッテル]]の4社が合併契約に調印した。
**[[8月25日]] - 新会社の設立契約が締結された。この際新会社名がツァイス・イコンと決まった。その理由は、ツァイスを使ったのは新たな宣伝費を減らしたかったからで、イコンはただの思いつき<ref name="zeissikonstory-86">『ツァイス・イコン物語』p.86。</ref>。
**[[10月1日]] - 新会社の設立契約が発効した<ref name="zeissikonstory-86" />。資本金は1250万マルク。本社はエルネマン本社社屋をそのまま使用し、社長はイカ社長だった[[エマヌエル・ゴルトベルク]]が就任した。当初は統合前の製品にツァイス・イコンの刻印を押して製造していたが、間もなくエマヌエル・ゴルトベルクはカール・ツァイスから[[ハインツ・キュッペンベンダー]]を呼んで片腕とし、35mmカメラ設計プロジェクトを推進させた。
*[[1927年]][[1月27日]] - カール・ツァイスグループ内での競合を避けるためレンズ、双眼鏡、眼鏡はカール・ツァイスに移管され、[[ショット (ガラス製造業)|ショット]]と[[ゲルツ]]が手がけていた照明器具はツァイス・イコンに一本化するなど、製造品目について契約がされた<ref name="zeissikonstory-90">『ツァイス・イコン物語』p.90。</ref>。
*[[1928年]] - [[ヴェッツラー]]のヘンゾルトを合併した。1500万マルクに増資した<ref name="zeissikonstory-91">『ツァイス・イコン物語』p.91。</ref>。
**2月 - ゲルツの子会社でフィルムメーカーであった<ref>『ツァイス・イコン物語』p.57。</ref>ゲルツ・フォトヘミンシェ・ヴェルケを吸収合併した<ref name="zeissikonstory-91" />。
*[[1929年]] - 最初のオリジナル製品ミロフレックスと最初のオリジナル設計製品[[イコンタ]]発売。
*[[1931年]] - プロンター・シャッターを製造していたアルフレッド・ゴーティル([[プロンター]])を合併。
*[[1932年]] - [[ハインツ・キュッペンベンダー]]を責任者としてライカ判の[[コンタックス]]を発売。当初[[テッサー]]、まもなく[[ゾナー]]F1.5がラインナップされた
*[[1934年]] - [[イコフレックス]]発売。
*[[1945年]] - [[第二次世界大戦]]によりの[[ドレスデン爆撃]]で大きな被害を受け、また戦後は東西分断され。[[西ドイツ]]のツァイス・イコンは[[シュトゥットガルト]]を本拠にした。一方ツァイス・イコンの本拠地[[ドイツ民主共和国|東ドイツ]][[ドレスデン]]の工場は人民工場として発展し、西ドイツのツァイス・イコンと[[商標権]]の侵害訴訟が生じた。[[販売]]地域と[[輸出]]地域を切り分けることで[[和解]]をみた。なお東側ではイエナのカール・ツァイス人民公社の他、ドレスデンを中心に多くの製造公社が人民公社として組織され、統合と分離を繰り返した。ツァイス・イコン、KWカメラ・ヴェルクシュテーテン[[バルダ (ドイツの企業)|バルダ]]、ヴェルタ、クルト・ベンツィンなどは組織化されたが、やがて[[ペンタコン人民公社]]に統合され
*[[19501956年]] - 西側のツァイス・イコンが「コンタッ[[フォスIIa型」発売トレンダー]]の株式を全部取得して協働体制を取った
*[[19561969年]] - 西側のツァイス・イコンが[[フォクトレンダー]]社の株式全部取得して協働体制を取り、[[1969年]]完全合併した。
*[[1971年]] - 西側のツァイス・イコンがカメラ生産から撤退を発表した。これに伴いレンズを供給していたカール・ツァイスは新たな供給先を探し、[[1974年]]日本の[[ヤシカ]]と提携、コンタックスRTSが発売されることとなった。{{main|コンタックス}}
*[[2004年]] - [[コシナ]]とカール・ツァイスが提携し、レンジファインダーカメラ「ツァイス・イコン」発売を決定、[[2005年]][[10月]]に発売された。
 
== 製品一覧 ==<!-- 1929年2月時点、すなわち引き継いだ合併旧4社の機種を売っている段階での機種一覧が『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.9にある -->
== 製品 ==
=== 写真乾板使用カメラ ===
=== 統合前から引き続いて販売された製品 ===
==== 116フィルム使用のカメラアンゴー ====
元々[[ゲルツ]]で製造されていたクラップカメラで、日本においては報道用カメラの元祖として知られる。ツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。{{main|アンゴー}}
===== コカレッテ =====
'''コカレッテ'''(''Cocarette'' )は元々[[コンテッサ・ネッテル]]のフォールディングカメラ。6.5×11cm判。
 
==== 120フィルアト使用のカメラ ====
元々[[ヒュッティヒ]]で製造されていた[[スプリングカメラ]]で、[[イカ (カメラ)|イカ]]を経てツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。6×4.5cm(アトム)判の写真乾板。{{main|アトム (カメラ)}}
[[Image:Zeiss ikon box tengor sst.jpg|thumb|right|100px|ボックステンゴール]]
===== ボックステンゴール =====
元々は[[ゲルツ]]の廉価なボックスカメラ。レンズは戦後までゲルツ銘のまま販売された。当初は6×9cm判のみだったが後に6×4.5cm判が追加された。{{main|ボックステンゴール}}
 
===== コカレッテベベ =====
元々[[イカ (カメラ)|イカ]]で製造されていたカメラで、ツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。{{main|ベベ (カメラ)}}
'''コカレッテ'''(''Cocarette'' )は元々[[コンテッサ・ネッテル]]のフォールディングカメラ。6×9cm判。
 
==== イデアル ====
=== ツァイス・イコン社になってから発売された製品 ===
元々[[ヒュッティヒ]]で製造されていた蛇腹カメラで、[[イカ (カメラ)|イカ]]を経てツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。高級機。{{main|イデアル (カメラ)}}
==== 120フィルム使用のカメラ ====
===== イコフレックス =====
6×6cm判の二眼レフ。{{main|イコフレックス}}
 
===== イコンタジュウェル =====
*'''ジュウェル'''(''Juwel'' ) - 元々[[イカ (カメラ)|イカ]]で製造されていた蛇腹カメラで、ツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。レンズボードシステムによりレンズが交換できる。
 
==== マキシマー ====
*'''マキシマー'''(''Maximar'' ) - 元々[[イカ (カメラ)|イカ]]で製造されていた蛇腹カメラで、ツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。中級機の中でも下位機種。6.5×9cm(大名刺)判、8×10.5cm(手札)判<ref>『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』p.153。</ref>、9×12cm(大手札)判、10×15cm(ポストカード)判、写真乾板またはフィルムパック。コードナンバー207/7。
 
==== ミニマム・パルモス ====
*'''ミニマム・パルモス'''(''Mimimum Palmos'' ) - 元々[[パルモス]]で製造されていたクラップカメラで、[[イカ (カメラ)|イカ]]を経てツァイス・イコンになっても引き続いて製造された。{{main|パルモス#製品一覧}}
 
==== ミロフレックス ====
*'''ミロフレックス'''(''Miroflex'' )<ref>『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』p.82。</ref> - クラップ型一眼レフカメラ。[[コンテッサ・ネッテル]]で開発されており、ツァイス・イコンになっても引き続いて開発が進められ、ツァイス・イコン最初のオリジナル商品となった。6.5×9cm(大名刺)判または9×12cm(大手札)判の乾板またはフィルムパック。
 
=== 116フィルム使用カメラ ===
==== コカレッテ ====
*'''コカレッテ'''(''Cocarette'' ) - 元々[[コンテッサ・ネッテル]]のフォールディングカメラで、統合前から引き続いて販売された。6.5×11cm判。
 
=== 120フィルム使用カメラ ===
[[ファイル:Zeiss ikon box tengor sst.jpg|thumb|right|100px|ボックステンゴール]]
==== ボブ ====
<!---[[ネッター]]のさらに普及版。{{main|ボブ (カメラ)}}--->
元はエルネマンが使用していたブランド。 ツアイスイコン成立後も運用され、イコンタブランド成立後はイコンタ510,イコンタ510/2へと改称している。
ネッターレンズはエルネマン社が開発したものでありレンズとしてのネッターの普及型とするのは誤りである。
 
==== ボックステンゴール ====
元々は[[ゲルツ]]の廉価なボックスカメラ。統合前から引き続いて販売され、レンズは戦後までゲルツ銘のままであった。当初は6×9cm判のみだったが後に6×4.5cm判が追加された。{{main|ボックステンゴール}}
 
==== コカレッテ ====
*'''コカレッテ'''(''Cocarette'' ) - 元々[[コンテッサ・ネッテル]]のフォールディングカメラで、統合前から引き続いて販売された。6×9cm判。
 
==== イコフレックス ====
6×6cm判の二眼レフカメラ。{{main|イコフレックス}}
 
==== イコンタ ====
いわゆるスプリングカメラ。距離計連動の製品はスーパーイコンタと称される。イコンタ、スーパーイコンタともに6×4.5cm判、6×6cm判、6×9cm判がある。{{main|イコンタ}}
 
===== ネッター =====
イコンタの普及版。{{main|ネッター}}
 
==== 126フィルム使用のカメラシンプレックス ====
===== コンタの普及版。{{main|シンプレックス126 =====(カメラ)}}
戦後の普及版レンズシャッターライカ判一眼レフのような外観だがシャッターはフォーカルプレーン式であり一通りの交換レンズシステムを持っている。{{main|コンタフレックス}}
 
==== 127126フィルム使用カメラ ====
===== ベビーボコンタフレックス126 =====
{{Main|コンタフレックス}}
戦後の普及版レンズシャッター24×36mm(ライカ)判の一眼レフカメラに似た外観だが、実際にはシャッターはフォーカルプレーン式であり一通りの交換レンズシステムを持っている[[一眼レフカメラ]]。
 
=== 127フィルム使用カメラ ===
==== ベビーボックス ====
廉価なボックスカメラ。ボックステンゴールの小型版。{{main|ボックステンゴール}}
 
===== ベビーイコンタ =====
3×4cm4×3cm(ヴェスト半裁)判のいわゆるスプリングカメラ。{{main|イコンタ}}
 
===== コリブリ =====
4×3cm(ヴェスト半裁)判の小型カメラ。{{main|コリブリ}}
コリブリ(''Kolibri'' )とはハチドリの意。3×4cm判の小型カメラ。元[[コンテッサ・ネッテル]]にいて後に退社し[[ナーゲル (カメラ)|ナーゲル]]を創業したアウグスト・ナーゲルを中心に開発された。1930年発売。レンズは全て沈胴式で'''ノバー'''5cmF4.5、'''ノバー'''5cmF3.5、'''テッサー'''5cmF3.5、'''テッサー'''5cmF2.8、'''ビオター'''5cmF2がある。
 
==== 135フィルム使用カメラ ====
===== コンタフレックス =====
戦前の高級24×36mm(ライカ判二眼レフカメラ、戦後の普及版レンズシャッター24×36mm(ライカ判一眼レフカメラがある。
{{main|コンタフレックス}}
 
===== コンタレックス =====
出遅れた一眼レフカメラの分野でツァイス・イコンが総力を結集した高級24×36mm(ライカ判一眼レフカメラ
{{main|コンタレックス}}
 
===== コンタックス =====
戦前、および戦後西ドイツのツァイス・イコンから発売された24×36mm(ライカ判レンジファインダーカメラ、東ドイツのツァイス・イコンから発売された24×36mm(ライカ判一眼レフカメラ
{{main|コンタックス}}
 
[[Imageファイル:Zeiss Ikon Contessa.jpg|thumb|right|100px|コンテッサ]]
===== コンテッサ =====
*'''コンテッサ'''(''Contessa '' 、[[1950年]]発売) - '''イコンタ35'''に非連動露出計とドレーカイル式連動距離計を搭載して1950年発売になり1955年まで販売された高級コンパクトスプリングカメラで、すなわち「スーパーイコンタ35」というような位置づけの製品である。[[フーベルト・ネルヴィン]]設計。135フィルムを使用し24×36mm24×36mm(ライカ)判。距離計はドーカイルによるンズは前玉回転式。レンズは'''テッサー'''45mmF2.8で、前期型はツァイス・オプトン、後期型はカール・ツァイス。シャッターはコンパーラピッド、後にシンクロコンパー。ツァイス・イコンのコードナンバー533/24。セルフコッキングではないがスプロケットが回らないとシャッターが切れない二重露出防止機構を備える。フィルムを入れフィルムカウンターをスタートマークに合わせて巻き上げて行くと自動的に1コマ目で止まる。左右対称で美しく、コンパクトでよく写るため人気がある。'''コンテッサ'''(''Contessa'' )と名称はツァイス・イコンの母体の一つ[[コンテッサ・ネッテル]]に由来すると思われるが、イタリア語で伯爵夫人の意味があるため「貴婦人」等の愛称がある。1955年まで販売された。1960年に名称だけ復活したが、これらは全く取り柄のない固定鏡胴の廉価版カメラに堕してしまっていた<ref>『ドイツカメラのスタイリング』p.52。</ref>
 
==== コンティナ ====
[[フーベルト・ネルヴィン]]設計のスプリングカメラ。24×36mm(ライカ)判。
*'''コンティナ'''(''Contina '' 、[[1948年]]発売)/'''コンティナII'''(''Contina II'' ) - 非連動距離計を内蔵。後にイコンタ35がコンティナIに改名されるのに伴い改名された。
*'''コンティナI'''(''Contina I'' ) - [[イコンタ]]35から改名された。距離計なし。
*'''コンティナIIa'''(''Contina IIa'' 、[[1955年]]発売) - レンズが固定鏡胴となった。
 
===== コンチナイカレックス =====
[[フォクトレンダー]]との合併後発売された24×36mm(ライカ)判一眼レフカメラ。{{main|イカレックス}}
'''コンチナ'''(''Contina '' )は[[フーベルト・ネルヴィン]]設計のスプリングカメラ。24×36mm判。
*'''コンチナ'''/'''コンチナII'''(1948年発売) - 非連動距離計を内蔵。後にイコンタ35がコンチナIに改名されるのに伴いコンチナIIと改名された。
*'''コンチナI''' - [[イコンタ]]35から改名された。距離計なし。
*'''コンチナIIa'''(1955年発売) - レンズが固定鏡胴となった。
 
===== イカレコネクステ35 =====
[[1958年]]発売の入門機。巻き上げはレンズの横のレバーで行うテナックス式。レンズは'''ノバー'''45mm3.5、シャッターはプロント。外装はプラスチックボディー、ビニール張り。光漏れが多発して回収された。
[[フォクトレンダー]]との合併後発売されたライカ判一眼レフ。{{main|イカレックス}}
 
===== イコネッテンタ35 =====
コンパクトな24×36mm(ライカ)判スプリングカメラ。後に'''コンティナI'''と改名された。{{main|イコンタ}}
1958年発売の入門機。巻き上げはレンズの横のレバーで行うテナックス式。レンズはノバー45mm3.5、シャッターはプロント。外装はプラスチックボディー、ビニール張り。光漏れが多発して回収された。
 
===== イコン35ックス =====
*'''ネタックス'''(''Nettax'' 、[[1936年]]発売<ref name="clacamesenka11-42">『クラシックカメラ専科No.11、コレクターズ情報満載』p.42。</ref>) - スーパーネッテルの後継であり、すなわち[[コンタックス]]IIの普及機という位置づけであったが、専用バヨネットマウントによりレンズ交換が可能となり、折畳式でなくなっている。ファインダーは0.5倍のガリレオ式で、それと別に、レンズマウント基部に基線長32mm、等倍のドレーカイル式連動距離計を装備する。コンタックス用から光学系を流用した'''テッサー'''5cmF2.8、'''テッサー'''5cmF3.5と、専用設計の'''トリオター'''10.5cmF5.6があった。'''トリオター'''10.5cmF5.6を使用する場合のため外付けアルバダ式ファインダーが用意されていた。純正アダプター538/39によりコンタックス用'''テッサー'''2.8cmF8を使用できるが、この場合は距離計は連動しない。'''テッサー'''5cmF2.8と'''テッサー'''5cmF3.5はドレーカイル機構が組み込まれた基部を外して純正アダプター538/40を介してコンタックス用の接写レンズとして使用できる。シャッターはコンタックスIIに搭載されたのとほぼ同じ、ドラムがアルミニウムと黄銅、黄銅製幕を麻リボンで駆動するフォーカルプレーン式で1/5秒から1/1000秒<ref name="clacamesenka11-42" />。ツァイス・イコンのコードナンバー538/24。
コンパクトなライカ判蛇腹カメラ。後にコンチナIと改名された。{{main|イコンタ}}
 
===== スーパークステル =====
[[コンタックス]]Iの廉価版という位置づけのカメラ。後継はネタックス。
*'''ネタックス'''(''Nettax'' 、1936年発売) - スーパーネッテルの後継であり、すなわちコンタックスIIの普及機という位置づけであったが、専用マウントによりレンズ交換が可能となり、折畳式でなくなっている。ファインダーと別に基線長3.25cmの距離計を装備する。<!-- 距離計連動?-->交換レンズには沈胴式テッサー5cmF2.8、トリオター10.5cmF5.6があった。また純正アダプターによりコンタックス用テッサー2.8cmF8を使用できる。シャッターはコンタックスIIに搭載されたのと同種の金属幕フォーカルプレーン式で1/5秒から1/1000秒。ツァイス・イコンのコードナンバー538/24。
*'''スーパーネッテルI'''(''Super Nettel I'' 、[[1934年]]発売) - [[フーベルト・ネルヴィン]]設計。距離計連動スプリングカメラ。24×36mm(ライカ)判。'''テッサー'''5cmF2.8または'''テッサー'''5cmF3.5または'''トリオター'''5cmF3.5が固定されレンズ交換はできない。最高速1/1000秒のフォーカルプレーンシャッター。コードナンバー536/24。
*'''スーパーネッテルII'''(''Super Nettel II'' 、[[1936年]]発売) - クローム仕上げ。'''テッサー'''5cmF2.8。2000台の限定生産。コードナンバー537/24。
 
===== スーパーネッナックス/タクソナ =====
テナックスは元々[[ゲルツ]]の商標だが、その時代に発売された製品と機構上の共通点はない。24×24mm判コンパクトカメラ。フィルム巻き上げが「招き猫」と俗称される特徴的なレバー式で、いわゆる[[レチナ]]式のレバー巻き上げが一般的になる前に試行錯誤された迅速巻き上げ方式の一つ。[[フーベルト・ネルヴィン]]設計。東ドイツのツァイスが西側で旧ツァイスの商標を使えなくなったため'''タクソナ'''と改名された。{{main|テナックス}}
'''スーパーネッテル'''(''Super Nettel'' )は[[コンタックス]]Iの廉価版という位置づけのカメラ。後継はネタックス。
*'''スーパーネッテルI'''(1934年発売) - [[フーベルト・ネルヴィン]]設計。距離計連動ライカ判蛇腹カメラ。'''テッサー'''5cmF2.8または'''テッサー'''5cmF3.5またはトリオター5cmF3.5が固定されレンズ交換は出来ない。最高速1/1000秒のフォーカルプレーンシャッター。コードナンバー536/24。
*'''スーパーネッテルII'''(1936年発売) - クローム仕上げ。'''テッサー'''5cmF2.8。2000台の限定生産。コードナンバー537/24。
 
=== 写真フィルム ===
===== テナックス/タクソナ =====
テナックスブランドでロールフィルムやパックフィルムを製造していた[[ゲルツ]]の子会社'''ゲルツ・フォトヘミシェ・ヴェルケ'''(''Goerz Photochemische Werke Gmbh'' )を[[1928年]]2月に合併し、[[写真フィルム]]を製造販売していた<ref name="zeissikonstory-91" />。
'''テナックス'''(''Tenax'' )は元々[[ゲルツ]]の商標だが、その時代に発売された製品と機構上の共通点はない。135フィルムを使用し24×24mm判コンパクトカメラ。フィルム巻き上げが「招き猫」と俗称される特徴的なレバー式で、いわゆるレチナ式のレバー巻き上げが一般的になる前に試行錯誤された迅速巻き上げ方式の一つ。[[フーベルト・ネルヴィン]]設計。
*'''テナックス'''/'''テナックスII'''(1938年発売) - ファインダーと一体式の連動距離計を装備し、専用バヨネットマウントでレンズ交換が可能。交換レンズは'''オルソメター'''2.7cmF4.5、'''ゾナー'''4cmF2、'''テッサー4cmF2.8'''、'''ゾナー'''7.5cmF4がある。シャッターは最高速1/400秒のコンパーラピッドをビハインドシャッターとして使用している。巻き上げレバーはカメラ正面から見てレンズの左側にある。オプションとして2.7cm用外付けファインダー、7.5cm用ファインダーマスク、4/7.5cmアルバダファインダー等が用意された。発売当初は「テナックス」であったがテナックスI発売に伴いテナックスIIに改名された。
[[Image:Tenax I.jpg|thumb|right|100px|テナックスI、1953年以降型]]
*'''テナックスI'''(1939年発売) - 距離計なし、レンズは'''ノバー'''3.5cmF3.5または'''テッサー'''3.5cmF2.8、シャッターはコンパー。ファインダーは折り畳み式。巻き上げレバーはカメラ正面から見てレンズの右側にある。指が当たる部分はカメラ側に折り畳み可能。レンズは'''ノバー'''3.5cmF3.5または'''テッサー'''3.5cmF2.8。戦後東ドイツでテッサー37.5mmF3.5またはノバー35mmF3.5を装着し生産が継続された。この時のコードナンバーはテッサーつき111/24、ノバー付き111/23。1953年にファインダーをトップカバー内に内蔵し、巻き上げレバーが折り畳み出来ないモデルにマイナーチェンジされたが、まもなく東ドイツのツァイスが西側で旧ツァイスの商標を使えなくなったため'''タクソナ'''(''Taxona'' )と改名され、同時にレンズも'''ノボナー'''(''Novonar'' )という名称になっている。
 
=== 保安設備 ===
==== その他のフィルムを使用するカメラ ====
ゲルツの関連会社ハーン(''AG Hahn für Mechanik & Optik'' )を合併したため錠前なども製造しており<ref name="zeissikonstory-90" />、[[2011年]]現在、[[アッサ・アブロイ]]傘下でツァイス・イコンブランドでの保安設備の製造が続けられている。
===== ミロフレックス =====
クラップ型一眼レフ。[[コンテッサ・ネッテル]]で開発されており、[[ツァイス・イコン]]になっても引き続いて開発が進められ、[[ツァイス・イコン]]最初のオリジナル商品となった。6.5×9cmまたは9×12cmの乾板またはフィルムパック。
 
=== 新生ツァイスイコン ===
[[カール・ツァイス]]は[[アーノルド&リヒター]]製のアリフレックスに装着する映画用のウルトラプライムなど超高性能レンズを製造しており、その技術を一般スチルカメラ用に転用しようとした。[[一眼レフカメラ]]ではレンズ設計に制約が出るため[[レンジファインダーカメラ]]を想定したが、市場にはそこまでの高精度なカメラは存在しなかった。カール・ツァイスには1902年から1909年までの[[パルモス]]、第二次世界大戦後すぐのイエナ[[コンタックス]]や[[ヴェラ (カメラ)|ヴェラ]]しか製造経験がなく、[[コシナ]]に製造を委託した。ボディデザインは[[ポルシェデザイン]]とも相談したが結局ヘンスラー・シュルトハイス(''Hennsler Schultheiss'' )に依頼した<ref>『ツァイス・イコン物語』p.176。</ref>。ボディはコシナ、レンズは15mmと85mm以外はコシナ、15mmと85mmはツァイスが担当した。
ボディはコシナ、レンズはコシナとツァイス(15mm、85mm)がそれぞれ担当。
 
==== ツァイスイコンボディー ====
*'''ツァイスイコン'''(''Zeiss Ikon'' 、[[2005年]][[10月29日]]シルバー発売) - 135フィルムを使用し24×36mm(ライカ判レンズ交換型レンジファインダーカメラ。電子[[シャッター_(カメラ)|シャッター]]搭載。マニュアル露出、絞り優先[[AEカメラ|AE]]対応。シャッターの最高速度は1/2000秒。[[露出 (写真)|露出]]補正は1/3ステップ。
*'''ツァイスイコンSW'''(''Zeiss Ikon SW'' ) - '''ツァイスイコン'''から距離計とファインダーを取り去った機体。広角レンズでの使用を前提に開発された。露出はLEDで示される点以外は何ら変わらない。ファインダーレスのためやや低いボディに青いZeissバッチが目に付く。
 
==== ツァイスイコン用レンズ ====
レンズマウントはライカMマウントと互換性があるZMマウント。
{{Main|ライカマウントレンズの一覧#カール・ツァイス}}
*'''ディスタゴン'''15mmF2.8
*'''ディスタゴン'''18mmF4
*'''ビオゴン'''21mmF2.8
*'''Cビオゴン'''21mmF4.5
*'''ビオゴン'''25mmF2.8
*'''ビオゴン'''28mmF2.8
*'''ビオゴン'''35mmF2
*'''プラナー'''50mmF2
*'''Cゾナー'''50mmF1.5
*'''ゾナー'''85mmF2
 
== 関連項目 ==
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=== その他 ===
*[[シュナイダー・クロイツナッハ]] - 東側ツァイス・イコンの末裔である[[ペンタコン公社]]を吸収した。
<!--
== 注釈 ==
{{Reflist|group="注釈"}}
-->
== 出典 ==
{{脚注ヘルプ}}{{Reflist}}
 
== 参考文献 ==
[[de:Zeiss-Ikon]]
*『クラシックカメラ専科No.2、名機105の使い方』[[朝日ソノラマ]]
[[en:Zeiss Ikon]]
*『クラシックカメラ専科No.11、コレクターズ情報満載』朝日ソノラマ
*『クラシックカメラ専科No.12、ミノルタカメラのすべて』朝日ソノラマ
*佐貫亦男『ドイツカメラのスタイリング』[[青泉社|グリーンアロー出版社]] ISBN 4-7663-3189-3
*鈴木八郎『現代カメラ新書No.6、クラシックカメラ入門』朝日ソノラマ
*竹田正一郎『ツァイス・イコン物語』[[潮書房光人社|光人社]] ISBN 978-4-7698-1455-9
 
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:つあいすいこん}}
{{デフォルトソート:つあいすいこん}}
[[Category:カール・ツァイス]]
[[Category:カメラメーカーツァイスブライコ|*]]
[[Category:カメラ製品の一覧]]
[[Category:ドイツの企業カメラメーカー・ブランド]]
[[Category:日本のカメラメーカー・ブランド]]
[[Category:写真フィルムのメーカー・ブランド]]
[[Category:防犯]]